第三次世界大戦

ガザ戦争エスカレートに暗躍するアメリカ

第三次世界大戦

10月7日のハマス奇襲攻撃を機に始まったガザ戦争は、互いの存亡をかけた戦争に発展しており、イスラエルは地上侵攻に踏み切ると共に、ガザを南北に分断したとか。

また、ガザ地区への空爆は北部を中心に全域に拡大しており、民間人が避難する病院やモスクですら「ハマスがいる」として攻撃対象となっている。

電気や物資を断たれた病院では遺体が放置され、未熟児も次々に死亡するなど地獄絵図となっている。

イスラエル軍は「ガザ南部に移動せーや、残るヤツはハマスと判断みなすで」と警告&爆撃しているが、そもそも100万人単位の人々が全員移動するなど不可能で、1万人を超える死者のうち、女性・子どもが過半数という阿鼻叫喚だ。

実のところ、この動画でDr.苫米地氏が説明しているように、これまでのハマス・イスラエル間の殴り合いの大半は、申し訳程度のロケット砲と空爆の応酬に留まっていた。

つまり、ハマス・イスラエル軍は、互いに存在意義を示すような予定調和的な応酬しかしてこなかったワケだ。

しかしながら、今回のハマス奇襲やイスラエル軍の報復攻撃(侵攻)は半端なものではなく、アメリカ軍の無差別空襲(東京大空襲とか)の様相を呈している。

これは、ハマス・イスラエル間の憎しみ・復讐心が成せるワザ・・と思いがちだが、それは無い。

と言うのも、「誘発されたイスラエルでの戦争は第三次世界大戦に繋がるのか」等で紹介したように、ハマスとは、パレスチナ闘争の弱体化を目的としてイスラエルが作った組織であり、さらにイスラエル軍は今回のハマス攻撃を敢えて黙認した。

この点について、イスラエルのハーレツ紙が、2019年3月のネタニヤフ首相の発言を報じている。

ハーレツによると、ネタニヤフ首相は2019年3月に、右派リクード党国会議員に対して「パレスチナ国家の樹立を阻止するために、ハマスの強化&送金を支持してくれや」と語っていたとか。

さらに、タイムオブイスラエル紙からは、2020年の「Liberman: Netanyahu sent Mossad head, general to Qatar, ‘begged’ it to pay Hamas」と題した記事の中で、カタールがハマスへの援助を打ち切ろうとしたところ、ネタニヤフ首相とモサド長官がカタールに飛んで、ハマス支援の継続を懇願したことが報じられている。

この点からは、イスラエルはパレスチナ解放運動(PLO)を穏健派(ファタハ)と過激派(ハマス)に分断・弱体化すると共に、戦争状態を継続して穏健派(ファタハ)に主導権を握らせず、さらに「パレスチナは過激なワルなんすよ」と国内外にアピールして、パレスチナ問題の平和的解決を阻害し続けていたことが伺える。

そして、ハマスと馴れ合いのイスラエルがハマス撲滅を掲げている点からは、パレスチナ解放運動終了の算段が付いたことを意味している。

イスラエルは、どうやってパレスチナ解放運動を終わらせるつもりなのか。

この点について、アメリカメディアのクレイドルが、イスラエル情報省からリークされた文書の存在を報じている。

このリーク文書には、ガザ地区に居住するパレスチナ人全員をシナイ半島(エジプト)に移送する計画が掲げられていたとか。

この計画の概要は・・

  • 第一段階として、ガザ住民をガザ南部へ強制的に移動させ、イスラエル軍はガザ北部を集中的に空爆
  • 第二段階として、イスラエル軍のガザへの地上進入とガザ地区全体の占領、そしてハマス地下壕を掃討
  • ガザ地区占領と同時に、ガザ住民たちをエジプト領のシナイ半島に避難(移動)させる
  • ガザ住民を収容するためにシナイ半島北部にテント都市や新都市を設立する
  • その後、エジプト国内に数キロメートルにわたる閉鎖警備区域を創設する
  • 追放されたパレスチナ人たちはイスラエル国境近くの地域に戻ることは許されない

・・というものだ。

また、この計画では、パレスチナ人をガザから追い出すために・・

  • ガザ人に土地を放棄させるため、移住以外の選択肢はないと確信させる
  • ガザ住民の追放を「人道的措置」と位置付る
  • ガザ住民が移動した場合の民間人の死傷者が、ガザに留まった場合の死傷者より少ないとなれば、正当化される

・・ことがうたわれており、ガザ地区では1万人近くのパレスチナ人(多くは女性と子供)が殺害されたほか、食料、水、電気等のインフラが遮断されている点からは、計画の第一段階の完了とパレスチナ人の諦めを誘う目的が見える。

この計画に沿うかのように、イスラエル軍の空爆開始早々にガザ北部の100万人のうち60万人が避難したとか。

ただ、あのノルドストリーム爆破リポートで名を馳せたシーモア・ハーシュ氏は、これまでのハマスは、ガザ市民を「人間の盾」とするためにガザ市内の避難移動を認めなかったとしている。

それが60万人も避難したということは、ハマスが「避難してええで」としたからに他ならず、イスラエルのパレスチナ人シナイ半島移住(追放)計画に一枚噛んでいる可能性が高い。

つまり、これまではガザを実効支配下するハマスの「人の盾戦術」によってガザ住民は南部に避難出来ない可能性が高かったところ、今回は過半数が南部避難しているため、ハマスがイスラエルのシナイ半島への移住政策に協力していることが伺える。

また、イスラエルはエジプトやカタールにガザ市民の受け入れを求めているとのことなので、ハマスを支援するこの両国も、ハマスに「市民を南部に避難させるんや」と言っているのかも。

これらの状況を踏まえると、イラン含む他のアラブ諸国は、イスラエルのパレスチナ人移住(追放)プランに敢えて乗ることで、アメリカ・イギリスが打ち込んだ中東不安定化の楔を取り除こうとしている可能性も伺える。

なお、この計画のキモは、パレスチナ人の移住先がエジプトという点だ。

エジプトで政権を握るシシ軍事政権は、選挙でムバラク軍事政権を倒したハムスリム同胞団(=ハマス政治部門)からクーデターで政権を奪取した・・ということを踏まえると、ハマス支持のエジプト人にハマス支持のパレスチナ人が加われば、シシ軍事政権は倒れる可能性が高くなる。

つまり、ハマス(ムスリム同胞団)は閉塞感極まったガザを放棄する代わりにエジプト政権を取れることになるので、そっちの方が断然良い。

また、パレスチナ問題を解決したい中東諸国も本音ではこの計画に賛成のようで、仲良くなったイラン・サウジの中東の両大国は、今回の戦争の妥当な落としどころを話し合っている。

随分と冷静な対応で、この状況からは、中東諸国(実質的に中国・ロシア陣営)が戦争終結及びその後の体制について主導していく可能性が高く、縮小するアメリカ覇権の完全消滅も見え始めている。

このまま進めば、パレスチナ人がガザからシナイ半島へ移住させられる形でパレスチナ問題は解決(?)し、さらにアメリカの中東覇権消滅に伴って、イスラエルも中国・ロシアが主導する新中東覇権体制に組み込まれる。

この流れはここ10数年の国際パワーゲームに沿ったものだ。

今後は、ガザ南部に集結した難民を受け入れるようエジプトに圧力がかかりそうだ・・が、この計画が失敗し、第三次世界大戦へとエスカレートする危険性も否定出来ない。

第三次世界大戦へのエスカレートについては、「誘発されたイスラエルでの戦争は第三次世界大戦に繋がるのか」で紹介した、プーチン大統領の精神的メンター兼ウクライナ侵攻の精神的指導者にして地政学者のドゥーギン氏が予測している。

ドゥーギン氏の予測シナリオの概要は・・

  1. イスラエル軍による民間人虐殺によって、東エルサレムとヨルダン川西岸地域で、パレスチナ人による反乱が勃発する。
  2. 欧米諸国の政府はイスラエル支持で一致するも、世界中でイスラエル支持に対する批判が高まる。
  3. ヒズボラが介入、ヨルダンのアラブ人もイスラエルに雪崩れ込む。
  4. アメリカはイランに先制攻撃し、イランはイスラエルに反撃、シリアもゴラン高原を攻撃
  5. サウジやUAEなどの元親米中東諸国も(本音とは別に)民衆の反イスラエル感情の高まりを抑えられず、パレスチナ側に立つことになる。パキスタン、トルコ、インドネシアも同様。
  6. さらに、タリバンも参戦
  7. スンニ派・シーア派の争いは無くなり、西側諸国に対する大ジハード開始(この時点でロシアは中立)
  8. イスラエルが、パレスチナ勢力を攻撃する際に東エルサレムのアル・アクサ・モスク(イスラム聖地)を破壊
  9. これを機に、欧米在住のイスラム教徒5000万人が反乱、内戦へと発展する。
  10. また、欧州の中でもパレスチナ側・イスラエル側で分裂して、しっちゃかめっちゃかに。
  11. アメリカはイランに戦術核を使用
  12. ロシアは、西側にしがみついてロシアを挑発するウクライナに戦術核を使用
  13. これを機に第三次世界大戦へ突入。それまで中立だったロシアは、パレスチナ・アラブ側で参戦
  14. こと機に中国は台湾へ侵攻し、NATOに対応を強いるほか、インドは欧米への支援に消極的
  15. ポリコレと環境関係はムシされるように(それどころではない?)なるほか、人権・市民社会も厳しい現実を前に消滅
  16. イスラエルは四方八方からの打撃を受けながら、(アル・アクサ・モスク跡地に)第三神殿の建設を開始

・・と言うもので、アメリカ・ロシアが戦術核を使用する世界大戦へとエスカレートすることが予測されている。

この予測の中で目につくのは、イスラエルの「民間人虐殺」だろう。

これまでのイスラエル軍のハマスへの報復攻撃は、市民被害があまり出ない(多少は出る)箇所を選んで空爆するなど、ハマスと馴れ合いつつ戦争犯罪と非難されない形だったのは先に紹介したDr.苫米地氏が指摘するとおりだ。

また、先のスプートニク(シーモア・ハーシュ氏)の記事でも、イスラエルはガザ北部でハマスが隠れそうな建物を破壊してから侵攻したいだろうけど事実上は不可能や・・と、地上侵攻は無さそうな予測となっていた。

それが、あっさり侵攻した上に、イスラエル軍は既にガザ中心部に達しており、犠牲者は1万人を超える状況になっている。

数十万の市民がガザ北部から脱出したとは言え、病院やモスクには動けない怪我人・病人が大勢残っているし、若年層の多いガザで子供の犠牲者も1000人単位となっているほか、国連職員やジャーナリストの犠牲者も増えている。

今後も、瓦礫や建物の影からのハマス攻撃を危惧するイスラエル軍による破壊が続くだろうから、人口密集住宅地においてパレスチナ民間人の犠牲者はさらに増えることが危惧される。

既にイスラエルの「市民の犠牲を最小限に抑えてます」ロジックの成立は絶望的で、国連さんからは「ジェノサイド」という強い批判が出ている。

また、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)ニューヨーク所長さんも、「ジェノサイドや」と怒りの辞任をするなど、イスラエル軍の無差別攻撃への批判は高まる一方だ。

さらに、イスラエルは民間人に避難先として提示したガザ南部への爆撃も強化していることが、衛星レーダーの分析から明らかになっている。

これらは、イスラエルのガザ市民追放計画に沿ったもので、ガザ市民に土地を諦めさせると共に、エジプトに国境開放させる圧力だろうが・・パレスチナ・アラブ人サイドは「民間人虐殺」と捉えることになる。

この状況では、内心でガザ市民追放計画を支持していたかもしれないアラブ諸国も、ヘタすれば民衆の反イスラエル感情で政権が倒される懸念から、反イスラエルに傾くことになる。

さらに、世界中でイスラエルに「侵攻ヤメロ」を求めるデモが起こっていることが報じられている。

同様のデモはイスラム圏だけではなく欧米各地で起こっており、その内容は「反戦」から「反ユダヤ(アンチ・セミティズム)」気運の高まりへと発展している。

ウクライナ軍の蛮行は全てロシアの仕業とされていたのとは対照的に、今回はイスラエルの蛮行(=パレスチナ民間人の犠牲)が大きく報じられていることが原因だが、欧米諸国民ですら「反ユダヤ(=反イスラエル)」となるほどに「やり過ぎ」ている点には留意したい。

そして、このイスラエル軍の「やりすぎ」に拍車をかけているのがアメリカだ。

イスラエル軍に人道的停戦を呼び掛けるアメリカだが、実際にはアメリカ製兵器を毎日のようにイスラエルに提供しており、さらに兵器の使用制限も設けていないとか。

ウクライナに対しては、提供した兵器類を逐一公表し、さらに「ロシア本土の攻撃禁止」としていたのとはエライ違い。

この動きからは、アメリカの本音は「停戦すんな、もっとやれ」だろう。

と言うことで、現状は・・

  • イスラエルはハマス・アラブ諸国との暗黙の合意により「ガザ市民追放計画」を実行
  • アメリカは「やり過ぎ」誘導して世界的な「反ユダヤ」気運を誘発
  • ドゥーギン氏のエスカレート予測シナリオが現実化する懸念

・・という状況になっている。

なお、音楽フェス参加者がハマスに多数殺害された件について、実は現場に急行したイスラエル軍の攻撃ヘリが無差別乱射して殺害したことをイスラエル軍が認めたとか。

この攻撃ヘリは、フェス会場のハマスと民間人の見分けもつかないのに、発砲許可も得ずに乱射したとのことで、イスラエル軍の中にもエスカレート勢がいることが伺える。

そういえば、フェス会場は都市部のテルアビブを予定していたところ、直前でガザ国境近くに変更されたんだよな・・。

また、アメリカは空母打撃群を東地中海に派遣する以外にも、イラクとシリアの駐留軍を10月から合わせて1200名規模で増員したとか。

アメリカ軍曰く、イランが支援する民兵から10月だけでイラクで16件、シリアで11件もの攻撃を受けたため、抑止力として派兵するんだとか。

ただ、アメリカ軍の考え方には不可解な点がある。それが・・

  • イランとその傘下の民兵団が「イスラエルがガザに本格侵攻したら米軍への攻撃を強化する」とする中で、アメリカ国防総省は、駐留米軍への攻撃とイスエル・ハマス戦争は別問題と位置付け。
  • さらき、シリアやイラクのイラン民兵関連施設を爆撃し続けている。

・・という点だ。

アメリカが強く支持するイスラエルによるガザ市民殺害と、シリア・イラク駐留米軍への攻撃が無関係なワケがない。

また、そうした中で、駐留米軍への攻撃を理由にイラン革命防衛隊関連施設への爆撃を繰り返している。

実のところ、レバノン南部やシリア(ゴラン高原)には、数万人規模のイラン傘下の民兵団が待機しているとか。

アメリカがこれらイラン傘下の民兵団基地から反撃されれた場合に、「アメリカ兵ヤラレタ」を大義名分に参戦する真珠湾パターンが懸念されるところ。

対するイランは「イスラエル軍が地上攻撃したら介入する」としていたものの、現実はサウジと調停を模索し、傘下のヒズボラもハマスから失望されるほど戦争していないなど、アメリカの挑発には全く乗っていない。

ただ、カタールメディアのアルジャジーラからは、イラン外相が「イスラエルの侵略激化で、ガザ戦争の範囲拡大は避けられん」と述べたことが報じられており、「もうヤメて、傘下の民兵団を抑えられないの」と言っているかのようだ。

1979年のイスラム革命で政教一致国家となったイランは、世俗的な国民の反発を抑えるために「打倒イスラエル」を国是としているので、その辺りの整合も難しくなってくる。

なお、アメリカが「ヤラレタ」を大義名分に参戦を狙う動きは他にもある。

FBIのクリス・レイ長官は、アメリカ上院の国土安全保障委員会の公聴会で、アメリカ国内の不穏分子さんたちが、ガザ戦争でビビッときてテロ攻撃する可能性を訴えた。

この点について「中間選挙を前に分断が進むアメリカは内戦へと突入?」で紹介したように、アメリカでは不法入国者に紛れて数百名単位のテロリストが流入しているため、9.11第二弾としてアメリカがイラン侵攻する可能性が懸念される。

極めつけは、アメリカ国籍の3才少年がハマスの人質になっていることが明らかにされたことだろう。

子どもの救出を旗印として世論を盛り上げていくことが懸念される。

この他にも、イスラエル軍が思った以上に苦戦している様子が報じられている。

機能停止したとして問題になっているアル・シファ病院の近くで、イスラエル軍の戦車や装甲車両等が多数破壊されている様子が報じている。

まあ、本当に破壊されたのか汚れてるだけなのかは不明だが、いずれにせよアメリカ軍が「助けなきゃ」と参戦する理由になる。

なお、アメリカでは、イランが核兵器を保有する前に叩くことを可とする法案が可決されており、何か口実があればイランを引きずり込むことが可能だ。

アメリカ諜報機関からもイランは核兵器開発を進めていないことが報告されているが、2003年のイラク戦争の例を踏まえると、その報告は無意味だろう。

と言うことで、アメリカはイスラエル支援と言いつつ、「やり過ぎ」て「反ユダヤ(反イスラエル)」気運を高めつつ戦争エスカレートさせるという空気読めない存在と化しており、イスラム中東諸国の立場もどんどん難しくなる。

そのKYアメリカが「やり過ぎ」している理由について参考となるのが、イランのメフル通信社から報じられた「極秘会談」の音声ファイルの存在だ。

メフル社が報じたのは、アメリカ陸軍のペトレアス退役将軍が、シオニストの政治・軍事エリートとの非公開かつ極秘の会合の場で、ガザ戦争におけるイスラエル政権の勝利についての提案を提示したとか。

つまり、アメリカの「やり過ぎ」の背後には「シオニスト」の存在があることが分かる。

状況を整理すると・・

  • アメリカ&一部イスラエル軍の「やり過ぎ」によって世界的な反ユダヤ気運とイラン参戦の危機が高まる
  • これらの動きの背後にはシオニスト勢

・・と言うことになる。

さて、アメリカがシオニストに傾倒するのは、アメリカ政界・経済界において「クリスチャン・シオニスト」と呼ばれる勢力の存在が無視できないほど大きいことにある。

クリスチャン・シオニストとはキリスト教徒でシオニストという人々だが、彼らの教義についてWikipediaのクリスチャン・シオニズムの項目を見ると・・

  • イスラエル(パレスチナ)は、神がユダヤ人に与えた土地
  • イスラエル国家の建設は聖書に預言された「イスラエルの回復」であり、ユダヤ人のイスラエルへの帰還を支持
  • キリストの再臨と世界の終末が起こる前に、イスラエルの回復がなされている必要がある
  • イスラエルの建国と存続を支持する。

・・というもので、キリスト再臨のためにイスラエルの建国が不可欠とという教義から、クリスチャン・シオニスト勢はキリスト教徒ながらシオニズム運動を強くプッシュしている。

なお、アメリカでは20世紀初頭に、自称神学者のスコフィールド氏による「スコフィールド聖書」が登場し、シオニスト資本家のアンターマイヤー氏の資金提供によって広く流通した。

このスコフィールド聖書では、聖書には存在しない終末思想やイスラエル、第三神殿などの概念が盛り込まれており、クリスチャン・シオニストの大元になっているそか、歴代アメリカ大統領の多くがイスラエルを支援する根拠となっている。

また、そもそもの「シオニズム」の出自については、以前にも紹介したように、シオニズム運動を盛り上げたテオドール・ヘルツルは「反ユダヤ」だった。

この他にも・・

  • 同時のパレスチナ(オスマン帝国領)に移住しようとするユダヤ人はほとんどおらず、シオニズムは盛り上がりに欠けていた。
  • このため、シオニズム運動はユダヤ人とは無関係のイギリスが担っていた。
  • イギリスは3枚舌外交でイスラエルを建国
  • ユダヤ人のパレスチナ移住が促進されたのは、モルガン・ロックフェラー等のアメリカ系金融資本に支援されたナチス・ドイツによる迫害政策によるところが大きい。

・・という状況がある。

また、シオニズム運動でイスラエルに移住してきたユダヤ人は「アシュケナージ・ユダヤ人」で、7~10世紀にウクライナ南部に存在し、ユダヤ教に改宗したトルコ系ハザール王国の末裔だ。

なので、ローマ帝国に滅ぼされた古代イスラエルとは国家としても民族としても無関係で正統性は無く、イスラエルの建国そのものが無理筋と言える。

・・・という点を踏まえると、シオニズム運動やスコフィールド聖書、ナチス&ユダヤ人迫害、イスラエル建国は全て繋がっており、何やら壮大な計画の影が見える。

億万長者はハリウッドを殺す(広瀬隆 著)

その計画と言うのが、メイソンの黒い教皇ことアルバート・パイクによる「第三次世界大戦」け計画という可能性は以前にも紹介したとおりだ。

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イスラエル

なお、アルバート・パイクは世界革命達成(=世界統一政府の樹立)に向けた3つの世界戦争を含む軍事計画を練り上げており、世界史がこの計画に沿って動いていることから「アルバート・パイクの予言」とも言われている。

教科書が絶対に教えない 闇の世界史(ウィリアム・G・カー 著)

その中で、第三次世界大戦に係る部分を紹介すると・・

  • 第三次世界大戦は、イルミナティ・エージェントが、シオニストとアラブ人指導者との間に対立を引き起こすことで誘発される。
  • さらに、この戦争は多くの国々が巻き込まれ、経済的にも疲労困憊となる。
  • その後、世界の完全支配を目的とした未曾有の社会変革が起こる。

・・となっている。

こうした状況を踏まえると、中東の大国サウジ・イランが抑えに走る中で、アメリカ(のクリスチャン・シオニスト)は、イランとの戦争も含めて第三次世界大戦へのエスカレートを意図している言えよう。

まあ、彼らがアルバート・パイクの計画を積極的に遂行しようとしているのか、単に踊らされているのかは不明だが・・その動きはドゥーギン氏のエスカレート予測に沿っていると思われる。

なお、クリスチャン・シオニストがエスカレートを望むのは、彼らが望むキリストの再臨に当たり・・

  • イスラエル建国
  • 「第三神殿」の建設

・・が必要とされているからだ。

ちなみに、第一神殿(ソロモン神殿)とは、古代イスラエルのソロモン王がBC10世紀に造ったもので、紀元前586年に新バビロニアに破壊された。

第二神殿はバビロン捕囚から解放されたユダヤ人がBC516年に造ってAD70年にローマ軍に破壊されたもので、エルサレムの「嘆きの壁」は、この外壁の一部とされる。

そして第三神殿とは、この時に破壊された神殿の復興であり、その地にあるイスラム教の聖地「岩のドーム」の破壊が必要という物騒なものだ。

先のドゥーギン氏のエスカレート予測でも、イスラエルが岩のドームを破壊&第三神殿建設すると予測されていたが・・そんなことすれば、第三次世界大戦は避けられない。

と言うことで現状を見ると・・・

  • イスラエルはガザ市民のエジプト追放作戦を決行、ハマスも中東諸国も大枠で了解
  • しかし、クリスチャン・シオニスト率いるアメリカは、戦争エスカレートに利用
  • 一つ間違うと第三次世界大戦の瀬戸際

・・という流れになっており、パレスチナ問題が解決して中東が中国・ロシア覇権下に入る未来と、アルバート・パイクの計画する第三次世界大戦へとエスカレートする未来の分岐点にいる。

また、この流れで行くとイスラエルは完全消滅するので、大量に難民化するイスラエル国民(=アシュケナージ・ユダヤ)の行先の確保が重要となる。

折しも、彼らの「歴史的故郷(ハザール)」のウクライナは敗戦末期の様相を呈している。

そんなウクライナでは、人口の約35%となる1500万人が国外に脱出しており、受け入れ余力は大きいが・・・この戦争は偶然なのだろうか。

まあ、今回の戦争は、実はこんな複雑な話ではなく、単にガザ海洋ガス田をイスラエルが欲しいだけなのかもしれないんだけどね。


最後まで読んでくれてありがとう!