インフレ

いよいよインフレが本格化 そして日本デフォルトとデジタル円

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昨年の秋頃から米中間のコンテナ輸送船の混乱が報じられ始めて幕を空けたインフレが本格化してきた。

11月10日に発表されたアメリカCPI(消費者物価指数)は、+5.8%という高め予想をさらに上回る+6.2%だった。

もともとの予想値5.8%も30年ぶりの伸びだったところ、結果はそれを軽く超える上回る6.2%。特にガソリンは49.6%上昇しているなど、異次元レベルの物価上昇となっている。

また、生活必需品の食品・エネルギーを抜いたコアCPIも4.6%の高い伸びとなっており、全般的に上げがキツくなっている状況だ。

これを受けて、インフレ懸念を嫌気したNYダウさんも下落した。

ただ、翌日の東京市場は上がっているので、単なる調整下げだったか。

さて、ヤフーファイナンスで、アメリカCPI(前年同月比)の推移を見てみると・・

アメリカCPIの推移

2021年4月頃から急激に伸び始め、前年同月比5%以上を継続している。

昨年4月~6月のコロナショックによる消費低迷もあるので、今年の4月~6月の伸びが大きいのは仕方ないにしても、7月以降もずっと5%を超える状況が続いているのはかなり深刻と言える。

年末需要を踏まえるとインフレは当面続くだろうし、「ツイッターCEOが語るハイパーインフレ 一番危険なのは日本か」で紹介したように、ツイッター社や決済企業スクエア社を手掛けるドーシー氏が「ハイパーインフレ来るで」と警鐘を鳴らすのも頷ける。

こうした状況を背景に、市場ではインフレと名の付くETFに買いが集まっているとか。

ブルームバーグのアナリストさんは、

「ほとんどの人はインフレを自分の目で見て自分たちの生活の中で感じている。一時的という当局の見解をうのみにはしない」

と指摘している。どうやらアメリカのインフレは相当酷いようで、国民は「インフレは一時的」というFRBアナウンスを全く信用していないようだ。

このインフレの原因は、昨年秋頃から顕著になっているコンテナ船物流の混乱や原油高、相次ぐ火災で供給能力が細った半導体不足など、世界同時多発的に発生した「供給大混乱」にあるのはこれまでにも紹介してきたとおりだ。

世界で同時多発的にインフレの兆候 金融危機へのカウントダウン!?)(WHO「コロナはまだまだ終わらない」 迫りくるのはインフレリスク!?)(日本、台湾で相次ぐ半導体工場の火災 意図的に仕掛けられるインフレ

ここで、今年の2月に「3京円の世界債務がもたらすインフレーションとデフォルト」で紹介した原田武夫氏の動画を改めて見てみたい。

この動画の中で原田氏は・・・

  • コロナでモノの生産・販売量が減った結果、世界的にコンテナ船の航路欠航などモノが動かなくなっており、モノを動かすことが難しくなってきている。
  • 加えて、リーマンショック以降、大量のカネがバラマかれており、ある時それが出てくる。
  • おカネがバラまかれている中で供給が切迫すると運送料が上がり、連動して小売価格も上がる。つまりインフレとなる。
  • こうした状況があるのは確かだが、米系メディアが敢えて報じるのは、インフレ方向へ誘導する意図があるから。
  • 日本でも、大量の給付金などがばら撒かれており、モノの値段が上がるなどインフレへと誘導されていく。
  • 日本では財政破綻も見えてきているが、破綻しないためには政府保有資産を大量に売る必要がある。
  • なので、資産バブルが起こされる。なので、資産バブルを起こすためにインフレ誘導しているのではないか。
  • インフレは始まっており、株価も上がっている。だが、経済実態はよくはないため「スタグフレーション」が起こる。
  • そこまで行くには、1年位はかかるだろうが、それまでに、次のステップに進むための資金を作ること。

と見解を述べている。

アメリカでインフレが加速しているのは、供給サイドの大混乱だけでなく、QE(金融緩和)マネーが加わっているためでもあるようで、ジャブジャブマネーの大弊害と言ったところ。

さて、日本では今のところ企業がコスト増を飲み込んでいたり、ahamoなど携帯料金の値下げ効果で(良いか悪いか知らんが)消費者物価指数は8月△0.4%、9月0.2%と低水準だ。

しかしながら、原田武夫氏の予測どおりインフレは日本へも波及しつつある。

この秋の値上げ品目は、ガソリンや外食以外にも家庭用小麦(パンや麺類含む)や砂糖、油、コーヒー、ポテチ、電気器具類など多岐に渡っており、消費者の負担増は消費税が8%→10%の時と同じレベルとか。

日本で値上げの秋となっている理由は、これまで値上げに慎重だった日本企業も、世界的なコストプッシュの波に逆らえなくなっているからだ。

日本の10月の企業物価指数は、何と前年同月比+8.0%で1981年以来の伸びだった。

世界的にコストプッシュインフレが進む中で、消費者の川上に位置する企業も限界に達しており、いよいよ日本でもアメリカ並みにインフレが深刻化しそうだ。

世界の超大国が一丸となって起こした世界同時多発的な供給混乱に端を発したインフレは、簡単に収まりそうにない。

こうした中で、さらに食糧危機の懸念を感じる報道が出てきている。

それがこれ。

何と、中国共産党政府が食料など生活必需品の備蓄を奨励し始めたのだ。

表向きはコロナによる供給混乱に備えたもの・・とのことだが、台湾有事が近いなどの憶測が飛び交う状況に。・・まあ、冬季五輪を前に中台間のドンパチは無いと思うが。

しかし、中国人民は何かを感じとっているようで、備蓄に励んでいる模様だ。

うーん、大胆かつ斬新な備蓄スタイル。

中国では、頻発する洪水や原油高の影響で食糧品価格が高騰しており、WBSでは中国でホウレン草が3.5倍に高騰していると報じていた。

また、中国の消費者物価指数は+1.5%、卸売物価指数は+13.5%になっているとか。中国もインフレ直前の状況のようだ。

うーん、中共政府が食料備蓄を推奨する理由について・・・一つ思い出したいのが、コロナを契機に管理社会構築を目論む支配者層のグレードリセットプラン「ロックステップ計画」だ。

特に気になるのは計画の以下の部分。

  • 食料・ガスなどは不足するため、許可制で最低限の買い物しか出来ないようにする。
  • そして、更にロックダウンを強化・長期化(6ヶ月以上)して、世界的に経済を崩壊させて食糧危機を発生させる。

世界超大国オールスターズでインフレ加担しているところから、さらに進んで食糧・エネルギー不足へと追い込まれていくのかもしれない。

だとするなら、日本でも家庭菜園や食料備蓄をした方がいいかもしれん。

また、世界的にロックダウンは減っているようだが、食料危機と共に再び強烈なロックダウンとなるのかもしれない。もちろん、日本でも緊急事態宣言で許されずにロックダウンとなるのかも。

こうした不穏な空気の中で、日銀はしばらく大規模緩和を維持することを決定した。短期金利△0.1%、長期金利0%程度に誘導する金利操作(=国債購入)や、年間12兆円上限の株式ETF買いを継続する。

加えて、インフレ効果の高い実体経済へのバラマキ策も。

供給混乱だけでなくQEマネーのジャブつきもインフレ加速要因であることを踏まえると、日本(日銀)はインフレ対策を放棄しているように見える。

そもそも、インフレとは物価上昇であるとともに貨幣価値の下落でもある。なので、インフレで下がった貨幣価値分を補うために金利はインフレ率を加味して上昇するのが普通だ。

ただ、現状では日銀が金利を上げないように猛烈な勢いで国債を買っており金利は上がらず、さらにアメリカでテーパリングが始まれば、円価格の相対的下落も加わってインフレ(=貨幣価値の下落)はますます酷くなる。

つまり、名目金利ゼロでインフレとなり実質金利は大幅なマイナスとなる。さらに、日本だけQE継続となれば円安圧力も強くなる。

これは、資金調達側にとっては「ボーナスステージ」で、一時的に日本国内のダブついたマネーが活性化すると共に海外勢の資金も大量流入すると推測される。

原田武夫氏が「政府保有資産を売るために資産バブルを起こす」必要性を語っているが、実際にそうなりかねない状況だ。

この過程で、世界で日銀だけ金融緩和している状況や、日銀が事実上の財政ファイナンスをしていることが公然と認識されるようになれば、いよいよ日銀への信用が無くなる(=日本円の信用が無くなる)最終ステージに突入する。

これを防ぐために、本来なら日銀もアメリカと歩調を合わせ、QE(金融緩和)縮小→終了→引き締めへと舵を切る必要がある。

しかし日銀にはこれが非常に困難だ。

何せら日銀が抱える国債は2021年3月末時点で500兆円を軽く超えていることから分かるように、日銀は国債市場においてダントツ最大の買い手となっている。

これは、

  1. 日銀が国債購入から手を引けば国債価格暴落(=金利急騰)となる可能性が高い
  2. 国債価格暴落で、日銀は債務超過となる可能性が高い
  3. 日銀は事実上の財政ファイナンスをしており、金融緩和をやめられない

ということを意味する。

まあ、日銀は簿価会計なので厳密には債務超過しないが、海外ヘッジファンド勢はそうは見ずに怒涛の円売りを仕掛けてくるだろう。

時期的には、海外勢が日本の資産を買い漁った後だろうか・・・。

財務省のウェブサイトからも確認できるが、日本の債務残高はGDP比で見ても異次元の高さとなっていることも含め、インフレにより日銀MMT的な金融政策は崩壊に追い込まれる。

債務残高比較

もちろん、債務額に関わらず厳密には日銀はデフォルトしないが、事実上の債務超過分を日本政府が赤字国債を元手にしたカネで埋めても信用回復するワケがなく、日本円の価値は地に落ちる。

世界の金融資本主義の中で、円は切り捨てられる。

問題は、これが起こるのはいつかということだが・・・2024年に一万円札が渋沢栄一になるという・・アレは気になる。

事実上のデフォルト後の「新円切り替え」なのかは分からんが、この通貨がどんなモンなのかについて、御大の皆様の意見を紹介したい。

まずはもと元キャリア外交官で自身のシンクタンクiisia代表の原田武夫氏。

以前に「資産防衛に意味は無い ハイパーインフレと暗号通貨は既定路線か」でも紹介したが、原田武夫氏は次の新日本円は「暗号通貨」と予測している。

おそらく、新日銀が発行するであろう「デジタル日本円」のことだろうが、気になるのはその機能だ。

原田武夫氏によると、「価値の尺度」「交換手段」「価値の保存」の通貨3機能のうち、「価値の保存」は出来ない通貨となるとか。

価値の保存・・つまり貯金ができないというのは、おじさんにはイメージ出来なかったが次のDr.苫米地氏の発想で納得した。

天才・Dr.苫米地氏が次世代通貨として提唱するのは、半減期通貨だ。

この半減期通貨をユニバーサル・ベーシック・インカムとして利用することで、世界経済を再構築できるとしており、何と、ロシア版ダボス会議で発表したところ、某国が興味を示して機密扱いになっているというもの。

その半減期通貨の概要は、

  • 基本的には1年で量が半分に減るデジタル通貨(毎日2の365乗根ずつ減る)
  • どんどん減るので、消費が促される
  • これをUBI(ユニバーサル・ベーシック・インカム)として国民に配布する。
  • 貴金属や法定通貨との交換は禁止
  • 減価分(UBIの半分)は中銀に戻ることになるため、その分は国庫に入れる(法定通貨に転換する)。
  • その回収分で一般会計を賄うため、税金は不要となる。
  • 消費が促されてGDPも上がる。GDP伸び分は通貨を刷ってもインフレしない。

というもの。

保有しているだけでどんどん減っていく通貨・・UBIと合わせて、シンプルな制度だ。

で、このデジタル通貨の「毎日減っていき1年で半減」という特性・・・まさに、原田武夫氏の言う「価値の保存が出来ないデジタル通貨」そのものだ。

この日々減っていくという点で似ているのが、日本のハイパーインフレを警告し続けてオオカミじいさんとなってしまった、元モルガン銀行(現JPモルガン・チェース銀行)の伝説的ディーラーにして日本支店長だった藤巻健史氏だ。

コロナショック&Xデーを生き抜くお金の守り方(藤巻健史)

藤巻氏が提案するのが、マイナス金利を付したデジタル日本円だ。持ってるだけだとドンドン減っていくので、Dr.苫米地氏の半減期通貨と同様に、消費喚起に優れた役割を果たす。

また、マイナス金利幅は金融経済の状況に応じて△40%とか△5%とか変えればよく、景気が加熱したらプラス金利にするとも可能としている。

このように、御大3人ともタンス預金で逃げられない「デジタル通貨」に「減少機能」を付与する点で共通している。

新日本円の姿がこれかは分からないが、デジタル通貨はDr.苫米地氏の言う良い社会にも出来るし、逆に管理社会構築にも使えるツールとなってしまう。

ロックステップ計画の最後のこれ。

  • その後の新たな経済システムの根幹として、マイクロソフト特許番号060606の身体活動のデータを使った暗号通貨を使用する。
  • 基本的に我々に従わないと、クレジットスコアを失い生活に必要なものも得られなくなる。新世界秩序にようこそ。

デジタル日本円が、将来の管理社会構築のためのツールにならないといいのだが・・。


最後まで読んでくれてありがとう!