元キャリア外交官の原田武夫氏は、前々から「シルバーウィーク前後にガラが来る」との警告を発していたが、いよいよ日付が限定されてきた。
原田武夫氏によると、連休明けの9月23日(水)にガラるとのことだ。ただ、朝イチの寄りガラ(おはぎゃー)なのか、ニューヨークタイムにガラるかは分からない。
しかし、いつガラになってもよさそうな兆候は出てきている。
9月4日以降のニューヨーク株式市場で、断続的にキツイ下げが続いているのは記憶に新しい。
為替相場だが、メジャー通貨の強さは「ユーロ≧円>ポンド>ドル」と行った感じで明らかにドルが弱い。このドルの弱含みはしばらく続いており、気になるところだ。
2008年リーマンショックの時は、円キャリーの巻き戻しや安全資産への逃避から、円が高騰する一方でポンドやユーロが弱含みの展開だった。感覚的には「円>>ドル>>>>ユーロ>>ポンド」くらいだったか。
リーマンショック序盤にポン円ショートで入り、ひらすらピラミッドし続けていれば、プール付きの屋敷が立つレベルだったな。まあ、そんな上手くはいかなかったけど。
さて、ガラの予兆は為替相場だけではない。実態経済も危ない。
【判明】コロナ関連の破綻、負債1000万円未満を含め累計500件にhttps://t.co/rsbJUz9AEu
15日午前11時までに、負債1000万円未満を含めた新型コロナ関連破綻は累計500件に達した。資金力の乏しい小・零細企業を中心に、コロナ関連の倒産は再び増勢に転じている。 pic.twitter.com/2dx5znnhPk
— ライブドアニュース (@livedoornews) September 15, 2020
中小零細企業を中心に、コロナ関連破綻が増加しているとのこと。だが、破綻まで行かずとも自主的に廃業を判断した事業者もいるだろうし、政府の救済措置により辛うじて倒産してないだけのゾンビ企業は多い。
遊びに行かない、外食しない、モノも買わないが続いた結果、表に出てきている数字以上に実体経済は深刻だ。
年内は、持続化給付金や雇用調整助成金、家賃補償と言った政府の救済策が適用されるほか、政府保証付きの無利子無担保融資制度もある。
この融資は日本の大半の企業が利用しているんだろうが、当面の運転資金確保のために借りただけで、多くは返済のアテなどあるはずもない。
結局返済の必要はあるので、政府の救済策が無くなる来年から物凄い数の焦げ付きが出てくるだろう。
さらに、モラルハザード的に、これらの救済措置を使い切るまでは倒産も廃業もしないところも相当数あるだろう。
雇用調整助成金や政府保証の融資などの救済措置により、今のところ失業や倒産は抑えられているだろうが、単に先延ばしされただけで根本解決にはなっていない。
このままだと、来年以降は本格的な倒産ラッシュが始まる。マジでヤバイ。
自民党の安藤裕議員が、党幹部に企業や個人の救済のための財政出動を訴えたが、幹部は「今回の不況に耐えられない企業は潰れてもらう」と発言したと、安藤議員自身で暴露していた。
安藤議員の主張はこんな感じの人。
拡張的財政政策には賛成です。
しかし、株主資本主義云々や反グローバリズムな点は…安藤議員らしいです「令和の時代に必要な経済政策とは」―安藤裕(衆議院議員)|経済界ウェブ https://t.co/tHmMdHJS9w @keizaikaisより
— 質問者2 (@shinchanchi) August 6, 2020
安藤議員の主張には、財源の裏付けや効果などが語られておらずMMTを彷彿とさせる。この点は、個人的に賛同しきれない。しかし、コロナ不況の真っただ中にあって、財政出動が必要なのは事実だと思う。
話がそれたが、中小企業を中心とした倒産・失業は、自民党幹部の意向だったのか。目的はなんだろうか。
中小企業の統廃合を進め、強い産業構造を作るという前向きな目的ならば理解はできる。
中小零細企業は数が多すぎて、過当競争に陥っているほか大企業と比べて生産性も給与水準も低い。
コロナに乗じて中小の統廃合を進めて大企業化させ、生産性や給与水準の向上を図ったうえで貧困や失業問題を解決した方が国家としては望ましいのは間違いない。出血は多いが・・・。
でも、ここまでの覚悟のある政治家や高級官僚がいないだろうな・・。財政出動しないのは、単に財務省の言いなりでカネが無いと言っているだけなのかも。
9月15日にアップされた「原田武夫の今日の一言」で、原田武夫氏はこんなことを言っていた。
財務省を遠ざけて経産省を重用した安部首相と異なり、菅さんは財務省の意向を受けた「緊縮財政」「増税」路線を行くとのことだ。財政出動しないのは、やっぱり財務省の意向か。
このコロナ不況下でも財務省がカネを守りたがる理由について、原田武夫氏は「デフォルトが近いから」との見解のようだが・・。
いずれにせよ、連休明けにガラが来てさらにもう一度ガラって、来年にかけてバブルになってからのデフォルトという展開のようだ。バブル時に金融コントロールの失敗によりデフォルトするんだろうか。
株式市場は理由もなく上昇か日経平均は、コロナ禍が本格化し始めた2月に、24000円付近から16000円くらいまで暴落した。国債金利も上昇するなど金融市場が不安定化する中で、FRBの無制限QEを皮切りに日銀やECBもQEを拡大するハメにな[…]
原田武夫氏は、このデフォルトの中では、カネがたくさんあるところから引っ張ってきて生き延びなくてはいけないと言っているぞ。
・・・全力ショートからのロング行っとくか!でも円がデフォルトしたら、無価値になってしまうのかな。
ともかく、連休明けのガラと、これからが本番の倒産連鎖に備えないとな。
企業融資の焦げ付きや社債の破綻、個人でも住宅ローン破綻とかがわんさか出てくる。地銀だって危ない。
昨日(9月4日)、次期総理候補No.1の菅さんが、地銀の再編を示唆する発言をした。【総裁選】菅氏「地銀多すぎる」…かつて「ハードランディング」主張の梶山氏を支持https://t.co/1wN964t2l7地銀の経営は厳しい。上[…]
しかも、こうした危機は日本に限った話ではない。海外も同様だ。
となると、海外の金融機関が発行したCLOなどのハイリスク債券も危なくなるし、CLOをしこたま買い込んだ農林中金や郵貯も危ない。金融破綻も懸念される。
原田武夫氏は、バブル前にもう一回ズドンあると言っていたが・・、これらの危機を乗り越えて、日本に資金が集中する日本バブル開始となるのかな。
最後まで読んでくれてありがとう!