新型コロナウイルスが突然変異を繰り返しながら、世界各国に拡散していることを指摘する論文を、イギリスの名門・ケンブリッジ大学の研究グループが投稿した。
もちろん、これまでにも新型コロナウイルスの変異は指摘されており、既に2月には中国人研究者が論文でウイルス変異を報告していた。
その際に、変異は感染者が飛行機で移動したことにあると推測していた。
上空を飛ぶ機内では地上よりも放射線が強い。それにより、変異しやすい一重螺旋構造のRNAのゲノム配列に変異が生じた可能性が高いというものだ。
変異はどのウイルスでも起こるが、その方向性は基本的に弱毒化する。なぜなら、宿主となる人間がすぐに死んでしまうくらい毒性が強いと、ウイルスも拡散されないからだ。
なので、ウイルスは変異を繰り返すうちに、ヒトが死なない程度の毒性とある程度の感染力を併せ持つようになり、やがて人間と共存してウイルスがいつまでも生き延びるようになる。インフルエンザウイルスなんかが典型的だ。
さて、今回イギリスのケンブリッジ大学からの論文では、ウイルスがヒトに感染するようになった時期や、世界の感染タイプ・経路などが報告されていた。
論文はこのサイトで読むことが出来る。英語だけど。
Phylogenetic network analysis of SARS-CoV-2 genomes
グーグル先生によるタイトル訳は「SARS-CoV-2ゲノムの系統発生ネットワーク分析」だ。
この論文では、ウイルスには大きく分けて、A型、B型、C型の3系統があり、それぞれの系統はアミノ酸の変化により区分される。
最初にコウモリからヒトに感染したのはA型ウイルスで、その後B型そしてC型と変異していった。
最初にヒトに感染したA型ウイルスは中国で発生したものだが、中国や日本といった東アジアで感染拡大したのはB型ウイルスだったようだ。
A型はどこ行ったんだって話だが、どうやらA型は免疫学・環境学的東アジア人には感染しにくかったようで、知らない間にB型へと変異した。
A型から変異したB型ウイルスは、免疫学・環境学的に中国人や日本人などの多くの東アジア人への感染しやすさを獲得した「東アジア人専用ウイルス」となった。
つまり、1月頃から大騒ぎした中国での新型コロナ感染は、実は変異後の第二波だったようだ。
で、A型はどこ行ったんだって話だが、どうやら武漢にいたアメリカ人に感染してアメリカへ侵入した。東アジア人には感染しにくかったA型ウイルスだが、アメリカ人には感染しやすかったようで、どんどん広がっていった。そのほかオーストラリアでも多く確認されているようだ。
アメリカでインフルエンザが大流行していたが、一定数のA型コロナウイルス感染者がいたと考えるのが妥当のようだ。
一方で、B型ウイルスも中国からヨーロッパ(ドイツ経由でイタリア)へと向かったが、その時に東アジア人仕様から欧米人仕様のC型へと変異した。
そして、今ヨーロッパでの深刻な感染被害を引き起こしている。
と言うことで、日本や中国で拡大したB型は東アジア人に特化しているものの、日本や韓国の状況をみると毒性は比較的弱いようだ。
中国でも、医療崩壊した武漢以外ではそこまで死者は出ていない。日本の徹底しているとは言い難い対策でも、医療崩壊まではしていない。
一方で、ヨーロッパの感染状況(感染者数や死者数)からは、C型ウイルスは毒性が高まっていることが推測される。
と、ケンブリッジ大学の論文では、人種の特性に合わせた形でウイルスが変異しながら世界に拡散していったことが指摘されている。
さて、気になるのはアメリカはA型、中国・日本がB型、そしてヨーロッパがC型ということだが、ずっとそのままなのかということだ。
例えば、ヨーロッパやアメリカは地理的にも文化的にも行き来が激しい。C型ウイルスがアメリカへ渡ることは容易に想像できる。果たして実態はどうなのだろうか。
と思っていたら、その情報を乗せているサイトを発見した。
ナゾロジーさんで「新型コロナの「遺伝指紋」を作成した結果、日本にヨーロッパ型が侵入したことが判明」というエントリーが確認された。
ポイントは以下のあたりだ
- 日本でもB型以外にC型が入り込んでいる。
- アメリカではワシントンで独自進化の変異体が、ニューヨークではC型の変異体が広がっている。
- 同じ国でも地域によりウイルスに違いがある。
- 感染者の増加に合わせ、ウイルスの変異速度も加速度的に上昇
アメリカでは既にヨーロッパで主流のC型が変異したウイルスがニューヨークを支配しているようだ。
アメリカでは、A型・C型が合わさって一段と変異しそうな状況だな。
ウイルスは、ヒトからヒトに感染する機会が多ければ多いほど変異しやすい。したがって、感染爆発しているアメリカは、世界で最もウイルスが変異しやすい国と言えよう。
だが、ウイルス変異はアメリカだけで起こるわけでは無い。
日本に、ヨーロッパ人仕様だったはずのC型が入ってきていることが確認されているのだ。
今回の新型コロナウイルス感染拡大を事前に警告していた原田武夫氏も、以前に自身のブログで東京ウイルスの出現を予測していた。
- パンデミックにより、IOCとWHOの協議のうえ東京2020オリンピックは中止が決定される。
- さらに、今回の新型コロナウィルスだけでなく、新しいタイプのウィルス(変異ウイルス、東京ウイルス)の可能性
日本ではロックダウンが緩く、テレワークが進んではいるものの未だに電車に揺られて仕事に行く人が多いのが実情だ。スーパーに行けば濃厚接触などザラだろう。
先ほども書いたが、ウイルスは、ヒトからヒトに感染する機会が多ければ多いほど変異しやすい。
PCR検査を絞っており潜在的な感染者が多い日本も、アメリカに負けず劣らずウイルス変異しやすい環境であることは間違いないだろう。
ニューヨークで多数の死者が出ているのは、やはり、ウイルス変異が原因だ。
日本ではどうだろうか。
#グッデイ!
“死因「肺炎」の遺体が急増”葬儀社社長は…
「(付箋の部分が)肺炎の死因。去年の3倍。発症後すぐに死亡という例が多く、新型コロナの肺炎症状と合致。ほかの葬儀社に聞いても、大体が多いという。PCR検査が行われていないと思うと不安」国の公表数は全くアテにならないね! pic.twitter.com/Nof74iuLQc
— 但馬問屋 (@wanpakuten) April 22, 2020
実は日本でも毒性の強いコロナウイルスが侵入していて、もうすぐニューヨークみたいな状況になってたりして・・・。
さっきも述べたが、ヒトヒト感染の機会が多いほどに変異も進む。外出自粛の主目的は実はそこかもな。
東京ウイルス勘弁して欲しい。
最後まで読んでくれてありがとう!