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【原田武夫】トランプ和平案のせいで中東戦争?イスラエルは危機的状況に!?

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元キャリア外交官の原田武夫氏が、自身のブログで語ってたことのうち「中東に関すること」を考えてみたい。

※リンク先のブログは全部英語です。言葉が少しおかしいのは機械翻訳なので勘弁してください。

参考までに、上記ページで原田武夫氏が警鐘を鳴らしている中東関係の事項は次のとおりだ。パンデミックや東京オリンピック中止など他の事項については、昨日の記事を見て欲しい。

  • トランプの出した中東和平案にもとづき中東地域において戦争がはじまり、原油価格は急騰する。
  • この「オイルショック」により、日本経済は「スタグフレーション」となり、日本銀行のQE(量的緩和)は停止
    ※日銀が掲げるインフレ目標達成に伴いQEをやめるということと思われる。

中東戦争による原油価格急騰により、日本がスタグフレーション(インフレだけど景気悪い)となり、日銀がQEをやめるという予測だ。

日銀のQEにより生み出されたカネは、債券・株式市場やドルも支えているのだが、一応2%のインフレを目的として市場に資金供給をしていることになっている。原油価格高騰により、2%以上のコストプッシュ型インフレとなることから、日銀がQEをやめるだろうという分析と思われる。

そして、中東戦争の原因となるのは、先日トランプが発表した中東和平案のことだろう。この和平案が発端となり中東地域で戦争となり、原油価格は急騰するということか。

この中東和平案は、先月28日にトランプ大統領がイスラエルのネタニヤフ首相とともに発表したものだが、なかなかぶっ飛んだ内容だ。あまりにもイスラエル寄りの内容であったため、パレスチナ自治政府(PLO)のアッバス議長は、和平協議をボイコットしてしまったぞ。

以下はブルームバーグが報じたものだ。

トランプ大統領、新たな中東和平案を発表-パレスチナ側は反発

トランプ米大統領は28日、新たな中東和平案を発表した。イスラエルとパレスチナの「双方にとってプラスとなる」解決策をもたらし、中東地域をより安全にするための詳細な計画だとしたが、パレスチナ側と一部のアラブ諸国は反発している。

同日夜のホワイトハウスでのイベントにイスラエルのネタニヤフ首相と共に臨んだトランプ氏は、「テロの排除」といった主要な条件が満たされればパレスチナ国家の樹立を認めると表明。和平案はイスラエルとパレスチナ国家の「2国家共存」への移行に道を開くものだと述べた。また、エルサレムはイスラエルの「不可分の首都」であり続けると述べ、カジノ業界の大物で共和党の大口献金者でもあるシェルドン・アデルソン氏ら出席者から喝采を浴びた。

トランプ氏が11月の大統領選で再選を目指す上で、イスラエル寄りの内容の和平案は同国を支援するキリスト教福音派やユダヤ系保守層の間で支持拡大につながる可能性がある。

ただ、ホワイトハウスの外では、今回の提案が機能しないことは最初から明白との見方が強い。和平案についてパレスチナ側への相談はなく、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の存続を認めるなど、この日公表された詳細の多くがパレスチナ側に受け入れ困難であることは間違いない。

パレスチナ自治政府のアッバス議長はトランプ氏の提案に対し、「『ノー』だ。千回でもそう言う」と述べた。米国の同盟国であるヨルダンも反発している。

以下略

トランプ大統領は自画自賛しているが、周りは「無理だろww」と冷ややかなようだ。

この中東和平案の内容で、まずエルサレムを「イスラエルの「不可分の首都」であり続ける」としている点が問題となる。

エルサレムはイスラエルが占領し「首都」としているユダヤ教の聖地だが、同時に、キリスト教やイスラム教の聖地でもあるため、国連はエルサレム西側はイスラエルに、東側はパレスチナに帰属すると決定した。

こうした経緯もあり世界共通認識として「エルサレム全土はイスラエルに帰属しない」としていたところ、トランプの和平案でエルサレムを「イスラエルの”不可分”の首都」としたのだ。

なお、トランプは、2017年にテルアビブの米大使館をエルサレムに移転するなど、エルサレムをイスラエルの首都して公認しアラブ人の怒りを買っている。

次が、イスラエル入植問題の是認だ。

ヨルダン川西岸地区は、国連がパレスチナ領としているが、イスラエルが武力を背景に入植を進めている。

和平案では「ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の存続を認める」とし、イスラエルの行為を肯定した。なお、入植地は国連決議だけでなく国際法にも違反している。

このほか、イスラエルの安全保障のため、パレスチナの武装禁止など国家主権に制限をかけている。

また、記事ではヨルダンが反発とあるが、これはヨルダン王家に向く不満を逸らすためだろう。サウジアラビアやエジプト、アラブ首長国連邦(UAE)といった親米アラブ国家は、この和平案容認を表明しているしな。国民は怒っているだろうが。

さて、ここで出てくる疑問が「イスラエルはそれでエエのか?」だ。

イスラエルが周囲敵だらけで突っ張ってこれたのは、アメリカの圧倒的なカネと武力があったからだ。このブログでは以前より述べているが、アメリカ・トランプは中東から手を引くつもりだ。

【ウクライナ機撃墜】イラン革命防衛隊司令官殺害事件によりイランが得た4つのもの

イランの核問題と新世界秩序(New World Order)

現在の状況は、かつてイスラエルが中東戦争で勝利を重ねてきた状況とは異なっている。

ロシア・中国をバックにつけたイランは、アメリカから覇権を移譲されつつある。さらに、イランの影響力下にあるイラクやシリア、レバノンなどがイスラエルを囲む。

さらに、先月のイランから米軍基地へのミサイル攻撃時には米兵に負傷者報道もあったが、トランプにはイランを攻撃する気は全く無く「何もなかった」としている。

イスラエルの周りは敵だらけの中で、アメリカは中東をイランに任せるつもりのようだ。

となると、トランプが出した「全アラブ人にケンカを売る」この和平案に従えば、アメリカ撤退後にイスラエルは潰される。

いずれにせよ、イスラエルはアメリカ撤退を見据えロシアやイランに接近するなど、国家戦略の方針転換が必要だ。

だが、その視点に立てば、そもそもイスラエルのこれまでの国家戦略もおかしい。

建国当初のイスラエルは小さいので、一定の領土拡張の必要性は理解できる。しかし、その後はアメリカの軍事力という優位性のもと、周辺諸国と和解すべきだったなではなかろうか。

イスラエル建国当初に政権を握っていたのは、労働党だ。

20世紀初頭からパレスチナへのユダヤ人入植を先導してきた政治勢力である労働シオニズム(社会主義シオニズム)の流れをくみ、建国後も長きにわたり与党として社会を主導してきた、イスラエル建国エスタブリッシュメント政党。パレスチナとの融和・共存を掲げる中道左派

Wikipediaより

やはり、当初は一定の領土拡張後、周辺諸国と和解する国家戦略を持っていたと考えられる。

しかしながらこの方針は転換された。

イスラエルが世界のユダヤ人の受け入れを進める中で、アメリカからも多くのユダヤ人が移住した。

そんな彼らはアメリカの意を受けたようで、1970年代に政党「リクード」を結成した。

リクードは、パレスチナの範囲にとどまらず「約束の地」全域への領土拡大を求めて政権を奪取し、アラブ人との恒久的な対立構造を生み出したため、中東は一気に不安定化した。

この状況は、まさにアメリカの軍産(=国際金融資本勢力)が望む状況ではないか。

つまり、ヨルダン川西岸などパレスチナ人の土地に入植を進めたり、エルサレムを占領してパレスチナ人を追い出すなどの問題を起こしたのは、イスラエルでなくアメリカ(の意を受けたユダヤ人)が黒幕という疑いが強い。

こうして見ると元キャリア外交官の原田武夫氏が言うように、ユダヤ人は2つに分かれていることが分かる。アシュケナジーとスファラディだ。

今の話で、元々の労働党にいた人達がスファラディ、アメリカから来た国際金融資本勢力のニオイのする人たちがアシュケナジーだ。

アメリカで多額の献金や強烈なロビー活動をしているのは「アシュケナジー」だ。イスラエルがアメリカ軍産に操られているのか、イスラエルがアメリカ軍産をコントロールしているのか、分からなくなってくるな。

有名な、金持ち有能で世界に広がるユダヤ人ネットワークは「スファラディ」の方々が持っていたハズだが、今はイスラエルを乗っ取った「アシュケナジー」を通じてアメリカ軍産・国際金融資本勢力の手に渡っているのではないだろうか。

70年代にリクードが結成され、90年代のイギリスにおいて金融ビッグバンを経て金融資本主義が一気に拡大したのも、このネットワークを手にしたからなのか。

長くなったが、トランプの現実離れした和平案と原田武夫氏の中東戦争の予測からは、イランとイスラエル戦争が起こるのだろう。

だが、トランプはイスラエルの味方に見えるが、実際にはイラン派だ。

その目的はアメリカ覇権撤退とともに、ユダヤネットワークをアシュケナジーから取り戻すことも視野に入っていると考えると、結果はイスラエル大損となるだろう。

ユダヤネット回収が終われば、金融崩壊も現実に迫ってくるだろう。その先鞭をつけるのが日本のデフォルトなのだろうか。

まあ、イスラエルもロシアやイランに接近して中東強調戦略に切り替えるとは思うが、国内にガッツリ入り込んだリクード系右派勢力にからめとられる可能性もあるので、何とも言えないな。

最後に、アメリカの有名な予言者ジョセフ・ティテル氏が2020年頭予言にて中東の話をしている。

ジョセフ・ティテルが予言する2020年 アメリカ大統領選挙で何が起こる?

以下は、ブルーオーブさんのブログからだ。

イランとイスラエル、北朝鮮が問題になる。
ブッシュ政権のときに中東でひとつの国を消し去るようなことをした。
ディープステートはまだ中東を諦めていない

イランに反キリストが生まれてくると数年前に予言した。
イランの新しい若いリーダーが反キリストになる。
イスラエルにとっての脅威になり、2023年にはアメリカにとっても問題になる。

この予言からは、アメリカの軍産・国際金融資本勢力は、中東を不安定化することでアメリカ覇権を維持し続けることを画策しているということになろうか。

また、イランの新しい若いリーダーとあるが、イランの選挙で大統領に選ばれた者のことだろうか(イランは中東ではめずらしい民主選挙を実施)。あるいは、イランで再度革命が起こるということなのか。


最後まで読んでくれてありがとう!