パンデミックと金融崩壊

新型コロナ 日本で緊急事態宣言が発動されるタイミングは!?

パンデミックと金融崩壊

世界に感染が拡大している。日本の対応は遅いとか批判もあったが、イタリア等と比べると大事にはなっていない点は評価できる。

韓国みたいに鬼のように検査せず、狙い定めて少量しか検査しないことで、重症患者のみにポイントを絞って治療措置をとることができている(たまに漏らしているが)。

さらに、検査数があまりに少ないため、日本の感染者数の全体ボリュームを分からなくさせるという効果をもたらした。

おかげで、日本には10万人オーダーの感染者がいると思われるが、イタリアやスペインのような世紀末感は感じられない。

短時間でこの方針を打ち出し、一定の成功をしている厚生労働省の官僚たちの優秀さには頭が下がる。

さて、ヨーロッパでは当初、対岸の火事を決め込んでいたが、感染が爆発しているイタリア以外の欧州諸国でも政権中枢やスポーツ界でも感染者が続々出てくるに至り、ここ数日で都市封鎖が相次いでいる。以下はロイターからだ。

スペイン、新型コロナで非常事態宣言 全土で原則外出禁止

[マドリード 14日 ロイター] – スペインは14日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて15日間の非常事態を宣言し、全土で外出を原則禁止すると発表した。

食料・医薬品の買い物や、職場や病院に行く場合などを除き、原則として外出を禁止する。飲食店などは休業となり、映画館や劇場、スポーツ施設なども休館になる。

サンチェス首相がテレビ演説で明らかにした。

国内の交通機関も16日から、航空便や列車などの本数が半分以下に削減される。国際線は対象外となる。

非常事態宣言では、国境の封鎖は見込んでいない。

発表後まもなく、政府は首相夫人がウイルス検査で陽性と判明したと明らかにした。

とうとうスペインもエライことになった。都市封鎖をしていない分、イタリアよりはマシといったところか。

数日前まで「スペインは大丈夫」とか言ってて、マドリードやバルセロナで国際女性デーのお祭りデモをやってたし、バレンシア地方では火祭りの真っ最中(3月15~19日)で、観光客が数万人規模でいたはずだ。

観光客は大丈夫なんだろうか…。

イタリア、スペインに続きフランスにも飛び火した。以下はロイターからだ。

フランス、新型コロナで飲食店など休業に 「他に選択肢ない」

[パリ 14日 ロイター] – フランスのフィリップ首相は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて15日から全土でレストランや商店、娯楽施設などを休業にすると発表した。

フィリップ首相は記者会見で、「カフェやレストラン、映画館、ナイトクラブ、商店など必須でない場所を休業とすることを決定した」と述べ、「人の移動を制限することが不可欠だ」と強調した。

首相はまた、多くの国民は依然として外出しており、政府がこれまでに要請した措置を十分実行していないため感染拡大につながっているとし、「他に選択肢はなかった」と説明した。

食料品販売店や薬局、ガソリンスタンドなどは対象外となる。

フランスでは、16日から全校休校措置となることが決まっているが、さらにほぼすべての小売り・外食などの企業活動も停止する。

冒頭でも述べたとおり、日本では「ワザと検査しない」批判はあるが、あえて軽症者は検査しないスタンスを貫くことで、武漢で起こったような病院内感染や医療崩壊を抑えている(実際はすごい広がっているだろうけど)。

鉄壁の検査体制によって感染爆発が露呈した韓国やイタリアでは、「日本の対応が正解やぞ!」って声が大きくなってきている。検査体制しか整わず、肝心の医療体制が崩壊寸前だからな。

フランスやスイス、スウェーデンなどでも、軽症者は自宅待機という日本方式で行くこととしたが、いずれの国も感染拡大はバレている。日本の情報統制は職人技か。

こうして、ヨーロッパ各国で経済が停止していく中で、アメリカ・トランプ大統領は、イギリス・アイルランドからの入国も制限すると発表した(これまではヨーロッパの入国制限からは除外していた)。

ついにイギリスも入国制限発動されたことで、事実上、欧米間の行き来は不可能となったようだ。もちろん、抜け道はあるとは思うが、それでも相当な制限がかかっていしまったことに間違いはない。

幸いなことに日本はまだ制限対象に指定されていない。(表向きは)感染が少ないことが評価されているのか。

だが、アメリカ・トランプ大統領は国家緊急事態を宣言し、新型コロナ対策として5兆円以上の財政出動の準備があると発表した。5兆円の使い道は、着々と崩壊への道を歩む金融市場へのテコ入れかもしれないが。

そして、日本でも封鎖の準備は着々と進んでいる。

13日には「新型インフルエンザ等対策特別措置法(2012年制定)」の対象に、新型コロナウイルス感染症を追加し、感染拡大防止に必要な場合は首相が「緊急事態宣言」を発令できる改正法が成立した。今はまだ非常事態ではなとのことだが、日本でもいずれ非常事態が発動される。

発動のタイミングとして考えられるのは2つあって、ひとつはIOCがオリンピック中止・延期を決定した時。もう一つは、アメリカの入国制限対象に日本が入ったときだ。

オリンピックの開催が無理なことは、安倍首相もシンキロウも小池百合子もよく分かっているはずだ。

だが、日本からは絶対に中止を言いだせない。もし日本から中止(延期)を言いだしたら、賠償責任を問われそうだ。日本はIOCに中止(延期)を言わせたい。だが、IOCも同じこと考えてるだろう。チキンレースになり結論は出ない。

なので、二つ目の日本がアメリカ入国制限対象国になるパターンの方が早期に実現する。日本の非常事態宣言トリガーの本命だ。

この場合、日本でそれなりに感染者がいることが国際的にバレている必要がある。今の検査体制だと国が感染者数をコントロールできるので、近日中に検査キットが急速に普及するのではなかろうか。

非常事態となればオリンピック中止も含め、中国やイタリアのような都市封鎖が始まる可能性もある。東京圏・大阪圏・名古屋・福岡などの大都市は移動制限が厳しくなるかもしれないな。今よりも厳格な自粛ムードが広がっていく。

だが、こういった動きにより、世界中で資金繰りに苦しむ中小企業を中心に倒産が相次ぐ。歴史的な超低金利だから生き残れた企業群の破綻が続き、ローン返済に窮すればによりCLOが、社債による資金調達をしていれば社債市場が破綻する。

CLOが日本に集中!次の金融危機は日本発か!?

リーマンと同じ構図で債券市場から崩壊が始まる。金融市場はどこも史上最大級のバブル崩壊が起こる。当初は各国の中銀による買い支えが行われるが、どこまで買い続けられるか。

原田武夫氏が繰り返し警告する日本のデフォルトに繋がっていくんだろう。まあ、ドイツはじめEUもだが。

NY・日経暴落もぶっ飛ぶ衝撃!ドイツ銀行がデフォルトする!?

だが、新型コロナウイルスは多くの人にとっては単なる風邪。インフルエンザの20~30倍ほどの致死率(2~3%)だが…都市封鎖までやるか?と思う。世界的に、10年前の新型インフルエンザと対応が違い過ぎる。

だが、油断できないのも事実なのだ。

第一次世界大戦を終わらせたと言われる100年前に流行ったスペイン風邪では、老人よりも若年層が多く死んだ。

スペイン風邪(インフルエンザ)は、1918~1919年にパンデミックとなった。当時の世界人口(18億人)の約3割となる5億人が感染し、死者数は推定5千万人〜1億人、日本でも38万人が死亡した(国立感染症研究所)。

重要なのはここからだ。

スペイン風邪は何回かに分かれて流行したが、第1波(1918年3月頃)は軽症者が多かった。普通のインフルエンザだな。

ところが、第2波は1918年秋にほぼ世界中で同時に起こり、さらに致死率が10倍に跳ね上がった。しかも、感染者が最も多かった高齢者のほとんどが生き残り、15~35歳の健康な若年層が多く死亡した。

第2波は、病原性がさらに強まり重篤な合併症を起こし死者が急増した。医師・看護師の感染者が多く医療体制が崩壊し、感染被害が拡大したのは武漢市やイタリアの状況と重なって見える。

第2波以降の死亡率の高さの原因としては、以前に紹介したサイトカインストーム説がある。ウィルス感染した若年者の免疫細胞が暴走し、正常な細胞組織を攻撃したのだ。

街中で突然死!?新型コロナによるサイトカインストームとは!?

反対意見もあるものの、サイトカインストームが起こることについては、東大医科学研究所などにより確認されている。

イタリアなどでは医療体制の不備もあるのだろうが、新型コロナウイルスによる若年層の重篤例が出始めている様子も伺える。

新型コロナの正体は、まだ分かっていないことを踏まえると、とにかく感染しないよう最大限の予防策をとるべきだろう。

何せ、強毒化の変異は日本で起こるかもしれないからな。東京の人口密度は世界一高く、ウイルス変異が起こりやすい環境が整っているのだ。

今回のパンデミックを昨年から警告していた原田武夫氏も、東京でのウイルス変異を指摘している。

新型コロナウィルスによる中国発の経済危機!そして起こるウィルス変異

もしくは、中国で変異が起こるかもしれない。

中国では感染者が日々減少していると報道される一方で、先日紹介した中国人ジャーナリストの鳴霞(めいか)氏は、経済再開を優先しているだけで感染は収まっていない、中国共産党のウソだと指摘している。

新型コロナウイルス 中国での感染は本当に収まっているのか!?

強毒化パンデミックは勘弁してほしい。そうならないことを祈るばかりだ。


最後まで読んでくれてありがとう!