日産について、新たな報道が出てきた。
【日産報酬隠し 元COOらも提案か】https://t.co/yW1oHAeZ1Z
日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告が巨額の役員報酬を開示しなかったとされる事件で、検察側が、志賀俊之・元COOらも報酬隠しとされる仕組みを提案していたと公判で主張することが判明した。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) September 7, 2020
ゴーン事件は、開示されるゴーンの役員報酬額を少なくするため、実際の報酬額よりも50億円少ない額を有価証券報告書に記載していたとされる事件だ。
ゴーンは、東京地検特捜部に金融商品取引法違反で逮捕されたほか、ゴーンの懐刀だったグレッグ・ケリー(当時は日産の代表取締役)は、この報酬隠蔽を主導したとしてゴーンとともに逮捕された。
昨日のブログでは、日産を万年赤字企業から巨額黒字を叩き出すまでに転換させた「救世主ゴーン」を追い出したものの、その翌年から巨額損失を計上。
そして、政策投資銀行から巨額の融資を受けるに当たり、一部に政府保証がつくことが判明したことを書いた。
ここのところ、気になる経済ニュースが相次いでいる。先日は、菅さんが地銀の統合を示唆したとの報道を紹介した。[sitecard subtitle=関連記事 url=https://tanoshikuikiyo.com/the-[…]
今回の記事のポイントは、ゴーンの不正を他の経営陣も知ってたということを検察が主張するというものだ。
ゴーンの罪状は、金融犯罪というにはかなり微妙だ。
何故なら、日産では、社として「当期の有価証券報告書への記載は不要」と判断していたからだ。
ゴーンが過少記載した50億円については、退任後に受け取る予定のものであり、ゴーンはまだ受け取っていなかった。
法(会社法)では、「役員報酬の確定には株主総会の承認が必要」とされており、手前勝手に報酬額を決めたり支給することは出来ない。
ゴーンが過少記載したとされる50億円の報酬は、取締役会や株主総会に諮られておらず、支払実態も無かった。
法の趣旨から言えば、絵に描いた餅状態の報酬の記載義務などない。そもそも、確実に受け取れるかどうかも分からない。
こうした状況なので、ゴーンの金融商品取引法違反というのはかなり微妙なのだ。
検察の主張どおり、退任後の予定報酬まで「役員報酬として記載義務あり」とすると、日本中で逮捕者が続出するんじゃないだろうか。
検察はどんなロジックで「記載義務あり」と主張するのか、気になって仕方ない。
今回の報道では、他の役員も「ゴーンの不正の仕組みを提案した」とするようだ。
ゴーン(とケリー)だけ「悪人」として国際指名手配までかけているが、ゴーン以外にも同じようなことをしていた経営陣がいたのは明らかだし、他の役員の責任は不問にしたうえで、ゴーン&ケリーだけが悪いとするロジックは通せなくなってきたのだろう。
いずれにせよ、日本はかなり無理してゴーンを追放した。
他の役員連中がやっていることをゴーンにもやらせた上で、経営陣は無罪放免ではゴーンが日本の検察に不信感を抱くのは当然だ。
海外メディアが指摘するように、日本の閉ざされた司法とか、外国人に対する差別的な取り扱いというとは、あながちウソではない。まあ、他国の司法はもっと上手にやるんだろうが。
ゴーン逮捕に至ったのは、元々はフランスのエマニュエル・マクロン大統領が、ルノーと日産(と三菱)を完全統合してフランスに利益を吸い上げるという、フランスファーストを目論んでいたことが発端だ。
いつもの日本なら、欧米の言うことは聞いてしまいそうなものだが、この件については違った。
日産の経営陣もルノー傘下に入ることをよしとしなかったのだろう。経産省と調整を図りながら対抗策を練った。
経産省の官僚だけでは、微妙な容疑で東京地検特捜部にゴーンを逮捕させることなど出来ない。官邸も入っていたのは間違いない。
かくして、法律の解釈・運用をゆがめてでも、ゴーンは追放された。
しかし、日本が欧州勢に盾突くのは珍しいし、わざわざ東京地検特捜部が動くような案件とも思えない。
東京地検特捜部については、以前にブログで書いたことがある。
IRとは統合型(Integrated)のリゾート(Resort)のことで、カジノ施設含め様々なお楽しみ施設が併設された一大リゾート施設のことだ。統合型リゾート(とうごうがたリゾート、英: Integrated Resort、略称:IR)[…]
東京地検特捜部の前身は、GHQ内に設立された「隠匿退蔵物資事件捜査部」で、そこでは、反米的な日本人や旧日本軍が隠した反米運動用の物資(隠匿退蔵物資)摘発を担当していた。その後、1947年の旧日本軍と政財界が絡んだ汚職事件により「東京地検特捜部」となった。
こうした出自の東京地検特捜部は、今に至るも「反米的な活動に対処するために特捜が動く」と言われている。
米中等距離外交を唱え、対米従属からの自立を試みた田中角栄一元首相やその意思を継いだ小沢一郎は、検察に狙われて失脚した。陸山会事件などが記憶に新しい。
先日のAmazonブラックフライデーのセールで、色々なKindle本がブラック(クロ)にちなんで96円だったので、適当に目についた本をいくつか購入してみた。その中の1冊が、衆議院議員の森ゆうこが執筆した「検察の罠」だ。200[…]
日本においては官僚組織や自民党(清話会)が権力を握っているが、その根源となっているのはアメリカへの従属体制であり、その背後には、トランプが「ディープ・ステート」と呼ぶ、軍産・国際金融資本がいる。
フランス・マクロンによる、日産併合をサクッと阻止できたのは、今回は国際金融資本(ディープ・ステート)は無関係だったからじゃないだろうか。
国際金融資本(ディープ・ステート)は、どこの国の企業だろうと関係ない。彼らのもとに、モノ・カネを吸い上げる。日産の身売り先が、ユダヤ金融資本に連なる企業だったら、日本は断れなかっただろう。
今回は、「フランス・ファースト」VS「ジャパン・ファースト」という、国家間の当たり前の駆け引きだった。そして、日本が制した。
だが、日産の試練はまだまだ続く。
米大手投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)は、日本企業の買収などに年間最大7000億円規模を投資する方針を明らかにしました。 https://t.co/hMlU6qynTp
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) September 7, 2020
ハゲタカファンドが、コロナ後の日本を狙っている。
法解釈を曲げ、政府保証をつけた融資をしてまで守った日産だ。
日産の再生に血税をつぎ込んだ挙句、天下り先にもならず、二束三文で外資に売却なんてことにならなければいいが・・・。
最後まで読んでくれてありがとう!