「ロックフェラー財団の警告 6ヶ月以内に食糧危機が起こる」で、あのロックフェラー財団のラジブ・シャー会長が6か月以内の食糧危機発生を警告していることを紹介したが、このところ、食糧危機に繋がるような報道を目にする機会が多くなってきた。
こうした中で気になるのは、グレートリセットにより新世界秩序(管理社会)の構築を目指すロックステップ計画に、食料やエネルギーを不足させて許可制(配給制?)とするくだりがあることだ。
- 食料・ガスなどは不足するため、許可制で最低限の買い物しか出来ないようにする。
- そして、更にロックダウンを強化・長期化(6ヶ月以上)して、世界的に経済を崩壊させて食糧危機を発生させる
。
エネルギーについては、ウクライナ危機を契機として石油・天然ガスが高止まりしており、既にドイツでは電気代・ガス代が昨年比60%となっている。(経済戦争で苦境のドイツ EUはアメリカ陣営から離脱する)
日本の天然ガス輸入の多くは長期契約であり今のところ影響は少ないものの、今後の長契更新のタイミングでエネルギーコストは激増することになりそうだ。
そして、食糧問題。
以前のブログで、あのロックフェラー財団会長さんが6か月以内の食糧危機発生を警告するとともに、アメリカの食品工場で火災事故等が相次いでおり、FBIがサイバー攻撃に注意喚起していることを紹介した。
これに関連するかは分からないが、食品工場の事故はアメリカだけの話では無さそうで、アメリカの食品工場の一連の火災事故等を報じた「ウェスタンスタンダード紙」が、食品工場の事故は世界的な現象であることを報じている。
EXCLUSIVE: Destruction of food plants a global phenomenonhttps://t.co/mLdYGoysuy#foodshortage #foodinsecurity #foodcrisis #food
— Western Standard (@WSOnlineNews) April 26, 2022
記事の概要はこんな感じ。
- アメリカの食品加工施設での一連の火災・爆発事故等により世界の食糧事情は悪化しているが、アメリカ以外でも、過去2年間で数十の食品加工施設が火災・爆発により破壊している。
- 火曜日(4月26日)に、イギリスのRiverway Foods(ソーセージ工場)大規模火災が発生
- 月曜日(4月25日)に、オランダのフースデンの農場にある4つの鶏舎が破壊され、43,000羽の鶏が大火事で死亡。
- 3月、インドの養鶏場で火災が発生し、3,500羽の鶏が死亡したほか農場全体が破壊された。また、インドでは別の養鶏場でも火災により8,500羽のひよこが死亡した。
- 1月、インドのケララ州の養鶏場で火災により2,500羽以上の鶏が死亡
- 2021年12月、スリランカの養鶏場の火災で8,000羽の鶏が死亡
- 11月、北アイルランドの農場での大規模火災により数百頭の豚が死亡
- 10月、北アイルランドのファーマナ養鶏場で大規模火災により16,000羽の鳥が死亡
- 9月、チリの食品加工工場で大規模火災が発生
- 7月、バングラデシュの食品加工工場での致命的な火災により、少なくとも52人が死亡
- 7月、イギリスのイーストヨークシャーにある鶏舎で、火災により50,000羽の鶏が死亡
- 4月、ドイツの養豚場での火災により、55,000頭以上の豚が死亡
- 2020年12月、フロリダのCal-MaineFoods農場で火災により24万羽もの鶏が死亡
- 10月、南オーストラリアのレインボーフレッシュ(野菜関係)の設備が火事により破壊、イギリスのバンハムにある家禽工場で火災、北アイルランドの製卵工場で火災
- 9月、北アイルランドのCoTyrone農場の火災で6,000羽近くの鶏が死亡、北アイルランドの別の農場にある血統豚の分娩室(産科病棟)が火災により破壊されて約2,000頭の豚が死亡
- 8月、イギリスの食品製造業界に砂糖、甘味料、乳製品、油脂を供給するヨーロッパ最大の独立系サプライヤーの1つとして知られるケントフーズ倉庫が火災により破壊、スウェーデン北部で年間41000トンのパンを生産するパン工場が全焼、レバノンのベイルート港で大爆発で市内の穀物貯蔵用サイロの85%が破壊
- 7月、イギリスのエセックス・ティルベリー港で大爆発により、穀物店の屋根を部分的に破壊
- 5月、メキシコのティスペウアルにあるケケン豚肉加工工場で火災
- 1月、ノースカロライナ州とバージニア州の養鶏場で火災により約34,000羽の鶏が死亡
なお、ウェスタンスタンダードの記事は「食品工場での火災は珍しいものではない」と締めくくっている。
確かに、一連の火災の中には事件性も無いものも含まれているだろう。
ただ、ウェスタンスタンダード紙は記事の冒頭で「食品工場火災による世界の食糧事情悪化」を指摘しているし、ロックフェラー財団会長の食糧危機警告や、FBIが食品工場に対するサイバー攻撃を警告していることを踏まえると、やはり只事では無いと見るべきか。
さて、こうした食品工場の事故と合わせて懸念されるのが、インドネシアの動きだ。
インドネシア、パーム油を輸出禁止に 需給ひっ迫に懸念強まる https://t.co/KcsJ0jYN4c @shokuhinetより
— 食品新聞 (@shokuhinet) May 2, 2022
インドネシアでは国民生活を優先してパーム油の輸出を禁止した。
パーム油とは馴染みが薄いが、実はカップ麺などの食品だけでなく化粧品やシャンプー等の日用品にも使用されているマルチな商品であり、その用途の幅広さから禁輸の影響はかなり大きいと言える。
少なくとも、加工食品には欠かせない材料であり、世界中で起こっている食品工場の火災事故と合わせ、食品加工能力は大きく低下することになりそうだ。
また、食品加工の処理能力が減少するに留まらず、農畜産物収穫量そのものの減少も懸念される。
まず気になるのは、アメリカの畜産管理システムがハッキング被害を受けたとするこの事件。
牛を追跡するアプリの脆弱性を悪用しデータを盗んだとされている。
→中国のハッカー集団APT41が、米国の家畜管理システムに謎の攻撃https://t.co/9tBrR6p89O
— Forbes JAPAN (@forbesjapan) April 29, 2022
ForbesJapanさんはハッカーさん達の目的を「データ転売」としているが、記事中に
セキュリティ大手のMandiantの専門家によると、ハッカーは、家畜の健康管理に使われるUSAHerdsというウェブアプリのインスタンスにゼロデイ攻撃をしかけて侵入したという。
とあり、FBIが食品工場へのサイバー攻撃を警告していることと合わせて、アメリカの牛さん豚さんの健康管理システムへのサイバー攻撃により畜産収量減少を企図したという可能性はありそう。
このようなハッキング以外に、肥料不足による農作物の収穫量減少も懸念されている。
ゼロヘッジさんの記事によると、深刻な化学肥料不足を背景にアメリカでは牛ふんなどの有機肥料に注文が殺到する「うん〇ブーム」になっているとのこと。
Poop-Boom: Manure Supplies Tighten As Fertilizer Prices Soar https://t.co/mYB94HZIe9
— zerohedge (@zerohedge) May 5, 2022
う〇ちう〇ちと何かクサい記事だが、報じられているのはこんな内容だ。
- ウクライナ危機を契機に化学肥料価格が高騰したため、今年の牛ふん肥料(有機肥料)はキャンセル待ちとなっている。
- 専門家によると、有機肥料は成分的に化学肥料を完全に代替するものではないし、そもそも有機肥料自体も不足している。
- カナダにある世界最大級の肥料会社Nutrienは、肥料を巡る混乱は2022年内には終わらないと見ている。※Nutrien社は、カリウム生産量は世界一、窒素は世界第三位という世界最大級の肥料会社。
化学肥料全盛の世の中にあって有機肥料では完全に代替不可能となると、農業収穫量は大きく落ち込むことが予測される。しかも、化学肥料不足が長期化するなら、収穫量の低迷まで長期化することになる。
そういえば、ロックフェラー財団のラジブ・シャー会長の食糧危機警告は世界的な肥料不足が理由だった・・。
さらに、世界の農業収穫量が低迷する中で、穀物備蓄量が低水準となっているとか。
Global Grain Reserves “Extremely Low,” Will Be Depleted For Years, Warns Top Fertilizer Boss https://t.co/4JBBo9bNH4
— zerohedge (@zerohedge) May 6, 2022
世界の穀物備蓄が少ないのは、コロナに始まるサプライチェーン混乱や世界中の不作に加え、ウクライナ危機&経済制裁によって、ロシア・ウクライナからの穀物輸出が滞っていることが理由のようで、世界の穀物備蓄の回復には2~3年かかるとのこと。
ただ、この記事でもウクライナの農地の33%で作付け出来なくなる可能性が指摘されているし、先に紹介した肥料不足による収穫量低迷も踏まえると、穀物備蓄の回復が2~3年で済むのかは微妙だろう。
現実に、小麦やトウモロコシの一大産地で、ヨーロッパの穀倉地帯とも言われているロシアやウクライナの穀物は、出荷が出来ていないとのこと。
国連機関、封鎖されたオデーサの港の再開要請 食料危機抑制のため https://t.co/T6DHowC8l2
— cnn_co_jp (@cnn_co_jp) May 7, 2022
WFP(世界食糧計画)によると、オデッサなどの港湾封鎖により小麦やトウモロコシが貯まったままになっているとか。
記事では誰に港湾再開を求めているのかハッキリしないが・・少なくとも黒海封鎖解除はロシアに言わないと何ともならない。
だが、4月にロシアの巡洋艦「モスクワ」が撃沈されていることを踏まえると、仮にプーチンが黒海封鎖解除を了承したとしても、軍は絶対に受け入れない。
つまり、ロシアとて黒海封鎖を解除することは不可能だ。
ちなみに、巡洋艦「モスクワ」の位置情報提供したのはアメリカだとか。
BBCニュース – ロシア艦「モスクワ」沈没は米情報がもとで=米報道 行動はウクライナの判断と米政府https://t.co/SDF36PvyNV
— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) May 7, 2022
アメリカは「ウクライナにあの船何やと聞かれたねん。せやから位置情報含めて教えたんやけど、まさか攻撃するなんて思わへんかったわ」としているが、アメリカがモスクワ撃沈を意図していたのは明らかだ。
「ロシアの金・資源本位通貨は新世界秩序に向けたグレートリセット」で紹介したように、ウクライナ危機がグレートリセットの手段となっている状況を踏まえると、巡洋艦撃沈はロシア軍の海上封鎖の長期化を意図したものだったのだろう。
つまり、今後もウクライナ産穀物は世界に出回ることはない。
さて、このように食糧危機の足音が近づいている中で、アメリカではバイオ燃料の利用促進に舵を切った。
米、割安のバイオ燃料混合ガソリン販売を夏場も許可…大気汚染問題で通常は認めずhttps://t.co/jid9f0XrVH#経済
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) April 12, 2022
夏場のバイオ燃料は大気汚染の原因となるため、例年6月~9月中旬頃まで使用できなかったのだが、ガソリン高騰によるバイデン政権への批判の高まりを受けて、夏場の使用がOKとなったものだ。
これを受けて、バイオエタノールの原料となるトウモロコシは高騰した。
ウクライナ侵攻を受けて高騰していたトウモロコシだが、4月上旬のバイオ燃料報道を受けて一段と高騰したのが分かる。テクニカル的には、ウクライナ危機直後の高値が、既にサポートとして機能しているように見える。
ロシア・ウクライナ産トウモロコシの供給が絶たれる中で、アメリカのこの判断は正しいのか・・。
また、トウモロコシだけではなく、小麦もヤバイことになっている。
シカゴ小麦先物、7週間で最大の上げ-供給懸念でhttps://t.co/sKGdxoqRFY
— 経済ニュースBOT (@keizainewsbot) May 5, 2022
小麦高騰の背景にあるのが、以前にも紹介したように、アメリカ北部やカナダ南部の穀倉地帯で昨年から引き続く干ばつ被害だ。
ブルームバーグの記事によると、
パン用小麦の収穫は6月に始まるため今後数週間に十分な雨量があるかどうかが重要な意味を持つ。欧州でも一部の小麦産地が雨量不足で、世界的な食料不足危機が悪化するとの懸念が強まっている。
とあり、今年前半のアメリカ小麦収穫量はかなり危ぶまれているようだ。
また、春小麦がダメになると冬小麦価格も上がることになるため、小麦以外の農作物の作付け契約単価も上がることに繋がる。来年以降が豊作だったとしても、価格高騰の波はまだまだ続く。
「コロナとウクライナ危機による物価上昇、そして食糧危機」で紹介したように、日本の4~9月期の農水省からの小麦引き渡し価格も高くなっていたが、それは昨年のアメリカ干ばつを受けたものだった。
10月以降分からは、ウクライナ危機と今年の干ばつが加わるため、日本での小麦価格はさらにハネ上がることになる。
また、日本の小麦の主な輸入先とはアメリカ・カナダ・オーストラリアだが、干ばつに苦しむアメリ・カナダ以外に、オーストラリアも穏やかではなさそう。
実のところ、オーストラリアは2019年の干ばつ被害から回復しきっていないようで、干ばつ対候性を持つ遺伝子組み換え小麦が承認されたとか。
Australia approves a drought-tolerant genetically modified strain of wheat for use in food https://t.co/0MzYxkPAzt
— Bloomberg (@business) May 8, 2022
これまで、人間が直接口にする穀物のGMO(遺伝子組み換え作物)は認められてこなかった(飼料はOK)が、ついに一線を超えたと言える。
食糧危機はGMO穀物を一気に普及させ、農家を完全管理下に置くという農業面の新世界秩序構築を目指したグレートリセットの一環でもあるようだ。(グッバイ コシヒカリ!遺伝子組み換えライスしか食えなくなる時代に!?)
また、日本では遺伝子組み換え表示が2023年から厳しくなり、遺伝子組み換え5%以下なら「遺伝子組み換えでない」表示できたところ、完全ゼロ%じゃないと表示出来なくなる。
豪州産の一部で遺伝子組み換え小麦が生産されるということは、今後は混入懸念を理由に輸入小麦の「遺伝子組み換えでない」表示は出来なくなる可能性が出てきてしまった・・・。
さて、日本が小麦を頼るアメリカ・カナダ・オーストラリアのいずれも微妙な中で、最後の頼みの綱がインドだったのだが、インドでは例年より早く到来した史上最悪の熱波を受けて小麦の輸出制限に踏み切った。
インド政府は小麦生産を過去最高の1億1100万トンと予測していたが、1億500万トンに下方修正。政府高官は国内供給を優先し輸出制限をモディ首相に勧告する見通し。
インドが小麦輸出制限を検討、熱波で生育に打撃-国内供給を優先かhttps://t.co/LGpnkMnSm8
— 有機農業ニュースクリップ (@OrganicNewsClip) May 6, 2022
自国の必要分を優先するのは当たり前だが、もしかしたら熱波は口実に過ぎず、本格的な食糧危機に備えたものなのかもしれない。
実は、4月の時点ではインドの小麦生産高は過去最高が見込まれており、世界で不足する小麦需要に対応可能とされていた。
インド、世界の小麦需要に対応可能 生産高は過去最高見込む=高官 https://t.co/EoV12btioO
— ロイター (@ReutersJapan) April 12, 2022
このインドの急激な政策転換からは、世界の農作物の主要生産国が資源確保に動いてる様子が伺える。
バイデン大統領は食糧危機に備えて、「アメリカも世界のみんなも農作物の供給制限しないようにしようぜ」と呼びかけていたが、インドの動きにアメリカやカナダ、欧州各国も追随する可能性は高い。
また、日本でも農畜産物の収穫量減少は起こりそうだ。
以前にも紹介したが、日本の農業界で肥料不足を懸念する声が上がっている。
農家の現場から@日本自給自足100%プロジェクトさん
【農家が暴露】食糧危機が始まった!あと1年で米も野菜も作れなくなるワケ #食糧危機 #農業 #備蓄 #食料不足 https://t.co/xyNo3x8kb0 via @YouTube
— Nancy345 (@Nancy34512) January 24, 2022
このツイートで紹介されている動画では、コロナから肥料輸入が停滞しており国内の在庫が無くなっていること、肥料が無ければ米も麦も野菜も作れなくなることが訴えられている。
先のゼロヘッジさんの記事でも、現代の農業に化学肥料は必須で有機肥料だけでは収穫量減少は避けられないとあったが・・ただでさえ自給率が低い日本にとって肥料不足は致命傷となりかねない。
さらに、畜産に必須の飼料も国際的に取り合いになっているとか。
【翔べ和牛 産地はいま⑥】「中国がトウモロコシを大量に買い付けたからだ」 飼料価格高騰にあえぐ肥育農家 子牛高に担い手不足…産地はまさに内憂外患 https://t.co/bBeuAxYecp
— 農業ニュースまとめ (@agrinews_matome) March 9, 2022
中国によるトウモロコシの大量買いに加え、アメリカのバイオ燃料政策の影響もあり飼料価格は高騰中だ。肥料だけでなく飼料も世界的に不足している。世界の農畜産物の収穫量は大きく減少することになる。
そして、このような状況を背景に小麦価格は高騰しており、ついにコメの価格を追い抜いたとのこと。
小麦価格、コメを逆転 ウクライナ侵攻で高騰https://t.co/et1P1ILPjx pic.twitter.com/NzvbAlizjl
— 清水功哉(日本経済新聞) (@IsayaShimizu) May 8, 2022
今後は、コスト面から小麦からコメへの転換が世界的に進むことになる。
そうなると、日本で肥料不足によりコメ不足になった場合でも、1993年冷夏のようにタイ米輸入は難しいかもしれない。
いくらカネを積んでも買うことすら出来ない・・なんて時代は近い。
なお、上の農家さんの動画で、食糧難に備えてジャガイモ作りを推奨している。ジャガイモはカロリーもあるし、栽培も容易というのが理由とか。
それに加えて、主食となる米(玄米)やうどん・パスタのほか、油や長期常温保存が可能なみそとかは確保しておきたいところ。
個人的には、ふるなびなどの「ふるさと納税」を活用して備蓄するのもアリと思っている。
ふるなびサイトを見ると、令和4年収穫分の新米を受付ている自治体も散見される。10月頃に出荷してくれるので、食糧危機が確実なものとなるタイミングでまとまった量の米を手に入れられそうだ。
最後まで読んでくれてありがとう!