昨日、日銀が株式ETFを1003億円買い入れた。
日銀、5日に通常のETFを1003億円買い入れ J━REITの購入はなし https://t.co/ApX63liN4A pic.twitter.com/pUrMxuWI8w
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昨日(8月5日)までの東京株式市場は、その前2営業日で何と850円以上の上昇となっていた。このため、前日のニューヨーク市場は続伸していたものの、東京市場では利確売り優勢の展開となった。
詳細はロイターのマーケットサマリーが詳しい。
東京マーケット・サマリー(5日) https://t.co/UOUrjprPND pic.twitter.com/kZLyd2TWmB
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ロイターによると、5日の東京株式市場は、前場で一時的に200円超下げたものの、後場は日銀のETF買いへの期待から、下げ幅を縮小したとのことだ。
これは5日の日経平均チャートだ。
寄り付き早々値を下げ、前場の展開は下げっぱなしという印象だ。
前日までの2営業日で850円以上の上昇したとは思えないが、まあ、短期的な加熱感から一斉に利確に走ったと言ったところだろうか。
だが、後場に入って早々、ギャップアップし一気に上昇した・・・もののすぐに息切れした模様。最後は少し戻して前日比60円安で終了した。
この後場の急伸だが、日銀がETFの買入れを行ったため急伸したようだ。しかし、買いが途切れた直後に大きく値を下げて(△100円)いる。
ちなみに、この日銀ETFお買い上げは、8月に入って初めてのことで1003億円規模で行われた。
なお、その前の週は、7月27日、7月29日、31日と一日おきに1002憶円規模でETF買いが実施されている。
だが、7月22日~最終週にかけては、何と1000円近くも暴落する展開となった時だ。そんな時に、1002億円×3回もETF買いを行ったにも関わらず、市場の暴落を止めることは出来なかった。
ちなみに、この間、外国勢も4624億円の売り越しとなった。
これだけ見ると、外国勢が株を売っぱらいたいから日銀が頑張ってETF買いをしたようにも見える。
一方、8月に入って以降、5日になるまで日銀はETF買いを行っていないが暴落分を取り戻す展開となった。
ということなので、久々に実施した5日の日銀ETF買いは、上昇局面の押し買いとなった。
これから再度、外国勢による売り越しターンに突入するんだろうか。
というか、こうした外国勢の売り越し株を拾うために、日銀が買い支えているかと思うと、日銀が株価を買い支える意味について考えさせられるな。
個人投資家は往復ビンタくらったやつも多いだろうし、日銀は購入したETFを売ることもできない。
つまり、日本人の富を外国人投資家に移転したという結果だけが残る。
本当に日本の中央銀行なんだろうか。官制相場を作り出し、外国人に利益移転するのが仕事とは…。
日銀の原資は、QEによって作り出した無限に湧き出るマネーだが、元をたどれば国民のお金だ。外国人投資家に利益を移転するために使っていいものでは無いと思う。
おそらく、今日の分もすぐに日本から蒸発することになるんだろう。
もちろん、こうしたカネの使い方が良いわけがない。
日銀QEは、国債発行によって市場介入する資金を作り出している。
この国債は、銀行などの金融機関も購入してはいるが、それは日銀が買取を保障しているからに過ぎない。最近の日本国内の銀行は国債残高を減らしているなど、金融機関の国債離れが進んでいる。
国債発行、つまり造幣だ。政府が発行した大量の国債を、市中銀行を経由して日銀が買い取って(=造幣)QEは実施されている。
これは世界で禁じ手とされる中央銀行による財政ファイナンスだ。
歴史的に、政府が発行した国債を中央銀行が紙幣を刷って買い取った結果、通貨の信認が低下してハイパーインフレを招いたことから、禁じ手とされたものだ。
なお、状況としては円だけでなく、ドルも似たようなものだ。
そのため、あのゴールドマン・サックスが金の12ヶ月後の価格の見通しを2000ドルから2300ドルへと引き上げた。というか、2000ドルは達成してしまった。
米ゴールドマン、金価格の12カ月見通しを2300ドルに引き上げ https://t.co/A1Z5DWyirr pic.twitter.com/yMyY33ktox
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金価格は2000ドル突破して、なお上昇傾向にある。
ゴールドマン・サックスは、米政府の債務水準があまりに高く、米ドルの準備通貨・基軸通貨としての地位の弱体化が懸念されていると指摘している。
平たく言うと、米ドルが弱体化してインフレになると予測しているのだ。
米ドルと日本円は「自国通貨建ての借金である限り、インフレさえしなければ、どれだけ借金をしても問題なし」というMMT理論を実践中であり、それはつまり、どちらもインフレが起こったら終わりということを意味する。
あのゴールドマン・サックスがインフレ懸念を指摘しているのが気になる。
また、原田武夫氏は中東戦争に端を発した石油高騰によるインフレを予測している。
うーん、これは金を買うしかないのか。
日本円にしても米ドルにしても、現行の通貨は、金など価値の裏付けの無い信用創造の産物だからな。インフレで信用が無くなれば紙くずだ。
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