「ウクライナ戦争が終わり欧州内戦へ、そして第三次世界大戦」では、ウクライナ戦争の終結と新たな欧州内戦(第三次世界大戦)が勃発する可能性を紹介した。
ただ、現状ではウクライナが反転攻勢を強めており、ロシアは防戦一方・・と報じられている。
ロシアの戦争は今や「防衛戦」に──ウクライナ軍を恐れて設置した「竜の歯」とは?
ウクライナの支配地域を次々と失っているロシアは、自国の防衛のために「竜の歯」と呼ばれる構造物を設置し始めたhttps://t.co/YR3MgyWGca #ロシア #ニューズウィーク日本版— ニューズウィーク日本版 (@Newsweek_JAPAN) December 11, 2022
ニューズウィークによると、ロシアは国境地帯に対戦車用トラップを設置するなど、ウクライナの攻勢に備えて防戦一方となっているとか。
ロシアがウクライナ一国にも手こずる中で、vs NATOの第三次世界大戦になるとは考えにくい。
ただ、ロシアが圧倒的に不利な(ことが喧伝される)中で、ロシア陣営の中国・中東勢は欧米陣営に寝返るどころか、自陣営の結束を強化するような動きすら見られる。
まずは中国だが、ロシア産の石油を購入するに当たり、60ドルを上限とする価格規制が発動した直後から、60ドル以上の価格で買い入れを続けていることが報じられている。
ロシアは60ドルの価格上限を越えてアジアに原油を売っている https://t.co/hG02o7sgxR
— zerohedge jpn (@zerohedgejpn) December 9, 2022
中国の業者が67ドルで購入しているESPO原油とは、ロシア国内のアジア寄りの地域で産出され、中東原油に迫る高品質なことで知られている。
さらに中東勢は、人民元建ての原油取引を推進する姿勢を見せてアメリカにケンカを売っている。
中国アラブ関係「新局面」、元建て取引推進で米揺さぶり 習氏 https://t.co/pQ90NsY3aM
— ロイター (@ReutersJapan) December 9, 2022
原油を買える唯一の通貨ということがドルの信用力の一つとなっていたため、これはアメリカにケンカを売るに留まらず、ドル覇権に対する挑戦そのものと言える。
本当にロシアが不利になっているなら、中国や中東勢が欧米勢にすり寄っても良さそうなものだが・・現実は真逆だ。
日本はじめ訪米メディアは、ウクライナ軍が圧倒的に優勢でありロシア軍はいつ負けるのか・・と言った感じで戦況を報じているが、2020年米大統領選時に、ツイッター社が民主党やFBIと連携してハンター・バイデンスキャンダルを「フェイク・ニュース」扱いにしたことが明らかになっている以上、欧米メディアは革新的な真実は報じないと見るべきだろう。
と言うことで、実際の戦況やロシアの戦略目的について、リベラル色のついていない専門家の見解をいくつか紹介したい。
まずは、元アメリカ陸軍大佐でトランプ政権において国防長官顧問を務めた軍事アナリストのダグラス・マクレガー氏だ。
この人は共和党系と思われる。
そんな軍事専門家のマクレガー氏が、FOXニュースでウクライナ戦争の戦況に関して見解を述べている動画がこれ。
その内容はと言うと・・・
- オースティン国防長官は、「ウクライナ疲れ」を起こさせるために(莫大な援助をする)努力しているが、次第に難しくなりつつある。
- と言うのも、欧州はこれ以上の資金投入に二の足を踏んでいるほか、ミリー大将(統合参謀本部議長)が、和平交渉の必要性をバイデン大統領に助言したことを、ニューヨークタイムズにリークしたからだ。
- ミリー大将が和平交渉を助言したのは、ウクライナは電力や水、食糧が不足しているほか、ウクライナ軍には10万人以上の死者と数十万もの負傷者を出すなど状況は非常に悪いため、交渉を始めた方が良いと言うもの。
- さらに、ロシア軍は冬の攻撃準備をしており、ウクライナの政権と武装勢力に対して壊滅的な打撃を与えるだろう。
- バイデン政権が、ゼレンスキーに対して交渉に応じるよう見せかけろと言ったことが暴露されたが、それは交渉する気ナッシングだと(負け戦に対して)カネが集まらなくなるから。
・・とこんな感じ。
マクレガー氏が指摘しているのは、「バイデン政権は、援助資金の使途に関する説明責任を果たさず、援助そのものが目的化」「戦況はロシア優勢で、ウクライナの継戦能力に疑問符が付く展開」辺りだろうか。
援助そのものが目的化しているとの指摘だが、これは支援兵器類がウクライナ外に拡散していることからも伺える。
米軍がウクライナで武器横流し対策を開始 ロシアと直接対決のリスクも高まる https://t.co/O9x7Etbwqe#デイリー新潮 @dailyshincho
— デイリー新潮 (@dailyshincho) November 8, 2022
デイリー新潮さんによると、フィンランドやスウェーデン、デンマーク、オランダ等で、流出武器が確認されれいるほか、スティンガーやジャベリンと言った高性能兵器も闇サイトで売買されている可能性を指摘している。
さらにゼロヘッジさんは、支援兵器類がアフリカまで到達していることがを報じている。
ナイジェリア大統領、ウクライナで西側が供給した武器がアフリカに「流入」していると指摘 https://t.co/NbEgo9yeTM
— zerohedge jpn (@zerohedgejpn) December 3, 2022
これら兵器類の流出は、ウクライナが支援された兵器類(の一部)を、戦場に投入することなく横流ししていることを意味している。
なお、マクレガー氏の「ゼレンスキーは支援してもらうことが目的」の指摘を踏まえると、兵器類を横流しして儲けるために、多大なる犠牲を出してまで戦争を継続している可能性まで考えられる。
ウクライナは「腐敗国家」だが、このような「腐敗」を「腐敗」と指摘しないどころか、国のトップも関与するシステムになっている所が「腐敗国家」たる所以でもある。
次にマクレガー氏が指摘する「ウクライナ軍の犠牲者10万」については、イギリスのガーディアン紙が報じた欧州委員会委員長のウルズラ・フォン・デア・ライエン氏の発言にも見られる。
Up to 13,000 Ukraine soldiers killed since Russian invasion, says Kyiv https://t.co/3Gx1WqglhB
— The Guardian (@guardian) December 2, 2022
もちろん、ウクライナは犠牲者は最大13000人程度として「10万」を全力否定しているものの、ガーディアン紙は「控えめな数字」と指摘するなど、欧州内でも「ウクライナ、ヤバくね?」の雰囲気となっていることが伺える。
フォン・デア・ライエン氏の発言には根拠があるだろうから、死者10万は間違いなさそうだ。
また、マクレガー氏は「死者10万・負傷者数十万」としている点からすると、アゾフ連隊含むウクライナ軍100万の損傷率は壊滅寸前の5割程度になっており、ウクライナ東部・南部の戦況はロシア軍優勢ということで良さそうだ。
ただ、そんな優勢なロシア軍はウクライナ軍から逃げ回り、さらに今さらウクライナ国内の発電設備を攻撃するという謎戦法を採用している。
・・一体何をやっているのか??
この点ついては、ブラジルの地政学アナリストのペペ・エスコバル氏からの分析が出ているので紹介したい。
エスコバル:エレクトリックウォーズ https://t.co/CgcBLljYRj
— zerohedge jpn (@zerohedgejpn) November 26, 2022
地政学アナリストのぺぺ・エスコバル氏は、戦術的観点ではなく戦略的観点から、ロシア・ウクライナの今後を予測している。
そんなエスコバル氏の見解は・・・
- ウクライナ戦争は「SMO(特別軍事作戦)」から「CTO(テロ対策戦)」に移行
- ロシアの電力インフラへの攻撃は、川の西側に至るDMZ(非武装地帯)を作り出すことが目的
- 戦況はロシア優位
- ロシアが占領地域から退却するのは、ウクライナ軍の勢いを逸らして自軍の損失を抑えるため。
・・と言った感じだろうか。
エスコバル氏が「テロリスト」と位置付けているのは、アゾフ連隊などを産み出したウクライナ政界・経済金融界の欧米勢と思われる。
ロシア軍がこれまで手を出さなかった発電施設へのミサイル攻撃しているのは、「テロリスト」と位置付ける欧米傀儡の政権・アゾフ連隊等を一掃するためということになろうか。
ただ、ロシアのミサイル戦法は、一見すると「市民いじめ」にしか見えない。
ロシアの新たな攻撃により、ウクライナの広大な地域で停電・断水が発生。 https://t.co/vLxfRl8Cfk
— zerohedge jpn (@zerohedgejpn) November 23, 2022
ウクライナの半数の電力インフラに被害が出ており、ゼレンスキー大統領が公式に認めるだけで1000万人が電気へのアクセスを失っているほか、首都キエフでは水道も止まっているとか。
当然ながら、冬の到来によって日常生活そのものが困難な状況になっている模様だ。
【ウクライナ】ウクライナ発電量、需要の73%に低下-国営電力会社 https://t.co/jidL0J3MDp
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) November 29, 2022
首都キエフ(キーウ)では、発電量は電力需要の7割程度に留まっており、キエフ周辺地域の4割が停電しているとか。
このブルームバーグの記事は11月のものだが、寒くなった今の方が電力需要は高いだろうから、この割合はさらに低下していると思われる。
さて、キエフ周辺での広域停電は、2018年9月に北海道の胆振東部地震後に発生した広域停電(ブラックアウト)を思い出す。
あれは、苫東厚真原発が停止して電力需要量>発電量となったことが原因とされる。電気は発電量と需要量が一致していないと周波数の乱れを防ぐため、送電が遮断されるからだ。
なので、キエフ周辺の停電地域は、送電網破壊ではなくブラックアウトを避けるためのものだろうから、発電量が回復しない限り復旧しない。
ただ、発電施設の復旧は絶望的なようだ。
キーウで今冬「終末」のシナリオも、電力・水供給断たれれば=市長 https://t.co/BhXuNZi2C1
— ロイター (@ReutersJapan) December 7, 2022
ロイターさんによると、
開発のための予算はなく、道路の修復もできず、全ての資金は市を防衛するために使われている
となっているとか。
・・やはりロシアのミサイル攻撃は市民いじめで、エスコバル氏が指摘する「テロリスト」には届いてなさそうな印象を受ける。
ただ、ウクライナでは18歳以上の男性国民の出国は禁じられており安易に国外脱出出来ない中で、ゼレンスキー氏が(武器の横流し等で)儲けるために戦争を継続するとなれば、ウクライナ国民からはゼレンスキー政権打倒の革命が起こりかねない。
ロシアの狙いは「市民革命」なのか?
次に紹介したいのがこれ。クソ長い記事だが・・・内容は面白い。
ゴルディロックス戦争 https://t.co/W1xIzS0AOC
— zerohedge jpn (@zerohedgejpn) December 7, 2022
この記事を寄稿したソ連生まれのドミトリー・オルロフ氏は、12歳の時にアメリカに移住し、応用言語学の修士号を持つエンジニア&作家で、ソビエト崩壊の分析からアメリカ崩壊予測を出したことで知られている。
そんなオルロフ氏によると・・・
- プーチンは負けるとは微塵も思っていない一方で、アメリカはロシア軍の戦術的撤退を「敗北」と喧伝するなど、ウクライナ勝利・ロシア敗北の演出に苦心している。
- ロシア軍はクリミアへの陸路・運河を通したほか、ウクライナ軍を壊滅させて武装化・非ナチ化の戦略目標をほぼ達成している。
- なので、ロシア軍はウクライナを軍事侵攻する必要性は無く、「最終勝利」までじっくり待つことが出来る。
- ロシアは、欧米勢に奪われた金融・経済・文化・価値観を取り戻すことを重視しており、ウクライナ国民がロシアにつくかどうかを選択するのを待っている。
- それまで自軍の消耗を抑えつつ、ウクライナやNATOを再編成させないようなペースでコトを進めている。
- 現時点でロシアが行っているのはNATOの破壊
・・と言った感じだろうか。
ウクライナ国民にロシアにつくかどうかの選択・・のくだりからは、ウクライナ国内にいる反ロシア勢力を追い出すことで、この地域を安定化させようとしていることが伺える。
現在のウクライナ国土は、1918年のブレスト・リトフスク条約の帰結だが、その際にロシア語・ロシア正教のウクライナ東部地域(=ロシア人居住地域)もウクライナに編入された。
エスコバル氏が「テロリスト」とするウクライナの欧米傀儡政権が、この東部地域のロシア住民を軍事攻撃したことで、ロシア人を守る義務があるプーチンは侵攻せざるを得なくなった。
こうした経緯を踏まえると、ロシア・プーチンは東部地域をロシアに編入した上で、西部地域を非武装化するつもりなのかも(又はポーランドに編入)。
オルロフ氏やエスコバル氏の分析を踏まえると、プーチンのミサイル攻撃とは「キミら寒いのイヤやろ?ならロシア魂見せんかい」のメッセージで、ウクライナ市民に決起を促している・・そんな可能性も見えてくる。
まあ、怒りでパワーアップするジャンプの主人公のような展開となるかどうかは疑問だが。
と言うことで、この専門家3名の分析を踏まえると、現在の状況としては・・
- 戦況はロシア軍有利に展開しており、ウクライナ軍の継戦能力は大幅に低下
- ロシアはウクライナを非武装地帯とすること、欧米勢力を追い出すことを戦略目標としている。
- その目標達成に当たっては、住民に反ロシア・欧米傀儡を追い出させようとしている。
・・となり、大手メディアが喧伝する内容とは裏腹に、ロシアは戦場での勝利どころか、ウクライナから欧米勢を追い出す算段までつけていることになる。
ただ、この戦争は簡単には終わらないかもしれない。
「ウクライナへのミサイル攻撃の裏で経済・金融戦争は次のステージへ」で紹介したように、ロシアのミサイル攻撃には、欧州の離脱を許さず戦争長期化という目的もあるだろうからだ。
ドミトリー・オルロフ氏は、
- 現時点でロシアが行っているのはNATOの破壊
としていることからも、あり得ない話ではない。
さらに、ダグラス・マクレガー氏は、アメリカはウクライナ戦争で勝利するために、NATO軍の動員を考えている可能性を指摘する。
米軍大佐 米国とNATOがロシアに勝てない理由を説明 https://t.co/VPSUyO6Llt pic.twitter.com/NTT5AQayS7
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) November 6, 2022
これが実現すれば、ロシア vs NATOの第三次世界大戦へと発展することになる。
この点から見ると、ウクライナが本格化させるロシア国内への無人機攻撃とは、NATOを戦場に引きずり出すためのものなんじゃないかと思えてくる。
ウクライナ無人機攻撃で露本土被害、プーチン政権に衝撃…「防空網に不備」批判もhttps://t.co/0QgiTTMF2p#国際
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) December 6, 2022
そもそも、ロシアのサラトフ州はウクライナ国境から数百キロ離れたロシア内陸部にあり、ウクライナがここを攻撃する戦略的意義は薄い。
また、読売の記事には
旧ソ連の偵察用無人機「Tu(ツポレフ)141」の誘導機能を強化し、攻撃用に改造したとの見方が出ている。
とある。
以前に紹介したように、アメリカがロシア内陸部を攻撃可能なドローン兵器の提供を取り止めたことやポーランドへのミサイルアタックを踏まえると、ウクライナが「もうアメリカには頼らん、自分でNATO引きずり出したるわ」となっている可能性が見える。
「ゼレンスキー大統領はロシアのスパイ説を考える」や「ロシアの部分動員令と戦争のエスカレートを望むアメリカ」で紹介したように、ロシア・ウクライナ間に協力関係がある可能性を踏まえると、阿吽の呼吸で第三次世界大戦を誘発しようとしている可能性と否定出来ない。
フォン・デア・ライエン欧州委員長の「犠牲者10万人」発言は、巻き込まれまいとする必死の叫びだったのかも。
だが、あのブルガリアで国家機密にまで指定されていたババ・ヴァンガの予言を踏まえると、欧州勢は逃げられない。
ブルガリア政府も注目していた予言者、20世紀のノストラダムス”ババ・ヴァンガ”とは何者か? / https://t.co/OzeKp5mXbj
— 週プレNEWS (@shupure_news) April 15, 2022
驚異の的中率85%を誇るババ・ヴァンガは、「プーチンが戦争を起こす」「ロシアが世界の覇者となる」ことを予言しているとか。
さらに「意図的に誘発されるQEバブル崩壊、そして金融危機」で紹介したように、今年はユダヤ歴の中で7年に一度ある波乱の「シュミータ年」で、さらにそのシュミータ年を7回繰り返した「ヨベルの年」でもある。
「借りてた土地は返さなくていいし奴隷は解放されるリセットの年」とされるヨベルの年・・欧米国際金融資本による支配からの解放や、金融大崩壊など欧米勢没落を予感させるものだ。
そして、没落の原因がロシア勝利の第三次世界大戦である可能性は充分にある。
・・と言うことで、ウクライナの戦況とロシアの目的から、第三次世界大戦が垣間見えた気がした。
なお、NATO参戦の可能性については、冒頭のダグラス・マクレガー氏が予測する「ロシア軍が冬の攻撃準備をしており、ウクライナの政権と武装勢力に対して壊滅的な打撃を与えるだろう」で誘発される可能性がある。
※一部の内容を「NATO vs ロシアの第三次世界大戦でドイツは消滅!?」に移しました。
最後まで読んでくれてありがとう!