コロナ禍における自粛生活の厳しさを表す4-6月期のGDPが発表された。
予想はされていたことだが、日本のGDPが戦後最悪の27.8%(年率換算)という空前の規模で急落した。
GDP実質27.8%減、4~6月年率 戦後最大の下げhttps://t.co/ON7U6qMUHw
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) August 16, 2020
なお、年率換算では△27.8%たが、4-6月期単体で見れば前年同期比で△9.9%となる。
GDPはよく年率換算で出てくるが、「年率換算27.8%」という数字は、コロナの感染者数と同じでマスコミの印象操作目的という印象を受ける。
とはいえ、他国と比べて日本は自粛が緩かったので、まだマシなようだ。以下はイギリスのGDP。
[日本経済新聞]英GDP、4~6月は最悪の20.4%減 欧州主要国で突出 https://t.co/onFxpEqLSE
— 日経 Top (@nikkei_top) August 12, 2020
イギリスの△20.4%というのは、年率換算ではなく4-6月期の前年同月比較の数字だ。
日本で言うところの△9.9%。
確かに日本よりも落ち込みが激しい。
ちなみに、欧州の優等生のドイツでは△10.1%、フランスは△13.8%とどちらも日本よりも悪い。
なるほど、確かに日本はマシに見える。そのせいか、株式市場も反応薄だ。
だが、日本がマシとかそんなことは全然ない。
日本は、これらの国々と異なり、この20年間全く成長していない(成長率ダントツでビリ)という特徴がある。
2000年を100として他国と比較すると日本だけが成長していないし、そんな状況でコロナ禍により年率換算でGDPが-28%も下がったことは他国以上の大打撃を受けたと考えるべきではないでしょうか? https://t.co/C7BvDW6wf3 pic.twitter.com/DxJvIcNE8U
— 天弓七瀬@ASD&ADHD (@Nanase_Rain_ASD) August 17, 2020
2000年以降の日本の成長率(GDPの増加率)を見ると、バブル以降ほとんど成長していないことが分かる。
一方、アメリカやイギリスのGDPは200%、先進国最下位のイタリアですら140パーセントの成長率を誇る。
2018年時点では、米国のGDPが20.6兆ドルで、日本5.0兆ドルだ。この20年間、この差は開く一方だった。
ちなみに、中国のGDPは13.4兆ドルと日本を大幅にリードしているが、日本に並んだのは2010年頃の話だ。以降、毎年ドンドン離されていき、今では背中も見えない。
日本は全く成長がなかったので、他国と比べても給料も物価も上がらなかった(むしろ下げ)。
だけど、コロナ禍の「GDP下げ」は他国と大差ない水準となっている。
つまり、他国はこの20年の成長分を少し吐き出した程度だが、日本は2000年を割り込みかねないレベルとなる。むしろ、最低だ。
世界的に、今期は最悪なGDPとなることは分かりきっていたが、今後はどうなるんだろうか。
ロイターがレポートしているが、まだまだ回復は遠いようだ。
焦点:コロナ禍のGDP、夏場反転も回復遠く 緊急事態再発令に警戒解けず https://t.co/8lHVsLsqmJ
— ロイター (@ReutersJapan) August 17, 2020
ロイターの記事の中で、
リーマン危機とは明らかに異質。極めて急激な落ち込みだった──。ある政府関係者は、こう危機感を口にする。
とあるが、これは当たり前だ。
リーマンの時は、ディズニーランドも閉園しなかったし、旅行も行けた。飲食店で忘年会もやれたが、今は全部ダメだ。
リーマンの時は金融システムの混乱だったが、今は実体経済が確実に止まっている。
ちなみに、上で紹介したイギリスGDPの記事内では、
英イングランド銀行(中央銀行)は6日公表の金融政策報告書で「21年末までは回復しない」との認識を示した。
とある。
結局、コロナが落ち着くのがいつになるのか分からないから、当分回復しないということだ。
リーマン後の世界経済再生は、中国がけん引することで何とか持ち直すことが出来た。コロナ後も中国は経済復の先頭を走る。
しかし、現在は米中対立の激化によりデカップリングが進んでおり、中国主導による経済回復は期待できない。
日本では、緊急事態宣言終盤の5~6月には、個人への10万円の定額給付金や事業者への持続化給付金など、財政出動による経済テコ入れ策のほか、リベンジ消費などがあったことで一時的に回復基調になった。
ところが、7月初旬頃から東京での感染拡大をきっかけに再び経済停止となった。
3月下旬頃からこれまで、蓄えを削って持ちこたえてきた事業者も多いだろう。だが、そうした事業者も蓄えはほとんど使い果たしているはずだ。
このまま「自粛」が続いた場合、多くの事業者が、この不況を乗り越えられず倒産に追い込まれる。当然、大量失業もセットだ。
この状況になったのも、マスコミさんがコロナの危険性を煽りまくっているからなんだが・・・実に視野が狭いと言わざるを得ない。
そもそもコロナは危険なものではないことは、この半年間のデータから明らかだ。
新型コロナウイルスの感染拡大が演出されている。これは、世界的な流れだ。ここ最近、日本では新型コロナ陽性者が、一日で1000人ペースで増加している。これを第二波と見るか、第一波の続きとみるかは意見の分かれるところだ。この新型コ[…]
さて、先日、ドイツで新型コロナ感染症に対する大規模なデモが起こったそうな。ドイツの首都ベルリンで週末、新型コロナウイルス対策の制限措置への抗議をはじめとするデモが相次ぎ、警察官約45人が負傷した… https://t.co/A184[…]
Go To トラベルキャンペーンに対しては、コロナ脳の自粛警察屋から批判が集中しているが、この政策は一定正しい。
Go Toで救われるのは、トラベル・イート・イベント関係だ。トラベル・イート・イベント以外にも厳しい業種は多いだろうけど。
彼らは、春休みやゴールデンウイーク、そして夏休みという稼ぎ時が無くなっただけでなく、緊急事態宣言による強制閉店付きだ。そして、今は細々経営になっているだろう。
サラリーマンに例えるなら、これまで給料30万円もらって家族を養っていたところ、3ヶ月間給料ゼロ・ボーナスゼロになった挙句、給料が10万円に減額されたようなものだ。
とても生活できない。
最も恐れるのは、こういった事業者のほとんどが中小零細であり、彼らの借り入れは主に地銀からという点だ。
地銀と言えば、こんなニュースが出ていた。
上場地銀6割が減益・赤字 4~6月、不良債権費2割増https://t.co/FV1xHDSZuD
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) August 17, 2020
20年4~6月期の連結最終損益の合計額が2006億円(前年比△42%)という途方もない減益だ。
もともと地銀は収益性が低い。
世界的な超低金利で利ザヤが稼げないことに加えて、安定的な大企業を相手にするメガバンと異なり、不安定な中小企業がメイン顧客ということもあるからだ。
このため、多くの地銀さんが「融資」という本業で稼ぐことが出来ず、高利回りなハイリスク債券に手を出すハメになっている。
CLOをご存知だろうか。Collateralized Loan Obligationの頭文字を取ったもので「ローン担保証券」と言い、銀行などが企業に貸しているカネ(ローン)を証券化したものだ。これだけなら普通の銀行営業の一環で特に問[…]
さらに、相対的に信用力の低い貸出先への融資も増やさざるを得ない状況だ。
地銀にのしかかる重圧、利益維持にリスク不可避-チャートが示す苦境 https://t.co/U1T7MgNcuJ pic.twitter.com/YhV7tjp4Ag
— ブルームバーグニュース日本語版 (@BloombergJapan) October 6, 2019
こうしたハイリスク債券や信用の低い貸出先への融資は、今のような経済危機になると真っ先に破綻する。
この経済危機は、自粛生活を続けている限り発生し続ける。
落ち着いたら旅行行くという声も多いが、何をもって落ち着くと言うのか。「感染者数」はPCR検査数を増やすことでどんどん増える。落ち着くことは無い。
落ち着くころには、旅行先の事業者は銀行ごと破綻している。このままだと、日本の地銀発の金融危機となる。
ということで、東京では今月9日以降で26人が死亡した。
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熱中症でだ。
東京 熱中症で新たに26人死亡 夜間も冷房を適切に
都内では今月9日から17日までの9日間に26人が熱中症で死亡していました。このうち25人は屋内で亡くなっていて、エアコンを設置していないか設置していても使用していなかった人が22人いたということです。https://t.co/QhRVI7782j
— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) August 18, 2020
コロナよりもよほど多くの人が無くなっているような。
最後まで読んでくれてありがとう!