どんなジャンルの読書でも、人生を豊かにすること、脳の働きを上げると確信しているので、ここではAmazon「プライムリーディング」や「KindleUnlimited(キンドルアンリミテッド)」で読むことができる書籍のうちで、オススメのものを紹介していきたいぞ!
これまで紹介した書籍
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今回オススメする書籍がこれだ!
最後の医者は桜を見上げて君を想う (二宮 敦人)
本の紹介シリーズ第三弾は、二宮 敦人氏の「最後の医者は桜を見上げて君を想う」だ。
本の表紙イラストやタイトルだけでは、いったいどんな内容なのか皆目見当がつかなかったので、読むかどうか決めかねていたぞ。
しかし、Amazonの作品紹介に・・・
続々重版、25万部突破!本読み書店員が選ぶ「感動小説」第1位!
自分の余命を知った時、あなたならどうしますか?
死を肯定する医者×生に賭ける医者
対立する二人の医者と患者の最後の日々――
衝撃と感動の医療ドラマ!<全国の書店員様からのおすすめコメント>
とてもとても重い作品で、死ぬ事について何度も何度も考えさせられました。その中で最後の最後に一粒だけ用意されていた小さな希望に私は自然に涙を流していました。
(TSUTAYA 三軒茶屋店 栗俣様)「あなたは大切な人の余命を知った時、どうしますか?」対立する2人の医者を通して命の重さを考えさせられました。
(紀伊國屋書店 新宿本店 宮本様)医者達が織りなす「生」についての物語は考えさせられる部分が多く、ラストは涙が止まりませんでした。
(オリオン書房 ノルテ店 澤村様)著者の集大成的なこの作品は涙がこぼれる場面が多々ありますので通勤・通学中に読まれる場合はご注意ください。
(福岡金文堂 姪浜南店 林田様)医師達の「本気」が文字から浮かびあがってくるようでした。彼らは本当に、強い。人間賛歌とはこのような作品のことを指すのではないでしょうか。
(宮脇書店 本店 藤村様)
とあった。
むむっ、書店員が選ぶ感動小説第一位!?涙がこぼれる作品で、人間賛歌!?
涙がこぼれるのは、感動した時だ。
感動とは、勇気や努力などに裏打ちされた本気の行動・想いに対し、琴線が刺激されることだ、とおじさんは思う。また、そのような行動や想いこそが人間賛歌なのだと思う。
映画やドラマをを見て感動した後って、怒りや悩み、悲しみといったマイナスの感情が無くなっていることに気が付かないか?涙を流すほどに強く感動することは、この世知辛い世の中にあって、究極の心の癒しとなるんだぜ。
とにかく、感動そして人間賛歌という感想に強く惹かれて、読んでみた本だ。
ストーリーとしては、医療に対する考え方の異なる医者AとBがをCが仲裁し、AとBが互いの考え方を理解し分かりあうという話だ。
もっと言うと、「延命治療をしてでも絶対に治療するマンと」、「治る見込みが薄いのならば、むだに延命治療などせずに、人としての尊厳を重視するマン」の医者としての在り方についての衝突から、お互いの考え方を理解し尊重し合う、人間ドラマを描いた作品である。
ちなみに、ここでいう医者B(人としての尊厳を重視するマン)は桐子(きりこ)という名前だが、手塚治虫の名作「ブラックジャック」にも、同じようなポジションで同名の医者(ドクター・キリコ)が出てきたような記憶があるぞ。
ドクター・キリコは、当初、死神のような医者として描かれていたが、実は治る見込みのない患者などに、人として思い残すことが無いように患者本人の希望に沿って、延命治療をしない医師として描かれている。
この作品は、もしかしたらブラックジャックへのオマージュとしての位置づけもあるのかもしれないな。
内容は、大きく3つの章に分かれている。
それぞれの章で白血病、ALSそして末期癌を取り上げておいる。
その中で、どのように病気が発覚し、どのように病状が進行していくのか。
また、それに伴う、患者本人そして家族の葛藤や絶望など、末期患者たちの想像を絶する苦しみが、あまりにもリアルに描写されている。
特に、白血病患者への骨髄移植と家族の描写は圧巻である。
「死」というちょっと遠い世界の出来事のような現実感のないものについて、これほどまでに現実のものとして認識させられるような作品は、お目にかかったことがない。
患者、医師が「病気」を通じて生と死の狭間で揺れ動く中で、人として生きることとは何か、人として死ぬこととは何かを、否が応でも考えさせられる。
非常に縁遠いものだった病魔そして死というものが、あたかも自分が体験したような非常に身近なものとして認識され、自身の死生観までをも変えたと感じているぞ。
また、自分が患者となったとき、病とどのように向き合うか、延命治療はもちろん大切だが、最期を迎えるに当たってのQOLについても考えさせられる作品であった。
本作品には続編がある。
が、続編については、KindleUnlimited(キンドルアンリミテッド)の対象ではない。
読む場合はそれぞれ購入となる点に注意して欲しい。
とはいえKindle版であれば、上下巻それぞれ486円なので文庫版と比べれば安いのだが。
最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上) (二宮 敦人)
最後の医者は雨上がりの空に君を想う(下) (二宮 敦人)
最後まで読んでくれてありがとう!