昨日、12月のFOMC議事要旨が公開され、思った以上のタカ派的な内容に衝撃が走った。
◆FOMCポイント
さきほど発表のFOMC議事要旨を受け、市場では「3月利上げ開始」「年央にも資産圧縮」との観測が強まっています。1枚目は議事要旨の要点。「テーパリング」含め、いろんな言葉があるので2枚目のスライドで簡単なイメージ図をつくりました pic.twitter.com/bCm5QnGiN8— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) January 5, 2022
ゼロ金利政策解除の前倒しだけでなく、利上げを早める可能性への言及があり、FRBはインフレリスクにかなり敏感になっているようだ。
お陰さまで、市場では3月にも利上げする可能性や、資産買入れ額(FRBの国債購入額)をゼロにするだけでなく、年央にもFRBが保有する米国債を市場に放流する資産圧縮が始まる可能性が言われ始めた。
思った以上に早いFRBの金融政策の転換姿勢を受けて、早速市場は大混乱の様相となっている。
まずは米国債金利だが、いきなり1.7%を超えてきた。
米長期金利1.7%に急伸 ハイテク女王は試練(NY特急便) 米州総局 宮本岳則https://t.co/5dQ4Bpd2d1
— 日経電子版 国際 (@nikkei_intl) January 6, 2022
以下は、10年米国債の日足チャートだ。
FOMCの議事要旨公開の数日前から急な上げが続いているところは「情報お漏らし」を感じさせるが、米国債最大の買い手だったFRBが売り手に回るとの衝撃はかなりのものだ。
今のところ金利は高値張り付き状態で、昨年3月の1.774%を超えそうな雰囲気となっている。
超低金利下において、審査の甘いコベナンツライトローンや社債発行により資金調達してきたゾンビ企業郡にとって1.7%を超える金利はかなりキツく、試練の時を迎えている。・・と言うか、大量倒産時代となりそうな状況だ。
以前に「CLOが日本に集中!次の金融危機は日本発か!?」で紹介した、低信用企業への融資債権を証券化した企業版サブプライムのCLO(ローン担保証券)破綻による、リーマンショック再来も現実のものとなってきた。
しかも、このCLOは農林中金やゆうちょ銀行、UFJ銀行などが大量保有している。日本発の金融危機という笑えない事態もあり得ない話ではない。
さて、ドル円相場もさぞかし円安方向に振れている・・と思いドル円の日足チャートを見ると、
うーん・・・FOMCではあまり動いていない様子だ。
かなり前からブルトレンドのパーフェクトオーダーとなっているが、ドル円が円安方向にブレイクした昨年9月下旬頃のような上げパワーはなさそうで、116円突破に手こずっているように見える。
「株価下落によるリスクオフで円買い」というような時代でも無いので、オプション絡みで一時的にもみ合っている状況か。
ただ、「ツイッターCEOが語るハイパーインフレ 一番危険なのは日本か」や「いよいよインフレが本格化 そして日本デフォルトとデジタル円」などで紹介したように、日銀は金利コントロール能力を喪失しているため、これから日米の金利差は開く一方となる。
日本・破綻寸前 自分のお金はこうして守れ!(藤巻健史著)
この状況を見逃すファンド勢はいないだろうから、リーマンショック前のような円キャリーも活発化するかもしれん。オプション攻防戦が一息ついたら、ドル円は120円は軽く突破してくるだろう。
円預金全集中は、どんどん資産額が目減りすることになりそうだ。
また、FRB議事要旨の余波は株式市場にも及んでおり、ダウナスも死んでいたが、当然日経も逝った・・。
日経平均が急反落、終値844円安の2万8487円 https://t.co/G7n69XJ0Uy
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) January 6, 2022
844円安・・・年初の上昇が完全に吹き飛ぶ大暴落。
しかも、安値引け。
なお、アメリカの著名な予言者ジョセフ・ティテル氏の2022年の年頭予言では、株式市場についての言及もあった。
●株式市場のインサイダー取引
社会の不安定化を進めながら、株式市場の不安定化とインサイダー取引をやり、さらに、911のような大きな事件へと向かっている。米国の場合は、これが最終的にFEMAキャンプ(強制収容所)になるだろう。オーストラリアや中国でも同じだ。コロナ検疫の一時退避所のように呼んで、実は、強制収容所ということになる。(ブルーオーブのブログより抜粋)
株式市場の不安定化が進むようだ。まあ、QE資金が引き上げられるとなれば、株式市場も不安定化するのも当然と言える。911のような事件というのが気になるが・・「9・11陰謀論は真実か!?その目的と今の状況を考える」で紹介したような自作自演劇をやるんだろうか。株式市場のインサイダー暴露とか!?
さて、国債と株式市場が大きく動く中で、金は比較的落ち着いた動きだ。以下は金価格の日足チャートだ。
まあ、金融市場全体の暴落に引っ張られる形で下落しているものの、1800ドル付近のサポートラインで留まっている。
売りの圧力は余り無さそうだ。
以前に「バーゼルⅢで金と仮想通貨は爆上げ そしてドルは崩壊・・世界統一デジタル通貨へ」で紹介したように、金融機関による貴金属類の先物売りに規制がかかっていることと関係しているのだろうか。
次はビットコインなど仮想通貨関係だ。
まず、あのゴールドマン・サックスが、将来的にBTCが10万ドルを突破するとの予測を出したことがブルームバーグから報じられた。
ビットコイン10万ドルは実現可能、金のシェア奪う公算-ゴールドマン https://t.co/i1hY6yN2LE
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) January 5, 2022
ゴールドマン・サックスによると、金とビットコインで構成する「価値の保存市場」において、ビットコインが占める割合は20%程度とのことで、これが50%となればビットコイン価格は10万ドルを超えるとか。
つまり、金(ゴールド)が持っている価値保存機能の半分はビットコインが担うことになるため、ビットコイン価格の上昇が見込まれる・・ということか。
まさに、以前に紹介したような状況になりつつあるようだ。
しかし、この記事が出た翌日にはビットコインはじめ仮想通貨全般的に暴落している。
米国債と同様に、FOMC議事要旨公開前から下げに転じているところも合わせると、ブルームバーグの記事はゴールドマン・サックスのハメコミだったとも思えてくる。
ただ、昨年8月までの高値圏であり9月下旬の安値だった40000ドル付近のサポートは鉄壁と思われ、ここからはなかなか下げにくい・・と信じたいところ。
なお、ブルームバーグの記事は5年スパンの話なので、今回の暴落に関してゴールドマン・サックスは無罪か・・。
ところで、ビットコイン暴落には別の要因があったぽい。
それがカザフスタンだ。
State Of Emergency Declared In Kazakhstan’s Largest City After Fuel Price Riots, Internet Cut https://t.co/7UvdELWrwh
— zerohedge (@zerohedge) January 4, 2022
ゼロヘッジさんが報じるところによると、カザフスタンでは電力不足を背景に、政府が天然ガスやガソリン価格高騰を容認し、それに対する反政府デモが激化し暴動へと発展していた。
これに対してカザフスタン政府は、全国のインターネット網を遮断する措置に出たたのこと。
昨年、中国でビットコインマイニングが禁止を受けて、中国人マイナーたちが電力の安いカザフスタンに殺到したため、カザフの電力量の1割がマイニングで占められて電力不足となり反政府暴動に繋がった。
カザフスタン政府の立場からは「怒りのインターネット遮断」なのだが、これによりハッシュレートの約12%が失われ、ビットコインは大暴落となった。
~12% of the bitcoin hash rate has been disconnected from the network due to the Kazakhstan Government cutting internet nationwide in response to anti government protests.
The bitcoin network continues to operate smoothly. Even if this hash never reconnects that will continue. pic.twitter.com/vIFSNOPhx6
— ODELL (@ODELL) January 5, 2022
1月5日にビットコインのハッシュレートは最高値更新しており、今後の爆上げが期待されるところだったのに・・カザフのバカ。
しかし、ゴールドマン・サックス先生は、「価値の保存市場」なるものを構成するのが「金」と「ビットコイン」としている。いつの間にビットコインが金と並ぶ根源的価値を与えられたのかは分からないが、少なくとも数年間はビットコインは上昇しそうだ。
また、以前に紹介したように、ビットコインや仮想通貨は、将来の世界統一デジタル通貨「フェニックス」の広告塔であるとともに、金価格が上がり過ぎないように資金を受け入れる役割を持たされている。
やはり、どう考えてもビットコイン価格は上がるシナリオとなっている。
さて、今回のFOMC議事要旨からは、FRBが思ったよりタカ派であるとともに、はかなり焦っている雰囲気が感じ取れる。
そういえば、昨年末に世界の中央銀行が金(ゴールド)を買っているとの報道があった。
世界の中銀、ドルから金へ 保有量が31年ぶり高水準https://t.co/k8nqgjz6u4
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) December 25, 2021
世界の中央銀行は、外貨準備資産として信用が低下しつつあるドルから金へ切り替えているとか。
「世界の金融システムは破綻に向けて大きく動く」で紹介したように、アメリカのインフレは供給サイドの目詰まりに加えて実体経済への通貨の供給過剰もあると推測されるし、中国ロシアによるSWIFT脱退などドルの信用低下を招く動きへの対応も必要だ。
こうした中で、バーゼルⅢ完全適用で金価格は下げられなくなった。
このままだと、金価格高騰=ドルの信用低下が止められなくなるかもしれない・・ここにきてFRBはドルの信用低下を防ぐためになりふり構ってられなくなってきたのかも。
なお、アメリカの著名な予言者のジョセフ・ティテル氏の年頭予言で金融経済に関するものをいくつか紹介したい。
予言の内容はブルーオーブのブログから抜粋させて頂いている。
まずはこれ。
●大きなサービス停止
インターネットのサービスが大規模に停止する。もちろん、イルミナティが計画したもので、まずはいくつかの国で、インターネットの短時間のサービス停止が実施される。人々が互いにコミュニケートできないようにするためで、当初は、ハッキングが原因とか、システムの故障が原因だとされるが、実際には、すべてが繋がっていて、内部犯行だ。
これは、先ほど紹介したカザフスタン政府のインターネット遮断が真っ先に浮かぶ。カザフ政府は、メッセンジャーアプリの停止からのインターネット遮断を断行しており、まさにこの予言を体現しているかのようだ。
また、インターネット遮断は仮想通貨にとって大敵であることが明らかになってしまった。
ゴールドマン・サックスの予測とカザフスタンの状況から、仮想通貨に資金を流して金価格上昇を抑制したところに、インターネット遮断により仮想通貨の価値を地に落とす・・的な未来図も見えてくる。まあ数年後だろうけど。
さらに関連してこんな予言も。
●不動産/銀への投資
不動産はもう優良な投資ではなくなっている。住宅市場はもうすぐ再びクラッシュするからだ。それがルシフェリアンの目標だ。ヨーロッパでも同じ。何十年も前から言っているが、唯一のベストな投資は貴金属だ。唯一の投資は貴金属であるべきだ。将来の利益で言えば、銀がもっとも良い投資だ。多くの人が預金によって失うだろうが、最も失うのは、仮想通貨だ。だから、仮想通貨から投資を引き上げて、現物の貴金属に投資するべきだ。コバルトというのがぱっと浮かんだ。ちょっと前の動画でも述べたが、コバルトは充電池やソーラーパネルに使われるため、価格が上がるからだ。
だが、No.1は銀(シルバー)だ。スマートフォンなどにも銀が使われるからだ。
最も多くを失うのは、預金ではなく仮想通貨だとか。そして、ジョセフ・ティテル氏は銀投資を推奨している。
仮想通貨が壊滅するのは数年先の話だろうから、今のところは仮想通貨に乗っかっておいて、頃合いで金や銀などの貴金属(現物)へとシフトするのが良さそうだ。
ところで、ジョセフティテル氏の予言でもう一つ気になるのがこれ。
●石油不足
70年代の石油ショックのようなものがエリートたちによって計画されている。
石油高騰が予言されている。
この原因は、もしかしたらドルの信用低下なのかもしれない。信用低下で減価したドルベースで石油が高騰する・・と言うのはあり得ない話ではない。
また、ドルは現在の金融システムの根本に位置している。そのドルの信用低下となれば金融市場の混乱は避けられない。
その点では、今のところはゴールドマン・サックスが推すビットコイン等の仮想通貨に乗っかっておくのがいいのかもしれない。
今回はFOMC議事要旨公開とカザフスタン要因とが重なり仮想通貨も暴落したが、今後の利上げのタイミングで仮想通貨が下がらなくなれば買い上がりのチャンスかもしれん。
最後まで読んでくれてありがとう!