「コロナを終わらせるイギリスと日本 そしてバブル到来」で、世界でコロナ危機が終っていくことや、その後のバブル到来する可能性を紹介した。
コロナが終っていくことについては、生物兵器の世界を管理するイギリスが先鞭を着けたが、フランスも続き始めた。
フランス、コロナ規制を段階緩和へ 2月2日からhttps://t.co/nO4DjFEWuR
フランスのカステックス首相は20日、新型コロナウイルス対策の規制を来月2日から段階的に解除すると発表した。変異株「オミクロン株」による感染の波が収束しつつある「心強い兆候」があるとしている。— AFPBB News (@afpbbcom) January 21, 2022
フランスでは、2月2日から屋外でのマスク着用義務やイベントの人数制限が解除されるほか、16日からはナイトクラブ営業再開やスタジアム等での飲食規制解除など、日常へと戻っていく形となる。
ただ、フランスの規制解除は、イギリスのような感染ピークアウトではなく、ワクチンパスポートが1月24日から導入されることが理由となっている。
とは言え、フランスの新規感染者数は過去最高レベルだ。
まさに今がピーク。
ワザワザ規制解除を打ち出すタイミングではない。
もっとも、イギリスもピークアウトしたとは言え、常識的には「エンデミック」を打ち出す時期ではない。
つまり、両国の規制解除への走り出しは強引と言え、その様子は「コロナ危機を終らせることが新たなグローバルアジェンダだ」というメッセージ性の強いものとなっている。
日本においては、尾身クロン氏が若者への検査をせず、症状で判断する旨の提言を行った(ポシャったけど)ほか、こんなニュースも出てきている。
ワクチン2回接種どうし 少人数で会食も全員感染 新型コロナ #nhk_news https://t.co/E7XUFJi8kd
— NHKニュース (@nhk_news) January 20, 2022
ワクチン接種者同士3人で軽く飲みに行ったら、全員陽性となったとか。
ワクチン接種で感染が防げないこと、ワクチンパスポートの意義は薄いことを暗に示唆するもので、これまでは考えられなかった報道内容だ。
前々から紹介しているとおり、ワクチンの作用機序からして感染防止効果は無く、従ってワクチンパスポート制度の意義は薄いのだが、それを日本(N)放送(H)協会(K)が報じた意義は大きく、日本でも確実に潮目が変わっていることを意味している。
さらに、こんな報道も。
名古屋市、感染者の行動歴調査を断念 https://t.co/RskoCLTRfu
— 産経ニュースWEST (@SankeiNews_WEST) January 24, 2022
全国的な検査キット不足を受けて、濃厚接触者への検査を当面取り止めとか(そもそも追跡も断念)。
既に、医療現場では無症状の濃厚接触者にまで手が回らないところも出てきており、陽性になりやすい濃厚接触者への検査が無くなる=コロナ減少となりそうな状況だ。
今回の「コロナ危機やめ~」号令への対応がめちゃくちゃ早いな、日本。
と言うことで、コロナ危機は持ってあと数ヵ月という感じになっており、回復バブルが期待されるところ・・・なのだが、その前に大暴落のニオイが強くなってきた。
コトの発端は、もちろんFRBの金融引き締めへの転換だ。
「アメリカFRBの金融引締め姿勢が鮮明に 次に来るのは仮想通貨か」で紹介したように、インフレが止まらないため、国債買入額を減らすテーパリングに止まらず、利上げや市場からの資金吸収までもが視野に入ってきている。
QTという言葉も、モーサテなどで当たり前のように聞かれるように。
FOMC 1/25〜26
(結果発表 日本時間1/27早朝)
具体的な内容で不透明感を払拭してもらわないと困るも、
いきなり「0.5%の利上げ」とか「利上げと同時的QT」とかでは織り込み度合いがまだ低い#モーサテ pic.twitter.com/ErG8qkuNbH— 亀太郎 (@kame_taro_kabu1) January 23, 2022
こうして見ると、コロナ危機が終わりを迎えるのは、止まらないインフレを誘発しリーマンショック以降続いてきたQE(金融緩和)を終了させて、金融市場を崩壊させる準備が整ったという「合図」なのかもしれない。
さて、市場の様子を見てみると・・あれだけ堅調だったアメリカ株は絶賛暴落中だ。以下はダウの日足チャート。
全ての移動平均とボリバンを突き抜けての下落。
34000ドル前後のサポートは死守しているものの、移動平均が追い付けばベアトレンドのパーフェクトオーダー完成となる。
昨年末の高値引けがウソのような展開だ。
ちょいちょい反発するだろうが、週足レベルで見てもベアトレンドに入りつつあることが強く示唆されるチャートとなっている。
米国株式市場がこれだけ弱くなっているのは、テーパリングにより市場に供給される資金量が減少したことを受けたものだろうが、実は新年早々にゼロヘッジさんがこのことを強く裏付ける記事を掲載していた。
“Massive Meltdown”: 40% Of Nasdaq Companies Are Down More Than Half From Their Highs https://t.co/1aZa9X970o
— zerohedge (@zerohedge) January 6, 2022
米ナスダック市場は2021年4月~12月の間に全体的にかなり値上がりした。
ナスダックの週足チャートを見ると・・
4月5日の151ドルから12月27日の終値206ドルまで、1.4倍近い上昇となっている。
ゼロヘッジさんが指摘するところでは、この上昇の約半分(51%)は、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ、グーグルの5社によるもので、さらに、同時期のナスダック上場企業の10社に4社は、50%以上も下げているとか。
これが意味するのは、QE資金が指数寄与度の高い銘柄に集中投下され、実体経済とは無関係に株高が演出されていたことを意味する。(FRBはインフレ対策に本気だが、アメリカ政府はインフレを促進)
日銀による日経連動株式ETF買いにより、日経平均への寄与度の高いファーストリテイリングやソフトバンク、東京エレクトロンと言った銘柄に資金が集まり、日経上げを主導していたのと同じような感じか。
このゼロヘッジさんの記事から「アメリカの実体経済はやっぱり悪かった」「QE資金が無くなると株式市場はヤバそう」という状況が強く疑われる。
金融市場は、これまで頼ってきたQE資金が抜けることに危機感を持っているようで、米国債金利は上昇(=国債価格は下落、国債売り)している。
しかし、FRBは市場の動揺を一蹴。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米国債金利上昇は予想される金融政策見通しに一致しているとして、気にしていないようだ。
米金利上昇、FRB高官は意に介さず#FRBhttps://t.co/AgPtICcO07
— ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (@WSJJapan) January 24, 2022
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、FRBは金融引締への転換について、
労働市場が力強さを維持する中、許容できないほどの水準に跳ね上がったインフレ率の抑制が狙い
とか
米経済がもはや必要としていない緊急事態の水準の刺激策を単に取り除くことが目的
としている。
FRBは大筋で「景気回復してインフレになったから、金融引締めします」と言っている感じだ。
しかし、これまでに「世界の金融システムは破綻に向けて大きく動く」などで紹介したように、インフレはサプライチェーンの混乱や資源価格上昇などのコストプッシュインフレに加え、コロナ危機による経済対策で莫大な現金が実体経済に投入されたことによるものだ。
今回のFRBの金融引締は、ドル高誘導により輸入物価を抑える程度の効果しかない。
本当に対策が必要な「コストプッシュインフレ」は、コロナ危機の産物でQE(金融緩和)とは無関係なので、いくら金融を引き締めても、金融市場を痛め付けるだけでインフレはおさまらない。
それどころか、アメリカではコロナ拡大による自宅待機者の増加やワクチン接種による雇用制限などで慢性的な人手不足となっており、今まで低賃金で人を使い倒していた単純労務に人が集まらなくなり、賃金上昇に拍車をかけている。
さらに緊迫するウクライナ情勢が、原油やコモディティだけでなく食糧価格の高騰を招く可能性も。
外務省は、ウクライナ全土で「危険情報」のレベルを2番目に高い渡航中止を勧告するレベル3に引き上げました
目的にかかわらず、予定している渡航を中止するよう呼びかけるとともに、滞在するすべての日本人に対し商用機などが運航している間に出国するよう強く促していますhttps://t.co/oLeIVpB9nX
— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) January 24, 2022
ウクライナは、小麦などの穀物生産能力が高いため、本当にドンパチが始まれば穀物価格上昇は避けられない。
穀物市場は多分に投機的な市場であり、世界穀物が10%不足するだけで2倍に高騰すると言われている。
しかも、ウクライナ危機を煽っているのはアメリカであり、プーチンロシアは今のところ黙って耐えている状況という・・。
つまり、今はアメリカを中心に意図的に作られた「コストプッシュインフレのループ」の真っ最中であり、金融政策で抑えられるインフレではなくなっている。
しかも、先のウォール・ストリート・ジャーナルの「米国債金利上昇は予想される金融政策見通しに一致」との言葉からは、かなりのスピードで利上げしそうな雰囲気となっている。
今のところ、市場では年4回程度の利上げが見込まれているが、あのゴールドマン・サックスさんはもっと動くかも・・との予測を出している。
米FRB、3月皮切りに毎会合で引き締めのリスクも-ゴールドマン https://t.co/mEeoHgSlDG
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) January 23, 2022
しかし、先に見たように株高は演出されていたもので実体経済は回復していない状況で、超低金利が大前提だっのMMT(現代貨幣理論)的な金融政策が止まるとなると・・金融危機待ったナシだ。(CLOが日本に集中!次の金融危機は日本発か!?)
インフレ抑制への実効性や金融市場への影響を踏まえれば、、テーパリングや利上げはともかく、QT(金融市場からの資金吸収)まで踏み込む必要性は薄い・・と言うよりは、別の問題(金融危機)を誘発する危険策でしかない。
さらに言うと、歴史的な大暴落は市場からの資金吸収が原因であることを、ミルトン・フリードマンが発見している。
フリードマン曰く、経済を規定するのは「需要と供給」ではなく「貨幣の数量」であり、過去の強烈なリセッションはマネーサプライの減少によるもので、中央銀行の不要な金融引締めが原因としている。
日本人だけが知らない戦争論(苫米地英人 著)
そう、過去には中央銀行が意図的に誘発した世界恐慌が、世界大戦の引き金にもなっている。
こうした中で、イエレン財務長官はインフレは2%程度に収まる(希望)・・という予測を出している。
イエレン財務長官、年末までの米インフレ率2%近辺回帰になおも期待 https://t.co/fugK084sfW
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) January 21, 2022
2%と言えば、ひとまず順調なインフレ率だ。
FRBの性急な引き締めとは相反する予測となっている。まあ、これまでも「インフレは一過性」とかまるで当たってなかったけど・・・。
そもそも、先にも書いたウクライナ危機を煽っているのはアメリカだし、コンテナ輸送船の混乱を収束させる気がないのもアメリカだ。
こうした政府とFRBの連携の無さは当局が市場コントロール能力を失っていることを示しており、余計な不安をと暴落を招く要因ともなる。
ということで、金融市場はアメリカ政府とFRBによって意図的に悪化させられているように見え、先行きはかなり悪そう。FRBに莫大な裏金でもあれば話は別だが・・。
だが、こうした中でビットコインなど仮想通貨市場は助かる可能性が出てきている。
そもそも、ビットコインには「バーゼルⅢで金と仮想通貨は爆上げ そしてドルは崩壊・・世界統一デジタル通貨へ」などで紹介したように、ドル延命のために金(ゴールド)に流れる資金を受け入れる役割と、将来的な世界統一デジタル通貨「フェニックス」の広告塔としての役割がある。
今後、株式や債券市場が落ち目になる中で、独り勝ちとなる可能性も充分あり得る。
今のところはビットコイン・アルト問わず総崩れで、インフレに強い「デジタルゴールド」どころか単なるグロースそのものと言ったところだが・・・。
しかし、このタイミングでFRBがCDBD(中央銀行デジタル通貨)の可能性の検討を始めた・・との話が出てきた。
Advocates say a Fed digital dollar could make it faster and cheaper to move money around the financial system, bring into it people who lack bank accounts and provide an efficient way for the government to distribute financial aid https://t.co/iilcXhQxn1
— Real Time Economics (@WSJecon) January 21, 2022
アメリカのデジタル通貨発行の潜在的な利点やリスクの検討を開始したとの報道だ。先行する中国のデジタル人民元に対抗する意味合いもあるような声も聞こえてくるが・・、誘発される金融危機で、ドルの信頼性・基軸通貨性が喪失する可能性を踏まえた準備かも。(いよいよインフレが本格化 そして日本デフォルトとデジタル円)
さらに、この動きに合わせるかのように、仮想通貨規制に関する規制を検討しているとの報道が出てきた。
米政府、仮想通貨関連の大統領令を準備中か=報道https://t.co/4My9nPe8Ap
— CoinPost -仮想通貨情報サイト-【アプリ配信中】 (@coin_post) January 24, 2022
アメリカでは、各省庁が各々で何らかの規制を課している縦割り状態のため、ホワイトハウス主導で何らかの規制を考えます、というもののようだ。
デジタル人民元への牽制やドルの優位性など検討事項は多岐に渡るが、仮想通貨ETFや直接投資含め、アメリカの仮想通貨の投資額はかなりのものとなっている。となると、仮想通貨規制は緩くなることはあっても厳しくなることは無さそう。
また、大統領令(エグゼクティブオーダー)により仮想通貨の法的位置づけが明確になることで、投資先たる仮想通貨としての信頼性が高まりそうだ。そもそも、ヘタに厳しくしたらテスラやマイクロストラテジーなどがブチ切れそう。
さらに、この仮想通貨規制が、仮想通貨決済アプリへと繋がり、それが中国のWeChatなどのような生活全般を支えるスーパーアプリになるかも・・的な観測が出てきている。
【コラム】暗号資産の規制が米国でスーパーアプリが生まれるきっかけになるかもしれない https://t.co/2sjiNtUu8m (2022-01-24 10:00 AM) #TechCrunchJP
— TechCrunch Japan (@jptechcrunch) January 24, 2022
仮想通貨を法定通貨と同じように扱うことで各国の法定通貨や中央銀行の役割が縮小していくことになる。
この動きは、世界の統一中央銀行が発行する世界統一デジタル通貨「フェニックス」実現のため、ビットコインがその広告塔となるという動きとマッチしている。
世界統一デジタル通貨へのロードマップを踏まえると、株や債権から仮想通貨への資金流入を促すことになるのかもしれない。
しかし、急いで飛び乗るのは待とう。
先日のブログでも書いたように、ビットコインはロングが積みあがっていて非常に上がりにくいため、一度このロングを解消するために、かなり下押しする必要がある。
次に、大きく上げるためにショートポジションを積み上げた上で、そのショートのロスカット(=ロング)を燃料に上昇させる必要がある。
当面は下押し局面となるだろうから、マイクロストラテジーの平均取得単価と鉄壁のサポートが重なる30000ドル前後、または昨年6月安値の28600ドル辺りが下値目安となろうか。
まずはBTCUSDの週足チャート。
かなりイイセンまで下げてきている。ここいらで反発というのも充分に考えられるラインとなってきた。
次に日足。
明らかなベアトレンド。週足ベースのサポートライン付近まで落ちたにも関わらず、反発がかなり弱い。
時間足も見て見ると・・
やはり反発が弱い。一応、移動平均はうわ抜けているものの、傾きはフラットで強さを感じない。しかも、週足・日足レベルであれだけ落ちたのに、37000ドル辺りを天井に抑えられている。反発は極めて弱い。
もう一段の下押しは充分に考えらえる。
37000ドルを超えたところでのお試しエントリーはあるかもしれんが、いつでも撤退する心構えをしておきたい。バブルはもう少し先かもしれないからな。
最後まで読んでくれてありがとう!