ブレグジット

イギリスが衰退に繋がるブレグジットにこだわる理由ついて思うこと

ブレグジット

2016年6月の住民投票で決まった英国のEU離脱(ブレグジット)について、ようやく決着がつきそうだ。

以下は産経の記事

英総選挙の投票開始 EU離脱が争点、深夜に大勢判明へ

【ロンドン=板東和正】英国の欧州連合(EU)離脱の行方を占う英下院(定数650)総選挙の投票が12日、始まった。即日開票され、深夜以降(日本時間13日)に大勢が判明する見通し。早期離脱を訴えるジョンソン首相の与党・保守党が過半数の議席を獲得できるかどうかが最大の焦点となる。

保守党は、来年1月末の期限までに離脱するため、EUと合意した離脱協定案の関連法案審議を12月中に再開するとの公約を掲げる。ジョンソン氏は11日、ロンドンで演説し、「離脱を実現して、英国という素晴らしい国を一緒に前進させよう」と支持者に訴えた。

一方、最大野党・労働党は離脱方針の是非を国民投票で改めて問う公約を示し、保守党の離脱方針に懐疑的な層の取り込みを図っている。

保守党が単独過半数を獲得できれば、離脱協定案が議会で承認され、英国が来年1月末にEUを離脱する公算が大きくなる見通しだ。ただ、過半数に届かなければ、政局が混乱し再び離脱の道筋が見通せなくなる恐れがある。

10日時点の保守党の支持率は43%で、労働党の34%とは9ポイント差。下院解散前の11月1日には12ポイント開いていた両党の差は、少しずつ縮まっている。総選挙は医療問題も重要争点になっており、患者が無料で医療を受けられる国営医療制度「NHS」の予算を260億ポンド(約3兆6300億円)拡大することを公約とする労働党が貧困層や高齢者らの支持を拡大する可能性も指摘されている。

総選挙はメイ前政権下の2017年6月以来。EU離脱をめぐる政治混迷が続く中、7月に首相に就任したジョンソン氏にとり、総選挙は国民に初めて評価される「審判の場」となる。

だが、ブレグジットは常識的に考えてイギリスの衰退にしか繋がらない。にも関わらず、何故ブレグジットすることになったのだろうか?

イギリスの支配者は、今も昔も権謀術数に長けた者達だ。表向き公正な選挙でも結果を操作することなど造作もないはずだ。

つまり、ブレグジットは国際金融資本勢力(イギリス)が自ら引き起こしたか、もしくは多極化勢力にしてやられたかのどちらかと言うことになる。

イギリスがブレグジットせずにEU残留という結果になっていたとすると、イギリスはこれまでと同様にEUが完全にまとまらないように、その運営を妨害し続けることができただろう。

イギリスはEU構想が登場して以降、EU域内の国家統合が進んで強大化し、アメリカ覇権から自立した一つの「局」とならないよう統合戦略を妨害してきた。

その甲斐あってEUは日本と同様に、軍事面・経済面でアメリカへの従属を続けている状態だ。

イギリス(国際金融資本勢力)の視点で見れば、これまで通りEUの内側から政策決定に介入する方が都合が良く、国力も削がれないことから国際金融資本勢力が支配する世界の黒幕として居続けられたはずだ。

イギリスがEUを離脱(ブレグジット)すると、EU域内において経済面だけでなく軍事面でも統合が進み、いずれアメリカから自立していくだろう。

このように考えると、今回のブレグジットは多極化勢力が世界経済の発展を加速させ、資本主義の適切な拡大を目指すべく、国際金融資本勢力が牛耳るイギリスの力を削ぐための策略だったのではないか。

また、ブレグジットが決まって以降のイギリス国内のグダグダも気になる。

1月には議会において、テリーザ・メイ首相(当時)がEUとの間で合意した離脱案が大差で否決された。

EUと何の協定もなく離脱した場合の大混乱を避けるため、その後もテリーザ・メイとEUの交渉は続いたものの、離脱協定案が議会で何度も否決され「何も決まらない・決められない」ことから離脱期限の延長が重ねられた。

EUとの協議が纏まらないことから、首相は離脱強硬派のボリス・ジョンソンとなった。

その後、イギリスのトランプの異名を取ったボリス・ジョンソン首相は本家アメリカのトランプ大統領と同じ、国際金融資本勢力の支配から多極化を目指す勢力だろう。おじさんは、両者はただ似ているだけではないとおもっている。

この、総選挙でボリス・ジョンソン率いる保守党が勝利した場合、イギリスはEUの間に離脱協定を結べないままに離脱することになる。

イギリスではブレグジットが決まって以降、特に経済面での影響が既に出ているが、無協定で離脱となれば、EUとの間で関税が復活したり自由に出入国できなくなるなど、経済面・社会面でさらなる打撃を受ける。

今回は離脱を強硬して大混乱となるか、再び離脱期限を延期するのか、どちらだろうか。まあ、離脱期限が延びたところで協定案はまとまらないだろうが。

そうなると、金融資本主義勢力が巻き返して離脱撤回する可能性もあるが、妥当なところでは経済面での繋がりを残して離脱など、実態は今と変わらないような形でのソフトランディングだろうか。

どのような結果になっても、イギリスの力は大幅に低下するし、この混乱が続く間にアメリカの覇権委譲策により多極化が進展していくことになる。

このため、多極化勢力からすればブレグジットの成否はどちらでもいいのではないだろうか。

ブレグジットは、原田武夫氏の言う12月25日の大暴落に繋がりそうな事案なので強硬離脱もありそうではあるが。

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