このところ、原油価格の高騰が凄いことになっている(いた?)。
直近では、OPECさんが増産するかも・・との思惑により原油価格は下げているものの、冷静に見て110ドル代はかなり高いと言える。
サウジアラビア始めOPECの皆さんはアメリカに梯子を外されるなどの仕打ちを受けていることを思うと、今こそ実は買場・・みたいなことにならないと良いんだが。
この原油高は、昨今の物流混乱によるインフレの波をさらに高くしており、一見関係無さそうな資格試験にまで値上げの波は及んでいる。
2022年9月試験よりFP検定の受験料が値上げされるようです🥲
宅建も情報処理技術者試験も値上がりするし、資格試験は受験料の値上げラッシュです💦https://t.co/cyrGdWBA4A pic.twitter.com/ulcWzgWzp8
— 過去問道場🥋@過去問を制する者は試験を制す (@kakomon_doujou) February 15, 2022
原油価格が、全商品・全サービスに影響を及ぼすことがよく分かる事例だ。
確かに、試験問題の印刷やそれらを運ぶ物流など、多かれ少なかれ原油は何にでも関わっている。
こうした中で、食糧価格も世界的インフレの波に飲まれている。
今年の4月以降の輸入小麦の国内企業引渡し価格が、過去2番目の高さになったとか。
輸入小麦価格17%引き上げ 過去2番目の高さ、食品値上げ懸念 https://t.co/K20Ujh0A16
— 毎日新聞ニュース (@mainichijpnews) March 9, 2022
価格を決めた農水省によると、今回の価格急騰の主な要因は、高温・干ばつにより北米で小麦が不作となっているからで、ウクライナ危機による影響は一部しか反映されていないとか。
ここで、小麦のチャート(週足ライン)を見てみると・・・
ロシアがウクライナに侵攻してからの上がり方は半端ねーです。
実のところ、ロシアやウクライナは原油や天然ガス等の資源だけでなく、世界有数の食糧生産国であり、世界の輸出小麦シェアの3割を占めている。
そんなロシア・ウクライナ間が戦地になったことや、ロシアが金融制裁を受けていることもあって小麦輸出が止まってしまい、世界的な供給懸念を受けて火柱上げとなっているようだ。
現在の国内小麦価格には、これがほとんど反映されていないのに、価格は過去2番目の高さということか・・。
毎日新聞の記事によると、
足元では、ロシアによるウクライナ侵攻で両国産小麦の供給減が懸念されており、小麦の国際価格が急騰。この影響は次期(22年10月~23年3月)の売り渡し価格に本格的に反映される。このまま推移すると、輸送費などのコストを上昇させる原油価格の高騰も相まって更なる引き上げとなる公算が大きい。
とあり、9月以降にはさらなる値上げラッシュとなる可能性が高い。
あのマクドナルドさんも、当然のように値上げする。
【速報】マクドナルド値上げへ およそ2割の商品https://t.co/JVhmB7VzUX
3月14日から値上げすると発表。「ハンバーガー」は110円→130円、「てりやきマックバーガー」は340円→350円、「マックシェイクSサイズ」は120円→130円となる。 pic.twitter.com/UP0bIyQaAy
— ライブドアニュース (@livedoornews) March 4, 2022
たた、値上げ幅は小麦や原油価格の上昇と比べてかなり小さい。
最近気がついたが、割引クーポンが無くなっているか内容がショボくなっており、それで実質的な値上げとしているようだ。
・・となると、まだまだ値上げ余地を残している感じだな。
さて、食糧価格について以前のブログでも紹介したが、コロナ真っ只中で世界的に外食産業が低迷していた2020年頃から上昇し始めていた。
6月の世界食糧価格指数は2.4%上昇、今年初のプラス=FAO https://t.co/OHec603Cij
— 農業ニュースまとめ (@agrinews_matome) July 2, 2020
これについては、新型コロナを契機に世界統一的な支配体制(完全管理社会)を目論む支配者層のグレートリセットプラン「ロックステップ計画」にある、
- 食料・ガスなどは不足するため、許可制で最低限の買い物しか出来ないようにする。
- そして、更にロックダウンを強化・長期化(6ヶ月以上)して、世界的に経済を崩壊させて食糧危機を発生させる。
との関連が気になるところだったが、これまでのところコンテナ船物流混乱等によるコストプッシュインフレはあったものの「食糧危機」には至っておらず、また、コロナの収束も見えてきたこともあり、計画は変更されたと思っていた。
また、アメリカ農務省によると、小麦の期末在庫は予測を上回るとの見通しを出したことで、小麦価格は大きく値を下げた。
小麦先物約5%下落ーウクライナ侵攻による供給途絶に懸念広がる https://t.co/THK98dBb6c
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) March 9, 2022
農務省さんによると、ウクライナ危機による影響は軽微で、さらにオーストラリアやインドの生産予想を引き上げたことで、世界の小麦供給見通しは前回予測を上回ったとしている。
これを受けて小麦価格は値を下げた。以下は小麦先物の日足チャートだ。
確かに急落しているものの、農務省の見通し発表が無くても調整下げしていたところで、例によって情報のお漏らしを疑うチャートとなっている。
ただ、これまでの上げ幅を踏まえると「調整下げ」の域を出ていないし、チャート的にレジスタンスを作ってしまったことで、そこをぶち抜いた際の「登り竜」が危惧される形になっている。
いずれにせよ、マーケットは小麦需給についてかなり厳しく見ているようで、世界の食糧は「価格上昇」に留まらず、ヘタすりゃ「食糧危機」に至る可能性を感じさせる。
食糧危機と言えば、アメリカの著名な予言者ジョセフ・ティテル氏の2022年頭予言に、食糧不足に関連するものがあった。
●食糧不足。
カナダやメキシコからの物流がドライバーたちのストライキによってブロックされるために起こる。食糧だけでなく、すべての品物が不足し、物価が上昇する。●豆類、穀類、ポテトなどの食糧や種子をホールド(保持もしくは自分のところに留め置く)する。
これは、中国だけのことではなくて、ビル・ゲイツやジェフ・ベゾスのような億万長者やエリートたちが自分たちを守るために軍の基地の中に保存する。米国、カナダ、メキシコ、ヨーロッパ、イギリスで。このために、いくつかの株式市場の会社(上場企業?)が存在できなくなる。
●農家が世界的に逆境に。
これももちろん計画されたことで、食糧チェーンを牛耳り、奴隷化するため。食料品店やマーケットで暴力が増加する。飢えた人々が復讐するためだ。
●闇市場。
食糧の闇市場が犯罪組織や腐敗した政治家たちによってカルテル化される。美味しいものを食べたければ闇市で高い金を払わなければいけなくなる。スピリットは、メキシコではすでにそれが起こっていると言っている。
●魚介類の不足。
2022年の春にシーフードの不足の影響が出始める。いくつかは物流問題によるものだが大部分は、ラップ・ストーミーな海によるもの。また、黄金のアーチのマークの大会社Mの大型船がアラスカ沖などで行う漁のために、小規模の漁師が魚を取れなくなる。闇市も登場するが、闇の漁師(夜にこっそり漁をする)も出てきたり、大会社が海賊を雇ったりする。
●ウォルマート。
多くの銃撃事件などで、自ら警官を雇わないといけないくらいに。
(ブルーオーブのブログより抜粋)
ジョセフ・ティテル氏の予言の中では、食糧(その他物資含め)不足による価格上昇や、その影響でウォルマート等のスーパーが暴徒に教われること、海産物不足まで言及されており、かなり危機的状況となることを予感させる。
さらに、「食糧・種子のホールド」「食糧の闇市」といった予言からは、世界のエライ人達にが食糧を独占・隠匿する様子が伺え、食糧危機を意図的に加速させることが懸念される。
現実を見ると、小麦の価格上昇の原因はウクライナ危機だけではない・・・と言うか、ウクライナ危機だけなら「流通問題」に過ぎないので、SWIFT回避で何とかなるし、非米反米諸国にはあまり関係が無い。
しかしながら、昨年9月にも日本の国内小麦引渡し価格がかなり値上げされており、その理由は小麦生産大国アメリカ・カナダの不作だった。
輸入小麦の価格が上昇 小麦粉や食パンなど 値上がりの可能性 #nhk_news https://t.co/7cXYotEGus
— NHKニュース (@nhk_news) September 8, 2021
NHKさんによると、アメリカ北部やカナダ南部の穀倉地帯における干ばつによって生産量が減少したことに加え、コンテナ船の輸送費用が上昇していることが原因だとか。
ただ、先に紹介したように、アメリカ農務省によると、供給は問題なさそうなのに小麦価格は高止まりしている。
マーケットの見立てが正しいとすると、この問題は長引くかもしれない。
よく考えてみると、小麦が大不作ということは種も思うように取れていないだろうし、さらに、ジョセフ・ティテル氏の予言にあるように、エライ人達が「種子をホールド」しているとすれば・・種価格の高騰から次回分の作付け減少するだろう。
となると、今後、天候に恵まれたとしても小麦生産量は少なくなり、需給ギャップが生じる可能性は充分にある。
そもそも、小麦を輸出するほど多く生産している国は両手で数えられる程しかない。
そして、そんな貴重な小麦輸出国のうち、北米(アメリカ・カナダ)と東欧(ロシア・ウクライナ)でツーアウトになっているところ、さらに中国も厳しい状況になっているとか。
China ag minister says winter wheat condition could be worst in history https://t.co/kdfISelK0D pic.twitter.com/zJ2YpsqGta
— Reuters (@Reuters) March 5, 2022
ロイターさんによると、中国の農業大臣さんが、冬小麦の状態が史上最悪の可能性・・と言っているとか。
昨年の大雨の影響で作付が遅れており、2割以上も減っちゃうかもしれないとしている。
中国では、安定的な生産に向けて様々な手を打つとのことだが、「いよいよインフレが本格化 そして日本デフォルトとデジタル円」で紹介したように、昨年秋頃から中国共産党政府は穀物を中心に食糧備蓄を進めており、今では世界の食糧の半分を備蓄しているとか。
中国の不作は、この備蓄の動きを加速させる可能性があり、世界の食糧需給はより一層タイトになるかもしれない。
こうした状況を踏まえると、アメリカ農務省の「大丈夫やで」は単なるポジショントークの可能性が高い。
また、このような需給タイト化で一番影響を受けるのは、実は日本かもしれない。
農水省のウェブサイトを見ても分かるように、日本は小麦の9割を輸入に頼る輸入大国であり、さらに輸入元は
アメリカ(49.8%)、カナダ(33.4%)、オーストラリア(16.8%)で、この3カ国でほとんどを占(し)めています。
とのこと。
アメリカ・カナダからの輸入が8割を占める日本にとって、両国の小麦不作はかなりの痛手。しかも、しばらく続く可能性すらある。
とは言え、世界的な小麦不足を前に他の輸入先を開拓することも難しく、近い将来、日本で小麦不足が起こるかもしれない。
この点については、2010年に2ch掲示板に投稿された通称「ばあちゃんの予言」と呼ばれるものの中に、このような一文があった。
金貸し(金融)の完全規制を検討する国が現れて、世界中で議論が沸騰する。
野菜の流通か小麦関連か、日本で食糧問題が起こる。社会問題になる。
この予言は、2011年のものとして書かれたのだが、現在のロシアへの金融制裁の影響を感じるなど、驚くほど今の状況と符号しており、実は今年起こる事なんじゃないかと思えてくる。
「金貸し(金融)の完全規制」は、中央銀行による通貨発行=国債発行という現在の金融制度そのものを否定する気配を感じるものだ。
そして、これは「ロシア制裁はルーブルの金本位性とドル離れに繋がる」で紹介した、ロシアへの金融制裁によるドルの価値低下やルーブルの金本位制への回帰のことなのでは・・と思えてくる。
であるなら、「日本で食糧問題が起こる」というのも近々起こることになるのかも。
そもそも、遠く離れたウクライナ危機は、日本人にとって他人事と思うかもしれないが、日本は「持たざる国」なので、コモディティの需給ギャップにより大きな被害を受けることになる。
円安・コロナでコストプッシュインフレしてたところ、ウクライナ危機により更に物価は上がっていく。
そして、ばあちゃんのいう「日本の食糧問題」は、輸入食糧の値上がりに留まらず、そもそも輸入出来なくなるということを含めている可能性が高い。
そして追い討ちをかけるかのように、日本の農畜産業に不安要素が出てきている。
「ジョセフ・ティテルの予言 北朝鮮の白頭山の噴火が近い!?」で、日本の農業界で肥料不足を懸念する声が上がっていることを紹介したように、肥料不足及び値上がりがかなり問題になっている。
農家の現場から@日本自給自足100%プロジェクトさん
【農家が暴露】食糧危機が始まった!あと1年で米も野菜も作れなくなるワケ #食糧危機 #農業 #備蓄 #食料不足 https://t.co/xyNo3x8kb0 via @YouTube
— Nancy345 (@Nancy34512) January 24, 2022
このツイートで紹介されている動画の概要は以下のとおりだが、かなり深刻な状況になっているようだ。
- 日本の農家の中で、肥料が不足し始めていることが問題になっている。
- 特に、3大肥料(窒素・リン酸・カリウム)のうち、窒素肥料が不足している。
- これが無いと、米も麦も野菜も何も作れなくなる。
- 日本の肥料はほぼ全量を輸入に頼っており、コロナで輸入が2年ほど止まっているため国内の在庫が尽き始めているようだ。
- このままだと農業生産量が大幅に減少し、食料全量を輸入に頼ることになるが、マックのポテトすら入ってこない状況ではかなり厳しいのではないか。
- なお、食糧難になった場合、家庭菜園でのオススメはジャガイモ(カロリーベース的にも、栽培が簡単な点も)
農作物栽培に必須の肥料が入ってこないとか・・ただでさえ自給率が低い日本にとって致命傷となりかねない。
さらに、畜産に必須の飼料も国際的に取り合いになっているとか。
【翔べ和牛 産地はいま⑥】「中国がトウモロコシを大量に買い付けたからだ」 飼料価格高騰にあえぐ肥育農家 子牛高に担い手不足…産地はまさに内憂外患 https://t.co/bBeuAxYecp
— 農業ニュースまとめ (@agrinews_matome) March 9, 2022
中国によるトウモロコシの大量買いの影響で、飼料価格が前年比6割も上がっているとか・・・和牛や和豚は超高級品になりそうな予感だ。
肥料や飼料の不足は世界的に起こっていることであり、日本に限った話ではないため、世界的に農畜産生産量が減少することになる。
特に食糧自給率の低い日本にとっては、輸入すらままならなくなる可能性もあり、小麦に限らず食糧危機が強く懸念されるところ。
ばあちゃんの予言にある「社会問題になる」どころでは済まないかもしれない。
実はロシアは、窒素肥料の原料となる硝酸アンモニウムの輸出を2月2日から禁止しており、世界的な肥料不足に拍車をかけている。
「ニナ・アダモワ氏は『ロシア産の硝酸アンモニウムは世界市場の流通量の45%を占めている』として、この時限的な措置が世界の硝酸アンモニア価格を上昇させる可能性があると述べた」/ロシアが硝酸アンモニウム輸出を4月まで禁止(JETRO/ロシア、CIS) https://t.co/vnwhMCgJU5
— FoodWatchJapan 編集部 (@FoodWatchJapan) February 7, 2022
この禁止は4月1日までの時限措置とのことだが、ウクライナ侵攻の20日以上も前から欧米諸国からの金融制裁を見据え、小麦や肥料大国であることの優位性を先んじて活かした措置なのかもしれない。
なお、ロシア・プーチン大統領は、特定の製品・原材料の輸出入を2022年12月31日まで禁止する一手を打ち出してきた。
🇷🇺プーチン大統領
*製品/原材料の輸出入禁止へ
*年内いっぱい継続Putin signs decree banning or restricting exports from Russia, imports to Russia of certain products, raw materials – Interfax https://t.co/QWCowz6rcY pic.twitter.com/fBzlNXfRdJ
— YutoHaga 芳賀勇人 (@Yuto_gahagaha) March 8, 2022
なお、何を禁止対象とするかは別途ロシア政府が決めるとしている。もしも天然ガス止められたら、ドイツは即死する。
ロシアは原油や天然ガス、小麦やレアメタルなどの資源大国であることに加え、肥料の原料となる硝酸アンモニウムの世界シェア4割を占める肥料大国でもある。
天然ガスなどのエネルギーに目が行きがちだが、小麦などの食料に加えて肥料まで世界的に不足する可能性が出てきており、世界規模の食糧危機が現実になってきている。
農業新聞さんのコラム。
3/8 日本農業新聞 pic.twitter.com/DKJnmx8OQW
— 脱「今だけ、金だけ、自分だけ」・鈴木宣弘 (@tetsuginsuzuki) March 7, 2022
「食料を自給できない人たちは奴隷である」「食うものだけは自給したい。これなくして真の独立はない」
日本政府は、この言葉を心に刻み、外資系アグリメジャーに媚びた農業政策から転換しなくてはならない。もう遅いかもしれんが・・・。
最後まで読んでくれてありがとう!