先日のブログで、日中韓の統合デジタル通貨構想を中国が出したことを紹介したが、ここ最近、世界のアチコチでデジタル通貨の話が出てきている。
世界恐慌の長期化懸念や中央銀行による市場への莫大なマネーのバラマキによる、実体経済を無視した株価高騰、そしてそれに伴うドルの弱体化や金の高騰を受け、ドルに変わる通貨を模索している状況と思われる。
以前にも紹介したが、プライベートバンクは顧客の富裕層に金保有を推奨している。
株式市場が新型コロナ危機を受けた暴落から急速に持ち直しているにもかかわらず、世界の富裕層に投資助言するプライベートバンク(PB)が、金の持ち高をもっと増やすよう勧めている。 https://t.co/cNQOO51x6Q
— ロイター (@ReutersJapan) June 22, 2020
また、中国の銀行・保険監督管理委員会委員長の郭淑清が、ドルの基軸通貨性の危うさについて、公式の場で警鐘を鳴らす。
Beijing Sounds Alarm About Dollar’s Reserve Status https://t.co/uli2dbEPwq
— zerohedge (@zerohedge) June 19, 2020
郭淑清は、FRBがQEを続けることにより、ドルの信用棄損やインフレ、将来的にQEをやめた際の市場の大暴落などを警告したものだ。
さらに、中国政府の証券監督管理委員会の副委員長の方星海も同じようなことを発言している。
金融ハブの香港に確信、ドル寡占リスクで元国際化推進=証監会幹部 https://t.co/9SUolb81S9 pic.twitter.com/x2XgCU6CCO
— ロイター ビジネス (@ReutersJapanBiz) June 22, 2020
中国が保有するドル建て資産が目減りすることや、アメリカによって中国企業のドル支払いが制限される経済制裁的な状況に陥るリスクを指摘したとのことだ。
ドルが基軸通貨であるが故に、国際金融システムの破綻リスクが高まっているとのことで、人民元の国際化を加速する必要性を指摘した。
もちろん、こうした問題は以前から指摘されている。
焦点:日米中銀の危ういバランスシート、「通貨の信認」を損なう怖れ https://t.co/mg5gU01Apx
— ロイター (@ReutersJapan) June 10, 2020
ロイターの記事では、日銀やFRBのバランスシートが、純資産と比べて膨らみすぎてることを指摘している。
日銀は株式ETFやリート債券を大量購入しているほか、FRBに至ってはジャンク債の購入までしている。
両中央銀行ともに、その保有資産が「安全資産です」とは言い切れない状況にいることは明白だ。
特に、今年3月頃の市場暴落時に、日銀総裁が「日銀保有のETFの損益分岐点は19500円程度」と認めた。
日経平均がついに1万7000円割れ…。
黒田総裁によると日銀の保有ETFの損益分岐点は1万9500円程度。ニッセイ基礎研は1万8000円で含み損は2兆6000億円弱と試算。中央銀の債務超過の現実味が増します。
それでも爆買いをやめず、今月だけで5000億円を投下。さながら、#令和のインパール #株価大暴落 pic.twitter.com/aiZwv2EsWs— 日刊ゲンダイ ニュース記者 (@gendai_news) March 13, 2020
この時は、株価が一瞬債務超過ラインになったような気もしたが、すぐさま値を戻して今に至っており問題は顕在化しなかった。
だが、もしも日銀の債務超過が明らかとなった場合は、日本円の価値はどうなったのだろうか。
MMT(現代貨幣理論)では、ドルも円もユーロも刷りまくられているので相対的に強弱が変わらないことや、ドルや円などメジャー通貨に代わる通貨が無いことを理由に、QE拡大による通貨の刷りまくりには問題なしという立場だ。
確かに、リーマンショック以降に続けてきた巨額のQEに対して、ドルも円もビクともしていない。MMTにも一理あるのかもしれない。
しかし、今後も大丈夫という保証はない。
MMTの言うとおりだとするなら、ドルに代わる通貨が登場した場合には、通貨崩壊しないという前提が崩れることになる。
先に見たように、中国の金融部門の偉い人達が公式な場でドルの危険性を警告している以上、中国はドル備蓄を縮小やドル決済の割合を減らし、同時に人民元の国際化を図っていくだろう。
さらに、石油との関係を失ったらどうだろうか。
ドルの信用の一つに、石油はドルでしか買えない「ペトロダラー体制」がある。しかし、4月に原油先物でマイナス価格となったように、サウジアラビアとは距離ができつつある。
新型コロナの世界的な感染拡大でロックダウンが進み、経済が停止してガタガタになっている。そのため、原油需要が極端に落ち込んだことから、4月20日のWTI原油先物価格がまさかのゼロドル突破して史上初のマイナス価格となる異常事態が発生した[…]
このまま、サウジとの距離が広がれば、近い将来、サウジアラビアは中国と人民元で直接取引するようになるかもしれない。
とすれば、米ドルの立場はどうなるのか。
さらに、先日のブログで紹介したように、日中韓の東アジア統一通貨が実現してしまったらどうなるかだろうか。
[日本経済新聞](真相深層)デジタル通貨競争 新局面 中国、4通貨で広域連携狙う 米中日に官民連携の兆し
(会員限定) https://t.co/lmq9C8BWvs— 日経 Top (@nikkei_top) June 9, 2020
少なくとも、東アジア経済圏においてドルの存在意義は薄くなる。
金価格の高騰が続いている。6月30日に1800ドルに到達し、一時的に少し下げたものの、再度1800ドルを超え上昇を続けている。これは、直近半年ほどの金先物市場のチャートだ。なお、1800ドルというのは金1オン[…]
こうして、世界各国で少しずつドルへの懸念が出始めている。
だが、一気にドルを吹っ飛ばす話が謎のツイッターアカウント(れううい)さんから出てきたので紹介したい。
なお、れうういさんのこれまでの予測や情報源については、このツイートに集約されている。
これらのれうういさんの予測については、元キャリア外交官の原田武夫氏とほぼ同一のものになる。
おそらく、原田武夫氏と同様に、れうういさんは世界のハイレベル層(根源的階層に近い人たち?)からの情報を何らかの形で得ていると考えられる。
そんなれうういさんが、将来的なデジタル通貨について語ったツイートを紹介したい。
なんと、30年後の世界では、世界中でドルや円ではなく(なんで例にマルクがあるのかは謎)、フェニックスとのことだ。
そして、通貨フェニックスが現行のドルにとって代わるシナリオもツイートされている。
制度疲労によって寿命が尽きかけている中央銀行システムって…、今のQEのやり過ぎで肥大化し、QEからの脱却方法も分からない状況に陥っている中央銀行のことなのだろうか。
さらに、世界規模の経済危機というのは、QEを始めるきっかけとなった「リーマンショック」と、今後起こるであろう「コロナ連鎖倒産」ではなかろうか。
緊急事態宣言やロックダウンはひとまず解除されたものの、7割経済と言われるように、まだまだ正常には程遠い状況だ。
これまではかろうじて乗り切り、政府保証による補助金・融資でなんとか食いつないでいるものの、経営状況が好転する兆しはなく、今後多額の負債を抱えて倒産する企業が増加することが懸念されている。
FRBが買い込んでいるジャンク社債や、日銀が買い込んでいる株式ETFやリート債券などから債券市場の崩壊が始まり、「世界のフィアット通貨が灰燼に帰す」のだろうか。
そして、究極はコレ。
フェニックスの発行権を握る中央銀行が、世界中の国々の金融政策を牛耳るということのようだ。
現在、世界の基軸通貨ドルを発行するFRBは民間銀行であり、その発祥の経緯からイギリスのシティにいた金融勢力が支配しているものと考えられる。
つまり、現在のアメリカ覇権とかドル覇権とか言う状況は、イギリス王侯貴族に連なる勢力にその支配権がある状況と言っても差し支えない。
現状では、こうした勢力は、ドルの無限発行によりドルの基軸通貨性を棄損している。
ドルの一気崩壊をきっかけに、世界統一通貨「フェニックス」を登場させる準備が整いつつあるからだろうか。
なお、フェニックスの概念としては、このようなツイートがあった。
「別の概念」というのが何を指すのかは分からない。経済的な価値に基づかないものとするならば、例えば世界統一政府が社会主義的思想のもと取引専用通貨として発行する・・・ということを指すものなのかもしれない。
ここで気になるのが、ドルから離れつつある中国の動向だ。特に中国はアメリカ・トランプから、やけに冷遇されている。
アメリカ 中国ハイテク製品使用企業との取引禁止 8月施行
これまでもアメリカ政府は中国のハイテク企業5社からの調達を禁止していたが、今回の措置はそれを世界中に広げるもの。この5社の製品やサービスを使用する企業はアメリカ政府とビジネス契約・更新ができなくなる。https://t.co/qR9anILNhf pic.twitter.com/DhxB3l5ZuY
— 無料掲示板XFREE (@xfree_info) July 16, 2020
もしかして、トランプは、ドル経済圏の崩壊により、世界中がフェニックスに移行するのを阻止するために、ワザと中国をドル経済圏から遠ざけようとしているのかも。また、ロシアとの関係改善もその一環かも。
だが、中国では洪水が続いており三峡ダムの崩壊懸念が消えないほか、国中でバッタが大発生するなど、中国中南部を中心に崩壊する懸念も。
まだまだ先は分からない。
最後まで読んでくれてありがとう!