粉飾

【JDI】国策企業ジャパンディスプレイの事件に日本の闇を見た

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凄く気になるニュースを目にしてしまった。久々に日本の闇を見たかもしれないと思ったので紹介するぞ!

以下、共同通信からだ。

ジャパンディスプレイ元幹部死亡 自殺か、5億円着服で懲戒解雇

経営再建中の中小型液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)の会社資金5億円以上を着服したとし、懲戒解雇された元経理担当幹部が東京都内で死亡していたことが1日、捜査関係者への取材で分かった。状況から警視庁は自殺を図ったとみている。

捜査関係者によると、元幹部は数日前に東京都新宿区内で病院に搬送され、死亡したという。

JDIは先月21日、元幹部が2014年7月~18年10月に不正経理を繰り返し、約5億7800万円の資金を着服したと発表。その後、元幹部から着服とは別に「過年度決算で不適切な会計処理を行っていた」との通知があったと明かし、調査を始めていた

次は朝日新聞からだ。

5億円超着服のJDI元社員、自殺か 携帯に「おわび」

経営再建中の液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)から5億7千万円あまりの資金を着服したとして懲戒解雇された、同社の経理担当だった元社員の男性が11月、都内で自殺を図り、その後死亡したとみられることが1日、警視庁への取材でわかった。

捜査関係者などによると、元社員は11月27日朝、東京都新宿区のホテルの部屋でほぼ意識不明の状態で倒れているのを発見された。病院に搬送されたが、その後死亡したという。携帯電話には、着服を認めた上で「死んでおわびします」といった内容のメッセージが残されていたという。

この件について報道されている内容だが、株式会社ジャパンディスプレイ(JDI)の元幹部が、5億7,800万円を横領して昨年12月に解雇された。その後、元幹部は不適切な会計処理をほのめかして、調査に協力する意向を示していた。その矢先、自殺を図った。ということになる。

もう少し整理するために、流れを追ってみよう。

この事件に出てくる「元幹部」は、カネを管理する立場にありJDIから約6億円ものカネを横領する

JDIは当初、この元幹部よる約6億円の横領を隠蔽

ところが、横領事件がメディアに発覚。JDIは横領があったことを認めて公表した。

元幹部は、自身の横領について認めただけでなく、自身が実行役としてJDIが不適切な会計処理(粉飾)をしていたことを暴露した。

JDIが緊急会見を開き、粉飾を全力で否定

元幹部が粉飾決算の調査に前向きに協力する姿勢を見せる。「経営陣の指示があった粉飾決算の捜査に協力したい」

元幹部死亡(数日前に自殺した模様)

この事件を総括してみると明らかになったことがある。

元幹部が会社のカネを横領して懲戒解雇になったこと、そして自殺(不審死?)したという個人に係る事項だけではない。

この元幹部の言う不適切な会計処理(粉飾)が事実とするならば、JDIに対して「粉飾上場の疑い」という、社会的に極めて大きな影響が出ることが避けられない事件だということが明らかになった。

しかも、JDIの粉飾に対する捜査に前向き協力する姿勢を見せた数日後に自殺した、ということになる。自殺に際しては携帯電話に着服を認めて死んで詫びる旨のメッセージ以外には、遺書や動機についての報道はない。

着服について、わざわざ死ぬ間際に改めて認めて死んで詫びるというのはちょっと理解できないな。

元はと言えば、横領という社会犯罪を犯した悪いヤツなんだろう。だが、上司の指示に従い粉飾決算をして、さらにその調査協力に前向きになったから殺されたのではないか、というのは勘ぐりすぎだろうか。

だいたいクビになったのが去年の12月で、今になって会社ぐるみの粉飾を匂わせた途端に自殺っておかしくないか!?

ということで、まずはJDIという企業について少し紹介しよう。

以下、Wikipediaから抜粋だ。

ジャパンディスプレイ

日本の大半のディスプレイメーカー(ソニー・東芝・日立・トヨタ・三洋・エプソン・パナソニックの一部・キヤノン)の液晶部門が統合され、さらに政府系ファンドが経営に関与する、文字通りの「日の丸液晶」として設立された。

簡単に言うと、苦境に陥った日本の液晶産業を何とかテコ入れするために作られた、事実上の「国策企業」だ。その経営方針や経営計画を決定する際にも、経済産業省と産業革新機構の承認が必要なことからも、国が相当に介入していることは間違いない。

つまり、国の官僚主導により出来た企業であり、有望な天下り先として確保されたものだろう、ということ。

ということで、この事件については怪しむ声が非常に多い。ネットに蔓延する怪しむ声が言う事件の真相をまとめてみるとこんな感じだ。

元幹部は、JDIの指示で数字を操作して粉飾した。あまりに簡単に数字をいじれるため、おそらくは出来心で6億円ほど着服した。

ところが、着服がJDIにバレて追及されたため、粉飾をバラすぞと逆に会社を脅した。このため、JDIは横領事件をマスコミにリークし、仕方なく公表したふりをして元幹部を切り捨てた。

その後、この元幹部が粉飾決算と調査協力をほのめかしたため、粉飾を暴露する前に証拠隠滅のために消した。

この推測が真実だったとして、このまま何事もなかったかのように闇に葬れるものなのだろうかと思うよな。

だが安心してほしい、ここは日本だ。官僚様のカネに関する事は何であっても華麗にスルーされる。マスコミも全力でスルーする。

国が何らか関係するカネにまつわることと言えば、特別会計だろう。特別会計とは、議会のチェックをほとんど受けることなく、官僚や一部の国会議員などが好き勝手に使えてしまうお金のことだ。

特別会計については以前の記事にも書いたが、これまでに何人もの国会議員がメスを入れようとしたが、ことごとく失脚していった。

例えば、元財務大臣の中川昭一氏は、財政投融資特別会計の一般会計への繰り入れや、米国債を償還方針を打ち出した直後に、G7財務大臣・中央銀行総裁会議(2009年2月)における酩酊会見で失脚した。会見の15分程前はしっかりとした足取りだったことから、何か盛られたのではないかとも言われており、同年10月に死亡(表向きは自殺)した。

また、元衆議院議員(民主党)の石井紘基氏は、国会議員や官僚の不正を徹底的に追及する中で、特別会計も詳細に調査していたところ、自宅の駐車場で刺殺された。また、同日の国会質問のための書類が入ったカバンが現場から消えていたという。

とはいえ、JDIが国策企業であることからも、この5億も元は国民の富(税金)だ。元キャリア外交官の原田武夫氏の言う、国民の富(カネ)を好き勝手に使ってきた「処断されるべき勢力」が関係しているのだろうか。


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