中国バブル崩壊

中国で反共産党・反習近平デモにより、ゼロコロナ政策の目的は達成

中国バブル崩壊

中国国内で、ゼロコロナ政策に不満を持つ国民による大規模なデモが相次いで発生していることが、多くのメディアで報じられている。

他にも・・

・・等々あるが、これらの記事の内容を総合すると・・

  • ウイグル自治区でゼロコロナ封鎖されたアパートが火災となったため、消防車が入れず被害が拡大したことへの批判が発端でゼロコロナ政策に反対する声が上がる。
  • それが、言論・報道の自由や中国共産党及び習近平に対する退陣を要求する声にエスカレート
  • こうしたデモが上海や北京などの大都市部でも発生

・・といったところだろうか。

さて、中国のゼロコロナ政策については「ゼロコロナ政策は中国共産党支配の崩壊へと繋がる」で紹介したように・・

  • 1000万人規模の都市で数名の感染者(陽性者)が出ればロックダウン
  • 感染者が出ていなくても「訓練」と称して本当にロックダウン

・・という極めてクレイジーな政策だ。

東京よりもデカイ大都市で、わずか数名のコロナ感染者が出ただけでロックダウンとなれば、企業の逸失利益は天文学的な数字になるほか、中国に投資した企業・投資家にチャイナリスクを強く意識させることになる。

さすがの中国も経済停滞待ったなしとなるため、中国国内のシンクタンクですらゼロコロナ政策の見直しを提言していた。

また、ゼロコロナ政策によってiPhoneの生産にも支障を来しているが・・

・・20~30万人もの工場労働者に毎日1~2回もPCR検査をすれば、感染の有無に関わらず陽性判定される労働者が大量に出るのは当然で、中共政府は意図的にロックダウンを仕掛けていると言える。

このロックダウンは、アップル社など国際金融資本への影響よりも、中国都市部の労働者階級がクビを切られて貧困層に転落する恐怖を与えるものだ。

さらに言えば、ロックダウンは経済を殺すだけでコロナには無意味なのは欧米諸国の例から明らかだし、そもそも、100年前のスペイン風邪パンデミックの際にもロックダウンの効果は無く、「パンデミックにロックダウンは無意味」が2020年までの国際常識だった。

こんなロックダウンをいつまでも続ける政府に対して中国国民(特に都市部の労働者)がブチ切れるのは、むしろ当然で、大都市圏でデモが発生している理由でもあるのではないか。

だた、中国人民13億人の頂点に立つ中国共産党エリートが、ロックダウンの無意味さや労働者階級の不安を知らぬハズも無いし、まして国民を想ってのコロナ警戒もあり得ないことを踏まえて、以前のブログ記事ではゼロコロナ政策は「中国分裂に繋がる大暴動の誘発」が目的である可能性を紹介した。

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中国バブル崩壊

当然ながら、この背景には「アメリカの暴動と新中国連邦構想」で紹介したように、アメリカに亡命した中国人実業家の郭文貴(かくぶんき)やモルガン家などがコミットするNew Federal State of China(新中華連邦)構想に代表される、中国共産党政権の崩壊と中国の分裂構想がある。

中国共産党政権の崩壊については、フランスの中枢を担い続け「欧州の知性」とも称されるジャック・アタリ氏も、2025年までに中国共産党の一党独裁が終わることを予言(予告?)している点は無視できない。

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と言うことで、2025年までに中国共産党政権が崩壊することは既定路線であり、共産党以外の政権が広大で少数民族の多い中国を統治するのは不可能だろうから、分裂まで既定路線となっていると考えるべきだろう。

こうした観点で昨今のデモを見ると、「ゼロコロナ反対」から「共産党・習近平ヤメロ」にステップアップしているのは引っかかるところ。

AFPの記事からも、デモ隊の主張はゼロコロナ抗議という「政策への反対」ではなく、天安門を彷彿とさせる「反政権・反キンペー」となっていることが分かる。

「ゼロコロナに反対してるだけなんですぅ」から「トンチキ政権絶許!」という感じだろうか。

さらに、習近平国家主席の母校の精華大学でも抗議活動が発生しているとか。

精華大学と言えば、事実上の中国共産党エリート養成機関なのだが・・そこで政権批判の声が上がること自体が既にあり得ない話だ。

また、メジャーメディアから反政府行動が続々と報じられているが、中国にいる外国人記者が共産党政権の失態に繋がる内容を自由に報じることは不可能なのに、今のところBBC以外の記者が拘束された話も出ていない。

香港の市民運動を見殺しにした中国国民が示し合せたかのように一斉蜂起し、本来ならタブーの共産党・習近平批判が公然と実施されていることを踏まえると、現在のデモは中国共産党政府(or習近平個人)が意図したものであり、ゼロコロナ政策の真の目的が達成されかけている可能性が高いと見るべきだろう。

と言うことで、このデモはむしろ「官製デモ」と言ってもいいのかもしれない。

ただ、「官製デモ」と言っても「政権を維持するためのガス抜き官製デモ」ではなく、「中共政権への大反乱を誘発するための官製デモ」だ。

そんなワケで、今回のデモには天安門事件以来見られなかった特徴が見られるとか。

このデモの特徴について、ゼロヘッジさん(が引用したWSJ)は・・

  • これまで中国共産党が一部のデモを許容してきたのは、全国的な抗議行動への発展を防ぐため。
  • なので、今回のように同様の抗議が、複数都市で同時多発的に発生するのは前代未聞

・・としており、今回のデモが北京やウイグル、上海、南京、武漢など全国の主要都市に及んでいる点を前代未聞と指摘しており、単なる「ガス抜き官製デモ」ではないことが分かる。

また、ゼロヘッジさんの記事で紹介されている中国在住30年のツイ主さんは・・

・・「こんなに怒ってる住民を見たこと無いで」としており、既にガス抜き官製デモの域を超えていることが分かる。

さらに、ゼロヘッジさんの記事では・・

A woman told the BBC that police said they feel “the same as you” about the protests, but “they wear their uniforms so they’re doing their job.”

(ある女性はBBCに対し、警察は抗議活動について「あなたと同じように感じている」と述べたが、「彼らは制服を着ているので、自分の仕事をしている」と語った)

・・とあるように、既に下っ端役人は潜在的な反乱軍一味となっていることが報じられている。

これは、怒れる中国人民がロックダウンの壁を破壊する様子を撮影したものだ。

この他にも、無言の抗議を意味する白い紙を掲げる人々の映像も公開されている。

ただ、監視社会・強権的独裁国家の中国でこれらの行動は命がけなのに、デモ参加者の素顔がモロにSNSで公開されているのは、既定路線との印象もぬぐえない。

なお、自社の記者を拘束されたBBCさんは、デモが鎮静化した旨を報じている。

BBCによると、当局の厳重警戒もあって28日(月)には鎮静化したほか、SNS検閲によりデモ関連の投稿がヒットしなくなっている模様だ。

まあ、当局が無策だと明らかに官製デモとバレるだろうから、この程度の対応は当然か。

いずれにせよ、今回のデモの展開(ゼロコロナ反対→キンペーヤメロ)は、多くの識者もびっくりなのは間違いなく、この程度で鎮静化するとは考えにくい。

と言うことで、これらの情報を総合して考えられる今後の展開としては・・

  1. 天網などの顔画像解析の活用によりデモ参加者を徹底弾圧
  2. デモ→暴動へとランクアップするなど騒動は巨大化
  3. 警察に加えて人民解放軍を鎮圧部隊に動員
  4. 警察や軍の下っ端は暴動側に鞍替えし、政権への反乱へとランクアップ
  5. 権力集中し過ぎたキンペー以外に責任者はおらず、そのまま失脚
  6. しかし、キンペー以外に事態を収拾できる人材がいるハズもなく、共産党そのものが崩壊へ・・・

的な感じだろうか。

なお、「苫米地英人著「日本人だけが知らない戦争論」 戦争の影にいる国際金融資本家について知りたい人にオススメの書籍」で紹介したように、この手の民衆革命的な動きの前には反乱軍の動きに呼応するナゾの治安悪化部隊の存在が指摘されているが・・今後の中国ではどうなるのか。

いずれにせよ、中国デモの動きは・・

要チェックや

・・なのだが、これと並行して要チェックなのが台湾情勢だ。

台湾では先日の統一地方選で反中傾向を強める現政権(民進党)が惨敗し、蔡英文総統が党首を辞任する状況となっている(総統辞任ではない)。

民進党に勝利したのは、あの蒋介石のひ孫の蔣万安氏が率いる国民党で、本人も台北市長に当選している。

統一地方選なので、本来ならインフレなどの生活密着問題が争点となる選挙だろうが、民進党・蔡英文政権下でのペロシ訪台によって台湾有事が見えたことが敗北に繋がったと思われる。

台湾人の1割以上は中国本土で稼いでいるなど、大半の台湾人にとって中国と上手く付き合っていくことが必須だからだ。

また、蔡英文氏の政治姿勢はペロシ訪台に代表されるように「リベラル的には正しい」というものであり、さらに独断専行のスタンドプレーが目立つことから台湾での人気は微妙だ。

小池百合子東京都知事と同じようなポジションで人気のない蔡英文氏の民進党は、前回の統一選でも大敗北しており、コロナ(オードリー・タン)のおかげで政権を維持出来ていた感じなので、今回の敗北は妥当だろう。

一方の国民党・蔣万安氏はアメリカの弁護士資格も持つエリートであり、中国との統合に反対するリベラリストだが、その政治姿勢は親中的と言われている。

ただ、問題なのは政治姿勢というよりは血筋だろう。

蔣万安氏のひいじいさん蒋介石の妻の宋美鈴は、浙江財閥の宋嘉澍(チャーリー宋)の次女だが、その宋美鈴は蒋介石亡き後に中国共産党のNo.2となったことから分かるように、国民党・共産党どちらも黒幕は華僑勢だ。

ソーシャルメディアと経済戦争(深田萌絵 著)

と言うことで、蔣万安氏の台頭は黒幕華僑勢が望んだ結果・・なのかもしれない。

蔡英文氏と異なり蔣万安氏が「ペロシ訪台」のような挑発行為を受け入れることは無いだろうから、その点では台湾有事は遠のいたと言える。

しかしながら、中国は反政府デモに加えて崖っぷちの不動産市場を抱えており、実のところ台湾侵攻している状況では無く、仮に中国が台湾有事に引きずり込まれてれば、秩序だった(?)共産党崩壊&分裂も難しくなっただろう。

だが、蔣万安氏の台頭によって台湾有事が起こる心配は小さくなったため、ゼロコロナ政策は中国共産党支配の崩壊へと繋がる」で触れたように、黒幕華僑勢は上海~深圳に至る浙江財閥拠点+台湾を分離独立させることが可能となった・・・。

華僑勢の血を引く蔣万安氏の台頭からも、中国共産党の崩壊・中国の分裂の可能性を感じることが出来る・・というのは勘繰り過ぎだろうか。

それにしても・・中国の金持ち層(共産党幹部)の資産は何処にフライトしていくんのかが気になるところ。


最後まで読んでくれてありがとう!