金融危機

キアッソ米国債事件について思うこと

金融危機

原田武夫氏が動画の中で述べている、キアッソ米国債事件について今日は書きたいぞ!原田武夫氏は、ここで捕まった2名の日本人の一人から話を聞いているとのことだ。

キアッソ米国債事件とは簡単に言うと、2009年6月3日にイタリアとスイスの国境の町キアッソ(スイス側)で、巨額のアメリカ国債を持った日本人2人組がスイスに入ろうとしたところでスイス当局に拘束された事件だ。

なお、2人が持っていたアメリカ国債は巨額であり、中国・日本・ロシアに次ぐ世界第4位の保有高であったとのことだ。

こんな状況の中で、日本はアメリカにくっついて経済的に滅亡の道を歩むと思っていたが、アメリカに反旗を翻してこっそりブラックマーケットにアメリカ国債を売りに行ったかと思ったので、政府を少し見直すとともに、続報を非常に期待していた事件でもあった(当然ながら続報は一切無かった)。

ということで、原田武夫氏がワザワザこの事件について言及しており、意外と深い意味がありそうなので、当時を懐かしみながら事件の背景を考えてみよう。

当時はリーマンショック脱却のため、アメリカはQE(量的緩和)を続けていた。その資金を株式市場に注入して株価の上昇を演出し、また、債券市場やインターバンク市場に投入してドルを買い支え、一方で先物市場では金を売り浴びせるなど、金融市場が安定化・活性化したと見せかけることで好景気を演出していた。

当時は、G8財務相会合でも金融市場が再び活性化しつつあり、世界的な不況の終わりも近いという声明が発っせられたが、所詮は砂上の楼閣でありQEをやめた途端に崩壊するものだった。

ここまで書いてて思ったが、当時も今も状況は全然変わってないな。というか、QEによる資金注入額が莫大になった分、当時より悪くなっているな。

ということで、無価値になる可能性の高い米国債をせっせと買いあさる日本政府に対して「税金無駄にしやがって」くらいしか思っていなかった矢先に事件が報じられた。

2009年6月3日のことだった。イタリアから国境を越えてスイスに入る国際電車の国境検問がスイス側にあるキアッソの駅であった。

その際に50代と60代の日本人男性2名が、1,345億ドル(1ドル100円換算で13兆4,500億円!!)という途方もない額のアメリカ国債を隠し持っていたのが見つかり、キアッソの警察当局とイタリア財務警察に逮捕された。罪状は「無申告で持ち出せる額を超えている」ということだったらしいが…いやいや、そんな問題じゃないだろ。

何でも、スーツケースに隠し底を作って、額面5億ドル(1934年発行とのこと)相当のアメリカ国債を数百枚持っていたほか、アメリカが発行するその他の債券も相当額持っていたとのことだ。

冒頭にも書いたが、この2名の日本人が持っていたアメリカ国債が本物だとしたら、その時点でこの2名は中国・日本・ロシアに次いで世界第4位の米国債保有者であった。なお、1位も2位も3位も国家ですけどね。

この件について現在分かっていることだが、イタリア財務警察はアメリカ証券取引委員会に押収した債券の真贋鑑定を依頼し、その結果、2名の日本人が持っていたアメリカ国債や債券は偽造されたものであり、イタリアのマフィアが作ったニセモノだと報じられている(イタリア財務警察・アメリカのシークレットサービスが発表)。

アメリカ財務省も、無記名式の米国債は1億ドル程度しか流通していないこと、そして、1,000億ドル以上の無記名米国債は存在しないことを理由に、本件のアメリカ国債は偽造である旨を発表している。

さらに、この2名の日本人は、神奈川県在住の60代男性と福岡県在住の50代男性であり、イタリアでは偽造国債は使用しなければ罪ではないとのことで釈放されたとのことだ。このうちの一人が、原田武夫氏に情報をもたらしている人ということになる。

 

これが、これまでに分かっている「キアッソ米国債事件」の概要となるが、根本的なところが不明のままであることにお気づきだろうか。

そう、この2名の日本人は一体、何のためにこんなにも巨額のアメリカ国債を保持し、スイスに持ち込もうとしたのか、全く分からないのだ。

よく考えて欲しい。2人の日本人が保持していたアメリカ国債はその額面があまりに巨額であり、通常のマーケットで取引されるようなものでは無かった。金融機関同士あるいは政府間取引で使用されるもので、個人向け国債とかそんなものでは断じてない。

当然、そんな専門家同士の取引において偽造国債などすぐにバレてしまい使うことができないし、そもそも偽造国債など持ち込もうものなら、一気に信用を失って、金融機関なら破綻待ったなしだ。

つまり、この2名が持っていたアメリカ国債が偽造だとすれば換金不可能であり、わざわざ危険を冒してまで偽装して、さらにスイスに入って売りさばこうとする意味が全くないだろう。

つまりどう考えても、アメリカドルやアメリカ国債の崩壊を予測し、日本政府が保有するアメリカ国債を、スイスにあるブラックマーケットで売ろうとしたとしか考えられないのだ。

リーマンショック以降、QEにより偽りの好景気を演出し金融市場の延命を図ったのは、その勢力を拡大したい国際金融資本勢力だった。

日本においても、国際金融資本勢力に追随し甘い汁を吸っている高級官僚や清話会グループといった勢力が主流であり、表立って金を買い増したりアメリカ国債を売ることができない状況であったが、愛国心あふれる人間が、ジェームズボンドばりに大胆な行動に出たのではないだろうか。

おそらく、イタリアやスイス当局にも巨額のアメリカ国債を持った日本人がいることはリークされていたのだろう。結果は明らかに失敗だった。

また、1人は財務官僚だったとか、1人は大物の親族で無事だったが1人は帰国後に事故で死亡したとか、噂レベルでは色々な話もある。

いずれにせよ、国際金融資本勢力が支配する政府や省庁にあって、それに対抗する人がいることについて明るい希望の光が見えた気がした、そんな当時を思い出したし、そんな人が原田武夫氏に情報提供しているということのようなので記事にしてみた。

2019.12.10追記

当時はあまり思わなかったが、キアッソの米国債が日本が保有する国債だったとしたら日本保有分の大部分を一気に手放すこととなり、国債マーケットが崩壊するよな。

これがマーケットの崩壊に繋がらないのは、元々帳簿にない資産(米国債)だったからなんだな。帳簿には無いが、実際にある帳簿外の資産。すなわち簿外資産だった。

どうりで、古びた米国債だったわけだ。額面からは1934年発行とのことだ。

原田武夫氏の言う、中国客家(はっか)を基点とする簿外資産。日本では清和会が好き勝手にしてしまっていたところ、正しき流れに戻そうと持ち出したところを捕まったと言ったところか。

先日、ローマ教皇が来たのも、現在の金融バブル維持のために簿外資産の放出を求めてきたのかもしれない。

だが、国際金融資本勢力が支配する世の流れは正常ではなく、現体制を維持するための簿外資産の放出はおそらく無い。

日本はいち早くデフォルトにより、体制の転換を図っていく。そんな未来なのだろうか。


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