銀行再編

菅さんが地銀の再編を示唆 背後にはあの男の影が

銀行再編

昨日(9月4日)、次期総理候補No.1の菅さんが、地銀の再編を示唆する発言をした。

発言では、地銀の数が多すぎると述べたが、これが地銀再編を示唆したものと受け取られたということだ。

そりゃそうだ。

地銀は多すぎるのは事実だろう。

金融に関するネットサービスが普及しておらず、支店に行かないと何もサービスの提供が出来なかった頃の名残だろうか。

キャッシュレス決済が普及し、口座から口座へのカネの移動も簡便になったし、給料を現金で下ろす必要性も薄くなった現在では、その数は過剰と言える。

支店の必要性が低くなる中で、地銀同士の競合は無駄な部分が多くなってきたと言える。遅かれ早かれ、統合は必須だ。

さらに、大企業を相手にしない地銀の主な融資先は、地元の中小企業だ。

しかし、長引く景気低迷(株式市場除く)の中で、中小企業への貸し出しリスクは高い。大都市圏にある地銀はまだいいにしても、田舎に行くほど、融資は抑制されてしまうだろう。

しかも、世界的に超低金利が長引いているため、リスクを取って融資しても稼げる利ザヤは微々たるものだ。

融資で稼げない分を国債購入で埋め合わせようにも、国債金利も雀の涙。

やむを得ず、地銀は海外のハイリスク債券に手を出さざるを得ない。

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日本発の金融危機

地銀の意義一つは、地元の中小企業を育成し地元経済を発展させることだ。リスク回避の名のもとに地元への投資を抑制し、一方で海外のハイリスク債に投資する地銀の存在意義は薄い。

地銀の体力を確保し、地元経済を発展させるためにも、地銀の再編はした方がいいのは間違いない。

今のままでは、いずれ金融危機の引き金になりかねない。

こうした背景もあったのだろう。

米国株式市場につれ安していた東京株式市場は、菅さんの発言を受けて、地銀株価が大幅上昇した。

とはいえ、全ての地銀が上昇していたわけではない。

大きく上昇した地銀は、ストップ高した福島銀行をはじめ、筑邦銀行や島根銀行、大東銀行、清水銀行などだ。

これらの銀行に共通しているのは、本業(融資)で儲けておらず、自己資本比率が低いことが挙げられるが、最大の共通項はSBIホールディングスの出資を受けていることだ。

菅氏は、必要性の高い地銀再編の推進をSBIに要請したと言える。

しかし、SBIには一つ気になる点が。

オリックスの役員情報を見て欲しい。

https://www.orix.co.jp/grp/company/about/officer/h_takenaka.html

2016年6月から、SBIの社会取締役に竹中平蔵さんが就任されているのか。

なんか、この構図を見ると、菅さんの地銀再編発言は、竹中平蔵のSBIに安く売るためのお膳立てに見えて仕方ないな。

何せ、竹中平蔵氏が関わった「郵政民営化」という前例がある。

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郵政民営化

郵政民営化は、国家公務員の削減による国の人件費負担が軽減や、経営効率化を目指すものとされた。

だが、郵政公社は職員の人件費含めて独立採算制で、税金投入はされておらず、民営化をしても国庫負担の人件費には1円の変化も無かった。

さらに、当時の経営状況は、郵便取扱数の減少から郵便事業は赤字がちだったものの、簡保(かんぽ)や郵便貯金事業でカバーされており全体収支は黒字であり、国際的に見ても、日本の郵便事業の収支は優秀だった。

だが、小泉政権下で国民を欺いてまで民営化したが、これはアメリカの対日年次改革要求書(日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書)に「郵政民営化」が掲げられていたためだ。

つまり、アメリカから郵貯・簡保市場を外資系多国籍企業に明け渡すよう要求されたので、郵政民営化して応じたというものだ。

こうした前例から、「地銀再編」は何らかの形で国際金融資本勢力への貢ぎ物となる可能性が高い。

適当な統廃合によって規模感を挙げた「統合地銀」を二束三文で外資に叩き売るんだろうか。長銀や日債銀の二の舞は避けて欲しいものだ。

いまのところ、地銀の再編はSBI主導で一定程度進んでいる模様。

竹中平蔵の影がチラつくのも気になるが、さらにこの中で、日本に国際金融センターを作ることと、それが地銀の統合と関西のスマートシティ化とセットになっているというところが気になる。

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supercity

竹中氏は、郵政民営化によって外資系多国籍企業に日本の富の流出を図ったこと以外にも、派遣労働者規制を大幅に緩和することで、多くの労働者を非正規化した。

おかげ様で日本企業は、人材ランキング世界第4位の優秀さを誇る日本人を、格安な人件費で使い捨て出来ることになった。

日本企業は人材教育や設備投資によって生産性を上げることよりも、簡単に出来る人の使い捨てによって利益を追求するようになった。

企業はリストラ&解雇に明け狂い、日本はデフレスパイラルに転落した。

地銀経営悪化の一因を作ったのは竹中氏とも言えるが、彼が希求する「自由主義経済」とはこうしたものだ。
この自由主義経済がイイと考えるか否か、個人の自由だ。

国民の確実な監視を目的とした「スーパーシティ」実現のため、国が設置した有識者会議の座長は竹中平蔵氏だ。

スーパーシティ構想について、SBIの北尾社長と菅さんは近い間柄のようだ。

さらに、維新も近しいようだが、今は、まだその意図は図りかねる。純粋に日本のためを思っているのかどうか。

また、国際金融センター構想も出ていることから、関西エリアを経済特区とすることも想定にあるのだろう。

そういえば、数日前にパソナが本社の主要機能を淡路島に移転する報道があった。

ところで、竹中氏はコロナ給付金着服疑惑もあった「人材派遣企業パソナ」の会長さんだった。

淡路島には、既にパソナ関連の施設が多く作られている模様。

ちなみに淡路島は、大阪万博とのタイアップを狙ってるようだ。

パソナは、万博で一儲けを企んでいるのだろうか。まあ、国益を売り渡すことを思えば、万博で小遣い稼ぐくらい全然イイけどな。

菅さんは、単なる中継ぎ首相かと考えていたが、思った以上に多国籍外資系企業に貢ぐ動きが疑われるのな。もしかして、小泉政権以来の露骨さかもしれない。

安倍首相が後任として敢えて指名をしなかったのは、菅さんを避けたかったからかもしれない。

地銀再編から思ったより話が膨らんでしまった。

今回は、多国籍外資系企業の影がチラ付くのが問題だが、地銀は再編すべきだ。合わせて、中小企業の再編も必要だろう。

今後、急激な人口減少を迎えるにあたり、GDPを維持するために(=社会保障制度を維持するために)は、生産性向上が不可欠だ。だが、大企業と比べて中小企業の生産性は劣る。

さらに、労働人口が減少する時代には、待遇の良い大企業から順番に採用が進むので、待遇の劣る中小企業には人が来ない。人手不足も大変なことになる。

なので、国を思うのであれば、中小企業や地銀再編は必要不可欠だ。

こうした再編をやらず、安易な移民受入れに走ることになれば、派遣法改正の悪夢の再来だ。生産性を上げる代わりに、人手を使い捨てる状況がヒドくなるだけ。給与水準もますます低くなる。

ここで文句を言うヤツを取り締まるツールが、スーパーシティということか・・・。

うーん、ディストピア。


最後まで読んでくれてありがとう!