畜産食肉

オランダの畜産制限から見える食糧危機の本質

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オランダ政府が畜産頭数を制限して3割減らす方針を打ち出したことに対して、オランダの農民が猛烈な抗議デモを繰り広げている。

オランダの農家の皆さまが、警察車両などにう○こ肥料をぶっかけるなど、怒りのマッドマックスとなっていることが話題になっている。

オランダ農民の抗議は激しく、う〇こだけでなく発砲沙汰にまでなっているとか。

さらに、デモは一般市民にまで拡大している模様。

そして、怒れる農民たちによってオランダ-ドイツ国境は封鎖されたとか。

ううむ、カナダでトラック運転手や農家のトラクター軍団が、全く無意味なワクチン強制やロックダウン等に反対した「フリーダムコンボイ」を彷彿とさせる。

なお、このオランダのデモについてメディアはほぼ黙殺しており、その点からもフリーダムコンボイと同じニオイを感じる。

農民の反乱・・和風に言うと一揆だろうか。

一揆

この農民一揆の発端は、オランダ政府が6月10日に発表した「窒素の排出抑制計画」だ。

実は、オランダ政府は2021年に大気中の窒素酸化物(NOx)やアンモニアといった窒素化合物の排出削減のために、オランダ国内の家畜数を3割減らすという対策を打ち出している。

イギリスのガーディアン紙によると、オランダ政府の急進的な窒素削減策は、2019年に裁判所から「窒素削減対策が不充分やぞ」判決を受けたことがきっかけのようだ。

実は国土が小さいオランダは世界第5位の食糧大国であり、国土に対して農畜産用地が広大なので、家畜の尿から発生するアンモニア(窒素化合物)による環境汚染が深刻化しているとのこと。

小麦と肥料から食糧生産システムのグレートリセットが始まる」で窒素肥料の弊害として紹介したように、窒素化合物は河川から海に流出して赤潮公害を引き起こすほか、地下に浸透した窒素は硝酸となって地下水を汚染するなど、環境汚染の原因となっている。

また、窒素化合物は大気汚染の原因となるほか、二酸化炭素などと同様に温室効果ガスでもあるため、気候変動対策としても排出削減が推奨されている。

ということで、オランダでは環境汚染&気候変動対策として窒素化合物の排出削減に踏み切ることとなり、その具体的な政策が明らかとなった。

多いところで7割もの窒素削減を求められる中でメインターゲットは「畜産農家」であり、オランダ政府は土地や家畜の強制収用(買い上げ)を含む強行策も辞さない構えで、オランダ農家の3分の1が廃業に追い込まれと言われている。

アメリカ農務省海外農業局さんの報告書によると、オランダ政府は「対象となる全てのオランダ農民に未来はない」としているとか。

この共産主義もびっくりの政策が実現すれば、多くの市民は次は我が身と考えるだろう。農民以外にもデモが拡大しているのはこのためだろうか。

また、オランダ政府の動きの背景には、CO₂排出量の多い石炭火力をフル稼働させることがあるのかもしれない。

オランダのガス会社(ガステラ)は、5月に天然ガスのルーブル払い要求を断ったため、ロシアから天然ガス供給が停められたとか。

オランダの気候エネルギー大臣ジェッテン氏は「オランダはガス不足じゃないっす」

ただちに影響はない

としていたが、やはり天然ガスの不足は避けられないようで、CO₂排出削減のために稼働率35%に制限していた石炭火力をフル稼働出来るようにするなど、エネルギー源を石炭に戻しつつある。

ただ、2030年までの温室効果ガスの排出削減目標は変えないとしており、石炭火力の稼働による増加分の削減が必要となっている。

そして、特に温室効果が高いとされるメタンの半分以上は農業部門(牛さんのゲップ)から排出されていることを踏まえると、オランダにとっては窒素だけでなく温室効果ガスまで減らせる渡りに船となっているのかもしれない。

こうした背景もあって、意識高い系のオランダ政府は自国の主力産業を壊滅させる判断をした・・というか、判断させられたと言える。

そして、畜産頭数の3分の1削減するとなれば、懸念されるのが「食糧危機」だ。

先に紹介したガーディアン紙の報道によると、オランダでは1億頭もの家畜を飼育する欧州最大の畜産国家&食肉輸出国であり、世界銀行の統計によると世界第5位の食料輸出国だとか。

そんな世界有数の食料輸出国オランダの畜産農家が3分の1となれば、その影響は世界に及ぶ。

さらに、ガーディアン紙は窒素削減問題はオランダに留まらず、ドイツやベルギーでも窒素問題は深刻化しており、オランダと同様の対策が検討されているとか。しかし、ドイツはEU最大&世界第三位の豚肉生産国家だし、ベルギーも畜産大国・・・。

折しも、「ロックフェラー財団の警告 6ヶ月以内に食糧危機が起こる」等で紹介してきたように、あのロックフェラー財団のラジブ・シャー会長が肥料不足による食糧危機に警鐘を鳴らす中で、あまりに急進的なオランダの政策は食糧危機を仕掛ける以外の何物でもない。

農民の必死のデモについてもメディアはスルーするなど、意図的な食糧危機を作りたい支配者層の意向が透けて見えるようだ。

これまでの食糧危機の懸念は、

  • 制裁により、肥料大国のロシアから化学肥料が出なくなった
  • 中国は国内優先で化学肥料の輸出を制限
  • ロシア小麦の国際流通混乱
  • ウクライナが港湾封鎖して、小麦輸出を停止
  • アメリカなどで干ばつ
  • 全米の食品工場で相次ぐ爆発・火災事故

・・等の理由があったが、ここにオランダの畜産頭数の強制3割カットが加われば、食糧危機は一気に深刻化する。

馬淵睦夫著「知ってはいけない現代史の正体」 ディープステートについて知りたい人はオススメの書籍」で紹介したように、「リベラル」とか「国際金融資本」の根底にあるのは共産主義思想なので、まあ・・分からなくもないけど。

知ってはいけない現代史の正体(馬淵睦夫著)

ただ、このオランダの方針は食糧危機を誘発するためのものである一方で、実は食糧危機を見据えた転換・・つまり、グレートリセットを促すものである可能性が高い。

と言うのも、世界の穀物・食肉生産は既に限界で、持続不可能だからだ。

以前にも紹介したように、農薬や化学肥料、大規模灌漑等による「緑の革命」で農作物(主に穀物)の収穫量は飛躍的に増加し、それに伴って世界の人口も劇的に増加した。

しかし、化学肥料の過剰使用によって土地はやせ細り、灌漑に必要な地下水は枯渇が見えているほか、荒野を開拓した耕作地は塩害により使用不能となっており、世界の農業は既にピークアウトしている。

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学夏井睦 著)

このように、人口爆発を支えた飛躍的な穀物生産が風前の灯となる中で、食肉生産はさらなるピンチとなっている。

牛肉1キロ生産するには、穀物25キロと水2トンという莫大な穀物・水を必要との試算があるように、現在収穫された穀物の半分は飼料用途となっている。

緑の革命の神通力が切れる中で、牛さん用の穀物を人用にするのは間違いない・・というか、それでも穀物が足りなくなるかもしれず、畜産業は壊滅する可能性が高い。

あのロックフェラー財団のラジブ・シャー会長が、「食糧危機」を喧伝し、WEF(世界経済フォーラム)が「昆虫食」を広めようとしているのは、昆虫食が優秀なタンパク源であると共に、生産効率がお肉とはケタ違いに高いからじゃないだろうか。

また、昆虫食については、多くのメディアも取り上げ始めている。

毛虫?イモムシ?を食用にするとか。

莫大な穀物を食肉に変換する畜産業と比べると、昆虫は人間と食糧の取り合いになることは無く、農薬や化学肥料を必要ともせず、高い生産効率率を誇る優秀なタンパク源と言える。

ちなみに、「炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学夏井睦 著)」では無菌培養したウジ(ハエの幼虫)を粉末加工する方法が紹介されている。

かわいいハエさんが描かれたパッケージになりそうだが、腹に入ってしまえば同じとは言え味気なさそう。そういう問題ではないとの話もあるが・・。

なお、あのロックステップ計画には

  • 食料・ガスなどは不足するため、許可制で最低限の買い物しか出来ないようにする。
  • そして、更にロックダウンを強化・長期化(6ヶ月以上)して、世界的に経済を崩壊させて食糧危機を発生させる
  • (中略)
  • その後の新たな経済システムの根幹として、マイクロソフト特許番号060606の身体活動のデータを使った暗号通貨を使用する。
  • 基本的に我々に従わないと、クレジットスコアを失い生活に必要なものも得られなくなる。新世界秩序にようこそ。

とあることから、「穀物・食肉の大量生産」から「昆虫食」などへの転換に、食糧配給制・UBI等が絡んでくるのが「食糧システムのグレートリセット」ということになりそうだ。

「緑の革命」から「ムシさん革命」へ・・。

いずれにせよ、食糧危機とはウクライナ危機が無かったとしても構造的に起こってしまう。

その観点を踏まえると、オランダの畜産頭数3割カット政策とは食糧危機を助長するものではなく、むしろ持続不可能な畜産に見切りをつけるという、グレートリセット後の時代を先取りしたものと言える。

オランダ政府が廃業した畜産農家の土地に昆虫食プラント(ウジの培養施設?)を作ったなら、ガチでグレートリセット対応だな・・。

このように、大量の穀物生産やそれに依存した畜産は限界なので、日本が頼るアメリカやカナダ、オーストラリア等の食糧・食肉生産も低迷する可能性が高い。

日本でも、タンパク質が不足する長野県などでは昆虫食の伝統があるが・・グルメな日本人が転換出来るだろうか。

ちなみに、ウクライナ小麦を積んだロシアの貨物船を、ウクライナからの依頼でトルコが拿捕したとの話が出ている。

実際には、拿捕ではなくトルコの関税当局が入港を止めているというものだ。

実態は、「ワルモノになるウクライナと地位が向上するロシア」で紹介したように、小麦輸出を止めているのは港湾封鎖しているウクライナ自身であり、ロシアは出荷が止まっている小麦をアフリカ諸国に流通させているものだ。

今回、ウクライナに対してトルコ側から積荷が盗品であることの証明を求められると思うが、そのあたりは大丈夫なんだろうか・・。

ともかく、世界の穀倉地帯のロシア・ウクライナの存在感は高まっていくし、今のところそのエリアを支配下に置きそうなのは戦争を優勢に進めるロシアだ。

本格化するロシアの報復制裁により対米離脱を迫られる日本とドイツ」で紹介したように、日本はロシアから天然ガスを止められそうになっているが、日本が頼りにする欧米諸国で天然ガスを融通してくれる国は無い。

食糧についても同様だろうから、日本政府にはインドのような立ち回りを期待したいところだ・・・。


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