中国バブル崩壊

中国不動産バブル崩壊による金融危機があるかもしれない

中国バブル崩壊

先日、「世界で同時多発的にインフレの兆候 金融危機へのカウントダウン!?」で、中国など世界各地で同時多発的にインフレを誘発する動きが出てきており、これが金融崩壊へのトリガーとなる可能性を紹介した。

だが、爆弾はインフレだけではない。話題の恒大集団を始めとした連鎖破綻による、中国不動産バブル崩壊の影響も懸念されるところだ。

先日、「不動産開発大手・恒大集団を破綻させる中国共産党の狙い」で、中共政府が破綻に瀕した不動産大手の恒大集団を救済しない可能性が高いことを紹介したが、さらに中国で不動産大手の連鎖破綻が来る可能性が高まっている。

時事通信によると、不動産大手「融創中国」の資金繰りが悪化して当局に泣きついているほか、関連するネットニュースも削除されるなど中共政府の報道規制が強まっているとのこと。

まあ、融創中国の負債総額は約17兆円と極めて大きいので、当局が気にするのも無理はない。

ちなみに、話題の恒大集団は約33兆円の負債に加え、簿外負債が16~17兆円程度あるとされているほか、融創中国以外にも破綻リストに名前が上がる碧桂園の約18兆円、万科企業の約15兆円などが続いている。このほかにも40社以上が破綻待ちとのことなので、全部破綻するとリーマンブラザースの66兆円を軽く超えて、200兆円位になりそうな勢いだ。

こいつが、「チャイナボカン」となるかどうか。

ただ、リーマンショックはリーマンブラザーズの破綻そのものではなく、その後の強烈な信用収縮で金融システム全体が崩壊の瀬戸際まで追い込まれたことが問題だった。

中国不動産業界の崩壊は不可避だろうが、崩壊によってリーマン並みに世界の金融システムを破壊する(以下、チャイナボカンと呼ぶ)かどうかが最大の注目ポイントになる。

まず、チャイナボカンとなるかどうかは、世界のメディアにかかっているという点を押さえておきたい。

以前に「中央銀行による金融支配の終わりが近い!?」で、リーマンショックが意図的に起こされた可能性を紹介した。

概要としては、

  • 当時問題の「サブプライムローン」そのものはハイリスクだったが、それらを束ねた「サブプラ関連証券」は低リスクだった。
  • それが破綻したのは、メディアが「サブプラローン危ない」と煽ったことで、サブプラ関連証券大暴落→リーマン破綻→デリバティブ全般崩壊となったから。

つまり、リーマンショックに至る弱点を作ったのは国際金融資本だったが、崩壊へのトリガーを引いたのはメディアであり、これは国債金融資本のさらに上に位置する支配者層の意思だったと考えられる。

今のところ、アナリストさんたちの多くは、日本のバブル崩壊やリーマンショックのようにはならないとする楽観論的意見が多い。まあ、リーマンショック前も楽観論は多かったが・・。

また、中共政府は「共同富裕」政策の一環でメディアを締め上げ牛耳っている。さらに、国際金融資本勢力の入口となるアリババなどの巨大企業も支配下に置いていることから、中共政府が意図しない悲観的な報道は出ないだろう。

時事通信の報道では、中共政府の情報規制を不動産バブル崩壊懸念としているが、むしろ情報規制は意図しないバブル崩壊を避けるためだろう。

なお、中共政府はメディア以外にSNS対策も抜かり無い。

つまり、中共政府にとって、「チャイナボカン」させるか否かは完全にコントロール可能だ。

その前提で中国の動きを追うと、今回の不動産業界連鎖破綻危機は、以前に紹介したように昨年8月の規制強化策(三条紅線)導入に端を発しており、中共政府が意図的に不動産バブル潰しをしていることが分かる。かつての日本が総量規制を導入して、バブルを崩壊させたのと似ている。

さらに、中国では銀行のエライ人たちの逮捕が相次いでいるとか。

金融機関についてもガッチリ押さえている模様だ。

これだけの用意周到さを踏まえると、中共政府による中国不動産バブルは完全に意図したもので、世界の金融システムへの影響をどうするかも含め、落としどころまで考えている可能性が高い。

ただ、こうした状況から、中共政府は自分自身が困るような無節操なバブル崩壊をさせないだろうから、影響も限定的・・と考えるのは早とちりかもしれん。

先日のブログでも紹介した、石炭不足を理由とした計画停電をワザとやってのけて、世界的なインフレを助長しようとする中共政府の動きも考えると、意図的なチャイナボカン(世界金融ショック)を想定していても何ら不思議ではない。

破綻待ったナシの恒大集団の負債については、ドル建債の利払われない状態が続いている。

まあ、外国人向けの利払いよりも恒大集団内部の運転資金を確保する方が中国では重要だろうから、この判断は理解はできる。

また、来年2月~3月頃には、続々と恒大集団の社債が償還期限を迎えるが、以前にも紹介したように、中共政府に忖度した金融機関は、不動産業界へは絶対に融資しない。

恒大集団は手持ちの資産を切り売りすることになるが、中国国内では実需の数倍規模となる30億人分を超える規模でマンションが供給されている異常状態であり、買い叩かれるのは目に見えている、

そして、恒大集団等が手放した不動産を買い叩いているのが、国有企業(中共政府)だ。

中共政府自身が仕組んだ不動産バブルの崩壊で、中国国内の大金持ちや国際金融資本からの投資の成果を、中共政府(国有企業)がかっさらっている構図になっている。

鄧小平以降の改革解放政策によって築かれた富を、ここに来て一気に刈り取っている(国有化)と言ったところ。

中共政府が進める「共同富裕」政策により、アリババ等の金持ち大企業や銀行は政府の支配下に置かれ、不動産バブルを利用して資産の国有化が進められている。

さらに習近平の個人崇拝も合わせて、社会主義国家への回帰を急速に進めており、中共政府による金融・経済の統制力はますます高まっている。

さらに、中国人民は簡単には中共政府から逃げられなくなっている。コロナで海外逃亡が難しくなっていることに加え、仮想通貨取引が海外取引所の利用含めて全面的に禁止されたことで、資金逃避も困難になっている。

デジタル人民元の発行を想定した規制という面はあるだろうが、それよりも、社会主義への急速な回帰を進める中で「国内の富を絶対に国外に逃がさない」という強い意思を感じる。

習近平は大魔王だった・・!?

大魔王からは逃げられない

このタイミングで仮想通貨取引を全面的に禁止したのは、恒大集団の負債きは中国人民が支払った(まだ出来てない)住宅の購入資金も多く含まれているだろうから、200兆円に迫る規模の連鎖破綻により中国国内で起こるであろう様々なゴタゴタへの事前対応なのは間違いない。

ちなみに、この中国の規制発表でビットコインは大きく値を下げたが、SEC(アメリカ証券取引委員会)から救いの手が。

SECのゲンスラー委員長より、仮想通貨を禁止するつもりナシとのお言葉!また、FRBパウエル議長も同様の発言をしており、これでビットコインは再び52000ドルに迫る勢いで火柱上げした。

話がそれたが、このように中共政府は国内の金融経済を(強引に)ガッチリ固めているが、さらに新興国をも支配下に置くような動きが出ている。

ゼロヘッジさんが、恒大集団問題などによる中国のソブリンリスク上昇が、他の新興国に伝播する可能性を指摘している。

中国のソブリンリスク上昇に伴い、中国経済に依存する新興国の皆さんのソブリンリスクも上昇するとか。

そうなると国際金融資本は新興国から一時的に手を引かざるを得なくなる。

中国は、一時的に連鎖破綻などでゴタゴタして、国際金融資本の資金が新興国に向かうことになるだろうが、そちらもソブリンリスクが高まり投資できなくなる。

だが、ソブリンリスクとは米ドル視点のリスクであって、中国人民元視点のリスクではないので、国際金融資本がモタつく間に、実体経済の成長余力の大きい新興国投資は中国資本の手に落ちる。

こうして世界は、QEにより膨らんだ金融システムの欧米勢チームと、新興国含む中国チームと言った感じでデカップリングが進む。

しかも、アメリカはインフレに押されてQE(資産買い入れ額)の圧縮(テーパリング)をせざるを得なくなってきているほか、保有資産そのものの圧縮や利上げの話も出始めた。

2014年のテーパリングでは、アベノミクスや黒田バズーカ(サプライズ緩和)で日本が肩代わりしていた可能性が高いが、今の日銀にアメリカのQEを肩代わりし続ける余裕は無かろう。

インフレが加速してQEの限界が見え始め、スタグフレーションも囁かれるようになったこの時期に、中共政府が中国の不動産バブル崩壊を理由にした世界金融危機爆弾(チャイナボカン)を仕掛けてきたら・・・QEによる延命措置が難しくなっている国際金融システムへの影響は甚大だ。

リーマン並みに世界の金融システムを破壊するチャイナボカンを発動させるか否かは、中共政府の腹一つ。

ただ、中共政府はチャイナボカンを発動するか否かは決められるが、崩壊劇の制御については失敗して自滅する可能性はゼロではない。

何度か紹介したが、欧州の知性とも呼ばれるジャック・アタリ氏は、2025年までに中国共産党の一党独裁が終わるとしている。

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本日は、書籍の紹介をしたい。紹介する書籍は、馬淵睦夫著「知ってはいけない現代史の正体」だ。本書は、元駐ウクライナ大使兼モルドバ大使の馬淵睦夫氏が、いわゆる「ディープステート(影の支配者)」について解説したものだ。ディ[…]

アメリカ

知ってはいけない現代史の正体 馬淵睦夫 著

馬渕睦夫氏によれば、中国共産党政権の産みの親たるディープステートにとっても、中共政権は不要になっているとか。

今のタイミングでチャイナボカンが発動し、中共政府が制御に失敗すれば、中共政府崩壊はかなり現実味を帯びてくる話だ。

さらに、後継として名が上がる「アメリカの暴動と新中国連邦構想」等で何度か紹介してきた「New Federal State of China(新中華連邦)」。

中国からアメリカに亡命した実業家・郭文貴(かくぶんき)や、元アメリカ大統領首席戦略官だったスティーブン・バノン氏が関わっていると言われる団体で、国際金融資本でロスチャイルド家の番頭格でもあるモルガン家が関わる団体がコミットしているなど、従来の中共に対する反政府運動とは全く次元が異なるものだ。

国際金融資本や支配者層により、中国は共産党支配から連邦制へと移行する・・・のようだ。

そして、中共政権が崩壊するとすれば、おそらく国際金融システムも崩壊するだろう。

そもそも、債権・通貨・株式市場もQEなくして自立できない極めて不健全な状況にあり、制度疲労が限界に達しているしな。

このイルミナティカード。

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バーゼルⅢで金と仮想通貨は爆上げ そしてドルは崩壊・・世界統一デジタル通貨へ」で紹介したように、世界統一デジタル通貨「フェニックス」へとグレートリセットされてしまいそうだ。

なお、こうした内容を掲げる「ロックステップ計画」によると、金融崩壊の過程で食糧危機が起こるっぽいので、今のうちに家庭菜園を充実させておきたいものだ。

そして、日本でもキナ臭い動きが出てきている。

みずほ銀行の解体・・度重なるシステムトラブルにキレた金融庁が、システム管理の名を借りた完全支配をしているところだが、このタイミングを考えると、近い将来の金融危機を見越して、デカ過ぎて潰せない問題を未然に防ぐ目的なのかと疑いたくはなる。

さらに、銀行法の改正によって、銀行は「融資」ではなく「出資」することが可能となり、中小企業を支配下におけるようになったとか。

金融危機に備えた制度変更と信じたいが、外資系多国籍企業への売り渡し準備との懸念も拭えない。

もしかして、みずほ銀行分割の話も外資に売り渡すための準備という可能性も捨てきれんな。


最後まで読んでくれてありがとう!