イスラエルで250万人が登録する健康保険のデータベースの大規模調査をしたところ、デルタ株に対して「自然感染による免疫はワクチン免疫の13倍強い」ことが分かったとする研究結果が公表された。
その論文がこれ。
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.08.24.21262415v1
この調査研究については、ゼロヘッジさんの記事が分かりやすい。なお、ゼロヘッジさんはこの調査を踏まえて、アメリカのコロナ対策トップのアンソニー・ファウチ氏のワクチンに対する見解が間違ってまっせ、としている。
‘This Ends The Debate’ – Israeli Study Shows Natural Immunity 13x More Effective Than Vaccines At Stopping Delta https://t.co/WsXHdqcYdF
— zerohedge (@zerohedge) August 27, 2021
この調査は、非営利の健康保険組織である「マカビ・ヘルスケア」に登録された250万人のデータベースを活用して、「2021年1~2月にワクチン接種した、これまでに感染経験の無い人たち」と「ワクチン未接種で、2020年3月~2021年2月の間に感染経験のある人たち」を比較したものだ。
そして、デルタ株に対してワクチン接種者の方が13倍感染しやすく、27倍症状が出やすく、8倍入院しやすかったとの結果となった。
この大規模追跡調査の結果を踏まえてゼロヘッジさんは、従来の「ワクチンによる免疫は、感染によって獲得された自然免疫よりも優れている」との見解は真逆であり、デルタ株に対しては「自然感染」がより良い選択肢としている。
さらに、あのブルームバーグさんも「ワクチン接種者よりも感染回復者の方がデルタ株への感染リスクが低い」と報じている。
People who recovered from a bout of Covid-19 during one of the earlier waves of the pandemic appear to have a lower risk of contracting the delta variant than those who got two doses of the vaccine from Pfizer https://t.co/4VE7HyTmFo
— Bloomberg (@business) August 27, 2021
ゼロヘッジさんによると、この調査についてブルームバーグさんは「感染による自然免疫と、ワクチンの免疫を比較した、これまでで最大の分析」と評しているとか。
さらに、ゼロヘッジさんは記事の中で、著名な学術雑誌「サイエンス」のこの調査に関する見解を引用している。
その内容は、
1月と2月にワクチンを接種した人々は、6月、7月、8月前半に接種した人々の6~13倍感染した。以前にコロナウイルスに感染し、ワクチンを接種していない人よりも感染する可能性が高い。
ワクチン効果は半年程度しか持たないということに加え、過去に感染した人は、ワクチン接種せずともワクチン接種者よりデルタ株への防御力は高そうだ。
以前に「ワクチン免疫は長続きしない イスラエルでワクチン2回接種者の重症化事例が増加」で、謎のデータサイエンティストさんが、ワクチン接種者と感染回復者の状況を分析して「感染による獲得免疫は、ワクチン接種による免疫よりも強力で、長期間持続し、さらには変異株に対しても有効性が高い」と結論付けたことを紹介したが、どうやら正しかったようだ。
前々からワクチン免疫は半年程度とされ、それに比べると自然免疫は遥かに長期間続くとの話は散見されたが・・この大規模な調査研究により、ワクチン接種者とコロナ感染回復者のデルタ株に対する防御力は「ワクチン接種者<<感染回復者」ということで決着したと言えそうだ。
となると気になるのは「ワクチン未接種の人」だな。
とりあえず目についたワクチン接種者と未接種者を比較したデータとして、アメリカのワクチン接種率上位の10州と下位の10州の感染状況を比較したツイートを発見した。
米国の💉接種率上位10州と下位10州の感染者数対前年比
そろそろ誰でも気づく法則になってきたね pic.twitter.com/xz1JOMtJwc
— J Sato (@j_sato) August 27, 2021
うーん・・・ワクチン接種率が高い州ほど感染者数の対前年比は多い。ワクチンには高い感染(発症?)防止効果があるから、日本では「周りの大切な人のために打ちましょう」とか言われているが・・・これ如何に?
ワクチン接種率が上がると感染者数が多くなる理由については、8月10日にオックスフォード大学が公表した論文が答えかもしれない。
A preprint paper by the prestigious Oxford University Clinic…
この論文の概要はこんな感じ。
- ワクチン接種者は未接種者と比べ、鼻腔内に251倍のコロナウイルスを保有
- ワクチン接種者は未発症のまま高レベルのウイルスを保持するため、潜在的に無症状スプレッダーとなる可能性がある。
- 世界で起こっている、ワクチン接種後の感染急拡大の原因となっている可能性がある。
ワクチン接種者こそが「スプレッダー」になっている可能性が指摘されており、ワクチンの「他人に感染させない」効果に大きな疑問を抱く結果となっている。
もう一つ興味深い記事がナショナルジオグラフィックさんから出ている。
デルタ株、ワクチン接種後感染者も感染広げる可能性、証拠を確認: 予備的な研究ですが、接種後感染で増殖するウイルスの量も感染性も未接種者と同等であることが実験で確認されました。ワクチン接種後も「マスクの着用と感染対策は重要」と専門家。 https://t.co/u6gQYEaD27 #ナショジオ
— ナショナルジオグラフィック日本版 (@NatGeoMagJP) August 24, 2021
デルタ株は、鼻腔内でワクチン接種者・未接種者共に同じように増殖するとのこと。
この理由についてDr.苫米地氏によると、血中に抗体を作るワクチンの作用機序外(鼻腔には抗体が届かない?)だからとしている。
ワクチンの作用機序外ということは、デルタ株への感染そのもの(≠発症)については、ワクチン接種の有無は関係ないということになる。
アメリカの状況、オックスフォード大学の研究、そしてナショジオさんの記事を踏まえると、「感染するか否か」はワクチン接種の有無は関係がなく、他者への感染(感染拡大)と言う点ではワクチン接種はむしろマイナスということになる。
次に、重症化予防効果について見てみる。
まず、先日の「大阪大学の研究 後少しウイルスが変異するとADEの危機!?」でも紹介したが、デルタ株は「RBD中和抗体」「NTD中和抗体」のうち「NTD中和抗体」をすり抜けるとされており、「RBD中和抗体」のみが作用していることから、そもそもデルタ株に対するワクチン効果は低くなっているとか。
このためか、イスラエルの感染者数はワクチン接種前のピークを超えつつある。
ただ、死者やICUに入るような重症患者は前回ピークの半分程度だ。
これについては、2回目接種の効果が残っていたり、3回目のブースター接種で中和抗体が回復した効果があったとのこと。
コロナワクチン3回目接種で重症化を大幅抑制-イスラエル調査 https://t.co/71aS3mz6gV
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) August 30, 2021
ただ、デルタ株は弱毒化してるとの話をたまに聞く。もし、それが正しいなら重症者・死者が前より減っているのは、ワクチン効果ではないかもしれない。
ワクチン接種による無症状スプレッダーにより感染者数は爆発的に増えているものの、その割に重症以上が少ないのはデルタ株の毒性が低いから・・なのかも。
ただ、全体的な重症者は少なくても、イスラエルでは、「ワクチンで集団免疫形成は不可能だが重症化予防効果は!?」で紹介したように、ワクチン接種者とワクチン未接種者の重症化事例数はあまり変わらない。
この理由について、デルタ株の毒性が低いということを踏まえると「ワクチンの効果切れ」よりも、「中和抗体<<感染増強抗体」となっている可能性が頭をもたげてくる。
また、「大阪大学の研究 後少しウイルスが変異するとADEの危機!?」でマローン博士が紹介していた感染回復者とワクチン接種者の抗体比較をした研究でも、ワクチン接種者の抗体減少ペースはめちゃくちゃ早かった。
ワクチン接種者の免疫が感染回復者と比べて弱いのは、抗体価の急減に加えて、接種直後から細胞性免疫があまり活性化されず、そのまま落ちていくから・・との説明がしっくりくる(と思う。個人的に。)
ファイザー💉、透析患者と健常者(コントロール群)での反応の違いを比べた調査だが、健常者の方でも抗体だけでなく、T細胞免疫も16週間後に大きく低下。ファイザー💉は当初からT細胞免疫の活性化が弱く、16週間後には更に大幅低下。これが有効期間が短い原因でしょうhttps://t.co/CEpfVu5GhL pic.twitter.com/KvclndWKzd
— J Sato (@j_sato) August 22, 2021
結局のところ、ヒトの免疫システムはmRNAによる自己由来のスパイクタンパクを「感染」と見なしていないようだ・・。
そして、細胞性免疫を獲得出来ない以上は、抗体価が下がれば未接種と変わらない。
さらに、「大阪大学の研究 後少しウイルスが変異するとADEの危機!?」で紹介したように、現在のデルタ株が少しだけ変異して「デルタ4プラス変異株」となった場合、ワクチン接種者の方が重症化しやすくなる可能性が大阪大学の研究により指摘されている。
このような「感染増強抗体」の存在を踏まえると、未接種よりも危険かも・・。
このためだろうか。イスラエルでは、2回目接種から半年経過後は公式に「未接種」と扱われるとか。
In #Israel, the Ministry of Heath has just announced that anyone who waits more than SIX months after their 2nd jab without having a third one, is officially #UNVACCINATED.
Don’t make the same mistake 3 times.
Join us. We’ll forgive you.Rise up TOGETHER against this tyranny. pic.twitter.com/pU7KSfqLUD
— Freedom Israel 🙂 (@FreedomIsrael_) August 29, 2021
イスラエルの3回目接種を急ぐ背景には、細胞性免疫がつかないため、ブースター接種によって中和抗体価を上げて感染増強抗体とバランスし、ADEを防止する必要性があるのではないかと勘繰りたくなる。
となると、今後も「中和抗体<<感染増強抗体」とならないよう、中和抗体価がが下がる度に接種し続ける必要がある。副作用の強いワクチンを、半年に1回の割合で接種しなければならない・・・ちょっと勘弁してほしい。
今のところ、日本の厚生労働省の統計を見ると、日本におけるこれまでの死亡率は40代で0.1%、50代でも0.2%。また、入院を要する人のうち重症者の割合も40代で0.3%、50代で0.8%だ。
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000823800.pdf
この状態で救急搬送のたらい回しなど「医療崩壊」の言葉が聞こえるのは、厚生労働省や医師会による医療体制の構築に問題があると言える。
日本の医療体制が脆弱でないなら、ゼロヘッジさんの言うように、感染による免疫獲得は悪くもないと思えるのだが・・やはり、厚生労働省・医師会の利権争い綱引きのなれの果ての医療体制を踏まえると、ちょっと危ないか。
ただ、ワクチン接種が進み、無症状スプレッダーが多いことを踏まえると、どこで感染するか分からない。
免疫と言えば、以前にも紹介した「梅肉エキス」。
梅肉エキスの効果・効能は、以下のサイトに詳しいが、風邪やインフルエンザを防ぐ免疫効果に加え、抗がん作用、食中毒・下痢症状など胃腸への効果や血流改善効果、さらには老化防止や糖尿改善、虫歯・歯周病予防など、効果が有り過ぎてとても紹介しきれない。
https://kawashima-ya.jp/contents/?p=10856
ただ、お湯で割って梅肉エキスドリンクとして飲むのが一般的だが・・めちゃくちゃ酸っぱい。酸味を和らげる意味でも、「ショウガパウダー」と一緒に体を温めながら飲むのが良いと思う。
最後まで読んでくれてありがとう!