アメリカの戦争

【第三次世界大戦】アメリカはイランと戦争するのか?アメリカの目的とは!?

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正月早々にこんなニュースが出た!日刊ゲンダイからだ。

米軍がイランの英雄殺害…報復合戦エスカレートを識者懸念

年明け早々、アメリカがイランの英雄を殺害し、中東は再び混乱に拍車が掛かりはじめている。

アメリカ国防総省は2日夜、トランプ大統領の指示に従い、イラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官を殺害したと発表した。ロイター通信によると、イラクの首都バグダッドを空爆し、殺害したという。

中東に緊張が走っているのは、殺害されたソレイマニ司令官が、イランでは国民的英雄のひとりだからだ。米誌タイムは2017年「世界で最も影響力のある100人」の指導者部門でソレイマニ司令官を選出。「中東のイスラム教シーア派にとっては、ジェームズ・ボンドと、レディー・ガガと、(ドイツの名将)エルヴィン・ロンメルを合わせてひとつにした人物」と評していた。最高指導者ハメネイ師の信頼も厚く、ハメネイ師は殺害直後「アメリカへの厳しい報復」を宣言。イラン全土が3日間の喪に服すと発表した。

この先、イランが報復に出てくるのは間違いない。

報復覚悟でトランプ大統領が英雄の殺害を命じたのは、昨年12月31日、イラクにあるアメリカ大使館がイラクの民兵組織に襲撃されたからだ。襲撃された直後、トランプ大統領は「イランは大きな代償を払うことになる」と宣告している。襲撃した実行犯はイラクの民兵組織なのに、イランを名指ししたのは、イランが裏で糸を引いていると確証を持っているからだ。実際、襲撃犯はソレイマニ司令官への忠誠を叫んでいたという。

このままアメリカとイランの対立は本格化するのか。国際ジャーナリストの堀田佳男氏はこう言う。

「トランプ大統領の本音が、一刻も早く米軍を中東から撤退させることなのは間違いないでしょう。もし、中東が戦地となり、アメリカが紛争の当事者となったら大統領の再選に黄色信号がともるからです。かといって、イランに対して弱腰だと見られるのも大統領選にはマイナス。今回、ソレイマニ司令官の殺害を命じたのは、アメリカ大使館が襲撃されたことも大きい。12年、オバマ政権の時、リビア・ベンガジのアメリカ領事館が襲撃されたことを、トランプ大統領は強く非難してきましたからね。強硬に出ざるを得なかったのでしょう。しかし、英雄を殺害されたイランも引けないはず。報復合戦がエスカレートする恐れがあります」

日本は自衛隊を中東に派遣して大丈夫なのか。

アメリカ、やっちまったなといつ印象だ。アメリカはイランとは戦争できないだろう。

イラク戦争やアフガン戦争で明らかになったように、地上占領部隊などの投入を伴う本格的な侵攻は、泥沼化長期化し軍事予算の肥大化を招く。ただでさえ厳しいアメリカの国家財政を圧迫する。

昔の戦争のように、領土を奪ったり賠償金をせしめたり、敵国の兵士や民を奴隷化するなどあれば経済的に見合うのだろう。

だが、2000年代に入ってからの戦争においてアメリカは油田などの権益を何も得ていない。

泥沼化した占領を続け多くのヒト・モノ・カネを費やしたイラクやアフガニスタンでは、得るものは無いままに駐留戦力を大幅に削減した。

リビアやシリアでは財政難と国内世論の反発を恐れ、占領の泥沼化を避けるため、空爆と特殊部隊のみ投入された。

その結果、イラク・アフガン・シリアではイランやロシアの影響力が拡大しただけだった。

今のアメリカにとって戦争とは武器商人が儲かるだけで、財政を圧迫し戦死者が出れば世論の反発を招くだけの、何とも割に合わないものであることが明らかだ。

さらにイランのバックにはロシア・中国がついている。カネも大義名分もないアメリカが手を出せる戦争ではない。

では、何故わざわざ明らかな国際法違反をしてまで戦争を招きかねない革命防衛隊への攻撃をしたのか?しかも、イラクで。

考えてみればアメリカは一昨年辺りからイランを無駄に挑発していた。

オバマ時代に締結したイランとの核協定について、イランは濃縮ウランの保有制限など協定を遵守していたことはIAEAも確認済みだったにもかかわらず、アメリカから一方的に破棄し、イラン石油を各国が輸入することについて厳しく制限した。

昨年4月には、イラン革命防衛隊を「テロ支援組織」に指定したほか、同盟国に対しイランから石油を輸入しないよう強く求めた。

5月には、イランが戦争しそうとの憶測により、米空母がペルシャ湾に展開した。

6月には、アメリカの無人偵察機がイランに撃墜されたほか、ホルムズ海峡を通過中のタンカーが何者かから攻撃を受けた。全部イランが悪いことになっている。

こうした状態のなかイラン国内では反米感情の高まりから革命防衛隊の支持が高まっている。

革命防衛隊は軍事面だけでなく経済基盤も整っており、さらに国民の反米感情の受け皿の役割を果たすなどイラン国内では大統領を凌ぐほどの強い影響力を持っている。

一方、イランのロウハニ大統領は、イスラム革命後のイラン大統領として初めてアメリカ・オバマ大統領やイギリス・キャメロン首相と会談したほか、革命防衛隊が実施した弾道ミサイル発射実験を批判するなど、従来の強硬派とは一線を画す保守穏健派だ。

ロウハニ大統領は革命防衛隊の影響力低下を図ってきたが、革命防衛隊はシリア戦線での勝利やイラン国内での反米感情の高まりから支持を拡大している。

こうしたなかで、アメリカはイランの国民的英雄にして革命防衛隊幹部を殺害したが、アメリカに何の正義も無いことが明らかとなっている。

イランはシリア戦争や経済制裁で国内が疲弊しているので戦争に踏み切りたくはないだろうが「イランは何も悪くない」という正義は世界中が理解している。

イラン、緊張激化に不安広がる 「戦争は嫌だ」市民の願い切実に

【テヘラン共同】イラン革命防衛隊の精鋭部隊のソレイマニ司令官が米軍の空爆で殺害されたことを受け、イランの市民の間では両国の対立激化が紛争に発展するのではないかとの不安が広がっている。「戦争は嫌だ」。家族を、友人を、暮らしを守りたいとの願いは切実さを増している。

首都テヘランの主婦マンスレさん(64)は1980~88年のイラン・イラク戦争を体験、貧困の中で辛酸をなめた。「私は戦争が何をもたらすのかよく分かっている。大災難だ。何としても回避してほしい」と訴えた。

テヘラン市内では至る所にソレイマニ氏の肖像や追悼の黒い旗が掲げられ、沈鬱な雰囲気に包まれている。

こうして見ると、アメリカもイランも戦争出来ない・したくない事情があるため、戦争に発展しない可能性は高いと思われる。

では、イランとの紛争を煽る目的は何か。

米ドル基軸通貨性の存続だとすれば、リスクオフで米国債に資金を集める(金利安定)ためだろう。

原田武夫氏の言うように、簿外資産の流れが原因で株式・債権バブルの維持が困難となっているとすれば、金融市場の状況は相当に悪いということか。

また、逆に金融危機を早めたいということであれば、予想に反して戦争となる可能性がある。その場合はすみやかに金(ゴールド)の現物を備えて欲しい。

穏便なところでは、イランのロウハニ大統領勢力か革命防衛隊の権力基盤の強化が目的ということも考えられないこともないが、大穴かな。

今回の事件について、アメリカには正義が無いばかりか国際法違反の疑いもあることは、世界各国がよく理解している。

イランが報復しないか、形ばかりの報復にとどめることで、かえってイランの国際的地位が向上するかもしれない。

中東覇権を手放したいトランプのトリッキーな策かもしれないな。


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