covid19vaccine

ワクチン接種を進める国々で感染が増加!?イスラエルでも重症化事例が増加中

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ワクチン接種率が高い国々で、新型コロナの感染者が急増してる国が結構あるとの記事が出てきた。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が作成・更新した「コロナ危険な国リスト」の中の、特に「リスクが高い」「リスクが非常に高い」のカテゴリーに、ワクチン接種率が高い国々の多くが分類されているとか。

この記事ではワクチン接種していても感染し、さらに他者へも感染させる「ブレイクスルー感染」が大量に起こっていると推測しており、ワクチンによる集団免疫形成に疑問を呈する内容となっている。

この辺りは、先日の「デルタ株へのワクチン効果は低く集団免疫は獲得出来ない しかし接種強制化は進む」でも紹介したが、アメリカのCDCやイギリスの公衆衛生庁も同様のことを言っており、感染防止や集団免疫形成と言う点ではワクチンの意義はあまり無いと言えることが再確認された感じか。

ちなみに、CDCの「コロナ危険な国リスト」はこれ。

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/travelers/map-and-travel-notices.html

日本は4段階中3段階目の「High(リスクが高い)」に分類されている。

レベル4「Very High(リスクが非常に高い)」には、感染が抑えられないインドネシアやブラジルなどが名を連ねている納得のリストだ。

ただ、ワクチンパスポート(衛生パス)導入で話題のフランスや3回目のブースター接種でお馴染みのイスラエルのほか、規制解除が進むイギリス、接種率では世界で1、2を争うアラブ首長国連邦(UAE)やアイスランドの名前も確認出来る。

イギリスやフランスの状況を見ると、確かに感染者数は増加傾向だ。

これはイギリスの感染状況。6月下旬頃から、新規感染者数は急増している。

20210810covid19UK

ワクチン接種状況はこれ。

20210809vaccineUK

2~3月頃から急速にワクチン接種が進み、今では6割がワクチン接種済みとなっている。ワクチン接種率の向上具合と感染者数の増加が反比例だ。

こちらがフランスの新規感染者数の状況。こちらは7月に入ってから、急速に新規感染者が増えている。

20210810covid19France

ワクチン接種状況を見ると・・

20210809vaccineFrance

3月初旬から順調に進んでおり、約5割が接種済みと言ったところ。やはり、ワクチン接種率と噛み合わない。

ちなみに、エラそうに各国をランク付けしているアメリカはどうかと言うと・・

20210810covid19USA

やはり感染者数は増加傾向にある。しかも、割と多め。

また、ワクチンについてはフランスと同様に接種率は約5割だ。

20210810vaccineUSA

日本よりワクチン接種が進み、経済優先へと舵を切りつつある国々ばかりだが、デルタ株の感染が拡大していることが共通項となっている。

ただ、いずれの国々でも入院患者や重症者の数は少ない。以下はアメリカの状況だ。

20210807severeUSA

グラフは右肩上がりではあるものの、昨年秋冬のピークから見るとまだまだ低い。ちなみに、イギリスやフランスはもっと低い。

この状況から、「ワクチンで感染(発症?)は防げないものの、重症化防止は可能」ということになっている。

ただ、以前に「日本でワクチン接種強制化が進む!?」で紹介したように、欧米ではコロナのカウント基準が変わっているとの話もある。

アメリカでは、以前はコロナの場合には政府から病院に支払われるメディケア補償金が倍以上となっており、治療でも死亡でも「コロナ陽性者」なら政府から多額のカネがもらえたので、病院ではコロナを量産していた。

つまり、「どんな病気でもコロナ陽性ならコロナ」としていたところが、ちゃんと適正化されたことで、(これまで水増しされていた)コロナ重症者が減ったと見ることもできる。

効果のほどは置くとしても、いずれにせよ今後のワクチン接種の意義は「重症化防止」のみになっていくんだろう。

さて、世界に先駆けてワクチン接種を開始したイスラエルはと言うと・・

20210810covid19Israel

3月には人口の6割の接種が完了していたイスラエルでも、7月以降に新規感染者が増えている状況が確認できる。

ただ、重症化患者の数はまだまだ少ない。入院患者は右肩上がりだが。

20210810SevereIsrael

イスラエル保健省は、ワクチン接種者の感染や重症化の状況についてのデータを公開している。

https://datadashboard.health.gov.il/COVID-19/general

サイトはヘブライ語なので、Google翻訳をかけないとさっぱりワカラン。

この中で、ワクチン接種・未接種の人がどのくらい重症化しているのかを見て見ると・・

20210810Israelinhospital

緑色がワクチン接種済み、水色が未接種だが、重症化事例については接種済みの人が最も多い。

重症化しにくくてワクチンを打ってない若年層が多いから、こんな結果になっているかと思っていたが・・

20210810Israelvaccine

若年層も7割近い接種率で意外と打ってるし、60歳以上の3回目ブースター接種もかなり進んでいる。

先日の「デルタ株へのワクチン効果は低く集団免疫は獲得出来ない しかし接種強制化は進む」で紹介したが、イスラエルでの重症化予防効果は・・

イスラエルの公共放送KANニュースが伝えるように、70%にまで低下し、特に60歳以上に限定すると50%にまで低下している。

重症化防止効果もかなり低下しているのは間違いなく、「デルタ株への効果の低さ」と「ワクチン効果切れ」のダブルパンチが原因と言えるだろう。

ただ、ワクチン接種者の重症者が増加している原因について、元々重症化しやすいハイリスク層のワクチン効果が切れたとこでデルタ株に感染して・・ということも考えられるが、以前にも紹介した阪大研究チームのコロナで重症化する要因と合わせて考えると、原因はそれだけではないかもしれない。

ちなみに、阪大研究チームの研究というのはこれ。

新型コロナ重症化の原因となる「感染増強抗体」を発見した・・というもの。

なお、詳細については国立研究開発法人日本医療研究開発機構のウェブサイトから確認することが出来る。

以前にも紹介したが、この研究内容の中で気になる点は以下の部分だ(抜粋)。

  • 新型コロナウイルスに感染すると、感染を防ぐ中和抗体ばかりでなく、感染を増強させる抗体(感染増強抗体)が産生されることを発見した。
  • 非感染者においても感染増強抗体を少量持っている場合があることが判明した。
  • 既に感染増強抗体を持っている人では、感染やワクチンの接種で感染増強抗体の産生が高まる可能性が考えられる。
  • 感染増強抗体は、中和抗体によるACE2結合阻害能を減弱させることが判明した。つまり、感染増強抗体が産生されると、中和抗体の効きが悪くなる可能性が考えられる。
  • 感染増強抗体の認識部位は現行のワクチン抗原にも含まれている。従って、感染増強抗体の産生を誘導しないワクチン抗原を開発することが望ましい。
  • 感染増強抗体による感染性の増加は、抗体によるスパイクタンパク質への直接的な影響であり、Fc受容体は関与していない。従って、今までに知られていた抗体依存性感染増強とは全く異なる新たなメカニズムが存在することが判明した。

感染すると(当然、ワクチン接種でも)「中和抗体」と「感染増強抗体」が産生されるほか、元々感染増強抗体を持っている人(=重症化しやすい人)がおり、そうした人たちは感染やワクチン接種で、感染増強抗体の産生が高まる可能性が指摘されている。

問題は、中和抗体の減少が思ったよりも早いという点だろう。

感染やワクチン接種によって、感染を防ぐ中和抗体だけだなく、重症化要因となる感染増強抗体も産生されるが、ワクチン接種後に重症化した人たちは、体内で「中和抗体<<感染増強抗体」となっている可能性がある。

これまでのコロナウイルス研究(SARS等)を進める中で、ADEの原因はスパイクタンパクの構造が安定していないこととされており、今回のワクチンでは安定構造とするために2ヶ所の塩基配列を変えているのでリスクは少ないとされる。

ただ、阪大研究チームによると、

感染増強抗体の認識部位は現行のワクチン抗原にも含まれている。従って、感染増強抗体の産生を誘導しないワクチン抗原を開発することが望ましい。

とか、

今までに知られていた抗体依存性感染増強とは全く異なる新たなメカニズムが存在することが判明した。

としていることから、やはりADEへの不安は残る。

さらに、「接種を忌避するなと言われてもやっぱりコワいワクチン・・そしてADE(抗体依存性免疫増強)」で紹介したが、1980年代にmRNAの基礎技術を発見したロバート・マローン博士は、mRNAワクチン由来の「スパイクタンパク」が体内に長期間残っていることを確認したとしている。

この件については、Dr.苫米地氏が以下の点に関するリスクを指摘していた。

  • mRNAにより自己細胞内で作られたウイルスタンパクは、通常なら免疫に除去されるが、自己由来のものなので除去されない可能性がある。
  • この後にコロナ感染した場合、免疫がこのウイルスタンパクを持つ細胞を一斉に攻撃し、致死性のダメージとなることも(ADE)

こんな「免疫寛容」の可能性も怖い。

こんなADEの可能性がどうしても頭をよぎるが、今後、中和抗体から逃れつつ感染増強抗体に認識される特性を持つ変異株が出現したら、ワクチンの見直しが必要になるのは間違いない。

ワクチン耐性をもつ変異が起こらないことを祈るばかりだが・・しかし、そんな変異株が日本で生まれる可能性もある。

日本では、ペルーで猛威をふるった新型コロナ〝最凶〟とされるラムダ株を7月20日に空港で検出していたことを、厚生労働省は8月6日まで公表しなかったが、これについて、アメリカのニュースサイト「デイリー・ビースト」が猛烈に追及している。

ちなみに、デイリー・ビーストは2008年創刊のアメリカのリベラル系のニュースサイトで、インターネット界のアカデミー賞とも言われるウェビー賞(最優秀ニュースサイト部門)を受賞した経歴を持つ。政治批判には定評があるが、ちょっと国際金融資本のニオイもするニュースサイトだ。

この件について、おじさん個人的には、検査でラムダ株と特定するのに時間がかかっただろうから、隠蔽じゃないのでは・・と思っていたが、デイリー・ビーストの記事によると、7月26日には国際機関(国際インフルエンザウイルスデータベース?)に報告されていたとか。

さらに、厚生労働省の内部情報として、東京オリンピックに忖度して意図的にプレスリリースから外したとして非難している。

なお、ラムダ株は、mRNAワクチンの効果が弱く感染率や死亡率も高いとして、アメリカのCDCは「危険やぞ」と警鐘を鳴らしている。

何にせよ、オリンピックを開催した日本では、ラムダ株はじめ様々な変異株が広がっているだろうし、さらにワクチン接種も加わることで、ワクチン回避能力を身に着けたするヤバ目な「東京変異株」が出てくることも考えられる。「天皇陛下が東京五輪開催による感染拡大を懸念する背景とは」の懸念が現実になってしまうのかも。

いずれにせよ、mRNAワクチンはガン治療などにも転用できる期待の超技術なのは間違いない。さらなる発展を遂げるためにも、様々な懸念が払拭されるべきだろう。これまでも繰り返されてきた薬害のように、利潤を求めて成果だけを強調することが無いようにして欲しい。


最後まで読んでくれてありがとう!