香港だけでなく、イランやイラクそしてレバノンと言った反アメリカ(非アメリカ?)諸国で、立て続けに民衆デモが起こっている。
香港デモについては、先日の記事でも紹介したように、アメリカの国務省にあるNED(民主主義基金)という基金を経由して、国債金融資本勢力が関与するNGO(非政府組織)から資金が提供されており、香港デモの指導者である黄之鋒(ヨシュア・ウォン)らに流れている。
どうやら、イランにおいても同様のことが起こっているようだ。以下は時事通信の記事。
「CIA関連の8人拘束」と報道 反政府デモ絡みでイラン
【ドバイ・ロイター時事】国営イラン通信(IRNA)は27日、ガソリン価格引き上げをきっかけに最近起きた反政府デモに絡み、治安当局が米中央情報局(CIA)とつながりのある少なくとも8人を拘束したと報じた。
IRNAによると、6人は暴動に参加、CIAの指示を遂行中に捕まり、2人は情報を海外に送ろうとしていたとされる。イラン治安当局者は「これらの分子は『市民ジャーナリスト』を装うため、CIAの資金支援による訓練をさまざまな国で受けていた」と主張した。
いずれのデモも、背後にはアメリカがいるが、そのさらに背後には国際金融資本勢力がいる。
国際金融資本勢力は、世界を分断し戦争・紛争を起こし続けることでその利益を貪ってきた。民主化、独裁政権の転覆、弾圧された少数民族の解放など、絶対正義の名のもとに世界中で戦争・紛争のタネをバラまいてきた。
分かりやすいところで言えば、クルド人はイラン・イラク・シリア・トルコにまたがる地域に住んでいるが、各国でクルド人が虐げられていると言っては、クルド人独立国家の建国を煽り、イランやイラクの政情不安を引き起こしたりしてきた。
クルド人がその気になってデモやテロ行為に及び当局が鎮圧に向かうと、弾圧から助けなきゃと言って介入しようとする。
国際金融資本勢力によって同様の行為が繰り返されてきた。
このような状況が続き、争いのない先進国では経済発展を遂げてきたものの、その消費は限界に達し経済成長は鈍化している。
本来であれば、国際金融資本勢力により経済成長を妨げられてきた国々が発展することで、先進国で落ちた消費を補う形で、世界経済全体が健全に発展していく。
原田武夫氏の言う「根源的階層」は、このフェーズに入ったと考えており、世界の構造を変える必要があると考えているのではないだろうか。
その意を受けたのがアメリカのトランプ大統領だ。
国際金融資本勢力以上にぶっとんだ行動・言動による壊し屋「トランプ」により、アメリカの覇権低下を招いているだけでなく、強制的に事実上のQE再開に追い込みドルの安定性も脅かすなど、国際金融資本勢力は間違いなく弱体化している。
そうした中で、香港やイランで大規模なデモが仕掛けられた。
なお、香港ではイギリス統治時代でも民主的な選挙など行われていなかったので、香港市民が本当に自由を求めてデモに参加しているのかは不明だ。なんか煽られているだけのような気がしてならないな。
ともかく、これらデモは香港の中国からの離脱やイランの政権転覆を図って仕掛けられたものだと考えられる。
これによって、中国やイランの影響力が低下することは、アメリカの軍産複合体やその背後にいる国際金融資本勢力が望むところであり、デモの指導者は利用されているだけだ。
また、国際金融資本勢力の支配下にあるマスコミは、これらのデモについて「自由を求める民衆」VS「それを弾圧する悪の政府」という構図でしか報道しておらず、かなり一方的だ。
特に香港においては、都市機能が停止するなどデモによる影響は深刻であり、数年前の雨傘運動と同様に、市民の支持が離れるとともに市民自警団とデモ隊と衝突する事態も起きているようだ。
とすれば、香港市民は平和や安定を望みこそすれ「政権転覆」は望んでいない。
つまり、これらのデモは「アメリカ覇権の強化・継続」VS「多極化」の構図として見るべきであり、デモが長引くほどに市民の支持は低下し失敗するんじゃないかと思うぞ。そうなれば、中国やイランの力が強まりアメリカ覇権力は低下する。
そのためだろうか。香港デモに関して、アメリカで中国がデモを弾圧した際に経済制裁を科すという、いわゆる香港人権法案が成立した。
だが、この法律はほぼ意味がない。
議決からトランプ大統領の署名までに期間を要したのは、トランプと習近平の間で何らか話し合いが持たれたからだろう。本当に制裁を科した場合、中国だけでなくアメリカにとってもかなりの痛手となるからだ。
中国が報復を警告、トランプ大統領 香港人権法案に署名
[香港 28日 ロイター] – トランプ米大統領は27日、香港の反政府デモを支援する「香港人権・民主主義法案」に署名し、同法は成立した。中国政府は28日、「断固とした報復措置」を取ると表明し、香港に干渉しようとする試みは失敗すると警告した。
中略
関係者の多くは、人権法は象徴的なものだが、発動されれば米国と香港の関係が変わる可能性があるとの見方を示している。
米国は香港に特別な地位を与えており、米国もこれによる恩恵を受けているため、そうした扱いをやめるのは自滅行為だとアナリストは指摘する。香港が単なる中国の一港湾都市になれば、香港を仲介役や中継地として利用していた企業は、取引を他の地域に移行する公算が大きい。
ただし、大統領には安全保障や国益に基づいて発動を停止する権限も認められている。
略
本法案については、トランプの意思一つで発動が停止できる旨をトランプ自身も述べている。とすれば、トランプと習近平の間で、事実上無意味な法案であることは確認済みのハズであり、非難の応酬は三文芝居に過ぎない。
トランプはやむを得ず法案に署名をしたかのような報道がなされているが、香港デモは失敗し中国覇権が強化されて多極化が進むことを、誰よりも良く分かっている。
最後まで読んでくれてありがとう!