アメリカでは、債務上限問題が解決され、2025年1月までは上限無視することになった・・が、少し気になる点がある。
それがこれ。
米財務長官「6月5日にも債務不履行に」 債務上限問題、期限を修正 https://t.co/tKyver2UBm
米政府の債務(借金)上限の引き上げ問題をめぐって、イエレン米財務長官は26日、米議会が上限の引き上げまたは凍結に動かなければ、米政府は6月5日にも債務不履行に陥るとの見方を示した。
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) May 27, 2023
5月26日に、イエレン財務長官がデフォルト期限を6月1日から5日に延期したという報道だ。
報道では・・
米政府の財政状況を最新のデータをもとに計算し直したところ、様々なやりくりで、4日ほど「延命」できるとわかったという。
・・と曖昧だが、実際には1000億ドル単位の資金を産み出したもので、計算し直しで判明する規模ではない。
「アメリカの債務上限問題は解決しても、しなくてもドルは窮地に」では、あの原田武夫氏が債務上限問題を「簿外資産を引っ張るための手段」と指摘していたことを紹介したが、もしかしたら、どこからか資金調達に成功した可能性が高い。
それを踏まえて気になるのが、ドル円チャートの動きで、5月26日付近の日足チャートを確認すると・・
・・イエレン発表の数日前から、それまで固くて抜けなかった137.50~60円付近のレジスタンスをぶち破って上昇していることが分かる。
その後は140.9円付近まで上昇しており、過去の介入の例を踏まえても、数兆円規模の円資産がドル転(=円売りドル買い)されたことを伺わせる。
日本政府が簿外資産を勝手に運用したのか、特別会計のヤミ資金が原資なのかは不明だが、いずれにせよ、アメリカのデフォルトを歓迎しない日本が、つなぎ資金を提供した可能性を伺わせる動きと言える。
こうした状況下で懸念されるのは、「アメリカの債務上限問題は解決しても、しなくてもドルは窮地に」で紹介したように、アメリカの債務上限問題の解決=米国債の過剰発行再開を意味するもので、インフレ加速の可能性が高くなることだろう。
既に「再びインフレが加速すれば利上げを再開する」として利上げを一時停止していたカナダ中銀が、予想外の利上げを再開に踏み切った。
カナダ中銀が予想外の利上げ再開、政策金利4.75%に-景気過熱に対応 https://t.co/h0UOSLqQD8
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) June 7, 2023
カナダ中銀の利上げ再開は、今年後半に予測されていたところで、予想外の早期再開となっており、想定以上のインフレ(スタグフレーション?)となっていることが伺える。
実は、インフレが落ち着いていない懸念はアメリカでも出ており、先日のアメリカ雇用統計も・・
失業率 前回3.4% 予想3.5% 結果3.7%
非農業部門雇用者数 前回25.3万人 予想19.0万人 結果33.9万人
・・と、極めて好調な数字だった。
しかしながら、5月のアメリカCPI(消費者物価指数)は・・
【速報】🇺🇸 CPI
総合は市場予想を小幅に下回り、コアはほぼ予想並みでした。
発表直後に米国株はやや上昇しています。このあと下記noteでCPIのコンパクトな解説を上書きしていきます。そのうえで、日本時間木曜未明のFOMCの見通しもまとめます
👇notehttps://t.co/LVwgEtIp9F pic.twitter.com/lfl7OTpAcs
— 後藤達也 (@goto_finance) June 13, 2023
・・となっており、物価上昇ペースに鈍化が見られる。
しかし、食品・エネルギーを除いたコアCPIはほぼ変わっておらず、実際にCPIを下げたのはエネルギー価格の下落といえるほか、「崩壊しそうなドルと日銀の金融政策、そして新たな通貨システム」でも紹介したように、アメリカのインフレ鈍化は信用収縮(クレジット・クランチ)が原因である可能性が高い。
今のところ、アメリカFRBの利上げ予想は、6月は利上げせず、7月9月に最後の利上げして、年後半から利下げ・・と言うものだ。
◆ 今週 FOMC
日本時間・木曜未明にFOMCです。水曜にプレビューツイートしますが、ひとまず現時点の市場の織り込みを。今回は「利上げ停止」の予想が優勢。ただ、次回7月会合では「再び利上げ」の可能性が意識されています。パウエル議長や公表資料でどういうメッセージを出してくるか、要注目です pic.twitter.com/xuJOXaiFfB— 後藤達也 (@goto_finance) June 11, 2023
しかしながら、カナダ中銀の動きや雇用統計等の状況をに加えて、債務上限問題解決による米国債無限発行が再開されたことで、「6月は利上げ停止」はともかく、年後半の利下げ期待は(?)しかない。
さて、このインフレについて、これまではコロナによるサプライチェーン混乱やウクライナ戦争によるコモディティ価格上昇が原因とされてきたが、実際にはコモディティは大幅下落しているため、「紙幣の刷り過ぎ」が真のインフレ要因との指摘が出ている。
Commodity Prices Debunk The “Blame Ukraine” Excuse For Inflation https://t.co/COpewY9wZ1
— zerohedge (@zerohedge) June 11, 2023
ゼロヘッジさんの記事によると、戦争は終わってないし中国のアフターコロナ需要が見込まれる中でも、WTI原油は1年で38%下落し、FAO(食糧価格指数)も2年ぶりの低水準となっているとか。
5月のCPI(消費者物価指数)が下がっても、コアCPI(食品・エネルギー除く消費者物価指数)が下がってない理由がコレだ。
それでもインフレが止まっていないのは、コロナ以降のバラ撒きマネーが巨額過ぎて、近年の引き締めで全然吸収出来ていないことが原因としている。
リーマンショック以降のQEマネーは金融市場に留まっていたが、コロナ以降のQEマネーは、コロナ給付金やウクライナ軍事支援等の形で実体経済に投入されており、インフレの主要因になったという感じか。
以下は、FRBの保有資産の推移だ。
リーマン後のQEで急増して落ち着きつつあったものの、2020年のコロナショックではリーマン超えの規模で急増したことが分かる。
「FRBの金融引締めは怒涛の暴落と円高、そして日本バブルへ」で紹介したように、FRBは毎月950億ドルという異次元レベルのQTによって総資産を減らしているものの、銀行危機で再度増えている。
先のゼロヘッジさんの記事にあった「インフレは紙幣刷り過ぎが原因説」が本当ならば、FRB資産額に比べてQT規模は小さく、インフレが収まらないのも納得だ。
こうした中で、日本が虎の子をはたいてアメリカの債務上限問題を解決したことは、米国債の無限発行再開によるインフレ再開・加速に加えて、インフレ抑制のための利上げ継続と金融危機に直結する銀行問題の再燃につながるものと言える。
アメリカの銀行危機の原因は、「アメリカの巨大金融資本が引き起こした銀行破綻とQE再開」で紹介したように・・
- 急激な利上げに伴って銀行が保有する米国債価格が急落し、中小銀行を中小にバランスシートが棄損(=融資余力の減少)
- そこを、JPモルガン等の巨大金融資本が、「中小銀行ヤバいで」と煽ったことで預金流出を誘発(=融資余力がさらなる減少)
・・であり、JPモルガン等から「ヤバいで」と名指しされた中小銀行からバランスシートが決定的に破壊されて破綻した・・というのが現実だ。
また、銀行のバランスシート棄損によって・・
銀行が融資する余力が縮小
↓
容易に融資できなくなる信用収縮(クレジット・クランチ)へ
↓
銀行の信用創造(=マネーサプライ拡大)機能の停止
↓
歴史的な金融危機へ
・・となることは「銀行の信用収縮でマネーサプライ急減、ドル崩壊後の準備が始まる」で紹介したとおりだ。
実のところ、債務上限問題が解決されたアメリカでは、1兆ドル規模の国債発行が予定されており、この国債購入のため、銀行の信用収縮がさらに進む可能性が指摘されている。
1兆ドルの米国債の津波が流動性吸い上げへ-全ての資産クラスに影響 https://t.co/uTa9yhCE5I
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) June 4, 2023
また、銀行が買わなくても、銀行顧客が預金→国債へとシフトしても銀行の信用収縮は進むことになる。
かなり危険なニオイがしているが、既に銀行の信用収縮は、優良な不動産業者ですら新規物件の融資が全く受けられない深刻な状況になっているとか。
CEO: “I Talked To 48 Lenders About Debt For A New Apartment Project. Zero Came Back With A Bid” https://t.co/ewaNKj0okS
— zerohedge (@zerohedge) June 8, 2023
ゼロヘッジさんの記事では、オフィスよりもマシな集合住宅価格ですら、過去1年間で21%も下落したことが報じられており、返済(借り換え)期限が来た融資の借り換え困難化によって、手持ち物件の投げ売りが始まっていることが伺える。
さらに、住宅ローン金利の高騰に伴って賃貸の需要が高まる中で、新規賃貸物件の建設が不可能となっているため、家賃だけは上がり続けると言う悪夢が始まっている。
さらに、これまでの超低金利環境下で、社債発行などの安易な資金調達に慣れた企業は、急激な金融環境の変化に右往左往しているようで、倒産件数は2010年以来となるペースとなっているとか。
The End Of Easy Money: Bankruptcy Filings Pile Up At Fastest Rate Since 2010 https://t.co/5IlGDrnbE6
— zerohedge (@zerohedge) June 9, 2023
特に、ジャンク社債で生き延びてきたゾンビ企業は、調達金利が3%→7%と驚異の上昇を前にして、社債保有者を巻き込みながら散っていくことになりそう。
「CLOが日本に集中!次の金融危機は日本発か!?」で紹介したように、超低金利環境では、銀行も信用度の低い企業への融資を積極的に進めており、それらを纏めたCLO証券の破綻も懸念されるところ。
さらに銀行を苦しめるのが、「米サンフランシスコの治安は劇的に悪化 ポリティカル・コレクトネスの成れの果て」で紹介した、民主党政権がゴリ推しした「ポリティカル・コレクトネス」による治安悪化だ。
サンフランシスコでは、950ドル(133000円)以下の窃盗を「軽微」として即釈放という扱いになったため、白昼堂々と13万円分の商品を窃盗し、店員は止めることすら出来ないというレベルに治安が悪化しており、万引きに苦しむ小売業以外に観光業なども苦しい状況に追い込まれているとか。
30 San Francisco Hotels Face Incoming Debt Maturity Wall As Default Dominos Begin https://t.co/K6Z3TE0vGV
— zerohedge (@zerohedge) June 9, 2023
ゼロヘッジさんの記事によると、サンフランシスコのホテル業界は、ポリコレ政策による犯罪率上昇による観光・ビジネス低迷&金融引締め(利上げ・QT)による資金調達難のダブルパンチになっている様子。
このため、ホテル業界大手のパークホテル&リゾーツは、所有するホテルに係る7億2500万ドルの融資返済を停止してホテルを手放すことにしたほか、多くのホテルが差し押さえの憂き目にあっており、今後もデフォルトが相次ぐ可能性が高いとのこと。
このような状況で、本当に経済・金融統計が良いのかは疑問だが・・
US jobless claims mysteriously surge upon “data” revision
US jobs mysteriously revised sharply lower upon “data” revision
Europe mysteriously enters recession upon “data” revision
— zerohedge (@zerohedge) June 8, 2023
・・
米失業保険申請件数、「データ」修正で謎の急増
米雇用統計は「データ」修正により謎の大幅減額修正
データ修正により、欧州は不思議なことに景気後退に突入した。
・・とのことなので、日本から資金を引っ張れるような謎のチカラが統計を歪ませているのかもしれない。
いずれにせよ、信用収縮に陥るアメリカで、借り換え需要の高いCRE(商業不動産)セクターの大崩壊が迫っているのは、「銀行の信用収縮でマネーサプライ急減、ドル崩壊後の準備が始まる」で紹介したとおりだ。
ただ、リーマンショックの時と異なりFRBの救済余力は乏しく、さらに肝心の米国債の信用も低下している中でのCREショックとなれば、米国債・ドルの信用低下が一気に進む金融危機となる可能性が高い。
なお、FRBパウエル議長が、インフレ対策(利上げ)に迫られつつ信用収縮・銀行危機対策(利下げ)に迫られてニッチもサッチも行かなくなっていることを、FRBバンキシャのニック・ティミラオス氏が指摘している。
The Federal Reserve is aiming to avert financial instability while also fighting inflation—predicaments that frequently call for opposite policies https://t.co/57YYf5rmN0
— The Wall Street Journal (@WSJ) June 12, 2023
ウォール・ストリート・ジャーナルの記事からは、インフレによる貨幣価値の低減を補填するため、利上げを求められる一方で、銀行・保険会社はワンチャン利下げに懸けてクソポジを前に脳死状態と、既に事態はどうにもならなくなっており、6月の利上げの有無の問題ではないことが分かる。
結局のところ、債務上限問題の解決とは、さらなる国債発行&国債価値の下落によって銀行の信用収縮を進ませ、金融危機(CREショック)の導火線に点火しただけのことであり、あの原田武夫氏も、8月ショックに警鐘を鳴らす。
だが、原田御大がわざわざ「8月ショック」と言うからには、金融面だけでなく、ドル・米国債の裏付けとなる「軍事覇権」の致命的な浪費・縮小も加わる可能性が見えている。
アメリカの(意図的な)アフガンや中東地域の覇権縮小・撤退によって、シーパワー国家としての優位性やペトロダラーの崩壊を招いているところだが、この覇権縮小・撤退策の総仕上げとして、中東戦争・台湾有事の可能性があることはこれまでにも紹介したとおりだ。(CBDCは失敗して仮想通貨へ・・そして世界統一デジタル通貨へ)(ケニア大統領が警告するドル暴落とペトロダラー崩壊)(ウクライナ戦争の終結と中東戦争の開戦によって米ドルは崩壊する)(台湾有事を理由にアメリカは日本の防衛から手を引くかもしれない)
しかし、目下のところ気になるのはウクライナ戦争で、これまでに何度か「もう終わりそう」と紹介しておいて恐縮だが、F16供与やダム破壊など、終わるどころかエスカレートする雰囲気が出てきている。
この背景にあるのが、軍産ロビーの活躍だろう。
The defense industry manipulates the media, government, and public opinion through its massive funding of think tanks. Pay no attention to the man behind the curtain! #Kennedy24https://t.co/t2ZH17aF71
— Robert F. Kennedy Jr (@RobertKennedyJr) June 7, 2023
民主党大統領候補者のRFK.Jrさんによると、国防総省や軍産企業から資金提供されたシンクタンクが、メディアを通じてウクライナ戦争を盛り上げる世論形成しているとのこと。
この状況を踏まえれば、戦略上の決着とは無関係にウクライナ戦争はまだ続くだろうし、新たな戦争に向けた世論誘導作戦も整ってそう。
さらに、ロシアはロシアで・・
- 空軍戦力を使わない
- プリゴジンのワグネル傭兵部隊に頼って正規軍を温存
・・と、本気で終わらせようとする気概は微塵も感じられない。
特に空軍戦力については、2015年のシリア内戦に関するスプートニクの記事にもあるように、シリア内戦にケリをつけた実力を持っており、何故ウクライナ戦争に投入しないのかは気になるところ。
Islamic State militants have been moving their families to t…
シリアにおいて、IS(イスラム国)はアメリカによる1年以上に渡る空爆には耐え続けたのに、ロシアが空爆を開始すると、わずか3日で逃げ出し始めたたことが報じられている。
これは、ロシア空軍の能力の高さというよりは、アメリカとISには打倒アサド政権という共通の目標があったことから、アメリカはISを敢えて潰さなかった(=アメリカの手先?)との可能性を伺わせるものだ。
また、アメリカのIS温存の姿勢は、結果としてロシア・中国陣営への(意図的な)中東覇権の委譲に繋がった。
いずれにせよ、ISを3日で蹴散らしたロシア空軍を投入していない点からは、当時のアメリカと同じく、ロシアは意図的にウクライナ戦争を引き延ばしている可能性が高いと言える。
ロシアの意図は「ウクライナ戦争の真のターゲットはEU ユーロは崩壊へ」で紹介したEU(ドイツ)潰しであるが、「ロシアの部分動員令と戦争のエスカレートを望むアメリカ」で紹介したように、アメリカもドイツを弱体化させてEU内での影響力を削ぐと共に、EUからアメリカに利益還流するという目的を持っているため、米露には戦争長期化・EU&ドイツ潰しという共通の目的があるのは事実だ。
また、アメリカの意図的な覇権の縮小・撤退の流れを踏まえると、事実上、米軍の欧州分隊となっているNATOも破壊したいと考えているのは間違いない。
この点を踏まえてウクライナ戦争の状況を見ると、まず、前NATO事務総長のアナス・フォー・ラムスセン氏が、ポーランドやバルト諸国がウクライナに派兵する可能性を示唆したことが目に付く。
Former NATO Head: Some NATO Countries Are Considering Sending Troops To Ukraine https://t.co/w6WWsnGt7E
— zerohedge (@zerohedge) June 9, 2023
ゼロヘッジさんによると、前事務総長さんは「ウクライナをNATOに加盟させないんなら、ポーランドやバルト三国はウクライナ戦争に直接派兵するぞ」との警告を発したとか。
なお、ウクライナのNATO加盟は、フランスはじめ多くのNATO諸国が反対しており、絶対に実現しない。
そして、NATO加盟国には相互防衛義務が課せられているため、仮にポーランド軍とロシア軍が激突することになれば、アメリカ筆頭に欧州勢はロシアと直接戦争することになる・・が、大統領選を控えるアメリカ・バイデン政権は、激しい世論の反対を前に容易には参戦出来ないだろう。
しかし、そんな世論を一気に参戦に傾けるカードが存在する。
それが、ロシアの核兵器使用だ。
「NATO vs ロシアの第三次世界大戦でドイツは消滅!?」では、ロシアが公表している以下の核使用ドクトリン(核兵器使用の条件)を紹介した。
- ロシアや同盟国への弾道ミサイル発射に関する情報を得た時
- ロシアや同盟国が核兵器・大量破壊兵器によって攻撃された時
- 核兵器報復のために重要なロシア政府や軍の施設に敵国の干渉があった時
- 通常兵器による侵略によりロシアが国家存亡の危機に瀕した時
この中で、②について、アメリカがウクライナに劣化ウラン弾を供与することが話題となっているのは気になるところだ。
米、ウクライナに劣化ウラン弾提供へ 戦車での使用想定 WSJ報道https://t.co/PJXP78mJvZ
劣化ウラン弾は、核兵器製造や原子力発電のためのウラン濃縮過程で生じる廃棄物「劣化ウラン」を使った砲弾。微粒子が人体に入り込んだ場合は「体内被ばく」を引き起こす危険性も指摘されています。
— 毎日新聞 (@mainichi) June 14, 2023
実は、イギリスによるウクライナへの劣化ウラン弾提供は、ベラルーシへの戦術核配備に繋がっており、プーチンロシアは劣化ウラン弾を「核兵器」と見なしている可能性が高い。
アメリカ戦車が劣化ウラン弾をぶちかました時、プーチン大統領はそれをどう見なすか・・。
また、5月3日に発生したクレムリンへのドローン攻撃について、アメリカがウクライナ軍の関与があったことを認めたことが報じられた。
クレムリンへの攻撃、ウクライナが関与か 「米当局が見解」と報道 https://t.co/NODJFkHbrR
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) May 25, 2023
当初はロシアの自作自演とされていたものだが、アメリカはロシア中枢部に対するウクライナ軍の攻撃であることを確定させたものだ。
このクレムリンへの攻撃は、ロシアの核使用ドクトリンのうち・・
③核兵器報復のために重要なロシア政府や軍の施設に敵国の干渉があった時
・・に該当する可能性が高いと思われる。
何より気になるのは、わざわざアメリカが「ウクライナ軍が犯人やで」としたことで、ロシアの核兵器使用にお墨付きを与えたことになる点だろう。
なお、アメリカによる「核使用のお墨付き」と言う点では、ノルドストリーム・パイプラインの爆破について、アメリカがウクライナを制止していたことを、CNNが報じたのも気になるところ。
オランダ諜報機関、ウクライナがパイプライン攻撃を計画とCIAに警告 蘭公共放送 https://t.co/lmdoDnmwZO
— cnn_co_jp (@cnn_co_jp) June 14, 2023
CNNの記事によると、オランダの諜報機関がCIAに対して「ウクライナがノルドストリーム爆破するかもしれんやで」と警告し、CIAはウクライナに「やめとけって」と制止していたとか。
また、直近では、カホフカダムがロシアに破壊されたと話題になっているほか、ロシアはクリミア半島の化学工場を爆破して広大な地域に及ぶ環境汚染を目論んでいる・・ことが報じられている。
ロシア軍、次は化学工場爆破でチェルノブイリを上回る大惨事を狙う? https://t.co/XjJ55hBd8m#ニューズウィーク日本版
— ニューズウィーク日本版 (@Newsweek_JAPAN) June 14, 2023
クリミアは2014年にロシアが編入したロシア領だし、カホフカダムがあるへルソン州は、ロシアが併合宣言した事実上の自国領土で単なる占領地ではない。
ロシアから見れば、事実上のロシア領内のインフラ設備を、ロシア自信が破壊するインセンティブは皆無と言える。
このツイートの言うように・・・
According to the main stream media Russia
1. Attacked their own pipelines
2. Blew up the Crimea Bridge
3. Attacked their own nuclear power plant
4. Attacked the Crimean bridge
5. Blew up their own dam
6. Attacked the Kremlin with drones— Garland Nixon (@GarlandNixon) June 6, 2023
(翻訳)
世界の主流メディアによると、ロシアは
1自国のパイプラインを攻撃
2(自国の)クリミア橋を爆破
3自国の原発を攻撃
4クリミアの橋を攻撃(2回目)
5自国のダムを破壊
6ドローンでクレムリンを攻撃
・・あまりに理不尽と言え、そもそもロシア犯人説には無理があり過ぎる。
なお、カホフカダムについては、Wikipediaのカホフカダム破壊事件のページに過去の経緯が記載されているように、2022年夏頃からウクライナ軍が何度も破壊を試みていたダムであり、ロシアは国連に対してカホフカダム破壊について警鐘を鳴らしていたいわく付きのダムでもある。
この辺りの攻撃も、アメリカから「実はウクライナが・・」といった話が出てくる可能性が高い。
となると、ウクライナによる政府中枢や重要インフラへの攻撃+劣化ウラン弾の「数え役満」が、ロシアの核ドクトリンに抵触する可能性は懸念されるところだ。
そして、ロシアが核兵器使用となれば、アメリカも世論を押し切って参戦は充分に可能だろうが、ウクライナ戦争への参戦は、戦費調達として米国債の大量発行に繋がり、さらなる信用収縮を誘発することになる。
そもそも、戦時当事国の通貨は国際決済における信用が低下して暴落するというのが常識だ。
明治維新という名の洗脳(苫米地英人 著)
これまでアフガンやイラク、リビアと言った「格下」相手の戦争時には問題なかったドルだが、ロシアとの直接戦争となった場合、その信用は大きく低下する可能性は高い。
ただでさえ、ドルの金融兵器化によるドル離れを招いているところに、戦争当時国通貨と認定されれば、ドルの信用は地に落ちることになりそうだ。
さらに、ウクライナ戦争と並行してドルの信用を地に落とすのが中東戦争だ。
「ウクライナ戦争の終結と中東戦争の開戦によって米ドルは崩壊する」では、中東に展開するアメリカ軍が、海賊行為によってイランを挑発したり、イラン抑止を目的に「バンカーバスター」を配備したり、イスラエル国内では極右政権が成立したりと、アメリカ vs イランの戦争にイスラエルが巻きこまれる構図が高まっていることを紹介した。
こうした中で、エジプト兵がイスラエル領内に越境して機関銃をぶっぱなし、イスラエル兵・民間人が死亡する事件が発生したことが報じられている。
Why are Egyptians still celebrating the man who killed 3 Israeli soldiers? https://t.co/LgEcw18E2E
— Middle East Monitor (@MiddleEastMnt) June 13, 2023
この事件は、麻薬犯追跡中に起こったものとのことだが、問題なのは、エジプト国内でイスラエル兵を殺害したエジプト人が「英雄」になるほどに、国民のイスラエル憎悪が激しいことだろう。
この状況でイスラエルがイランを攻めれば、エジプト人は対イスラエル戦争に参戦しないと収まりそうもない。
この他に、イスラエルは、イランの核兵器保有がサウジやUAEを刺激して、アラブ諸国に核兵器の軍拡競争が起こる可能性を危惧しているとか。
رعب في إسرائيل من مصر والسعودية والإمارات ومسؤول إسرائيلي يقول: هناك أمر سيء للغاية
للمزيد: https://t.co/0Yn6jKp3eX pic.twitter.com/XV93bUofVH— RTARABIC (@RTarabic) June 13, 2023
サウジやUAEがロシア・中国陣営に寝返り、さらにエジプト人のイスラエル憎悪感情が判明した今、アラブ諸国の核軍拡競争はイスラエル国家存亡の事態と言え、イランを攻撃する「大義名分」が出来たと言えるかもしれない。
そして、イスラエル vs イランの戦争は、アメリカも確実に引っ張り込まれることになるため、アメリカはロシア・イランという世界有数の軍事大国との二正面戦争を強いられる可能性が出てきた。
こうした中で、ロシアやイランとの関係の深い中国が「米国債大量売り」で参戦し、サウジやUAEが「石油はドル以外の通貨でしか売らない」という逆ペトロダラーを発動すれば・・・アメリカは戦争どころではなくなる。
と言うことで、アメリカ国内の金融不安+直接参戦というアメリカの意図的な覇権放棄策が、原田武夫氏の言う8月ショックに繋がりそうだ。
なお、アメリカや欧州が戦争当事国となる中で、唯一戦争当事国とならないのが日本だ。
このイルミナティカードは・・
・・日本円が(一時的に)事実上の国際決済通貨となり、日本への壮大なキャピタルフライトが起こる可能性を示唆した妄想カードなのかもしれない。
最後まで読んでくれてありがとう!