オックスフォード大学ワクチングループ代表のアンドリュー・ポラード教授が、デルタ株はワクチン接種者にも感染することから、集団免疫形成は不可能であり、3回目のブースター接種も無意味との見解を出した。
Booster shots for COVID-19 vaccines are not currently needed and the doses should be given to other countries, Oxford vaccine chief Andrew Pollard said in contrast to the position taken by Britain’s health minister https://t.co/EOIakxDiTb
— Reuters (@Reuters) August 11, 2021
この件については、「デルタ株へのワクチン効果は低く集団免疫は獲得出来ない しかし接種強制化は進む」で紹介したように、アメリカCDCやイギリス公衆衛生庁から、
- デルタ株に感染した場合、ワクチン未接種者と接種済み者の間でウイルス量に変化がない
- ワクチン接種者から接種者への感染が確認されており、アメリカの感染者の7割がワクチン接種者
であることが明らかにされている。
こうした状況を踏まえると、ポラード教授の発言を待つまでもなく、集団免疫形成は不可能なのは明らかだ。
日本の「周りの人のために打ちましょう」啓発も的外れだし、早急に広くワクチン接種を行い集団免疫を目指す集団・大規模接種についても、意義を失いつつあると言える。
まあ、日本ではコロナ対応可能な病床が逼迫している点から重症化防止の重要性が叫ばれたり、あるいはもっと感情的に、ワクチン打たずに感染して重症化したり死ぬことを思えば打つべき、と言われそうだが。
ということで、ワクチン接種の先行指標イスラエルの状況を見てみよう。
まず、イスラエルの新規感染者数だが、直近で8000人を超えてきており、ワクチン接種前のピークまでもう少しと言ったところ。
なお、イスラエルの人口は約900万人。日本の12分の1程度だ。
そして、イスラエルでは昨年12月から世界に先駆けてワクチン接種を開始し、今では人口の約6割がワクチン接種を完了し、60代以上の半分が3回目のブースター接種を終えている、ワクチン先進国だ。
そんなイスラエルで、1日当たりの新規感染者数が8000人を超えてきている。日本ではようやく1日20000人なので、人口比を考えるとイスラエルの新規感染者数は日本でいう10万人くらいになるので、いかに多いかが分かる。
イスラエルではワクチンの効果切れの面もあるが、どっちみちワクチンによる集団免疫とか感染抑制といった効果は皆無と言えよう。
次に死者数。
感染が拡大しているとは言え、概ね一ケタに収まっていたところだが、8月9日以降は10~20人で推移している。特に8月15日には46名と急激に増加している。前回の波のピークには至っていないものの、急激な上昇カーブを描いており少し不気味だ。
そして重症者数。
入院患者も増加しているが、それよりもICUに入っている重症者数(7日平均)がついに100名を超えてきたのが気になるところだ。
ちなみに、先日の「ワクチン接種を進める国々で感染が増加!?イスラエルでも重症化事例が増加中」でも紹介したが、欧米ではコロナのカウント基準が変わっているとの話があり、例えばアメリカでは、以前はコロナ患者を扱う病院には政府から倍以上のメディケア補償金が支払われていたので、治療するにせよ死亡したにせよ病院はコロナ患者を量産していた。
ポルトガルでは、裁判所が17000名のコロナ死者に関する再調査を命じたところ・・・
#PLANDEMIC EXPOSED
As per a ruling by the Lisbon court, only 0.9% of ‘verified cases’ died of #COVID, numbering 152, and not 17,000 as claimed by the government. The ruling has proved that the government faked #COVID19 death statistics. https://t.co/YJMdmeP13c
— GreatGameIndia (@GreatGameIndia) June 28, 2021
コロナ死の大半はPCR陽性というだけで死因は別にあり、純粋にコロナ死と確認できたのは152名だったとか。ということで、ポルトガルのコロナ死者数は17000名→152名となったのだった。
こんな感じで、欧米では「どんな病気でも、死因でもPCR陽性ならコロナね」との扱いが、ワクチン接種が進むにつれて適正化された。コロナ重症者・死者が減った理由はワクチン効果ではなく、単に(水増ししていた)コロナ重症者・死者を適正にカウントしただけとも見える。
であるとするなら、現在イスラエルにおいて重症者数や死者数が増えてきているのは何故だろうか。
先日の「デルタ株へのワクチン効果は低く集団免疫は獲得出来ない しかし接種強制化は進む」で紹介したが、イスラエルの公共放送KANニュースが、重症化防止効果については70%に低下し、60歳以上に限定すると50%にまで低下していると報じていた。
改めてイスラエル保健省(https://datadashboard.health.gov.il/COVID-19/general)のデータを見ると、ワクチン接種済の人の方が重症者数は多くなっている。
この重症者の内訳には、さらに興味深い話が。
イスラエルのコロナ統計の重症に2種類の定義・データ
・ウェブ:入院の有無に関わらない重症。血液内酸素で判定され自宅療養も含む
・Telegram(時々):入院の重症前者は中等症を含み、後者が本当の重症
2回接種が前者では59%、後者では81% pic.twitter.com/9YBHJ80Jej
— J Sato (@j_sato) August 17, 2021
このツイートに付いてるマトリクスデータは8月13日のイスラエルのコロナ重症者の分類だ。
この中の、Severe(Web Dashboard)というのが、上記の折れ線グラフのデータ。ワクチン接種済み(Fully Vaccined)276名(59%)で、未接種(Unvaccined)183名(39%)だ。
問題なのは、その隣。Hospiralized Severeは「入院してる重症者」で240名おり、うちワクチン接種済み(Fully Vaccined)が194名(81%)で、未接種(Unvaccined)が41名(17%)となっている。
ワクチン接種済みの方が状況は深刻だ。感染防止だけでなく、重症化防止効果にも疑問符が付く。
ただし、この状況が「接種を忌避するなと言われてもやっぱりコワいワクチン・・そしてADE(抗体依存性免疫増強)」などで何度か紹介したADEなのかどうかは分からない。単に拗らせただけかもしれない。
しかし、以前から紹介している阪大チームの研究で明らかになった、重症化する人は「感染増強抗体」を持っているという話は頭をよぎる。
感染やワクチン接種によって、体内ではコロナに対抗する「中和抗体」と、逆に感染を強める「感染増強抗体」が出来る。
時間と共にワクチン効果が低減するので中和抗体が減っている間違いなく、さらにワクチン接種済みの人が重症化すると言うことから、体内で「中和抗体<<感染増強抗体」となっている可能性はある。
ただ、他にも中和抗体とデルタ株の相性が悪いということもあるようだ。
Some neutralising antibodies may worsen Covid-19 disease: scientists https://t.co/sAkZzW2o23
— The Straits Times (@straits_times) May 30, 2021
いずれにせよ、イスラエルでは首相が驚きの発言をしている。
🚨🚨🚨 The Israel PM says to those age 50+ “so long as you haven’t gotten vaccinated with the third dose, you are in mortal danger.”
This is either an admission that the vaccines suck over time or it’s “disinformation” against the first 2 shots. https://t.co/HaVqZDMCAJ
— Yossi Gestetner (@YossiGestetner) August 13, 2021
「3回目のブースター接種をしてないと死ぬかもしれないから、60歳以上だけでなく50歳以上も急いで3回目を打ってちょ」とか。
この発言の真意は何処にあるのか・・・まさかAD・・!?
「よく分からんけど打て打て~」とか、単にファイザーさんへのゴマすりだといいが(楽観論)。
と言うことで、ワクチンは感染拡大防止(=集団免疫形成)には無意味であり、さらにイスラエルの状況から重症化予防効果も持って半年程度で、それ以降はかなり「微妙」だが、世界では強制化の流れが出てきている。
大きな話題となったが、フランスで導入された強烈なワクチンパスポート(衛生パス)制度。
フランスの「衛生パス」、カフェや電車でも義務化
衛生パスの提示はすでに3週間前から、映画館やコンサート会場、美術館で必要となったが、9日からはカフェでコーヒーを飲んだり都市間電車に乗ったりなど、日常生活の随所で義務付けられる。 pic.twitter.com/bfgNUrP7a2
— AFPBB News (@afpbbcom) August 10, 2021
ワクチン接種してないと、電車に乗れず、カフェにも入れないとか。
ワクチン接種者に限り「自由な行動を許可するッッ!」というものだが、ワクチンで感染が収束しないなら、この制度の意義は大きく薄れる。
こんなワクチン効果を知ってか知らずか、フランス国民は猛烈に反発している。
【動画あり】フランス、ワクチンパスポートに怒りが収まらず、5週連続でデモが行われる/合計200件近い抗議活動がフランス全土に広がり、21万人以上がデモに参加https://t.co/P8xgUIFHKV
— トータルニュースワールド (@TotalWorld1) August 15, 2021
国境近くでは、となりのベルギーなどの飲食店に行ってるとか。
欧米の後追いが得意の日本では、何故か尾身会長がワクチンパスポートについて言及した。
尾身会長「接種証明活用の議論迫っている」 https://t.co/EWeSvqHdnP
— テレ朝news (@tv_asahi_news) August 17, 2021
国民の主権を制限するという憲法問題にも関わる議論を、単なるアドバイザーに過ぎない人間が、いかにもコロナリーダーの如く発言するのは問題があると思う。
しかも、感染者・重症者・死者数が急増するワクチン先進国のイスラエルと比べると、日本の状況は全然悪くない。
さらに、ワクチン接種により感染抑制して集団免疫を形成するという目論見は既に破綻している。
この点では、集団免疫形成を目的に、ウイルスがワクチン耐性変異する前に速やかに広く接種するため、半強制的に行われている集団・大規模接種の意義は無くなった。
ワクチンに期待できるのは半年程度の重症化予防くらいだが、これは個人がコロナとワクチンのリスクを天秤にかけて自己責任で判断すべきものだろう。
こうしたことから、ワクチンパスポート制度の意義は極めて薄いと考えられる。
ついでに、厚生労働省が出してる国内感染状況の資料。
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000819517.pdf
これまでの累計の死亡率を見ると、30代までは0.0%、40代で0.1%、50代で0.2%だ。重症者はリアルタイムの数だが、こっちも30代までは0.0%。若年層の重症者は、誤差の範囲でしか増えてないように見受けられる。
メディアでは若者が感染広げてるとワルモノにされているが、彼らに「重症化率・致死率0.0%のウイルスだ。怖いだろ?副反応が強いワクチン打て」と言うのは無理がある。
それに、50代でも重症化したのは0.7%なので、そもそも重症化予防の必要性は薄い。
本来なら、ワクチンではなく医療体制の充実によって重症者対応がなされるべきだろう。
なお、世界有数の病床数を誇る日本で医療体制が逼迫がしているのは、数の多い中小病院でコロナ患者をほとんど受け入れてないからだ。
この背景には、開業医の利権団体である日本医師会が儲からないから嫌やと言ってるよりも、厚生労働省が病床の数や目的を厳しくコントロールしていることがある。
そして、厚生労働省は厳格な措置を必要とする新型コロナの位置付けについて、見直しをしたそうな雰囲気に。
新型コロナ厳格措置見直し 厚労省着手 感染症法の扱い緩和も https://t.co/J0GwuFZ7gV
医療関係者から、感染症指定医療機関などでの対応が必要となる現行の扱いは、病床の逼迫を招く一因との指摘が出ており、季節性インフルエンザ並みに移行するかが議論の中心になる。
— 産経ニュース (@Sankei_news) August 9, 2021
昨年の秋頃にも見直されるような話を聞いていたが、ポシャった。ただ、今回マスコミが大きく報じたところを見ると、国は本気なのかも。
新型コロナに限らず、風邪でもインフルエンザでも何の病気でも、拗らせて重症化する人は一定数いる。新型コロナ重症患者に対応出来る病床が増えれば、医療リソース問題は解決する。
となると、ワクチンの必要性はますます薄れる。
ちなみに、以前に「ワクチン免疫は長続きしない イスラエルでワクチン2回接種者の重症化事例が増加」で紹介したが、イスラエルの感染状況を分析したナゾのデータサイエンティストさんが、感染によって獲得した免疫の方がワクチン免疫よりも強いとしていた。
マローン博士も同様の見解のようだ。
Longitudinal analysis shows durable and broad immune memory after SARS-CoV-2 infection with persisting antibody responses and memory B and T cellshttps://t.co/3nPGm985te
— Robert W Malone, MD (@RWMaloneMD) August 15, 2021
こうした点からは、基本的にはハイリスクな持病持ちの人や高齢者層以外へのワクチン接種は不要と言えるだろうな。
最後まで読んでくれてありがとう!