アメリカと中国

新型コロナウィルスは国際金融資本勢力の逆襲か トランプ&習近平はどう乗り切る!?

アメリカと中国

新型コロナウィルスの感染は東南アジアから中東へと広がりを見せつつある中で、日本でも拡大しつつあるところだ。

だが、遠く離れたヨーロッパのイタリアで感染が急拡大している。日経新聞からだ。

新型肺炎、イタリアで感染急増 一部自治体は封鎖

【ジュネーブ=細川倫太郎】イタリアで新型コロナウイルスの感染者が急増している。23日までに150人を超え、欧州では最多で中国以外では韓国に次ぐ規模になっている。コンテ首相は北部の11の自治体を封鎖したほか、「水の都」として知られるベネチアのカーニバルは中止に追い込まれた。詳しい感染経路は不明で、市民生活や経済への脅威になっている。

「感染が一気に拡大したことに驚いた」。コンテ首相は23日、感染者が数日内にさらに増える可能性があると警鐘を鳴らした上で、ウイルスの封じ込めに「あらゆる手段を講じる」と述べた。感染はミラノがあるロンバルディアやベネトなど北部の州に集中している。

伊政府は感染者が出ている両州の11の自治体を封鎖し、対象となる住民約5万人の出入りを禁止することを決めた。警察や軍を派遣して検問を設けるなど、厳戒態勢を敷いている。両州は24日からすべての学校を休校にする。ロンバルディアは映画館や博物館の閉鎖も決め、ミラノの名門歌劇場「スカラ座」も当面公演をとりやめる。

イタリア北部は自動車やファッション産業などが集中し、伊経済の成長エンジンとなっている。伊政府は2020年の経済成長率を0.6%と予測するが、グアルティエリ経済・財務相は「新型コロナウイルスの影響が広がれば、下方修正する可能性がある」と話す。

イベントの中止や延期も相次ぐ。ベネト州は23日、世界三大カーニバルの一つ「ベネチア・カーニバル」を前倒しで終了した。25日に閉幕する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で継続は困難と判断した。中世から続くカーニバルには世界各国から数百万人の観光客が集まって、人々は仮装して街を歩く。イベントの中止で、ホテルや飲食店などの損失も大きくなりそうだ。

23日はイタリアのサッカー1部リーグ(セリエA)もインテル・ミラノ―サンプドリアなど4試合が延期となった。サンプドリアには日本代表の吉田麻也選手が所属している。イタリアサッカー連盟は新型コロナウイルスに関する特別チームを設置した。

イタリアでは21日にロンバルディア州で38歳の男性が感染していることが確認された。その後、わずか数日で感染が急速に広がった。感染経路が確認できない「市中感染」が広がっているとの見方も強まっている。

イタリアの対応は非常に素早いな。

  • 感染者が出た自治体を封鎖し、検問所まで設けて住民の出入りを禁止。
  • 映画館や博物館、オペラハウスなどを閉鎖
  • 世界有数のベネチアカーニバルを前倒して終了
  • サッカー・セリエAの試合を延期

こういった方策は日本で全く採用されていない。東京や大阪の自治体レベルでイベントを中止したり、サンリオピューロランドとかジブリ美術館とかが自主的に臨時休業している程度か。

フグ!?高級中華!!?1時間で帰宅!?あさって纏める…て。

こんな日本は、イスラエルやタイから「汚染国」とされた。

「公共の場に行かないで」 日本からの入国者に要請―タイ

【バンコク時事】タイ保健省は23日、新型コロナウイルスの感染が拡大している日本や中国などからの帰国者や入国者に対し、到着後14日間は公共の場所に行くのを自粛するよう要請した。
対象となるのは日本と中国本土のほか、香港、台湾、韓国、シンガポールなど。社会的責任を持って自己観察を行い、公共交通機関の利用や他人との物品の共用を控えるほか、疑わしい症状を発した場合はマスクを着用するよう求めている。

日本からタイに旅行したとすると、空港は「公共の場所」だよな。公共交通機関は電車・バスも乗るなということだし、多分タクシーも断られるよな。うん、事実上の日本人入国禁止通告だな。

タイ人も日本から帰国した場合は14日間の自宅検疫となるとすると、日本へも行くなってことだな。タイへの航路は大打撃じゃないか。

日韓からの直接渡航禁止 新型肺炎感染拡大で―イスラエル

【エルサレム時事】イスラエル保健省は23日、日本と韓国からの外国人渡航者について「出国から到着まで14日たっていない場合は入国を禁じる」と発表した。日韓両国で新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受けた措置。イスラエル外務省当局者によると、日本については24日から実行に移される。
イスラエル当局は、同国を訪れた韓国人の団体観光客18人から帰国後のウイルス検査で陽性反応が出た事態を重視。地元メディアによると、22日に韓国から到着した大韓航空機に搭乗していた外国人約200人が入国を拒否された。

イスラエルからも汚染国とされてしまった。

ちなみに、アメリカやオーストラリアも日本への渡航警戒レベルを4段階中下から2段階目まで引き上げているぞ。

しばらく日本に来る外国人はいなさそうだ。逆もしかりで、外国に行けば現地の人から怒られる。

日本では「新型コロナは大したことないぞ」「疑わしくても病院行くな」「濃厚接触しても検査しなければセーフ」など、何も無かったことにしたいようだ。

だが、新型コロナウィルスは世界的にもっと大きな影響を及ぼしそうだ。

国際政治の舞台では、アメリカの一極覇権を維持し世界で紛争を続け、世界の富を吸い続けたい軍産多国籍企業はじめ国際金融資本勢力と、そういった体制破壊しアメリカやロシア、中国などが連携して世界のかじ取りをする多極型勢力が覇権争いを続けている(と思う)。

国際金融資本勢力は、覇権多極型世界のキーマンたるトランプや習近平を新型コロナによって潰したいようだ。

まずは、アメリカの状況を見てみよう。

トランプは、年初早々に起こしたイランとのイザコザを通じて中東におけるイランの立場を強化したほか、シリア問題ではロシアに解決を任せるなどロシアやイランへと中東覇権の移譲を進めている。過去記事を参考にして欲しいぞ。

【世界構造の変化】ロシアは中東の混乱を収める救世主!

【ウクライナ機撃墜】イラン革命防衛隊司令官殺害事件によりイランが得た4つのもの

【ウクライナ機撃墜】イランの政治権力は強硬派から穏健派へ!

国内では(おそらくトランプ自作自演の)弾劾裁判により、大統領選最大のライバル バイデン元副大統領がウクライナから便宜を図ってもらったことが公になり、大統領候補者レースから脱落した。

順風満帆かと思いきや、ここにきてアメリカで大流行しているインフルエンザが「実は新型コロナ説」が出てきた。インフルエンザにより1万人を超える死者が出ているが、そのうち何人かが新型コロナではないかとされている。

さすがにそれはナイと思うが、世界の感染拡大状況を見るとCDCが何と言うか分からないな。

と思っていたら、NHKから衝撃のニュースが!

ウイルス感染の米国人 チャーター機帰国に大統領激怒 米報道

クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船したアメリカ人のうち、新型コロナウイルスへの感染が確認されていた14人をチャーター機に乗せて帰国させたことについて、トランプ大統領が、事前の相談がなかったなどとして激怒したと、アメリカのメディアが伝えました。

アメリカ政府は今月17日、「ダイヤモンド・プリンセス」に乗っていたアメリカ人乗客のうち、300人以上をチャーター機で帰国させましたが、このうち14人については、下船して羽田空港行きのバスに乗ったあとに新型コロナウイルスへの感染が知らされ、国務省は、機内で隔離することで、ほかの乗客への感染を防ぐことができると判断し、帰国させることにしたとしています。

これについて、アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは21日、政府関係者の話として、トランプ大統領が、担当者からの事前の相談がなかったなどとして激怒するとともに、政権に打撃を与えかねないと不満を述べたと伝えました。

トランプ大統領には、事前の説明で、ウイルスへの感染が確認されたり、症状がみられたりする乗客は日本にとどまると伝えられていたということです。

また、ワシントン・ポストは、トランプ大統領が、アメリカで大規模な感染が起きれば、大統領選挙でのみずからの再選に影響が出かねないと懸念していると伝えています。

ダイヤモンド・プリンセスに乗船していたアメリカ人は、アメリカが手配したチャーター機で帰国したが、新型コロナウィルスへの感染が確認されていた14名も一緒だったと。で、トランプさんは日本で療養すると聞いて安心してたのに…ということか。

うーん、話を聞く限りでは感染しているとはいえアメリカ人を帰国させたのは、むしろポイント高いと思うのだが。感染者はちゃんと隔離されるだろうし。

だが「激怒」ということは・・・大統領選に影響が出る可能性が高いことを意味する。このウィルスの未知のヤバさを知っているのだろうか、と勘繰りたくなるな。

とりあえず、アメリカでも新型コロナが蔓延するきっかけが出来たというところか。

さて、次は中国だ。

パンデミック気味の中国では、2月10日に経済が再開された。まだまだ本格稼働とは行かないが、これ以上の都市封鎖は経済への影響が大きすぎて持たないようだ。

中国で新型コロナ鎮静化しないまま経済再開!アメリカインフル実はコロナ!?

経済的な事情もあるが、感染拡大がある程度落ち着いたことにしたい事情も透けて見える。

習近平はおそらく予定どおり来日して天皇陛下との会見を実現したいのではないか。

習近平は2018年の3月に、国家主席の任期制限(2期10年)を撤廃し、当面続投が可能となった。習近平の前任の胡錦濤までは、鄧小平の方針に従っていた。つまり、経済発展とアメリカに逆らわないことの2本柱だ。

胡錦涛までは、鄧小平戦略どおり動いていたが習近平は、アメリカに対抗する戦略に切り替えた。だが、その相手は国際金融資本勢力で、ロシアと協力して金(ゴールド)相場のコントロール権限を国際金融資本勢力から取り戻すなどなどしてきた。

英米による金価格コントロールの終わりと今後の展望

鄧小平の国家戦略を転換した習近平は2009年の副主席時代に天皇陛下と面会し、その後国家出席となったが、それを踏襲する形で改めて国家主席としての権威付けが欲しいのだろう。

皇室は、世界の王族・皇族の中でも最高位に位置する「根源家階層」だ。会見が国家主席としての正当性を証明することになるのだろう。まあ、政治利用なんだが。

なお、2009年に天皇陛下と会見した際は、通常1ヶ月前までに会見の申請が必要だったところ、小沢一郎率いる民主党政権がねじ込んだと言われている。小沢一郎と言えば、田中角栄の「米中等距離外交」を受け継ぐ生粋の対米自立派だ。

この時の会見自体が、多極化世界を志す習近平に次期国家主席としての正当性を与えるものという位置づけにあったようだ。

ということで、今回も天皇陛下との会見を果たし、国家出席続投と行きたいところだが果たしてどうなるか。全人代も延期されたし、新型コロナウィルスの感染状況から経済再開は見切り発車に思えるが…。

さて、余談だがロシア・プーチン大統領の任期は2024年までだが、代わりに議会や国家評議会の権限を強化して、自分が議長になることで事実上のプーチン政権が続く見込みだ。

さて、そんなロシアは、新型コロナウィルス騒動の当初から中国人の入国制限したほか、武漢市から救出したロシア人は軍用機でシベリアへ送って検疫期間を過ごすという徹底ぶりだ。

KGB出身の危険察知能力はハンパないわ。

んで日本だが、オリンピック開催に一縷の望みをかけているところだろうか。

検査しなければ感染が確認できない理論で感染者を増やさない方策と言われているが、ツイッターではどんなにアヤシくても検査してくれない事例の投稿が相次いでいる。

まあ、大阪で1人とかおかしいやろ。大ごとにしたくないというのが見えるようだ。

以下は厚生労働省のウェブサイトからの抜粋だ。

イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ

令和2年2月20日

 新型コロナウイルスの感染の拡大を防ぐためには、今が重要な時期であり、国民や事業主の皆様方のご協力をお願いいたします。
最新の感染の発生状況を踏まえると、例えば屋内などで、お互いの距離が十分にとれない状況で一定時間いることが、感染のリスクを高めるとされています。
 イベント等の主催者においては、感染拡大の防止という観点から、感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の必要性を改めて検討していただくようお願いします。なお、イベント等の開催については、現時点で政府として一律の自粛要請を行うものではありません。
また、開催にあたっては、感染機会を減らすための工夫を講じていただくようお願いいたします。例えば、参加者への手洗いの推奨やアルコール消毒薬の設置、風邪のような症状のある方には参加をしないよう依頼をすることなど、感染拡大の防止に向けた対策の準備をしていただくようお願いいたします。
国民の皆様においては、風邪のような症状がある場合は、学校や仕事を休み、外出を控えるとともに、手洗いや咳エチケットの徹底など、感染拡大防止につながる行動にご協力をお願いします。特に高齢の方や基礎疾患をお持ちの方については、人込みの多いところはできれば避けていただくなど、感染予防に御注意いただくよう、お願いいたします。
そのためには、学校や企業、社会全体における理解に加え、生徒や従業員の方々が休みやすい環境整備が大切であり、テレワークや時差通勤も有効な手段であります。関係の皆様のご協力をお願いいたします。

なお、新型コロナウイルス感染症の今後の感染の広がりや重症度を見ながら適宜見直すこととしています。

一律の自粛要請を行うものではないことから、主催者はどうすりゃいいのか分からんぞと批判されているな。

厚生労働省を擁護するようだが、丁寧に読めば「イベントとかヤメロ」と書いてあるようにしか見えない。青マーカーのところを命令口調で読んでみよう。

  • 屋内など…開催の必要性を改めて検討していただくよう→屋内イベントは中止しろ
  • 感染機会を減らすための…依頼する→手洗いとかアルコールとか風邪っぽいやつの参加をやめさせられないなら中止しろ
  • 風邪のような症状…ご協力→少しでも体調悪い奴は休め or 休ませろ
  • 高齢の方…できれば避けて→年寄り・持病あるヤツが参加するイベントは中止しろ

こんな感じで読めば、政府に対する官僚の良心が見えるかな

いずれにせよ、しばらくはアメリカ・中国の新型コロナウィルスの感染拡大に要注意だ。これまでの多極化フェーズがひっくり返る可能性もある。そうなれば、金融崩壊とかは多分来なくなるぞ。


最後まで読んでくれてありがとう!