今日は、五輪延期関係のニュースが相次いだ。
IOCが延期を本格検討という報道が出たことを踏まえ、安倍首相も参議院予算委員会の中で延期を容認する発言があった。
IOC、東京五輪延期を本格検討 4週間で結論―安倍、森両氏も容認
7月24日に開幕予定の東京五輪について、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を理由に延期が本格的に検討されることになった。国際オリンピック委員会(IOC)は22日の臨時理事会で、延期を含めて大会組織委員会や東京都と今後協議し、4週間以内に結論を出す方針を決めた。
IOCが公式に東京五輪延期の可能性に言及するのは初めて。五輪は過去に世界大戦のため中止されたことがあるが、延期されれば史上初となる。
予定通りに開催されない場合、延期時期については今年中や1年後、2年後などの案が浮上しているが、IOCは方向性を示していない。延期が決まれば、競技日程の調整、競技会場やボランティアなど人員の確保、既に大半を終えたチケット販売の作業などが再び発生し、開催経費が大きく膨らむことは避けられない見通しだ。IOC、組織委は大会の中止については議論しないことを確認した。
安倍晋三首相は23日の参院予算委員会で、大会を完全な形で実施することが困難な場合は「アスリートの皆さんのことを第一に考え、延期の判断も行わざるを得ない」と述べ、容認する考えを表明した。組織委の森喜朗会長も「われわれは2020(年開催)という方向」と今年の実施が望ましいとしながらも、延期の検討については理解を示した。
組織委は26日に福島県でスタートする聖火リレーを予定通り実施する方針。東京都の小池百合子知事は「課題はたくさんあるが、どういうシナリオが可能かIOCと交渉していきたい」と語った。
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、多くの競技で五輪予選の中止や延期が決定。各国政府などによる移動制限を受けて、練習環境が整わない各国内オリンピック委員会(NOC)や選手から大会の延期を求める声が上がり、IOCなどは方針転換を迫られていた。
国際オリンピック委員会(IOC)は22日、東京五輪の開催について延期を含めて検討すると発表したが、カナダとオーストラリアのオリンピック委員会はそれぞれ、より踏み込んだ声明で今夏の東京五輪への選手団の派遣を見送ると表明した。
以下略
この記事にあるカナダやオーストラリア以外にも、アメリカ、スペイン、フランス、ノルウェーやブラジルの陸連や五輪委員会がIOCへの延期要請などを出している。
こうした突き上げにより、IOCバッハ会長も延期を検討する旨を公表せざるを得なかったのではないだろうか。そもそも、4割の選手が決まっていないし、各国では選考会も開催できない状況だ。
だが、果たして「延期」は可能だろうか。日本では「延期ムード」一色となっているが…。
まず、延期の時期を決めるのはIOCで、おそらく来年以降となるのだろが、1年後なのか2年後なのか何も決定していない。
だが、来年以降の延期にはオリンピック憲章の改正が必要だし、そもそも新型コロナウイルスのワクチン開発が1年では間に合わない。また、莫大なカネが動くオリンピック独占放映権などの調整もかなり困難だ。
さらに、前東京都知事の舛添氏が、元都知事という立場から中止よりも延期の方が難しいとしている。
五輪開催予定の施設や東京ビッグサイトは2年先まで予約で埋まっていることや、選手村の建物を分譲住宅として販売することも決まっている。延期にかかるコストや調整の労力は膨大なものになるので、延期は困難というワケだ。
また、そもそも論として、IOCがオリンピック開催・中止の最終決定権を持っているわけでは無い。
元キャリア外交官の原田武夫氏が以前に「簿外資産」について語っていたが、今回のオリンピックの開催に当たっては、簿外資産から資金が入っておらず開催は不可能とのことだ。
簿外資産を活用できる根源的階層がオリンピックの最終決定権を握っていることか。簿外資産については、過去記事を参考に!
また、本田健さんはWHOが開催不可能を判断して、はじめて保険金などが下りるようになっているのでは?とも語っていたが…。
いずれにせよ、延期についてIOCから発言があったことで、日本国内でも公式に延期が口に出来るようになった。残念そうにしてはいるが、安倍総理や小池都知事そしてシンキロウさんもホッとしているのではないか。
そして、この延期報道と歩調を合わせるかのように、日本国内のコロナ対応が急速に緊迫度を増した。
3月19日に厚生労働省に設置された新型コロナ専門家会議の提言が出たが、その中では感染がオーバーシュート(爆発的な感染増加)やロックダウン(都市封鎖)についての言及があった。
しかも、資料中に何度もオーバーシュート・ロックダウンが言及されるほどだ。
こうした国の方針を受け、小池百合子都知事も本日の会見でオーバーシュート・ロックダウンについて語った。以下はロイターからだ。
東京都が新型コロナウイルスの感染拡大に伴うイベントの自粛継続などを明らかにした23日、小池百合子知事は自ら記者会見を開いて方針を説明し「オーバーシュート(爆発的患者急増)の分かれ道。命を守るための協力をお願いしたい」と厳しい表現で危機感を強調した。背景にあるのは、長く続く自粛への飽きや気の緩みへの警戒だ。
暖かく桜の開花が進んだ3連休の都内は花見の名所を中心に多くの人出があった。満員電車は時間帯によってはなお解消されず、新宿などの繁華街も人出の多い状態が続く。
この3週間ほどがオーバーシュートするか否かの瀬戸際ということで、都民に対してイベント自粛継続をお願いしたようだ。一応4月12日までとのことのようだが。
ディズニーランドのオープンは、また遠のいたか…。
さらに、小池都知事はロックダウン(都市封鎖)についても言及した。
「ロックダウン避けるため協力を」小池知事https://t.co/G82i7sHTPV
— 共同通信公式 (@kyodo_official) March 23, 2020
ロックダウン(都市封鎖)を避けるためにご協力を・・と呼び掛けたとか。
小池都知事が「オーバーシュート」とか「ロックダウン」とか発言するものだから、このワードがトレンド入りしているようだぞ。
先日のブログで、厚生労働省が大阪府知事に対して、直々にオーバーシュートの可能性を伝え、対策案を提示していたことをお伝えした。この案を踏まえて吉村大阪府知事が3連休中の大阪・兵庫間の移動自粛を要請したということだ。
新型コロナ 日本政府の認識も変化?緊急事態宣言からの都市封鎖&預金封鎖が来るか!?
こうした状況を踏まえると、厚労省が危険性を指摘した大阪・神戸はもちろんだが、それなりの感染者が出ている名古屋市や札幌市、そして都知事がオーバーシュートに言及した東京都などは、ロックダウンの対象となる可能性が高い。
ロックダウンのシナリオについては、本田健さんが語ったところでは、一日に100人単位で感染者が出たらすぐにされる、とのことであった。
日本では、その症状から感染の疑いが濃厚であっても検査をせず、感染を隠蔽・過少発表している。以下の感染状況を見てみよう。
PCR陽性者(=感染者)が1057人で死亡者数は41人だ。単純に割ると約3.9%だ。世界標準の死亡率が2%程度であることを踏まえてもかなり高い。
そもそもの感染者数の隠蔽があることは明白だ。もちろん、コロナ死亡者も検査せずに済まされていることもあるだろうが…。
ただ、日本では「ごまかし」が表面化しておらず、今のところは入院を要するような感染者の急増など、オーバーシュートはしていないと推測される。
だが、それもここまでのようだ。おそらく近日中に「検査キット」が流通することになり、感染者が100人単位で増加することになるのだろう。
ロックダウンも緩やかなものから厳しい措置まで種類があるが、アメリカでは1億人が外出禁止の対象となっているほか、イタリアでは生活に必要な業種を除き営業禁止措置がとられている。
特にニューヨークでは、原則在宅勤務とするよう企業に要請されているぞ。
日本で在宅勤務は難しいかもしれないが、家からの外出を禁止されるような措置が取られることになる可能性がある。
最後まで読んでくれてありがとう!