アメリカの暴動

アメリカ暴動は全米に拡大 背後で糸を引いているのは誰? 

アメリカの暴動

アメリカ国内で暴動が止まらない。な、なんと全米30都市以上で暴動が起こっている状況だ。

ミネソタ州で始まったデモは暴動へと発展したが、その流れはカリフォルニア州オークランドやミシガン州デトロイトへも波及した。ジョージア州アトランタでは、CNNテレビ本社が襲撃された。

さて、今回の暴動の発端を押さえておこう。

多く報道されているとおり、ミネソタ州ミネアポリスで白人警察官が、拘束した黒人を殺害した事件が発端となっている。

当初は、事件に抗議した市民による平和なデモだったが、警察サイドがゴム弾や催涙ガスで鎮圧にあたったことから瞬く間に暴徒化したようだ。

事件の概要については、BBCの報道が詳しい。

黒人男性死亡で抗議デモ、市長は警官の訴追求める 米ミネアポリス

米ミネソタ州ミネアポリスで27日、警察に拘束された際に地面に押さえ付けられた黒人男性が死亡したことに数百人が抗議し、警察と衝突する事態となった。

抗議デモは26日午後から始まった。黒人男性が拘束された交差点には数百人が集った。

デモ隊はパトカーにスプレーで落書きし、警察署に石を投げた。警察は催涙ガスや閃光弾などで応戦した。

ミネアポリスでは25日、レストラン警備員としての勤務歴があったジョージ・フロイドさん(46)が警察に拘束された際、首を膝で押さえ付けられた。

フロイドさんがうめき声を上げ、「息ができない」と白人警官に繰り返し訴える様子が動画に撮影されていた。フロイドさんはその後、死亡した。

これを受けて、警察官4人が懲戒免職となった。

中略

この映像の冒頭~1分3秒くらいまでが、膝で首を抑えられている部分だ。事件を目撃した人が撮影したもののようだ。

手錠をかけられたフロイド氏は息がが出来ないと懇願していたが、8分46秒もの間、膝で頸部を押さえつけられた挙句に死亡した。なお、フロイド氏の反応が無くなった後も2分53秒もの間、押さえつけられていた。

では、この死亡したフロイドさんは、どうして拘束され何故死亡したのか。BBCの続きだ。

警察の声明によると、偽の20ドル札を使おうとした客がいると商店から通報があった。

警察によると、警官たちは自動車内にいた男性を発見。車から離れるよう命令すると、男性が抵抗したという。その後、「警官たちは容疑者に手錠をかけ、彼の体調に異常が見られることに気づいた」という。

現場で撮影された動画からは、フロイドさんと警察のやりとりがどうやって始まったのかは映っていない。しかし、白人警官1人に膝で首を押さえ付けられたフロイドさんが「息ができない」、「殺さないで」と言っているのが確認できる。

目撃者たちは警官に対し、フロイドさんの首から膝をどけるよう求めた。「鼻血が出ている」、「首から離して」といった声も上がった

フロイドさんは動かなくなり、ストレッチャーに乗せられて救急車で運ばれたが、その後死亡が確認された。

なお、ミネアポリス警察では容疑者の首を膝で押さえ付けることが認めてられている。

とはいえ、ミネアポリスのフレイ市長は、本件に関係した警官4名を懲戒免職とした。これまでにも、白人警官が無抵抗の黒人容疑者を逮捕時に殺害する事件が相次いでいたが、極めて迅速な対応だ。

この事件では、容疑者とされるフロイド氏は、手錠を掛けられた上で膝で首を押さえつけられていた。そして、「息が出来ない」と懇願しているにも関わらず死ぬまで押さえつけられた、という胸クソ案件だ。

この件で、膝を入れた警察官はデレク・ショーヴァンという。映像を見る限りでは、完全に殺る気マンマンだ。手錠を掛けて拘束した上での膝入れなので、悪意しか感じない。

ショーヴァンは、これまで複数の警察銃撃事件に関与したほか、市の民間審査局と警察行動評価による苦情の対象に10回もなった経歴を持つ、いわくつきの問題警官だ。

また、映像で40秒頃にチラっと映る「見張り役」の警察官トゥー・タオは、手錠をかけた容疑者を歯が折れるほどパンチした件で2万5千ドルの和解金で解決した前科を持つ。見た目はボーっとしたおっさんかと思いきや、ショーヴァンと同類だった。

二人とも映画の悪役に出てくるような警官で、もっと早くクビにしなければいけなかったゴミクズということだ。

なお、この警官はクビになった後、今では兵糧攻めにあっているようだ。デモ隊が家の外を取り囲み、買物はおろかデリバリーを頼んでもデモ隊が奪いとっているとのこと。

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写真の奥に見えるのが、ショーヴァンの家と思われる。デモ隊による包囲アンド封鎖で打つ手なしだ。降参して出てきたら、デモ隊に殺されかねんな。

だが、一方で殺害されたフロイド氏も、薬物や強盗で5回刑務所に行っているようだ。このフロイド氏が偽札を使用しようとした疑いで店から通報されたのが、事件の発端だ。

さらに、フロイド氏とショーヴァンは顔見知りだった可能性もある。

フロイド氏の過去を知っていたショーヴァンが、反撃や逃走を恐れて抑え込んでいた可能性もあるな。とは言え、危険な状況下で凶悪犯を殺害するのと、無抵抗の状態で殺すのでは話が全然違うが。

この事件に抗議したデモが発生した。デモの参加者の3分の1~半分程度は白人のようだ。根底には、根強い黒人差別に起因する部分もあり、多くの白人が無意識の差別の後ろめたさから参加している可能性もある。

いずれにせよ、デモは瞬く間に暴動に発展した。

この状況に、警察は打つ手なしの模様だ。

うーん、デモっていうか略奪っていうか。ゾンビだらけになったラクーンシティみたいになってんな。今となっては、デモというよりも暴動・略奪の嵐だ。

ちなみに「人種差別反対」「横暴警官ヤメロ」のデモで、なぜ略奪が発生するかというと、アメリカでは大きなデモが起こった場合、軽犯罪は見逃されるという不文律があるからだ。

デモとは関係ないやつが火事場ドロボーになるってことだな。ある意味では、国家公認の無秩序イベントだ。

ということで、ミシガンのナイキストアもその餌食に。

ここまで正々堂々と略奪する市民に対して、警官も既に戦闘モードになっている。

ついにバットマンが介入か。

さらに、アノニマスも登場か!アノニマスが警察に宣戦布告して、ミネアポリス警察署のサイトがダウンしたとのこと。

ついてに、警察だけでは手に負えなくて州兵が出動した模様

映画だと、この州兵があっという間に全滅するか寝返るかするわけだな。

まあ、こうして見ると、日本の方がデモのルールや規制がキチンと運用されているな。アメリカは自由の国だから、仕方ないのか。

しかし、アメリカ社会ってのはこうも無秩序なものなのか。単に暴れる理由が欲しいだけだけに見える。

しかし、本当に単なるデモだろうか。

陰謀論と言われそうだが、背後に中国の影が見えて仕方ない。

5月28日、この事件の直後に中国は全人代(中国の国会)において、香港で反体制的な言動を取り締まる「国家安全法制」の導入を決定した。

絶妙のタイミングだ。

この中で、中国が香港の治安維持に責任を有することや、立法権限を持つ点が明確にされた。つまり、香港は香港人が統治するとした「一国二制度」が骨抜きにされたということになる。

これに対して、アメリカ・トランプ大統領が強く反発している。新型コロナの感染拡大で、ただでさえ米中対立が深刻化する中で、またまた火種が増えた形だ。

こうした中国の強硬策に、香港市民はデモで抵抗したことは以前にもブログで紹介した。もっとも、香港デモの指導者は、アメリカのエージェントと化した香港人なんだがな。

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中国でも、こうした事情はよく理解しており、強硬な武力鎮圧を引き金にアメリカの武力介入を招くことを恐れている。なので、昨年の香港デモに対して天安門のように強行鎮圧はしなかった。

その後、新型コロナでデモどころではなくなったのだが、コロナが落ち着きつつある。その上、国家安全法制の導入も決定した。香港デモが前以上のスケールで再開するのは時間の問題だ。

中国・習近平が「デモにはデモで対抗する」として、今回のミシガン・ミネアポリスのデモを誘発したと考えられないか。全人代とのタイミングが良すぎる。

しかも、香港デモでアメリカは「暴力による鎮圧」を強くけん制した。香港デモを超える暴徒と化したアメリカ市民を、アメリカはどのように抑えるのか。州兵や軍も用意されているようだが。

中国サイドは「やりすぎだ!」って非難するタイミング待ちか!?

いずれにせよ、アメリカは自国の暴徒の鎮圧方法に頭を悩ます展開だ。香港デモを展開させにくい状況なのは間違いないだろう。

一応言っておくが、中国政府が関与した証拠はない。あくまで状況的に「疑い」というだけだ。

ショーヴァンはじめクビになった警官4名と、中国政府との接点は見つかるだろうか。


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