特別会計について、以前に少しだけ書いたことがある。
特別会計は元々は国民から集めた税金(=日本の富)なのだが、この日本の富を好き勝手に使うだけでなく海外(国際金融資本)に横流ししている者がいる。
ではまず、特別会計とはどういったものだろうか。
特別会計の予算規模は約400兆円。一般会計の4倍だ。
使い道に対して国会や国民の厳しいチェックが入る一般会計とは異なり、特別会計は事実上ノーチェックで承認される。
なぜなら、国会議員が調べようにもあまりに複雑で分からないし、説明を求められた官僚も「複雑過ぎてセンセイ方には分からないよ」と言わんばかりに、資料すら出さない。
特別会計とは、元を辿れば明治維新で幕府を倒した長州藩の撫育金(ぶいくきん)にたどり着く。
いわゆる藩をあげて作った裏金であり、元はと言えば藩民から搾り取ったり、密貿易などで貯めこんだものだ。
藩の通常業務に使うカネではないので、たとえ家臣がどんなに貧しい暮らしをしていても、たとえ民がどんなに飢えたとしても、決してこのカネを拠出しなかった。
伊藤博文など、長州藩出身の明治の元訓たちの流学費用や幕府との戦費として使われてきたものだが、時には芸者遊び(身請けも)など好き勝手に使われてきた。
このカネがあったからこそ、当時の国際金融資本からの信用を得て大量の戦費調達が可能となり、明治維新へと繋がったのは間違いない。
初代首相となった伊藤博文はじめ明治政府にいた長州藩出身者は、このカネの重要性をよく理解していた。
このため、明治政府においても「特別会計」という形で同様の制度が作られ、現代まで続いているというわけだ。ちなみに、旧満州国にも同様のカネが存在していたことが明らかとなっているぞ。
今では高級官僚や一部政治家が好き勝手に使っていると言われる特別会計だが、一体何にこのカネを使っているのだろうか。
確実なのは、そのカネのほとんどが無数に枝分かれしている巨大な特殊法人(NEXCOなど)さらには下請け孫請けの民間企業まで流れているということと、アメリカに流れているということだ。
特殊法人やその関連企業に流れていくのは、官僚達の私腹を肥やすことに加えて天下り先を作るシステムになっているということで理解できる。
では何故にアメリカに流しているのか?
実は日本の官僚機構は、アメリカに従属することで政治家を凌ぐ権力を握らせてもらっている。
三権分立とは言うが、少なくとも内閣(行政)は実働部隊として官僚が企画調整実行までを握っており、司法は裁判官から検察までみんな司法官僚だ。
さらに立法機能においても、原案はほとんど官僚が作成しているなど、事実上三権を掌握しているのが官僚だ。
かつて一時的に政権をとった民主党が、政治主導と言ったのはこの現状があったからだ。なお、政治主導を実現する力があったのは小沢一郎くらいだったが、すぐに失脚させられ、後任の者たちは官僚の傀儡と化したのは残念だった。
いずれにせよ、官僚たちがその権力の源であるアメリカに直接カネを流すルートの一つとして特別会計が使われている。
それがアメリカ国債の買い入れだ。
特別会計の財源で買われるアメリカ国債に対する利払い・償還は決してされず、永久に貸してる状態になっている。
うーん、ジャイアニズム極まれり。
すでに600から700兆円規模の対米債権を日本は持っているはずだが(利払いだけでも毎年数十兆円)何十年も1円だってもらっていない。
アメリカの利益に反するためだろうか。これまで特別会計に切り込んだ政治家は、失脚したり不審な死を遂げてきた。
元財務大臣の中川昭一氏は、財政投融資特別会計の一般会計への繰り入れや、米国債を売って作ったカネで財政破綻しそうな国々を救済する方針を打ち出したが、G7での「酩酊会見」により失脚した。
その後、風邪のような症状から急速に悪化し死亡した。まるで、ポロニウムによる急性放射線症状のようだと噂されている。
愛国者、亀井静香の派閥に属した対米離脱を是とする政治スタンスが特徴だった。
なお、G7での「酩酊会見」の際に同行した篠原尚之はその後、IMF(国際通貨基金)の副専務理事に昇進している。本来なら叱責ものだぞ。何の手柄だ。
また、民主党の元衆議院議員 石井紘基氏は、特別会計を追及ており、自らの国会質問で日本がひっくり返る旨の発言を菅直人に残していた。
だが、国会質問当日に自宅の駐車場で刺殺された。国会質問のための書類が入ったカバンが現場から消えていたが、わざわざ指を切って鞄を奪う徹底ぶりだった。
この他にも官僚の説得にも応じず米国債売却を言及した橋本龍太郎や小渕恵三なども表向きは病死だが不審な点は多い。
彼らが敵に回したのは官僚だけではない。国際金融資本も同時に敵にしていたのだとしたら、不審死も納得だ。
このような、アメリカ従属体制からの脱却を試み米中等距離外交を展開したのが田中角栄だったが、ロッキード事件で失脚した。
田中角栄の意思を継いだ経世会だが、1988年6月に竹下登がリクルート事件で失脚したのを皮切りに、1992年9月には東京佐川急便事件で金丸信が、2004年7月には橋本龍太郎が日歯連闇献金事件で失脚し、2009年には政権を奪取した小沢一郎が西松建設不正献金事件により失脚した。
この結果、自民党内はアメリカ従属策をとる清和会一強となり森、小泉、麻生、安倍と続いていくことになる。
清和会は、特殊法人という巨大な官僚天下りシステムをエサに、莫大な特別会計を身内で好きに使う体制を作り上げた。
アメリカの利益>日本国民の利益として、個人法人を問わず搾取を狙っている。
例えば、アメリカの巨大アグリパーク企業のモンサント(現ドイツのバイエル)に自分達の遺伝子組み換え食物を買えと言われれば、日本の農業を壊滅させ健康被害が出る可能性を無視してでも買う。
アメリカの巨大バイオ企業のグラクソに自分達の子宮頚がんワクチンを買えと言われれば、安全性の確認もおざなりに子供に摂取させる。
このように、アメリカ政府を通じた要求にこたえ、国際金融資本(多国籍企業など)に貢いでいるのが実態だ。
東芝がアメリカの原発企業ウエスティングハウスを買収し経営危機に陥ったのも、無理やりハメられたのでかもしれない。
元キャリア外交官の原田武夫氏のいうように、アメリカにとって日本は収穫時になっている。というか、進んで刈られに行っている。
そこにあるのは、国際金融資本勢力を構成する巨大企業の利益のみが存在し、国民は不在だ。
国際金融資本勢力に従っている官僚機構と一部政治家から日本を取り戻すために、本当の日本の歴史を学び世界の中の日本の位置づけを考える政治家が必要だ。
最後まで読んでくれてありがとう!