2月24年にロシアがウクライナに侵攻してから早くも3週間が経とうとしている。
この間に出ている報道は、ほぼ全てが「悪いのは全てロシア・プーチン、ウクライナ頑張れ」となっている。
他国への軍事侵攻は、そこに居住する住民の生活や財産のみならず、身体生命をも危険にさらすことになるため言語道断であり、非難されるべきものだ。
一方で、ウクライナ側も、その背後にいる欧米勢によるロシア侵攻を誘発する動きに加え、18歳以上の男性を民兵に仕立てたり、住居や幼稚園などの民間施設に立てこもるなど、決して称賛されるようなものではない。
この状況について、Dr.苫米地氏は現代の戦争における「認知戦」について警鐘を鳴らす。
是非ともご覧頂きたい動画だ。
概要としては、
- 今回の戦争の直接の引き金は、2月10日のバイデン発言(ロシアがウクライナに入っても西側は入らない)で、プーチンへのGOサインとなった。
- 認知戦とは「自らの正当性」と「相手の不当性」を人間の認知に刷り込むためのもので、内容の真偽は関係なく、意図的にフェイクニュースを流すことも。
- 西側メディアによる「悪のプーチンvsゼレンスキー」という映画のようなストーリーが認知戦の一例
- 武装した一般市民による攻撃は国際条約違反だし、大手SNSによるロシア国営放送RTの排除は「反ワクチン排除」と全く同じなので、結果から見て認知戦の予行演習としてコロナ禍は使われた可能性がある。
- 認知戦のターゲットは世界中の個人個人であり、SNSやメタバースに至るまで、あらゆる認知兵器が活用される。
- 経済制裁も認知戦の一つで、重要なのは制裁効果よりも西側諸国民へのアピール
長い映像なので一部省略したが、大体こんなところ。
歴史を振り返ってみても、どちらか一方「だけ」が悪い戦争など有り得ないが、日々の報道やSNSでは「ウクライナ正義、ロシア悪」に終始しており、反対(中立)意見は封殺されるところから、今のところ(少なくとも日本では)認知戦は欧米勢圧勝という感じだろうか。
なお、3月3日~9日までポーランド経由でウクライナ入りしたLez LuTHORという方が、現地の様子をレポートしている。
Illusion Warfare Report:The Road to Ukraine.
それによると、例えば駅に殺到するウクライナ市民の様子については、出入口を絞ることであたかも殺到している様子を作り出して撮影していた(駅全体は混雑していない)とか、鉄道は通常運転で切符もネット経由で買えたとか、キエフでは車も行き交う通常営業だった等の様子がレポートされている。
Dr.苫米地氏の「認知戦」やLez LuTHOR氏の現地レポートを踏まえると、日々の戦況報道に正義感や道徳感で反応せず、ウクライナ危機の影に隠されている「何か」を認識することこそが重要なのだろう。
これまでにも、「コロナとウクライナ危機による物価上昇、そして食糧危機」や「ロシア制裁はルーブルの金本位性とドル離れに繋がる」などで、ロシアへの金融制裁によってインフレ亢進やドルの信用低下、ロシアルーブルの金本位性移行、食糧危機の懸念など、100年に一度の大変革「グレートリセット」に繋がりかねない可能性を紹介してきた。
これらの懸念は、アメリカvsロシアの経済金融戦争こそが今回の戦争の本質ではないかとの疑念を抱くには充分なものであり、「ゼレンスキー素敵!抱いて!」とか「金融制裁ロシアざまあ!」的な報道やSNS上の声は枝葉末節に過ぎないことが分かる。
ということで、経済金融戦争の観点から気になる報道を紹介する。
ますは、ロシアがユーラシア経済連合加盟諸国への小麦輸出を制限するというこの報道。
ロシア、穀物輸出を制限 国内の食糧自給優先https://t.co/i5ymEfveDs
ベラルーシやカザフスタンなどで構成するユーラシア経済連合に対し、小麦やトウモロコシなどの輸出を6月末まで、白糖や粗糖は8月末まで禁止するとしている
— 産経ニュース (@Sankei_news) March 15, 2022
ユーラシア経済連合には、ロシア、カザフスタン、ベラルーシ、キルギスタン、アルメニアが加盟している。
ただ、ロシアにとって数少ない味方のベラルーシやカザフスタンにまで輸出制限をかけるんか?と思ったが、記事には・・
ただ、既に許可を得ている業者による輸出は、輸出枠の範囲内で認められるとしている。
・・とあり、ユーラシア経済連合諸国が小国であることから、事実上の影響は無さそうだ。
とすると、ロシアが敢えて制限する理由が気になるところ。
まず考えられるのは中国への配慮(を欧米に見せつけること)だろう。
実は、ウクライナ侵攻翌日の2月25日に、中国がロシア産小麦の輸入を拡大することが報じられている。
中国、ロシアの小麦輸入拡大へ 経済支援の狙いも、米欧の制裁に対抗https://t.co/2jzelgdmoR
— 日経電子版 国際 (@nikkei_intl) February 25, 2022
これまで、疫学的理由から中国はロシア産小麦の輸入を制限していたが、その制限を緩めて「ロシア産小麦をバンバン買っちゃうよー」とするもの。
このように、ロシアにとって中国は貴重な「頼れる味方」であり、中国へのお礼も兼ねて「中国さんに最優先で安く小麦回すからヨロ」と連携強化すると共に、中国との関係性を欧米諸国や態度を保留している国々に示して牽制していると考えられる。
また、ロシア産小麦の多くは、エジプトやトルコ、東南アジア方面に輸出されているが、中国14億人の胃袋が小麦を飲み込むとなると、当然ながらそれらの国々に回る分は減ることになり、玉突きで世界の小麦需要に影響が出てくる。
そして、前にも紹介したように、穀物市場は1割の不足で2倍に高騰すると言われるほど投機的な市場だ。
世界的に流通量減少となれば、投機的な穀物市場で小麦価格が吊り上るほか、価格高騰が他の市場へも波及する可能性は否定出来ず、小麦含む広範な食糧価格の高騰へと繋がりかねない。
既に小麦価格が暴騰していることを踏まえると、将来的には、大金積んでも食糧が買えなくなる「食糧危機」に繋がる可能性すらある。(コロナとウクライナ危機による物価上昇、そして食糧危機)
これは、ロシアから欧米諸国に向けた逆制裁にも見えるが、世界統一的な支配体制(完全管理社会)を目論む支配者層のグレートリセットプラン「ロックステップ計画」のこの項目・・
- 食料・ガスなどは不足するため、許可制で最低限の買い物しか出来ないようにする。
- そして、更にロックダウンを強化・長期化(6ヶ月以上)して、世界的に経済を崩壊させて食糧危機を発生させる。
・・の実現に向けて、アメリカ・ロシア双方が協力して取り組んでいるかのようにも見える。やはり、国家を超えて世界を動かす超国家的な力は存在する。
さらに、こうしたロシアによるインフレ誘発に呼応するかのように、中国ではロックダウンが拡大している。
コロナ感染の広がりを受け、中国が事実上の都市封鎖(ロックダウン)を拡大。トヨタは対象地域の長春で合弁工場を一時停止し、鴻海も深圳でスマホなどを生産する工場を止めました。https://t.co/euutXM8XTC
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) March 14, 2022
感染状況の改善には繋がらない割に経済が死ぬということで、あの過剰な対策を好む欧米諸国ですらやらなくなったロックダウンを今さらやるとか。
なお、人口14億人を誇る中国の一日あたり感染者数は2000人に満たない。
今さらなロックダウンを、わずかな感染者数しかいない状況で、しかも深圳などハイテク産業の集積地で実施するとか・・コロナにかこつけたインフレ煽りとしか思えない。
なお、ハイテク関係のインフレ煽りは中国だけに留まらない。ウクライナで半導体製造用のネオンガスを生産する企業が工場稼働を停止するとか。
ウクライナの半導体製造用ガス2社が生産停止、世界供給の約半分カバー https://t.co/VWEmS5Sg8k
— ロイター (@ReutersJapan) March 14, 2022
ウクライナのインガス社とクライオイン社は、世界のネオンガスの半分を生産しているとか。
昨年も「日本、台湾で相次ぐ半導体工場の火災 意図的に仕掛けられるインフレ」で紹介したような形の「仕掛けられた半導体不足」の気配を感じるな・・。
先のロシアの小麦輸出規制を合わせて、世界的なインフレはさらに進みそうだ。
こうした中で、ロシアさんは16日期限のドル建て国債の利払いを、ルーブルで支払う意向を示しているとか。
ロシア、国債の利払い準備 - 外貨不可ならばルーブルでhttps://t.co/8uGIiwZvZU
— 共同通信公式 (@kyodo_official) March 14, 2022
ロシアの銀行の多くがSWIFTから排除され、ロシアの海外資産も凍結され、さらに金(ゴールド)取引も規制されている中では、カネがあったとしても支払う手段が無いという事情はあるものの・・・ドル建債券の利払いを絶賛下落中のルーブルで支払うという変更は、さすがに認められるワケがない。
ロシアは堂々と「ルーブル払いで」と言っているが、基本的にはデフォルトと見なされる。
また、ロシアの外貨建て債務は200億ドル程度であり国際金融システムへの影響は小さいため、「ロシアの逆制裁」と言うようなものでもない。
しかも、ロシアデフォルトとなれば、ルーブルのさらなる暴落やインフレ激化を招くだろうから、単なる「嫌がらせ」の代償としては余りに大きい。
実のところ、このデフォルトを機にロシアは金本位制に移行する可能性があると考えられる。
この点について気になるのが、ゼロヘッジさんのこの記事だ。
US Tees Up ‘Stop Russian Gold Act’, Triggering LBMA And COMEX To Eject Russian Refiners https://t.co/S1K3f5JQ2l
— zerohedge (@zerohedge) March 10, 2022
実は、ロシアは世界有数の金産出国だ。・・本当に何でも出てくるする資源大国だな。
ゼロヘッジさんの記事によると、金融制裁の一環で、金を使ったルーブル防衛や国際決済を封じるために、ロシアの精錬業者6社の金が欧米金市場から締め出されたとか。
しかし、金の貸付取引や金を法定紙幣の担保とするなどの方法により、実のところロシアは金を売る必要は無いとしている。
さらに、この措置により非米国家間の国際貿易においてロシア金の使用が加速され、ドルの弱体化や欧米諸国のインフレ亢進、非米諸国による「商品(金)ベースの通貨」を中心とした新しい金融秩序が誕生する可能性が指摘されている。
現状では、ロシア国債はロシアの経済力という「信用」の上に成り立つもので、ルーブルはそんな国債に基づいて発行されている。
現在のルーブル下落は、欧米諸国の金融制裁により「ロシア経済ヤバくね?」との不安によるものであり、その点では「信用」の操作は容易だ。
しかしながら、ここでルーブルに金の裏付けを持たせることで、その通貨の信用=金価格となるため、市場の売り込みによる下落とは無縁になる。
それどころか、「バーゼルⅢで金と仮想通貨は爆上げ そしてドルは崩壊・・世界統一デジタル通貨へ」で紹介したように、今年から金の売り込みが困難になっていることや金価格上昇を踏まえると、めちゃくちゃ安定した通貨となる可能性が出てくる。
ロシア金が欧米市場から消えていくとともに、ロシアへの制裁を見てドル保有をリスクと考え始めた非米諸国での金に基づく金融システム構築へと繋っていくかもしれない。
これは、「皆が使っていてモノが買える」という信用にしか基づかないドルの地位を脅かすには充分であり、アメリカにとって悪夢と言える。
本当にロシアが金の裏付けルーブル発行するかは知らんけど、迫りくるロシアデフォルトが新たな金融システムの誕生(=ドル崩壊)のきっかけとなるかもしれないことについて、インドの少年予言者アビギャ・アナンドくんの予言が気になる。
占星術を駆使するアビギャ・アナンドくんが、2月24日に上げた動画を、はろーふろーむロングビーチさんが訳してくれた動画がこれ。
概要はこんな感じ。
- 経済は強くないものの、各国の中央銀行によるQE資金が株式・債権市場に流入してバブルとなっている(意訳)。
- 経済は歴史的な分岐点にあり、投資家だけでなく一般人にも影響を及ぼす。
- 「地政学的リスク」と「QE資金バブル」という歴史からの教訓を踏まえ、慎重となるべき。
- 3月16日に多くの夢見る市場が現実を見ることになるが、これはネガティブな意味ではなく、市場にバランスをもたらすものとなる。
- このような大規模な調整がないと、金持ちはより金持ちに、貧乏人はますます貧乏になり続けるだけとなる。
- 3月16日はFRBの会合とも重なっているが、簡単に金儲け出来る時代は終焉する。
- 今後、平均で10~20%となるインフレ悪化に伴って利上げされるが、それは市場悪化の原因の一つとなる。
- 仮想通貨には明るい未来が見えるし、中央銀行のみではない未来は大変そうだが明るいものの、今すぐに起こることではない。
- 現在の金融市場は縮小するが、4月13日以降は金や銀の価値が上がる。価格の乱高下はあるものの、安全であり長期的投資には向いている。占星術的に見て金よりも銀がいい。
- 3~4月にかけてウクライナ、ロシアなどでの戦いがエスカレートし、経済的な問題にも直面することになる。
まず気になるのは、QEバブルが崩壊するということ。
以前に「コロナ危機の終わりは金融危機と仮想通貨バブルへと繋がる」で、実体経済とは無関係にQE資金によって株高が演出されていたことを紹介した。
アナンド君の予言は、世界的インフレ亢進を受けたQE終了によるバブル崩壊を示唆していると思われる。
また、アナンド君は小さな穴からバブル崩壊するとも言っていることから、今回のロシア国債デフォルトという小さな穴が、QEバブル崩壊のきっかけとなるのかもしれない。
そういえば、ロシアは支払能力が無いワケでもなく、ルーブルで払う言ってるために、デフォルトしてもCDS(債権保険みたいな)の対象となるのか微妙との話もある。
中央銀行によらない金融システムは、まだ先になりそうだが、4月からの金価格上昇を予言しており、ロシアにとっても金本位性への転換は有利な感じがする。
もう一つ気になるのは、QEバブル崩壊が市場にバランスをもたらすとしている点だ。
以前に「中央銀行による金融支配の終わりが近い!?」で、あの原田武夫氏が「リバランス」を語っていた動画を紹介した。
16分35秒くらいから23分過ぎまでだが。
- ロスチャイルド家の日本代表の方から聞いた話では、世界の富は増えているのではなく、偏在バランスが変わっているだけ(一方で増えれば、もう一方で減る)。国際金融資本は「全世界の富は一定」と言っている。
- 4月の頭頃から、先進国の中で一番カネの無い日本にカネが流れる「リバランス」が起こり、平成バブルの比ではない規模のバブルとなるが、その反動で日本デフォルトへ。
- リバランスにおいては、何処にどういう形でカネが入りどのくらいの勢いになるのかが重要で、その勢いによって反動の勢いも決まる(振り子のように)。
- 現状では、中央銀行がマーケットにおカネを流しているが、カネは回っていない。
- そうした政体勢力の動きを一歩引いた外側から見ているのが「国体勢力(王族たち)」で、リバランス(おカネを入れる)の必要性を意識し出している。
QE(による株高)で世界の富は増えていないとした上で、現状では世界の富の偏在が限界に達しており、その遍在が4月頃から是正(リバランス)されるとしている。
これは、内容・時期共にアナンド君の予言と一致する。
なお、原田武夫氏は、富のリバランスにより資金が向かう先を「日本」としており、リバランスの程度にもよるが「日本バブル到来」を予測している。・・その後、デフォルトするが。
こうなってくると、ウクライナ危機・ロシア金融制裁により、ドルの信用が低下する中でのQEバブル崩壊・・という世界が見えてくる。
しかも、世界的インフレの中でQE再開は困難だろうから、米国債市場の状況によってはドル崩壊の瀬戸際まで行くかもしれない。
そして、その時には日本バブル。
思い出すのはこのイルミナティカード・・
円がポンドやドルを飲み込んで行く暗示・・これが4月から現実になるのか??
何がきっかけとなり、どう動いていくのか・・予測が難しいが、ウクライナ危機は100年に一度の変革のきっかけとして捉えるべきだろう。
最後まで読んでくれてありがとう!