アサ芸ビズに「福島原発作業員が明かした深刻被害「汚染水は海にダダ漏れしている」」と題した驚きの記事が掲載された。
福島原発作業員が明かした深刻被害「汚染水は海にダダ漏れしている」 https://t.co/bHcXGqJ2GC
— vomilky (@vomilky) March 24, 2021
福島第一原発のうち、メルトダウンした1号機・2号機・3号機では格納容器の底に溶け落ちた燃料に対して、継続的に注水して冷やすことで再臨界を防いでいる。
燃料を冷却した水(汚染水)は浄化されて再度冷却水として循環処理されるものの、建屋が壊れた原発には大量の地下水が流入する。この地下水が汚染冷却水と混ざるので、水の量がドンドン増えている。
増え続ける汚染水+地下水は、循環しきれない分は建屋地下から汲み出されて、セシウムやストロンチウム除去されるがトリチウムは除去できないためタンクに保管される。環境省いわく、このタンクの置場がもうないので海洋放出が検討されているようだ。
また、汲みだしきれず地下に流れた汚染水が海へ流出しないよう、地面の中に氷の土壁(凍土遮水壁)を作っているとのことだが、アサ芸さんの記事(現場作業員の証言)によると、地熱とメルトダウン熱により1・2号機間は凍っていないとか。
つまり、地下水を通じて高濃度汚染水は海に漏れていることになる。
さらに「現場の作業員しか行けない4号機の裏手の場所には塩ビ管があって、そこから原発の水がバッサバッサ流されてるんだよ」とのことだ。
まあ、そうなんじゃないかとは思っていたが・・・。
以前のブログ記事「福島第一原発格納容器の水漏れ大気漏れ そして周辺の魚から基準値超えのセシウム検出」で紹介したように、福島県沖の水温は随分と高い。
3月24日の状況がこれ。
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/KAIYO/qboc/anomaly/anomaly.html(海上保安庁のサイト)
燃料を冷却して温まった水が流れ出ているのか、メルトダウン熱で温まった地盤を通過した汚染地下水が流れているのか・・。
また、この状況を裏付けるかのような報道が出ている。
「福島第一原発格納容器の水漏れ大気漏れ そして周辺の魚から基準値超えのセシウム検出」では、2月13日の福島県沖地震により福島第一原発がダメージを受けていた疑いがあることを紹介した。
福島第一原発の1号炉などでは、継続的な注水により一定の水位を確保していたところだが、地震以降はその水位が低下しているのだ。
東京電力は、この水位低下への対応として3月中に注水量を増やすとのことだ。
月内に注水増量へ 水位低下の1号機格納容器―福島第1原発https://t.co/ZkqXWwchrs
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) March 20, 2021
先月の地震後に、水位低下や窒素を入れ続けていた容器内圧力が低下したなど報道されていたが、続報が無く解決したかと期待していた。まあ解決してないんだが。
時事通信の記事によると水位低下は緩やかであり、燃料デブリは問題なく冷却されているとのこと。水量を増やすのは、水位が戻るかを調べるために実施するとのことだ。
・・・水量を増やせば水位が戻るのは当たり前だと思うが。
冷却水のうち一部は循環し、残りは建屋に流入した地下水と一緒に汲み上げられるか、地下へと流れて行く。
今回は水量を毎時3トン→毎時4トンへと増やすとのことなので、循環分があることを踏まえると、水位維持のために毎時1トンの水を増やすと言うことだ。
しかし、注水量を増やしても汲み上げ量が増えたとは聞いていない。普通に考えれば、最低でも増やした毎時1トンの水は「未処理汚染水」として地下に流れていることになる。そして、凍土遮水壁が機能していない(凍っていない)1・2号機間を抜けて海へと流れる。
もし汲み上げた汚染水量が増えているということであれば、海への流出は無いかもしれないが・・・東電からはそこまでの説明は無い。おそらく、東電はある程度の流出量は把握しているだろうが。
また、今回の注水量増量の決断をした背景が気になる。これまでなら「安心安全」「状況を注視」「何の問題もない」と言いそうなものなので、むしろ公表できないくらい悪い状態なんじゃないかと疑ってしまう。
ちなみに、溶け落ちた燃料は冷却し続けないと危険だ。と言っても、原子炉燃料に使用されるウランは濃縮率5%程度であり、核爆発をすることは絶対にない。
ただ、冷やさないと「崩壊熱」によりドンドン熱くなり、燃料を覆っているジルコニウム合金の被覆管が溶けて水蒸気と反応する。そうして発生した水素が「水素爆発」を起こす。既にボロボロの福島第一原発はふっとんで、大量の放射性物質が広範囲に散らばる。
まさに、アメリカで有名な未来人ジョン・タイターの2020年の日本地図のとおりになってしまう。
・北海道と青森、秋田の一部は「蝦夷共和国」
・それ以外の東北地方と関東、新潟の東側は「政府管理区域・立ち入り禁止」
・それ以外の地域(東海・北陸・西日本)は、岡京=岡山を新首都とする「新大和皇国」
ジョンタイター以外にも、3.11を警告したとして有名になった「2062年から来た未来人」なる人は、「東日本は立ち入り禁止の汚染地帯」「海産物は食べられなくなっている」としていた。
やはり、高濃度汚染水は既に海に流出しているのか。
しかし、よくよく考えると東電や国の発表は信頼できるものでは無い。
当初は、「メルトダウンしてない」→「メルトダウンしてるけど、格納容器の中だから問題ない」→「格納容器外に出ているものの、まとまってるので問題ない」→「散乱してた」・・・全然アンダーコントロールではない。
このコピペを思い出したぞ。
現場「これ絶対やばいっすよ」
ヒラ「やばいらしいですよ」
主任「やばいかもしれないって」
係長「懸念すべき事項が一つ」
課長「一つを除き問題ありません」
部長「実に順調です」
社長「うむ」
このコピぺの現場ポジションは、冒頭に紹介した記事の現場作業員。部長ポジションが政府・東電で、社長ポジションは国民か。
福島第一原発の実体は相当ヤバイかも・・。
最後まで読んでくれてありがとう!