停電

ミャンマークーデターは国際金融資本崩壊の始まりか

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2月1日に発生したミャンマーのクーデターについて、中国悪者(黒幕)説が多い。

しかし、中国にはミャンマー軍部にクーデターを起こさせる理由がない。

そもそも、ミャンマー軍部は、経済制裁下で支援してくれた中国に国を乗っ取とられかけた経験から、中国には一定程度の警戒心を持っている。中国にそそのかされた程度でクーデターを決行するとは思えない。

また、軍部はNLDと歩調を合わせ(一応は)民主化を進める中で、ミャンマーは「東南アジアのラストフロンティア」として世界から投資が流入し、経済成長の真っ只中だ。

中国は、経済制裁を課されていた頃からミャンマーへの投資を進めており、今では先行者利益を享受する立場にある。そんな有利な状況にある中国が、再び経済制裁を受けかねないクーデターをそそのかすとは考えにくい。

ということで、中国黒幕説以外のクーデターの背景を考える。

まず、90年代にイギリスから帰国したアウンサン・スーチーは、表向き「民主化の女神」としてミャンマー民主化を目指すための象徴となった。

だが、ミャンマー軍部から見た「民主化」とは、ミャンマーが国際金融資本勢力に食い物にされることを意味する。

ソ連邦崩壊後に国民が極貧生活を送るなか、国際金融資本の軍門に下ったオリガルヒが天然資源を独占して我が世の春を謳歌したとおりだ。

さらに、スーチー・NLD政権下では少数民族(武装勢力)対策も上手くいっていなかった。スーチー・NLD政権が産みの親たる国際金融資本にハシゴを外されれば、ミャンマー国内は大混乱だ。

フセイン政権が倒れた後のイラクでは(アメリカが養成した)ISやアルカイダがテロの嵐を巻き起こして、軍産・国際金融資本の狙いどおり米軍が駐留することとなった。

こうした観点から「ミャンマー民主化」を見てみると、軍事政権側はアウンサン・スーチーを「国際金融資本勢力の回し者」「ミャンマーを食い物にするスパイ」と見なしていたのだろう。軍部がスーチーと組んだのは、経済制裁の解除と海外からの投資を呼び込むためのやむを得ない措置だった。

なお、ミャンマーは、2010年に軍事政権首班のティン・セインが軍を退役し、表向きは文民政権となったほか、スーチーの国政参加も許されたことで経済制裁は解除された。

これを機に海外からミャンマーへの投資が過熱したとされるが、以前のブログでも触れたとおり、スーチーが2011年のダボス会議でミャンマー投資を呼びかけたほか、あのジョージ・ソロスもミャンマーを訪問しているなど、国際金融資本勢力の資金が流れ込んだことが過熱の理由と推測される。

スーチーが軍部に気を使っていた的なことが言われているが、実際には軍部こそがスーチー(国際金融資本)に気を使っていたと言えよう。

こうした背景を踏まえると、一般的に言われているような「影響力低下を恐れた軍部がクーデター」というワケではなく、むしろ軍部は「スーチーや国際金融資本勢力に対抗できる何者か」の了解を得てクーデターを決行したと考えるのが自然だ。

何者か、というのが問題だが、まずはミャンマーへの影響力が強く、国際金融資本に反発する中国・習近平は間違いないだろう。

あとは、原田武夫氏が解説していたようにイギリスだ。

原田武夫氏は、ミャンマーの動きの背後には「イギリスの意向」があるとしている。

なお、この場合のイギリスというのは「国際金融資本勢力」ではなく、さらに上の「支配者層」だろう。

つまり、このクーデターとは、ミャンマー軍部が中国・イギリス(支配者層)の了承のもと、国際金融資本勢力のスーチーから政権を奪ったものと言えるかな。

こうした背景があるからだろうか。ミャンマーへの批判は鈍い。

イギリスの報道声明案を作成したのもポイントだが、中国・ロシアの態度保留により非難の文言は盛り込まれなかったとか。

記事によると、欧米は非難の文言を求めていたとのことで、いつもどおり厳しい対応をしたいようだが。

そして、日本も支配者層の意向に配慮しているのか。ミャンマー非難のトーンは見受けられない。

記事では、日本はミャンマー国軍との良好な関係を維持したいとのことだが、いつもの日本なら小国ミャンマーよりもアメリカ追随が第一だと思うのだが、今回は思い切りが悪い。

アメリカの圧力で、イランの油田権益を手放したときの思いきりのよさは何処に行ったのか。

産経新聞でもその様子が報じられている。

対ミャンマーで政府苦慮 支援停止検討、中国浸透警戒も民主化重視

政府はミャンマーへの支援停止などを検討するものの、発動は避けたいのが本音だ。米欧と同様の厳しい対応に出れば、ミャンマーの対中傾斜を進める結果になりかねない。とはいえ、国軍によるクーデターは日本外交の基軸でもある民主主義や人権など「普遍的価値」の否定で、沈黙すれば国際社会からの批判にもつながる。民政復帰への働きかけを続けると同時に、「苦渋の選択」(外務省幹部)にも備えているのが実情だ。

「日本は国軍を含めミャンマー側にさまざまな意思疎通のルートを持っている。民主的な政治体制が早期に回復されることを国軍に強く求めていく」

茂木敏充外相は5日の記者会見でこう述べた。現地では丸山市郎駐ミャンマー大使が中心となり軍側への説得を試みている。

以下略

日本は、非難ではなく対話によって軍部の説得を試みている感じだ。ただ、その内容は軍部独裁から民主的な政治体制として、スーチー・NLDとの連立復帰を望むものだろう。

まあ、日本では支配者層の意向というよりも、経済制裁によってミャンマーへの投資がムダになりかねないので「制裁される前に民主化してくれ」という思いもあるかもしれないが。

ちなにみ、スーチーの政治スタンスは、慰安婦問題で中韓と共に日本を非難するなど反日的な側面が目立つ。支配者層の意向を抜きにしても、日本にとっては軍部との連立が続くことが望ましいかも。

なお、慰安婦問題等に関しては、日中韓の連携を阻害する要因として働いている。日本「韓国ムカつく~」韓国「日本ムカつく~」となっている限り、東アジア安定を理由に在日・在韓米軍の駐留は必須(=軍産・国際金融資本の狙い)となる。

この点でも、スーチーは国際金融資本側の人間と言えよう。

ともあれ、支配者層がミャンマークーデターを支持しているとするなら、クーデターを非難する欧米(=国際金融資本勢力)の影響力は限定的と見るべきか。

ミャンマーは位置的に、政権に関係なく中国との良好な関係を保つしかない。今後のミャンマーは、沈黙を守る中国(と日本?)の影響下に入っていくことになりそうだ。

そして、中国の覇権も強まりつつある。

中国と人民元建てで取引をする国が拡大しているようで、人民元の国際化が進んでいる。

このためだろうか、ドル覇権の象徴だったSWIFTが中国人民銀行と合弁事業を設立するとか。

この動きからしても、ドルの基軸通貨性の喪失の流れはどんどん進んでいるようだ。

アジア圏では、日本が無策のままだと中国覇権に飲み込まれてしまう可能性が高くなっている。

ただ、中国がアジアの覇権を握る頃には、共産党支配ではなくなっているかもしれんが。

ミャンマーという東南アジアの小国でのクーデター劇は、表向き米中の代理戦争の様相となっているが、現実には、国際金融資本勢力の影響力低下が原因となっているのかもしれない。

ドル基軸体制の崩壊が少しずつ見えてきているのか!?


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