アメリカ大統領選挙について、気になるニュースがいくつか出てきた。
まず、一般調達局(GSA)が、バイデン政権への移行手続きを始めたというものだ。
これまで一般調達局(GSA)は、バイデン勝利の選挙結果はマスコミが報じているだけのものとし、トランプの敗北宣言や、選挙人による正式なバイデン選出が行われておらず、結果は確定していないとしていた。
このため、バイデンは機密情報へのアクセスや政府予算を使うことが出来ず、事実上政権移行プロセスは止まっていた。
ところが、一転して一般調達局(GSA)が政権移行手続きを認めたことを受けて、連邦政府としてバイデンに政権移行手続き開始を認めたと報じられた。
【速報】
米CNNテレビによると、連邦政府はバイデン氏に対し政権移行手続きの開始を認める方針を伝えた(ワシントン時事) https://t.co/PZVtYgzOBL— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) November 23, 2020
報道の中身は、要は一般調達局長官が、正式に政権移行プロセスを開始する旨の文書を発出したというもの。
ただ、トランプはツイッターで「大統領選の敗北は認めない」「法廷闘争は続ける」とツイートしており、政権移行プロセスを承認したのは、一般調達局長官のエミリー・マーフィー氏が殺害予告を受けていることを受けたものとしている。
トランプのツイートがこれ。
I want to thank Emily Murphy at GSA for her steadfast dedication and loyalty to our Country. She has been harassed, threatened, and abused – and I do not want to see this happen to her, her family, or employees of GSA. Our case STRONGLY continues, we will keep up the good…
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) November 23, 2020
翻訳:
私は、GSA のエミリー・マーフィーの献身と国への忠誠心に感謝したい。彼女は嫌がらせを受け、脅迫され、虐待されてきた。私は、彼女や彼女の家族、GSAの従業員にこのようなことをされるのを見たくありません。私たちは継続して善戦し、勝つと信じています。
しかしながら、国家の最善の利益のために、私はエミリーと彼女のチームが政権移行に関しての最初の手続きに入ることを推奨し、私のチームにも同じように伝えました。
うーん、トランプは、最終的には自分が勝つとしつつも、一般調達局への脅迫を心配して政権移行プロセスを承認したとしている。
確かに、一般調達局には連日、脅迫状が届いたり、局の庁舎前でバイデン支持者による死体袋を並べるパフォーマンスなどが行われていたとのこと。
もっとも、エミリー・マーフィー長官によれば、今回の決定と脅迫とは無関係とのことだ。さらに、民主党からの圧力も無かったとしている。まあ、権限を預かる公務員として「脅迫や圧力に屈してやりました」とは言えないだろうけど。
いずれにせよ、今回の決定により、バイデン政権への移行のために6億円規模の政府資金が提供されたり、機密情報などのバイデン政権へのブリーフィングが行われることになる。
それにしても気になるのは、何でこんな決定をしたのかというところ。
トランプとしては、「負けてないから政権移行しないよーん」で済んだハズだ。わざわざ、マーフィー長官への脅迫を理由に移行プロセスを認める必要は無い。
また、マーフィー長官にしても、大統領の決定は一般調達局ではなく「憲法に規定されたプロセスによる」との立場で、現状は全州が「正式に」結果を承認しておらず、メディアが言っているに過ぎないというのが長官の立場だ。
急なスタンス変更の理由は分からない。
次に気になるのが、このニュース。
米ミシガン州の共和党幹部“選挙結果変わらない” https://t.co/gnuyjsDlkY
— テレ朝news (@tv_asahi_news) November 22, 2020
この報道は、11月20日に、トランプが共和党が多数を占めるミシガン州議会の上下両院議長とホワイトハウスで面会したというもの。
ミシガン州は、トランプが僅差で敗北した州だ。
ミシガン州議会では、上下院の多数派は共和党であり、州議会上下院議長と言えば、ミシガン州共和党の重鎮だ。
その両院議長2名をホワイトハウスに呼び出して、トランプが何を話したのか。「会談の中身は明らかになっていない」と報じられているが、以下の内容と言われている。
- ミシガン州の選挙結果(トランプ敗北)を認めないよう圧力
- ミシガン州の選挙人を、共和党トランプの選挙人を選び直すよう要求
朝日の報道によれば、両院議長は「選挙結果を変更させるべき情報は何もない」と述べたのことだ。
他の報道も総合すると、両議長は「バイデン勝利」とまでは言い切らなかったが、結果を変更する(=トランプ勝利とする)情報ないと明言しているのは間違いない。
トランプ、味方の共和党議員に手を噛まれたでござるの巻・・ということで「トランプ、説得に失敗」と報道されまくっている。
以前のブログで紹介したとおり、今回の大統領選は、訴訟や再集計作業により12月8日までに選挙結果が確定していない場合は、憲法の規定により州議会が選挙人を決めることとなる。
歴史に残る激戦となったアメリカ大統領選挙は、事前のマスコミ報道のとおり、バイデンが制した。何と、史上最高齢の大統領になるとか。ジョー・バイデン前副大統領は、就任時点で「史上最高齢の大統領」となる見通しです。https://t[…]
この裏技を狙って両議長に頼んだんだろうが、よりによって断られた。しかも、マスコミに報道された。
で、ここで疑問なのが、両議長がわざわざマスコミに声明を発表したのは何故かというところだ。
もっと言うと、トランプは両議長が断ることなど事前に把握していただろう。なのに、どうしてこの二人を呼び出して、しかもマスコミに声明まで出させたのか。
マスコミは親バイデン反トランプだ。選挙を応援してくれたFOXニュースやウォールストリートジャーナルさえも、最近は反トランプに転向しつつある。
一般調達局の移行プロセス承認の件も、ミシガン州議会両院議長の件も、マスコミにとってはバイデン政権ウェルカムの燃料にしかならない。
やらなくても良いことをやって、マスコミによるバイデン大統領確定報道にお墨付きを与えているような感じだ。
そして、最後に気になっているのがトランプ弁護団のシドニー・パウエルに関するもの。
米大統領選で敗北が確実になったドナルド・トランプ大統領の陣営は22日、大統領選に関する根拠の無い陰謀論を主張し、広く嘲笑… https://t.co/nOlAOrNG3s
— AFPBB News (@afpbbcom) November 23, 2020
トランプ陣営は、「シドニー・パウエルはトランプ陣営とは関係ありましぇ~ん」と述べているとのこと。
パウエルがトランプ陣営から外れた理由について、トランプが「自身を不利にしている」と言ったとか、「さすがのトランプ氏にとっても、彼女はクレージー過ぎた」とか言われているようだ。
彼女が追っているのは、ドミニオン社のシステムによる不正行為だ。
アメリカ大統領選について、ジョージア州ではトランプ票とバイデン票の差が僅差であったことから、州の規定により再集計をしていた。その最中に、ジョージア州では4郡で未集計票が出てきたとのことで、トランプも怒りのツイート!FLOYD[…]
彼女がクビになったのは、ドミニオン社の投票集計システムについて、ベネズエラのチャベス元大統領との関係だけでなく、クリントンやジョージ・ソロス、オバマ前大統領などが関わっているなど、壮大な陰謀論を記者会見で大真面目な顔で語ってしまうクレージーさが原因とされる。
このほか、ドミニオン社の選挙不正を追及する過程で、一部の共和党員も敵対することになるので、トランプ陣営にはいない方がいいとの判断だった、という話もあるが・・。
なお、シドニー・パウエルは以下のとおり声明を出している。
- 私はトランプ弁護団の一員ではないというトランプ陣営の声明に同意する。
- 私はトランプ大統領に対して、契約書に署名したり費用を請求したことはない。
- 私は、共和党・民主党の別なく、全てのの不正行為を暴く。
- 私が集めた証拠では、このソフトウェアがトランプや他の共和党候補から、バイデンや他の民主党候補へ数百万票を移動させるために使われたということを示している。
- 我々は訴訟準備を進めており、今週中にそれを提出する。
- 共産主義者による選挙簒奪は許さない。
注)共産主義者とは中国ではなく、グローバリストや民主党左派のことと思われる。UBIとか進めているし。
どうやら、報道されているように「クレージーだからクビ」ではなく、何か目的を持って別動隊になっている感じがするな。
マイケル・フリンもパウエルが別動隊になっていると言っているようだ。
.@SidneyPowell1 has been suspended from Twitter for 12 hours. She understands the WH press release & agrees with it. She is staying the course to prove the massive deliberate election fraud that robbed #WeThePeople of our votes for President Trump & other Republican candidates.
— General Flynn (@GenFlynn) November 23, 2020
翻訳:
シドニー・パウエルのツイッターアカウントは12時間ブロックされた。彼女はホワイトハウスのプレスリリース(パウエルはトランプ陣営の弁護士団に属していない)は理解している。彼女は、私たちから投票を奪った大規模な不正を暴くため、トランプ大統領とそのほか共和党の議員候補への投票のために動いている。
シドニー・パウエルは、冤罪で追い詰められていたマイケル・フリンの弁護を担当し、無実の罪を認めざるを得なかった瀬戸際から、大逆転で無罪を勝ち取った凄腕の弁護士だ。
マイケル・フリンは、オバマやヒラリー、バイデンに嵌められる形で罪に問われ、おそらくCIAも関係していたと言われている。パウエルはCIA相手に司法の場で勝星を収めた経験を持つ。
そんなパウエルは、FOXニュースで「大規模かつ組織的な選挙不正が行われた十分な証拠や証人を得ており、トランプは完璧にバイデンを負かした」と述べたうえで、「対応できないほどの内部告発があり、連邦政府の法律に違反し厳しく罰せられる」として、自首を呼び掛けた模様だ。
パウエル強気の背景には、ドミニオン社で働く何名かが「宣誓供述書」によりプログラムの違法性を証言してるとのことだ。供述書と合わせて、物的証拠も手に入れているかも。
で、この中で言っていた気になる一言。
シドニー・パウエルさんの、
「クラーケンを放ちます!」
というセリフと言い方、めちゃくちゃカッコよかったなあ。— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) November 18, 2020
このクラーケンと言うのは、CIAのハッキングプログラムらしいとの話が出ている。
「KRAKEN」はCIAハッキングプログラムです
WikiLeaksがCIAの今回の件をリークしておりました
Wikileaksが8,761のCIAドキュメントを投下💥
極秘のCIAユニットが、EU、中国、中東への多数のハッキング攻撃の出発点としてドイツのフランクフルトを使用していた事を明らかにしたhttps://t.co/wUDhHgeKrl— mei (@mei98862477) November 23, 2020
出所はウィキリークスとか。
「クラーケンを解き放つ」とは、逆にクラーケンを活用して集めた証拠を解き放つ、ということなのか。
ところで、ドミニオン社のシステムについて、トランプ当選の際にロシアが介入した選挙不正が疑われたことがあった(ロシアゲート)。
CNNでは番組の中で、ハッカーがドミニオン投票マシンにわずか数時間で侵入成功していた様子を放送していた。なお、CNNはトランプ陣営が主張するドミニオン投票マシンを活用した不正疑惑については無言を貫いている。
トランプ陣営の攻撃は、かなりバイデンを追い詰めつつあるのかもしれない。パウエルの一撃があるから「政権移行プロセスくらい好きにやらせたろ」ってことなのか。
トランプ陣営の失態が出てくるのは、バイデン陣営の油断を誘っているのかもしれない。まあ、単にトランプがあきらめてヤケになっている可能性もあるが・・・。
最後の大どんでん返しがあるなら、歴史に残る政治ショーだな!
最後まで読んでくれてありがとう!