中国の深圳市で、新型コロナ感染者が発生したとして、都市の一部がロックダウンされている。
中国・深センでロックダウン、世界最大級の電気街も https://t.co/v2dwUFp3t2
— cnn_co_jp (@cnn_co_jp) August 30, 2022
CNNの記事によると、35名の陽性者(うち11名は無症状)が確認されたことを受けて、深圳市の世界的電気街「華強北」など含む3地区をロックダウン(4日間)するとか。
この他にも、深圳市に近い広州市でも一部ロックダウンするようで、ロイター記事からはバリケードの準備が進んでいる様子が伺える。
中国広州がコロナ規制強化、南部主要都市で深センに続き https://t.co/Vfd1Fu8mNA
— ロイター (@ReutersJapan) August 31, 2022
なお、広州市の一部ロックダウンは、8月30日に5名の市中感染が報告されていることを受けたもののようだ。
なお、「【ディストピア】中国ではヘルスコードでパンデミックを抑え込む」で紹介したように、中国ではヘルスコード(スマホアプリ)や、PCR検査専用コード等により国民は完全管理(監視?)されており、市内に入る駅や空港等での検査や、その後の複数回の検査が義務づけられている。
わずかな感染者も逃がさない、恐るべき監視システムだ。
こんなイメージだろうか・・。
ちなみに、深圳市は人口1200万人超え、広州市は1500万人超えの大都市なのに、わずか数名の感染者でロックダウンというクレイジー対応しているのは理由がある。
今年3月の話になるが、深圳市では小規模感染のうちから対応した結果、2週間程度のロックダウンで済んだのに対して、放置プレイした上海市では2ヵ月(3月28日~5月31日)も全域ロックダウンするハメになった。
当然ながら市民は深圳モデルを支持するため、ここ最近の中国は「クレイジー対応」が基本となっている。
「ゼロコロナ政策」の名のもとに即座にロックダウンをやってのける中国共産党の権力は凄まじいが、権力をもて余しているようで、ロックダウンの実戦訓練までやっているとか。
訓練で3日間都市封鎖 中国“やりすぎ”ゼロコロナに非難轟々 https://t.co/CEmS0SGs06
— テレ朝news (@tv_asahi_news) August 30, 2022
河南省全体ではチラホラ感染者が出ているので、地元当局が警戒するのは理解は出来るが・・。
だが、この都市ではしばらく感染者が出ていない。
それなのに、外出制限や食料品店以外の商業施設の営業禁止まで強制するのは訓練の域を越えており、「クレイジーの極み」と言える。
習近平政権がここまで「ゼロコロナ」に拘るのは、自身の「終身独裁」が懸かる共産党大会(10月予定)に向けた執念・・と考えられるが、本当にそうだろうか。
あまりに大きな副作用を伴うため、中国国内のシンクタンクですら「ゼロコロナ」見直しを提言している。
中国の独立系シンクタンクはこのほど、経済のさらなる減速を懸念して政府に対し、感染拡大を封じ込めるための「ゼロコロナ政策」を見直すよう異例の呼び
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提言内容は「大幅に低減したコロナリスクよりも経済停滞リスクの方がヤバいっす、ゼロコロナやロックダウンは終わりにしましょうや」と言うもので、極めて妥当だ。
特にロックダウンについては、経済停滞する割に感染抑制効果が薄くいため欧米では久しく実施されてないし、コロナ後進国の日本でも緊急事態宣言等は死語となりつつある。
この世界とのコロナ温度差は、各国企業に「チャイナリスク」を認識させる。
特に今回のロックダウン対象となった深圳や広州は外資が集中する先進都市なので、世界的大企業の皆さんは中国を生産拠点とすることへの危機意識を新たにしているだろう。
コロナが無くても「計画停電」「オリンピックのための青空確保」やら何らやで操業停止させられるし・・。
また、国内においても雇用機会の減少や賃金低下を招くだろうし、広州市や深圳市は日進月歩で世界をリードする一大拠点なので、数日間と言えどもロックダウンによる逸失利益は計り知れない。
そもそも、鄧小平以降の中国共産党政権の正統性は、国や国民を豊かにする「経済発展」にあったハズで、その点からも習近平政権の「ゼロコロナ政策」が共産党大会に向けたもの・・という理由は考えにくい。
では、効果なきロックダウンを繰り返し、経済停滞による共産党支配の正統性喪失というリスクを抱えてまで「ゼロコロナ」をやっているのは何故だろうか。
考えられる理由は二つあって、一つ目は「高致死率変異株の警戒」だ。
これは、新型コロナ禍を通じて完全管理社会の構築を目論む「ロックステップ計画」にある・・
- 殆どの人々が反抗する場合には、死亡率30%のウイルス(SARS/HIV/MERSのハイブ
リッド株)により、大衆を脅して、反対派にワクチンを打たせる。
というやつなのかもしれない。
また、「アメリカの「SARS-CoV-3」とロックステップ計画」で紹介したように、原田武夫氏はアメリカのコロナ死亡者数が多い理由として、強化された新型コロナウイルス(SARS-CoV-3)が撒かれた可能性を指摘していた。
習近平政権が自滅的なロックダウンを繰り返すのは、この殺人ウイルスを警戒しているからなのかも。
ただ、中国共産党にとって人民の命ほど安いものもないし、凶悪な変異株による死者数が増えても「誰も死んでませんが何か?」となるお国柄で、政治的リスクを抱えてまでゼロコロナ政策をやるかは疑問だ。
となると、習近平が自滅的なゼロコロナ政策に固執する理由の本命は、「中国分裂に繋がる大暴動の誘発」と思われる。
これまでに何度か紹介しているように、欧州の知性と呼ばれるジャック・アタリは、2025年までに中国共産党の一党独裁が終わることを予言(予告?)している。
本日は、書籍の紹介をしたい。紹介する書籍は、馬淵睦夫著「知ってはいけない現代史の正体」だ。本書は、元駐ウクライナ大使兼モルドバ大使の馬淵睦夫氏が、いわゆる「ディープステート(影の支配者)」について解説したものだ。ディ[…]
知ってはいけない現代史の正体 馬淵睦夫 著
この他にも、アメリカに亡命した中国人実業家の郭文貴(かくぶんき)や元アメリカ大統領首席戦略官のスティーブン・バノン、モルガン家などが関わるNew Federal State of China(新中華連邦)構想の存在が明らかになっている。(アメリカの暴動と新中国連邦構想)
このように、2025年までに中国共産党支配が終了し、複数国家に分裂することが予定されている・・のだが、鄧小平以降の順調な経済成長を前にした中国では、「共産党をぶっ壊す」とか「民主主義バンザイ」的な動きは出ていない。
このままだと、2025年までに共産党支配が終わりそうに無く、だからこその「ゼロコロナ」なのではないか。
これまでの習近平の政策は・・
- 不動産業界の巨人・恒大集団を狙い撃ちにした規制強化策(三条紅線)により、不動産バブルの崩壊を誘発
- アリババや滴滴出行など巨大IT企業を弾圧して国有化
- アイドルなど、インフルエンサーへの税務調査の強化
- 共同富裕政策により、富裕層の富を強制徴鉢
といった形で、富裕層を潰す(=経済を壊す)政策が目立つ。(不動産開発大手・恒大集団を破綻させる中国共産党の狙い)
また、直近では中国トップの不動産開発会社「碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)」の上半期利益が96%の急減となっており、不動産市場が崩壊の瀬戸際であることが報じられている。
中国トップデベロッパー、不動産危機を警告「深刻な不況に急転直下」。 https://t.co/UJh38B6V68
— zerohedge jpn (@zerohedgejpn) September 2, 2022
ゼロヘッジさんによると、カントリーガーデンは低所得者向けの住宅に注力しているが、コロナ規制等による景気減速で一文無しが増えたため、財政難になりやすくなっているとか。
中国では住宅ローン支払いが滞る事例が増えているようで、不動産市場の崩壊からの金融危機も懸念されているので、カントリーガーデンはピンチの最前線にいると言える。
こうした中でのゼロコロナ政策は、弱った富裕層・中国経済への追い討ちそのものであり、習近平が仕掛ける富裕層・経済潰しの一環とも取れる。
ロックダウンで名が上がる深圳市や広州市、上海市と言えば泣く子も黙る浙江財閥の基盤だし、恒大集団や碧桂園控股の本拠地もこのエリアだからな。
だが、一口に浙江財閥と言っても、成り上がっただけの新興資本家もいれば、古くから上海エリアを中心にアヘン貿易等ダークサイドを牛耳ってきたゴッドファーザー的な青幇もいる。
「中国・習近平の強まる独裁から見る政体を越えた権力の目指す先」でも紹介したように、中国の近現代史は青幇などの華僑勢により作られたと言っても過言ではなく、今でも中国共産党の黒幕として存在する。
そうなると、これまでの一連の富裕層潰しや上海~深圳等へのロックダウン攻勢は、共産党の黒幕華僑勢の許可無く実施することは不可能で、むしろ共産党の黒幕華僑勢が指示しているものと考えられる。
中国の近現代史は黒幕華僑勢が作ってきたことやジャック・アタリの予言、新中華連邦構想を踏まえると、黒幕華僑勢は中国共産党政権の崩壊と上海~深圳エリア(自らの本拠地)の独立を意図しているのかもしれない。
とすると、ロックダウン攻勢のメインターゲットは、富裕層ではなく貧困層のローン地獄の誘発に主眼が置かれているのかも。
折しも、中国では銀行口座の凍結や未完成住宅のローンを巡る抗議活動が勃発し始めているが、こうした中でのロックダウンは事実上の戒厳令となり、反共産党デモの封じ込めという側面も見えてくる。
そして、封じ込めが強いほど、タガが外れた反動は大きくなる・・・。
なお、中国では9月10日から離れた家族が集まる中秋節の3連休があるため、ヘルスコードを活用した感染拡大演出からの大ロックダウンとなる可能性には留意したい。
ちなみに、以前にも紹介したが、イギリスの名誉革命やフランス革命、明治維新と言った歴史を変えた市民革命は同じ構図で起こっており、自然発生的なものではなかった。
日本人だけが知らない戦争論(苫米地英人 著)
これを中国に当てはめると、誰かに扇動された人民が10月の共産党大会に雪崩れ込みなんて展開も・・ある?
ちなみに、麻生さんが台湾周辺がキナ臭いから、日本も抑止力持たなきゃね的な発言をして叩かれていた。
【「日本で戦争が起きる可能性ある」自民・麻生副総裁】
<8/31放送>https://t.co/KS3YELA60v自民党の第三派閥麻生派が研修会を行い、会長の麻生副総裁は台湾有事を念頭に「日本でも戦争が起きる可能性は十分にある」と指摘しました。#テレ朝news
— テレ朝news (@tv_asahi_news) August 31, 2022
この麻生発言は、中国共産党政権の崩壊と中国分裂による東アジア秩序の変更を見越したものなのかもしれない。
共産党黒幕華僑勢は、上海~深圳エリアの独立に際して仲間の台湾も独立させる(同じ国にする?)可能性がある。
そうなれば在日・在韓米軍の存在意義は薄れるし、アメリカの世界覇権撤退方針も踏まえると、東アジアの米軍撤収が現実のものとなる。
つまり、麻生発言とは米軍亡き後の日本の軍事・防衛体制構築に向けたものだったと考えられる。
最後まで読んでくれてありがとう!