飛蝗

【バッタ同時多発テロ】サバクトビバッタだけじゃない 中国と南米でも蝗害発生!

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世界が新型コロナ禍に右往左往していた影で「サバクトビバッタ」の被害が拡大している。

サバクトビバッタとは、体長4~6センチ程の大型のバッタで、アフリカや中東、インドの辺りに生息している。その寿命3~6ヶ月のなかで、2~3回の世代交代を繰り返す。

では、このサバクトビバッタの何が問題なのか。

実は、サバクトビバッタ以外にもバッタ全体に言えることだが、エサが不足する環境で育つと、その性質が変わることが挙げられる。

普段のバッタは、別々に暮らしており群れることはない。サバクトビバッタでは、雨季になりエサとなる草が豊富に生えてくる頃に交尾・産卵をする程度の接触しかない。

ところが、バッタはエサが不足する環境にいたり、産まれてくる個体が過度に密集していると、成長の過程で「群生相」と呼ばれる個体へと変化する(通常は孤独相)。

普通(孤独相)のバッタは緑色だが、群生相のバッタの体は褐色や黒色で、体長が短く羽は長くなって長距離の飛行に適した体となるほか、人や動物にも噛みついくなど性格も獰猛になる。

こうした群生相のバッタは、互いを引き寄せるフェロモンを出すことで、群れがさらに大きくなる。

こうして、長距離飛行が可能な狂暴バッタの大群が生まれる。そして、このサバクトビバッタの大群は、毎日、自分の体重と同じ量の植物をエサとして食べる。

その辺の草原の草はもちろんのこと、農作物・非農作物の別無く、食って食って食いまくる。しかも悪食。

このため、農作物の被害も甚大となり、米やトウモロコシ、サトウキビ、果物、野菜、牧草など、とにかく何でも食べつくす。

こうして、人や動物の食べるものがなくなり、甚大な飢饉となる被害を蝗害(こうがい)と呼ぶ。

春秋戦国時代を描いたマンガ「墨攻」では、墨家集団がワザと蝗害を誘発して国を滅ぼす場面が描かれている。

おじさんは20年以上前にこのマンガを読んだが、そこで出てきた「飛蝗(ひこう)」という言葉を今でも覚えている。蝗害のヤバさを知るにはこれが最も分かりやすい。

墨攻(ぼっこう) (全11巻)

さて、サバクトビバッタは、2020年2月に、東アフリカに位置するソマリアで大量発生した。

もともと、この辺りでは、雨期に合わせて定期的にバッタが大量発生しているのだが、2020年は世界が新型コロナに揺れており、特に先進国から充分な支援を受けられず駆逐に失敗。

アフリカ東部から海を越えて中東・インドへと被害が拡大し、食糧危機になる恐れが出てきた。

いかにサバクトビバッタの群生相とはいえ、単体では中東とアフリカの間にある海(紅海)を超えられない。

先に飛んで行ったバッタが力尽きて海に落ち・・・を繰り返した結果、バッタの死骸で島というか橋が形成されて、紅海を渡ることに成功したのだ。

その結果、中東ではこんな感じだ。

もはやグロ注意のレベル。

サバクトビバッタの先頭集団は、中東を通過しパキスタン・インドに侵入している。

このサバクトビバッタは既にパキスタンからインドに侵入を果たしている。

ってか、3ヶ月で20倍って凄いな。今は数千億匹いると言われている。人類全員が一人100殺しないと追いつかないレベル。

ちなみに、中国に侵入するのも時間の問題と言われている。しかし、インドから中国へは、ヒマラヤ経由のルートが最短ではあるが、サバクトビバッタの生存限界は標高2000m程度のようで、世界の屋根たるヒマラヤ山脈を超えられなかったようだ。

だが、ヒマラヤルートへ行った組は、世代交代しながらUターンしたとのこと。次に試すのはインド横断ルート(インド→バングラディッシュ→ミャンマー→中国)だろうか。

中国の国家林業草原局が5月末頃~7月の農産物の成長期に、サバクトビバッタ襲来被害を警戒しているようだ。

なお、中国に入った場合、爆発的に数を増やしながら、日本海を超えて日本に侵入する可能性も否定はできない。

サバクトビバッタがヒマラヤを超えられず、インドから中国への最短ルートでの侵入が出来ないようで一安心していたところで、何と中国東北部で蝗害が発生したようだ。

サバクトビバッタではなく、こちらはトノサマバッタ。

なんと!中国の穀倉地帯と言われる黒竜江省や吉林省で蝗害発生だと!?

このツイートでは、東北部だけでなく、中南部の湖南省永州市でも蝗害が発生しているとのことだ。

なお、先日のブログで紹介したように、中国南部の広東省や福建省など11の省では、6月8~11日にかけて大豪雨による洪水・土砂災害が相次いで発生している。

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大洪水

中国産トノサマバッタにせよ、アフリカ産サバクトビバッタにせよ、中国国内でバッタが超絶大繁殖する条件は整っている。もしも三峡ダムが決壊により大水害が起これば、さらに蝗害が拡大する可能性が高い。

こうした状況を踏まえてだろうか。中国当局は各企業に食糧輸入量の増加を求めているようだ。

しかし、蝗害に悩むインドや、いつサバクトビバッタが侵入するか戦々恐々のタイやベトナムなどは、自国の食糧確保を優先し、米や小麦などの食料輸出を制限しているほか、オーストラリアからは政治対立により食肉の輸入が停止するなど、輸入量はなかなか増えていないようだ。

こうしてみると、中国はサバクトビバッタやトノサマバッタによる蝗害に加え、三峡ダムの決壊が懸念されるほどの水害など、結構災害に苦しめられている。

いずれも、農作物への被害が懸念されており、13億人が飢える大規模な食糧不足による国家存亡の危機に陥る可能性も否定できない。

その前に、札束外交によって世界中から買いつけることも考えられる。そうなれば世界の穀物相場の冒頭や、最悪日本に食料品が入ってこなくなることも考えられる。

一方で、こんな状況にも関わらず、中国は、アメリカ・カナダの輸入大豆に新型コロナ安全証明を要求しているようだ。

アメリカやカナダと言えば、「輸出向け」に多くの遺伝子組み換え大豆を生産している国家だ。

自国がピンチにも関わらず強硬な姿勢を貫く中国からは、輸入したくない本音が透けて見える。遺伝子組み換え作物はそれほどにヤバイものと言えよう。

国民の命を屁とも思ってない中国がこの対応なのに、日本はFTA締結で、国内の遺伝子組み換え表示を事実上禁止し、アメリカナダの遺伝子組み換え大豆を大量輸入しようとする暴挙に出る。

今後、日本では、遺伝子組み換え表示は「完全にゼロの場合のみ可」となる。だが、実際には少量混入している可能性が排除できないため、事実上、遺伝子組み換え使用していない表示は出来ないことになる。

こういうところは中国を見習って欲しいぞ。

バッタに話を戻そう。

何とバッタは、南米でも発生しているようだ。

群生相バッタの大群がパラグアイからアルゼンチンに侵入しただと・・・?しかも、アルゼンチンを順調に南下中とのこと。

アフリカ・中東・インド・中国・南米を舞台に、バッタの同時多発テロ発生だ。

4千万匹のバッタが食うエサの量は、1日で3万5千人分に相当するとのこと。農業被害も深刻だ。移動が容易な南米大陸では、ブラジルとかにも拡大する可能性も高い。

サバクトビバッタと同じくらいの繁殖をするとすれば、3ヶ月で20倍の8億匹。さらに次の3ヶ月で160億匹だ。

そのころにはサバクトビバッタとか兆匹レベルだな。

しかし、コロナに続きバッタとなると、ヨハネの黙示録を思い出してしまう。

小羊(キリスト)が解く七つの封印の内、始めの四つの封印が解かれた時に現れるという。四騎士はそれぞれが、地上の四分の一の支配、そして剣と飢饉と死・獣により、地上の人間を殺す権威を与えられているとされる。

Wikipedia ヨハネの黙示録の四騎士より抜粋)

四騎士のうち、 第三の騎士「黒の騎士」は地上に飢饉をもたらす役目を担っており、これはサバクトビバッタなどの暗示ではなかろうか。

なお、第四の騎士「青の騎士」は疾病や野獣を用いて人類を死に至らしめる役目を担っているが、これは新型コロナの暗示ではなかろうか。野獣ってのもポイントか。

いずれにせよ、地震への備えに加えバッタ禍にさらされて世界的な食糧危機も念頭に置いとく必要がありそうだぞ!


最後まで読んでくれてありがとう!