アジアフリーメーソン

ペロシの台湾訪問とグレートリセット

アジアフリーメーソン

ペロシ下院議長の台湾訪問に対して、、中国・習近平は事前に示唆していたようなペロシ搭乗機の撃墜は行わなかったものの、激オコして軍事演習する状況となっている。

中国の軍事演習では、弾道ミサイルが台湾の上空を飛び交い日本のEEZ内に着弾するなど、「お怒り」を表現していると言える。

日本は恒例の遺憾の意を表明しているものの、「イカンイカンうるせぇな」位にしか思ってないだろう。まあ、アメリカと軍事衝突することに比べれば屁みたいなものだし。

なお、ペロシは台湾の蔡英文総統と会談した。

この会談の中で、

  • 台湾は現状維持(=独立しない)を希望
  • アメリカは一つの中国の原則を尊重(=台湾独立を支持しない)
  • 今回の訪台はペロシの個人的なもの

との話が出ており、かなり中国に気を使っていることが分かる。

また、読売の記事では「中国政府関係者」による習近平の意向が伝えられている。

内容としては、

中国政府関係者によると、習氏は軍事的な示威行動は強めながら、米中両軍が衝突しかねない措置は回避する方向という。

とあり、習近平はアメリカとの軍事衝突は回避するとしており、ペロシ-蔡英文会談で中国に気を使っていることも合わせて、アメリカ・中国ともに軍事衝突をする気は全く無さそうだ。

そもそも、「核保有国同士は戦争しないの原則」もある。

ただ、中共政府は国民に対して

Yurusen

と公言してしまった手前、何もしないワケにはいかない。

中共政府は、台湾から天然砂やお菓子、果物、冷凍魚等の輸入を即座に禁止したものの、この程度では国民から「台湾のお菓子は食いたいんだよぅ」と反発されそう。

そもそも、中共政府にとっての国民とは、いつでも(アメリカの扇動によって)敵になる可能性を秘めてた集団でもあるため、容易に弱腰姿勢は見せられない。

ということで、軍事演習にはアメリカと戦争せず、自身のメンツを保ち、さらに国民の溜飲を下げる目的があるのは間違いなく、見ようによっては平和的・現実的で妥当な落とし所と言えるだろう。

ただ、読売の記事にも

「台湾が危険なのはペロシ氏が去ってから」との指摘もある。中国当局が通告した台湾周辺での実弾射撃訓練は、4日から始まる。

とあるように、本当に平和的(?)な軍事演習なのかは気になるところ。

実は、この軍事演習エリアは台湾を取り囲むように設定されている。

また、軍事演習と言えば、あのロシアさんがウクライナ侵攻の直前(2月10日~20日)に行ったベラルーシとの共同軍事演習を思い出す。

この時は、軍事演習を名目としてベラルーシにロシア軍部隊を集結させ、ウクライナに侵攻する可能性が指摘されていた。

今となって見ればこの指摘は正しかった。

ロシアは「演習終わったら帰るっす」としていたが、ウクライナ東部(ドンバス)の情勢悪化を理由に、演習終了後もロシア軍部隊は撤収しなかった。

このような経緯を踏まえると、中国の軍事演習が単なる軍事演習で終わるのか・・不安にはなる。

ちなみに、あのトカナさんがインドの少年予言者アナンドくんの予言を紹介している。

トカナさんの記事によると、アナンドくんは今年の2月に

今年2月18日以降、土星が火星を支配する配置になっている。この影響により、人々は自分にも他人にも厳しくなり、不正を許さない“絶対的正義”のもとに他人を断罪するようになる

と、ロシアのウクライナ侵攻を彷彿とさせる予言をしていたとか。

そして、7月始めには・・

そして、7月始めに発表した予言ではアナンド君は次のように語っている。

「特に7月7日~8月7日、東アジアで負のエネルギー(絶対的正義と断罪)が強くなる」

と、東アジアで何か起こることを懸念しているようだ。

アナンドくんの2月予言にある「絶対的正義と断罪」がロシアのウクライナ侵攻を示唆していたとするなら、7~8月の「絶対的正義と断罪」は・・。

そもそも、中国はアメリカに手を出さないと言っているが、台湾に手を出さないとは言っていないので、アメリカが介入しないギリギリの線で何かやってくる可能性は懸念されるところ。

ペロシの台湾訪問により中国は台湾侵攻の口実を得る」で専門家さんによる中国軍の対応シナリオを紹介したが、その中でも、サイバー攻撃や海上・航空封鎖などは予想されるところだ。

なお、中国は軍事演習周辺の空・海域に入んなよと言っており、世界サプライチェーンへの影響も懸念されている。

中国の軍事演習エリアには、世界有数のチョークポイントであるバシー海峡(台湾南東の小蘭島と、フィリピンのマヴュビス島の間の航路)も含まれている。

バシー海峡は日本の天然資源輸送ルートとなっている海上輸送の要衝なので、日本への影響も懸念される。ミサイルをEEZ内に打ち込まれてイカンイカンと言っている場合ではない。

前のブログ記事で、ウクライナ支援で手一杯での欧米諸国は台湾支援まで手が回らない・・との分析を紹介したように、中国が軍事演習や嫌がらせにとどめている限りにおいては、アメリカは口先支援でお茶を濁す可能性が高い。

その点では、大量の兵器類を供与する(=アメリカが軍産にカネを払う)ウクライナモデルとはならないだろうが、米中対立はこれまでから一段上のステージで長期化する可能性が高い。

海域封鎖が長引かないといいんだが・・。

ここで気になるのは、ペロシがわざわざ台湾を訪問してまで、米中対立を激化させたかったのは何故か・・に尽きる。

米中共に選挙や共産党大会と言った正念場を控えているものの、そのために米中対立を煽るにしては、台湾訪問は大袈裟過ぎる。

この点について、気になる報道が出てきている。

何と、ウクライナのゼレンスキー大統領が、ロシアと関係良好な中国に仲介役を頼むつもりとか。

そういえば、ゼレンスキー大統領は、ロシアから購入する石油や天然ガスを減らしまーすと言ったドイツはボロクソ非難したものの、ロシアから大量の石油を買い付ける中国には何も言っていない。

中国への忖度、半端ない。

実は、ウクライナと中国は、2011年には戦略的パートナーシップ関係を樹立し、遼寧といった空母等の兵器輸出や中国から莫大な投資を受け入れ、さらには中国はウクライナの最大貿易相手国で一帯一路でも関係が深い。

ゼレンスキーにとって、中国は最後の切り札であり、ついにそのカードを切ろうとしているようだ。

また、中国に泣きつくのと並行して、ゼレンスキーはドンバス市民に強制避難を命じている。

表向きはドンバス住民を救うためとしているが、実際にはアメリカも予想するロシアの大攻勢に備えたものであることが伺われ、ドンバスの完全失陥が近いことを示唆するものと言えよう。

また、ゼレンスキーが国際金融資本の傀儡であることを踏まえると、いよいよケツに火のついた国際金融資本側がゼレンスキーに中国に泣きつかせている可能性すら伺える。

つまり・・

中国「ロシアさん、このくらいで許したったらどや?」

ロシア「まあ、中国さんが言うなら考えるで」

アメリカ「(国際金融資本が望むなら)しゃあない」

となりそうな展開が想定される。

ただ、ペロシが活躍した今ならどうだろうか。

アメリカ「問題児の中国が何をエラそうにしゃしゃり出てきとんねん!大人しくしとれや!」

とか

中国「アメリカの提示する停戦条件は承諾できへんで!」

と言った形で、米中の折り合いがつかない展開が考えられる。

つまり、ペロシの台湾訪問は、中国によるウクライナ停戦交渉を失敗させることにあり、それは・・

  • ロシアがドンバスのロシア系住民保護という目的を達成(=ドンバス完全制圧)させる。
  • ウクライナをロシアの覇権下に入れる。

へと繋がるものだ。

以前に「混沌とするウクライナ情勢 ロシアを挑発するアメリカの狙い」で紹介したように、アメリカは東欧含むユーラシアからの覇権撤退を進めている。

ただ、アメリカ国内の一部やウクライナ国内の国際金融資本には、アメリカ覇権撤退を歓迎しない勢力もいるだろうから、その観点でウクライナ危機を見ると、実はアメリカ覇権の撤退を進めるための戦争と言える。

戦争に敗北する形でアメリカ覇権勢力をウクライナから追い出した上で、ウクライナをロシア覇権下に押し込むことで長期的な安定を図ろうとするものと思われる。

さらに、「ロシア制裁はルーブルの金本位性とドル離れに繋がる」で紹介したように、ロシアはゼレンスキー大統領を留任させた上で、首相を親露派政党のボイコ氏に交代させることを求めていた。

ロシアは、ゼレンスキー大統領を「神輿」としつつ、その取り巻きをアメリカ(国際金融資本)傀儡からロシア傀儡に変えていくつもりなのだろう。

ということで、ペロシが台湾訪問したのは、うっかり中国の仲裁が成功しないようにするためのものだった・・のかも。

ただ、中国による和平仲裁があっても無くても、ウクライナ危機終結後の東欧エリアには、中国やロシアの影響力が拡大すると共に、戦争を煽ったアメリカ・国際金融資本の影響力は縮小する。

また、ポーランドやバルト三国、フィンランドなどの発言力も低下するだろう。

東欧エリアはロシアや中国、EUによる連携覇権下に入ると共に、横やり入れるヤツがいなくなるため安定することになる。

と言うことで、東欧情勢は安定化が見込まれるが、もう一つ気になるのは中国共産党の瓦解と中国の分裂だ。

今回の台湾の件でアメリカとの対立が深まることと合わせて、以前に紹介した新型コロナウイルスが武漢ウイルス研究所からの流出と断定されれば、中国共産党はテロ団体に指定されかねない。

そうなれば、アメリカからの口座凍結を恐れた中共政権の幹部は一斉に逃げだし、中国共産党は瓦解していくことになる。

欧州の知性と呼ばれるジャック・アタリは、2025年までに中国共産党の一党独裁が終わるとしていたが、そのとおりの展開となる。

知ってはいけない現代史の正体 馬淵睦夫 著

また、共産党による強固な独裁以外で広大な中国を治めることは不可能だろうから、中国は分裂して新中華連邦(New Federal State of China)となっていく。

そして、最後に気になるのは半導体だ。

ペロシさん、TSMC会長とお会いしたとか。

ペロシの本命はこっちだったかもしれない。

台湾のTSMCは半導体製造専門企業だが、回路線幅3nmという異次元の高難度チップを量産できる唯一の企業であり、さらに2nmチップの生産工場も建設中とか。

TSMCは台湾企業ではあるものの、その設立には華僑や青幇、洪門といった中華系ネットワークが深く関わっており、あのファーウェイやハイシリコン、SMICと言ったアメリカから目の敵にされる中国の半導体企業と出自は同じだ。

このネットワークは、原田武夫氏が簿外資産との関係を仄めかす孫正義のソフトバンクにも資金提供しており、中華圏を中心とした半導体・ハイテク企業は簿外資産と共に発展してきた形跡が見受けられる。

中国はペロシ訪台を受けて、TSMC向けの割安な半導体原材料の一部の輸出禁止措置を打ち出しており、さらに中国が分裂することを踏まえると、簿外資産に関わる華僑ネットワークに、世界の半導体事業の今後について相談しに行ったとも考えられる。

なお、台湾が半導体大国となったのは、1986年の日米半導体協定がきっかけだ。

この協定は、日本は半導体(日本が得意なDRAM)価格を自由に決められないこと、日本国内における外国製半導体シェアを10→20%とする明らかな不平等条約だったが、この協定の原因となったのは、日本の半導体驚異論をアメリカに吹き込んだ台湾勢だった。

その後の日本では、半導体事業がことごとく失敗していったが、世界的な資金の流れから自明だったのかもしれない。

となると、今後のグレートリセットの中で、日本の半導体事業が復活する目はあるのか・・!?

いずれにせよ、ペロシ訪台でウクライナや中国情勢、半導体情勢は大きく動きそうだ。


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