先日、イラン国内でイスラエルが関与していると思しき重要施設の爆破事故が相次いで発生していること紹介した。
この1週間ほど、イラン国内の様々な施設で火災や爆発が相次いで発生している。6月26日には、首都テヘラン近くのミサイル用の液体燃料製造施設で爆発が発生した。当初、イランの当局は民間施設としていたが、衛星写真分析の結果ミサイル製造施設と[…]
どのくらいの頻度で爆発事故があったかと言うと、
6月26日に、イランのホジル(首都テヘラン近郊)にあるミサイル用の液体燃料製造施設で爆発が発生した。この施設は、ミサイル製造施設という話もあるようだ。
同じ日には、シラーズにある発電施設で火災が発生した。
6月30日には、テヘランにある病院で爆発事故が起きた。
7月2日には、ナタンズのウラン濃縮施設(さらに高性能な濃縮施設も建設中)で爆発事故が発生。
7月4日、イラン南西部のアフワーズの発電所での爆発・火災が発生。さらに、カランの石油化学プラントでの塩素ガス漏れも発生した。
ここまでは以前の記事で紹介したが、その後も重要施設での爆発事故が相次いでいる。
7月7日には、イランのバカーシャーにある酸素工場で爆発が発生した。
7月9日には、テヘラン西部で爆発。近くにはミサイル工場もあったとのこと。
7月12日には、バンダレ・マーフシャフルにある石油化学プラントで爆発事故。
7月13日には、マシャドにあるガスタンクが爆発事故。
7月14日には、イランのラマードにあるアルミニウム工場で爆発事故が発生した。
その翌日、7月15日にはイランのブシェール港で爆発事故が発生した。
7月18日には、アフワーズの石油パイプラインが爆発事故。
7月19日には、イスファハーンの発電施設で爆発事故。
こうして並べて見ると、凄い数の爆発事故が起こっている。
7月7日に爆発事故があった酸素工場は、2018年にイランの核計画に関する情報がイスラエルによって盗みだされた現場の近くとのことだ。
7月9日の爆発事故があったテヘラン西部には、ミサイル工場もあったとのこと。
さらに、14日に爆発事故があったラマードのアルミニウム工場だが、近隣にあるボーキサイト鉱床を活用してアルミニウムの生産を行っている。そして、この工場で生産されるアルミ粉末は固体燃料ミサイル推進剤の原料となっている。
#BREAKING: Giant fire broke out in an aluminum factory belonging to the IRGC in #Iran. Things like that have been happening for days. Iran is at war with an invisible enemy!#Turkey #Russia #Egypt #Greece #Syria #Libya #Iraq #Israel #USA #Corona #coronavirus #lockdown #COVIDー19 pic.twitter.com/qDIwwxiOkN
— Faruk Firat (@FarukFirat1987) July 15, 2020
15日に爆発事故があったブシェール港では、造船所で作られていた船7隻も炎上したようだ。ちなみに、ブシェールには原発があるが、そっちは無事だったようだ。
ペルシャ湾のブシェール港で黒煙を上げて炎上するイラン艦船。7隻が炎上中とも。全国で発生している爆発と火災の最新ニュース。原因や詳細な状況は伝えていない。 https://t.co/GAiWOHh44N
— アジア記者クラブ(APC) (@2018_apc) July 16, 2020
こうして並べて見ると、一体どんだけの爆発事故が起こってるんだよって感じだな。
なお、この一連の爆発事故への関与を真っ先に疑われるイスラエルの国防大臣は、「イランで起きる事故のすべてに必ずしもイラスラエルが関係しているわけではありません」とコメントしており、いくつかの爆発事故については、関与を仄めかしている。
まあ、病院の爆発事故や発電所の火災は本当に事故だったのかもしれないからな。確かにイスラエルは「全部」関わっているわけではなさそうだ。
とは言え、完全否定しないどころか、むしろ関与を示唆している態度については、明らかにイランとの戦争を誘っていると見ることが出来る。
今のところ、イラン側が無視を決め込んでおり戦争には至っていないが…多分、激怒中だろうな。
しかし、イスラエルのこの動きは実に奇妙だ。
イランは元々中東の大国で、アメリカが破壊してきたイラクやリビアとは国力がケタ違いな上に、ロシアや中国との結びつきが極めて強い。
例えば、ロシアはシリア内戦ではイランと協力してISと反政府軍を打ち破るなど、イランとの協力を前提とした中東の安定化に意欲を示している。
また、中国は、イランから石油を25年間に渡り長期安定的に購入することを決めた。
China-Iran “Strategic Accord” To Give Tehran $400 Billion Boost Over Next 25 Years https://t.co/iGrbobOq9k
— zerohedge (@zerohedge) July 15, 2020
ロシア・中国にとって、イランは戦略上重要なパートナーとなっている。
それに加えて、アメリカ軍は中東からの撤退を進めており、中東におけるアメリカ覇権は急速に低下している。
こうした状況やイスラエルの立場を踏まえると、ロシア・中国との関係改善し、ロ・中にイランを止めてもらうと言う方針を取りそうなものだ。
それをしないということは、イスラエルはアメリカを引っ張り込んで中東戦争をするつもりなのだろう。であれば、アメリカが撤退する前に始めた方が都合がいい。
だが、アメリカ内部は一枚岩では無い。
トランプは中東から撤退したい一方で、軍産・国際金融資本勢力はイスラエルに肩入れして中東のイザコザを残したい。
イスラエルが思うようにコトが展開するかどうか。
・・・と思っていたら、こんなニュースが出てきた。
【速報 JUST IN 】イスラエルとUAEが国交正常化で合意 米政府発表 #nhk_news https://t.co/thi6zObGxL
— NHKニュース (@nhk_news) August 13, 2020
イスラエルとUAE(アラブ首長国連邦)の国交正常化について、わざわざアメリカ・トランプが発表するという熱の入れようだ。
アメリカが中東から撤退を進める代わりに、イスラエルの味方を増やそうとしているのだろうか。
いや違う。
UAE(アラブ首長国連邦)を構成する全ての国は絶対君主制だが、国民レベルでは反イスラエル感情が強い。君主様が新イスラエルな態度を取り過ぎると、最悪、国家転覆になる。
そうなると、イスラエルは国王を、イランは国民を支援することになるだろう。
レバノンの爆発事故で、レバノン・ヒズボラが動けないうちに中東戦争開始か!?
元キャリア外交官の原田武夫氏や、ツイッターの謎アカ・れうういさんも中東戦争を予測している。
レバノンの首都ベイルートにある港で、現地時間8月4日午前6時ごろに大規模な爆発が発生した。爆発については、ネット上に様々な映像がアップされているので確認して欲しいが、とんでもない規模の爆発だ。レバノン・ベイルート港の大爆発に[…]
なお、原田武夫氏は中東戦争による石油高騰が、日本のデフォルトに繋がる旨を警告している。中東戦争が始まったら、手元の円を金か仮想通貨に逃がすべしだ!
最後まで読んでくれてありがとう!