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歴史的高値圏!金(ゴールド)はナゼ強い!?

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金(ゴールド)は、太古の昔からその美しさ、希少性、加工のしやすさ、そしてサビない不変性があることから、ある時は装飾品や富の象徴として、ある時は金貨や小判など通貨として用いられてきた。

近代においても、各国が発行するドルや円、ポンドといった通貨を発行する際に「金地金との交換を保証する」ことで、通貨の価値の裏付けとした(金本位制)。

現代では、貿易不均衡などにより一国に金(ゴールド)が集中あるいは流出することで貨幣流通量が制限されるなど、金本位制の維持は困難となり、現在では金本位制は過去の遺物となっている。

現在において、金(ゴールド)は貴金属や石油などのコモディティの一つとして扱われているものの、各国の中央銀行において一定割合保有することが義務付けられている。

世界各国の金(ゴールド)保有量

なお、世界の金(ゴールド)を保有量ランキングは以下のとおりだ。数字は、金(ゴールド)の保有量と外貨準備に占める割合な。

第1位 アメリカ 8133.46トン(75.8%)

第2位 ドイツ 3366.77トン(71.7%)

第3位  イタリア 2451.84トン(67.4% )

第4位  フランス 2436.07トン(62.2%)

第5位 ロシア 2206.99トン(19.3%)

第6位 中国 1926.53トン(2.7%)

第7位 スイス 1040.00トン(5.8%)

第8位 日本 765.22トン(2.6%)

第9位 インド 618.16トン(6.6%)

第10位 オランダ 612.5トン(65.9%)

このほか、IMF(国際通貨基金)が2814.04トン保有しているほか、各国が保有する金の合計は34,077トンほどだ。

さらに言うと、これまで採掘された金の総量は17万トンほどで、まだ掘り出されていない分はあと7万トンほどといわれている。年間で約3,000トンが採掘されることを踏まえると、あと20年位で枯渇すると言われている。

パソコンやスマートフォンの基盤にも使われるなど産業利用もあり、漸減していくことも考えられるので、今後その希少性は上がることが考えられるぞ!

なお、ドイツが保有している金の一部は、アメリカが保管しているが保管状況を見せろといってもなかなか応じないことから、ドイツは2020年までに全ての金を自国に引き上げることとしている。マジでアメリカが使いこんでいるなんてことになったら、いったいどうなるのか…。

日本の金(ゴールド)保有量が低い理由

日本とドイツには共通点がある。

そう、第二次大戦の敗戦国だ。

この2か国は、戦後財産らしき財もなく強度のインフレにも見舞われながら、世界有数の経済大国として復活を果たした。同じように復活したこの2か国で、どうしてこうも金の保有量が異なるのか。

戦後、経済大国にのし上がった2か国は、その潤沢な貿易黒字を活用して外貨準備を増やした。日本はアメリカ国債を積極的に購入し、ドイツはアメリカ国債だけでなく金(ゴールド)も購入したのだ。

上限なく発行され、ドル崩壊もささやかれる米国債と、そんなドルと反比例するかのように高値更新を続ける金(ゴールド)。この保有量の差が吉と出るか、凶と出るか。

現在の米国債や米ドルの状況を見れば、米国債を売って(償還して)金(ゴールド)を買うという選択肢もあるとは思うが、米国債の償還は(日本には)許されていないため、それも難しい。

やっぱり分が悪いよな、日本は。

 

 

世界各国の金(ゴールド)購入の動向

世界中の中央銀行が、着実に金(ゴールド)の保有量を増やしている。

その中でも、特に中国が金(ゴールド)の購入量を大幅に増加させている。月間10~15トンペースでの増加だ。2019年1月~8月まででも90トン近い金(ゴールド)を購入している。

その反面、米国債の保有量は減らしており、一時は日本を抜いて世界一の米国債保有大国だったが、近年その保有高を減らしている。こっそりマーケットで売っているようだ。

中国としては、米中貿易戦争を踏まえ金(ゴールド)の保有量を増やしている旨の報道を見かけるが、それだけだろうか。

以前の記事で、世界の基本的構造が変わるというところで、サウジアラビアを例にアメリカと中東が距離を置くという推測を書いた。

【原田武夫】10月9日の潮目!これからの世界の基本的構造とは?アメリカと中東!

中国も同様ではないだろうか。アメリカ又は米ドルに頼らない態勢を整えるべく、人民元の国際的な信用度を上げるために金(ゴールド)の保有を増やしているのではないだろうか。

人民元経済圏が出来れば、国際決済に不安定な米ドルを使わなくて済む。当然、米ドルの保有量も大幅に減らすことが出来る。また、今後予測される金融危機が発生し、米ドルが崩壊、基軸通貨性を喪失する中でも混乱は最小限で済む。

再び金(ゴールド)の時代が来るのか

ドルや円などの通貨は、本来であればその国の「富」が増えた時に、その「富」の量に合わせて発行量を増やす。資本主義の世の中では、全体の「富」が景気の波に合わせて増減し、通貨発行量も併せて増減する。それは、経済政策としても必要であるほか、通貨の信用度合を守り高めるためにも必要だ。

ところが、ドルや円などはもう何年もこの原則を無視している。

政府は際限なく国債を発行、国際は民間銀行経由で中央銀行が買い取り、その分通貨を発行していく。このロジックであれば、例えば莫大な貿易赤字になった場合でも通貨発行で乗り切れてしまうし、政府にお金が無くても無限にお金は沸いて出るし、ということになる。

日本やアメリカでは、既に中央銀行が国債を引き受ける保証がない限り、積極的に国債を買う金融機関は無くなってきている状況だ。そうなると、今度は中央銀行自体の健全性が疑われることとなり、その先にあるのはその中央銀行が発行している通貨(ドル・円・ユーロ)の信用不安だ。

今、ドルや円、ユーロは崖っぷちにあると思う。

先日、マレーシアのマハティール首相が、金に連動した東アジア共通通貨構想を打ち出した。

マレーシア首相、東アジア共通通貨を提唱 金に連動

[クアラルンプール 30日 ロイター] – マレーシアのマハティール首相は30日、日本経済新聞社主催の国際交流会議「アジアの未来」で講演し、金価格に連動する東アジアの共通通貨構想を発表した。共通通貨は貿易取引の決済に利用し、国内取引には使用しないとしている。

マハティール首相は「極東で協力を望むなら、共通の取引通貨から始めるべきた。共通通貨は、国内で使用される通貨でなく、貿易取引決済のための通貨だ」と述べた。

さらに「この通貨は金に基づくべきだ。金ははるかに安定しているからだ」と述べ、現在の為替制度のもとで、アジアの通貨は外部要因の影響を受け、操作されていると指摘した。どのように操作されているかについては説明はなかった。

マハティール首相はかなり以前から通貨取引を批判し続けており、アジア通貨を大量に売ったジョージ・ソロス氏を批判したことで知られる。(以下略)

だが、現在の経済規模で金本位制を取るには金は少なすぎる。

また、IMFのSDR(特別引出権)を活用し世界通貨のように使うような構想もあるが、どうなるか分からない。そもそも、SDRを構成するドル・ユーロ・円・ポンド・人民元のうち過半数が信用問題を抱えつつあるから、抜本的な見直しも必要だろう。

いずれにせよ、現在の米ドルのような流動性を持ちつつ、誰もがその価値を認めているものは、現状では金(ゴールド)以外には存在しない、というところだ。

米ドルや日本円の保有は、リスクとなる可能性が高い。

原田武夫さんが言うように、マーケット暴落(=金融崩壊?)が先に延ばされたとのことでもあるので、今のうちに金(ゴールド)を備えておくことが必要ではないだろうか。

なお、金(ゴールド)はその性質上、ドルの価値とは反比例すると思われがちだがこれまではそうではなかった。リーマンショック時には、金(ゴールド)も売り込まれ大きく価格を落としていた。金(ゴールド)のデリバティブ(金融派生商品)は金現物よりもはるかに多く、これらを売り込むことで金相場が下がっていた。というか下げられていた。

おそらくだが、QEによる大量の資金供給をバックに、ドルの価値を揺るがしかねない金(ゴールド)の価値をあえて落としにかかっていた。ところが、最近は、これらの売りをこなしたうえで、しっかりと上がっている。それも、急激なバブル上げではない、一歩一歩踏み占めるかのような着実な上昇だ。

金(ゴールド)の価値の覚醒はここから、といったところではなかろうか。ということで、過去記事を参考にゴールドを備えることを検討しようじゃないか!

買うなら、保管もしやすい金のインゴットがオススメだ。こういうやつね↓


後まで読んでくれてありがとう!